kkmovoftdさんの映画レビュー・感想・評価

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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

4.3

飛行機の中で時間が有り余っていたため、一番軽そうなやつを、と思って軽い気持ちで見始めたが、無茶苦茶に良い映画だった。マーベルものはあまり好きじゃなくて触れずにいたのですが、昨今の作品はこんなにクオリテ>>続きを読む

響け!情熱のムリダンガム(2018年製作の映画)

3.1

私自身インド古典音楽は好きだし、南のカルナータカ音楽も好きなので、南インドの代表的な太鼓であるムリガンダムをモチーフにした映画、ということで観に行った。
ムリガンダムの演奏は映画の割にしっかりした尺で
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ジュデックス(1963年製作の映画)

3.4

鳥って不思議な生き物ですよね。羽が生えてフサフサしてて、いつもキョロキョロしてかわいいんですけど、パッと見にはどこか内面が伺い知れない不気味さもあって、愛着と畏れのどちらもを同時に抱かせる曖昧な存在。>>続きを読む

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.3

【ネタばれ含みます】

『スリー・ビルボード』が衝撃的だったマーティン・マクドナーによる新作『イニシェリン島の精霊』。前作が凄く良かったので彼のことはフォローしていての今作だが、やはり今回も良い映画だ
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.3

思えば、何か珍しいものを目にすると、反射的にスマホのカメラを起動して構えるようになってしまった。さして見返すこともないのに、容量を気にしながらとりあえずシャッターを切るようになったのはいつからだろう?>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

5.0

『バーフバリ』シリーズで世界を席巻したS.S.ラージャマウリ監督による新作。ムチャクチャにアツい映画だということは聞いていたが、見るタイミングを失したまま2023年を迎え、遅ればせながらようやく見まし>>続きを読む

オンリー・ゴッド(2013年製作の映画)

4.5

デンマーク出身の監督、ニコラス・ウィンディング・レフンによる2014年の作品。前作『ドライブ』が世界的なスマッシュヒットとなり、この期待を受け、前作同様にライアン・ゴズリングを主演に据えての次作。これ>>続きを読む

CURE キュア(1997年製作の映画)

4.2

『蛇の道』や『蜘蛛の瞳』といい、この頃の黒沢清はバキバキに尖ってると思う。論理的具体的に何かがあるわけではないのに、分裂症的なコラージュから喚起される激烈に嫌なイメージ。この嫌悪感すらもが有史以前の太>>続きを読む

チャイルド・プレイ(2019年製作の映画)

2.7

小学四年生くらいの時に笠山君の家で観た初代の「チャイルド・プレイ」はムチャクチャに恐ろしかった。プレゼントされた人形に連続殺人鬼の魂が乗り移ってる、というのも物凄く理不尽に思えたし、やはりチャッキーの>>続きを読む

サイレント・ランニング(1972年製作の映画)

3.5

誰にとっても大事なものはあって、それを守ろうとするのは当然のことだが、果たしてそれが社会の時流に当てはめてみて正しいものと判断されるかどうか、これは全く別のこと。

最早誰も「おきゃん」や「ゲルピン」
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ベラ・ルゴシの 幽霊の館(1941年製作の映画)

2.9

1930〜40年代頃のアメリカの怪奇映画の名優、言わずもがなのベラ・ルゴシの名前を全面に押し出した邦題。原題は"Invisible Ghost"かな。DVDの中古相場がなかなか下がらないので観れなかっ>>続きを読む

ぼくのエリ 200歳の少女(2008年製作の映画)

3.6

誰か一人だけ、最愛のパートナーを選ぶということはどういうことか。人間はポリス的動物として共同体の中で生きる以上、関わる人皆にできるだけ親切にすべきであると私は思う。いや共同体から離れて孤島で暮らすにし>>続きを読む

マイスモールランド(2022年製作の映画)

3.0

日本で入管がなかなか難民を難民として認定しないことだとか、ビザ無し入国者=犯罪者みたいな認識の世論に対して、一人の少女の生きた苦しみを描くことで一石を投じることは非常に意味があることだと思う。
ただそ
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

3.0

ワーナーブラザーズジャパン本社での試写にて鑑賞。
これまで『ダークナイト』『ジョーカー』とリアル・社会派路線での名作が続いてきたバットマン映画の新作。今作はこれまでの社会派路線とは袂を分かって、リアル
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デビル・ストーリー/鮮血!人肉のしたたり(1986年製作の映画)

3.3

かつてビデオバブル真っ盛りの80年代、全国に乱立するレンタルビデオ店の棚には、バイヤーが世界中を駆け巡り、内容は問わずにとりあえず買い付けてきた玉石混交の映画達が見境なく並ぶという、そんな素晴らしい時>>続きを読む

奇跡(1954年製作の映画)

4.2

私も信仰を持ちたかった。一度きりの人生において信仰を持てるということは、他には代用の効かない唯一のものだと思う。しかしながら、信仰は持とうと思って持てるようなものではない。昔MTVでやってたビーバス&>>続きを読む

マトリックス レザレクションズ(2021年製作の映画)

4.2

かつてマトリックス三部作が我々に伝えたものとは、一体何だったのか。あの革新的な後ろに倒れながらの弾丸避けシーンか、時間が止まったようなバレットタイムか、それとも「この世界はヴァーチャルかも」という哲学>>続きを読む

赤い夜(1974年製作の映画)

2.9

間抜けなテンプル騎士団と間抜けな目出し帽軍団とこれまた間抜けな警察による三つ巴のドタバタ劇。しかもドタバタ、にならないくらい呑気なゆったりしたテンションで珍妙なストーリーが展開してゆくので、胃がもたれ>>続きを読む

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

3.6

人の命は本当に等しく尊いものなのか?
007シリーズは、これに「否」を突き付けることで成り立っていた作品だと思う。「殺しのライセンス」に担保されるものは単に法的な超越性などではなく、間違いなく殺す主体
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007 スペクター(2015年製作の映画)

3.4

物心ついた時にやってた007がピアース・ブロスナン期で、その軽薄に人が死んでいく感じが苦手であまり見ていなかったのだけど、このダニエル・クレイグ期の007は、人は相変わらず死にながらも、その死があくま>>続きを読む

007 スカイフォール(2012年製作の映画)

3.4

物心ついた頃から007はずっと身近にあったけどちゃんと観たことがなくて、初007。
これは今まで007を観てきた人にこそグッとくるんじゃないかなぁ。正直今まで007に興味が沸かなかったのも「なんかおじ
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007/カジノ・ロワイヤル(2006年製作の映画)

3.3

振り子式ブラブラキ○タマ直撃拷問はものすごく独創的だった。あれは割りと技術が必要そうだから、マッツ・ミケルセンはあれ普段から練習してたんだろうなぁ。

孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

4.3

最早モンスターパニック映画だと思う。鈴木亮平演じる上林がとにかく素晴らしい。ダークナイトのジョーカーみたいに、親も筋も関係なく触れるもの全てを破壊する純粋なエネルギーみたいなヤクザで、考えたら元ネタの>>続きを読む

キャッシュトラック(2021年製作の映画)

3.3

ガイ・リッチーの初期作品ではお馴染みだったジェイソン・ステイサムを主役に据えて、原題"man of wrath"(憤怒の男)の名の通り何かを秘めた寡黙なステイサムが暗躍する復讐ノワールもの。
背中や逆
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話の話(1979年製作の映画)

4.7

アニメーションの神様と名高いロシアのアニメーション作家、ユーリ・ノルシュテインの代表作。モコモコとしたすごく柔らかいタッチの動物や人間がスルスルと動くさまが大変に美しい。こんなに美しいアニメーションは>>続きを読む

孤狼の血(2018年製作の映画)

3.6

70年代のようなザラついたフィルム感が大変に良い。また全編を覆ううだるような熱気と、そこに生きるあまりお上品でない人々のエネルギーも大変に素晴らしい。これは明確に東映ヤクザ映画へのオマージュだと思う。>>続きを読む

風立ちぬ(2013年製作の映画)

3.6

『風立ちぬ』(2013,日本)

堀辰雄がモチーフなのは何となく知ってたけど、思ったよりも堀辰雄の『風立ちぬ』まんまだったので驚いた。やはりサナトリウム文学特有の、死を身近に置いてこそ得られる静謐な視
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ノーカントリー(2007年製作の映画)

4.7

何度見ても何が言いたいのかよく分からんが、何故か何度も観てしまう不思議な映画。コーエン兄弟の最高傑作だと思う。

この映画でハビエル・バルデムが演じる殺し屋アントン・シガーは思想的なルールを自分に課し
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ゾンビーワールドへようこそ(2015年製作の映画)

2.7

駄作の匂いプンプンなタイトルの割りには、テンポもよく、上手く青春グラフィティ要素やボーイスカウト要素も絡めた秀作ゾンビ映画。酒飲みながらテキトーに観るには最適じゃないでしょうか。
まぁだいたい思ったと
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ランボー(1982年製作の映画)

3.7

なんとなく話には聞いてたけど、この一作目は世間的なランボーのイメージとはかなり違って、ひたすら惨めでかわいそうな話。何となくシリーズの流れとして、素晴らしいけど地味な一作目からシリーズ化でエンタメ大作>>続きを読む

不思議惑星キン・ザ・ザ(1986年製作の映画)

4.7

記憶の中ではもうちょっと面白かった気がしたが、再見してみると割と冗長。そりゃそうだよな、小汚いおじさん達が奇天烈な世界で右往左往してるだけなんだから。しかしやはりもの凄く良い映画だった。観て良かった。>>続きを読む

戦場のメリークリスマス 4K 修復版(1983年製作の映画)

2.0

一度は耳にする有名な作品なんで、名作なのだろうと思って観たら、うーん、珍作!!
ボウイはまたえらい変な映画に出たんですね。感触としては「砂の器」が近かったような気がする。あの丹波哲郎が急に語りだすやつ
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シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

5.0

なぜエヴァというコンテンツが心に残るのか。それはあの時、真空の中で息ができなかった人達の心を、閉塞した世界を、他人との断絶を、作中にうまく映し出していたからだと思う。その描かれた絶望が決して安易な、物>>続きを読む

オール・ユー・ニード・イズ・キル(2014年製作の映画)

3.6

よくできた楽しい映画だと思う。そこに異論はない。でもそんな映画は死ぬほどあるのにどうして、この映画だけ何度も何度も見返したくなるんだろう?

この映画を見ると、昔大好きだったゲームをもう一回やっている
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VIDEOPHOBIA(2019年製作の映画)

3.5

人は皆大なり小なり人には知られたくない部分を持ってはいるが、それをないこととして、ないという建前の上で社会的存在として生活を営んでいる。その知られたくない部分が公にされてしまった時、その人が受けるダメ>>続きを読む

アメリカの兵隊(1970年製作の映画)

3.2

ファスビンダー映画には社会的なものであれ私的なものであれ、人と人の間には力関係がある。本作はファスビンダーがいた劇団アンチテアター名義で制作された、割りと後期の作品。初期のギャングもの「愛は死よりも冷>>続きを読む

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