圧倒的。
他者の感情を肩代わりすることの無残さをこの映画だけは真摯に伝えてくる。
怒りを代弁することの愚かさ。
ラストカットのピンボケすらも尊い。
キャスト一人一人に対して真摯に向き合って作られているように感じる。
ゲートボールのシーン、とても良い。
露悪的に描かれる部分が、主観からくる仮初めの真実だとして。
とはいえ、全体通して伏線回収と考察を同時にこなしていくような脚本の構成が、明らかに煙に巻くことのみにしか機能していないのではないか。
観客>>続きを読む
カメラの位置がいちいち気になってしまう。
人物を撮ろうとするサイズで場所を撮るようなフレーミングが多い。
音の処理がどうにもずっとうまくいっていない。
どう見ても素晴らしい芝居に対して、技術面がチグハ>>続きを読む
この類の映画なのであれば、文句の付け所が無いくらい綺麗な画であってくれ。
全てのカットに何も感じない。勘弁してくれ。
カット割がおかしいのかな、と途中まで思っていたけど多分編集がおかしい。
情報が処理されるのみの尺しか用意されていない。
物語のみを追うならそれで良いのだけど、情感がついてこない。
衣装もあまりよく分か>>続きを読む
物語自体に何の面白みも感じなかったのだけど、何故だか面白く観れた。
全体的に不器用な感じを、大味ながらも地肩の強い撮影が支えている印象。
木村文乃の芝居が全くもって上手くいってなくて、泣きの芝居では泣>>続きを読む
自分が撮りたいテーマの為に、劇中で被害者を作り、被害者を作るために明確な悪役を作り出す。
この映画の中に実社会にある苦しみや悲しみや怒りは本当にあるのだろうか?
別に難解とかそんなんじゃなくて、単純に演出の行き届かない映像の羅列という印象。
2時間超える物語を推進するものが何なのか分からずじまいのまま、ノンペンタラリンと緩い画面が続く。
流石に眠くなる。
何でファーストカット、町の情景なん?
僕の記憶違い?
高校の記憶が殆ど無い(比喩ではなく本当に殆ど無い)し、卒業式なんてしたかどうかも覚えていないので、勿論共感とかからは程遠い。
横顔のカットも、バ>>続きを読む
ずっと若干スベってた。
ハイスピード撮影に関しては驚くほどの失敗を繰り返していた。
これほど効果を見出せないハイスピードも珍しい。
別世界の人間が結構な数死んでいたり、ベーグルに吸い込まれた人が居たり>>続きを読む
ヴィルヘルム・ハマスホイの言葉の中で「古い部屋には、例えそこに誰も居なくとも独特な美しさがあると思っている。あるいは、まさに誰も居ない時にこそそれは美しいのかもしれない」という好きな言葉がある。
過去>>続きを読む
他人に対しての信頼の多寡を座る位置によって提示していた主人公が、最後クルクルと回るダンスで陽の光をぐるり一周浴びるシーンにグッとくる。
主人公が基本的に身勝手なのも最高。
コンプレックスを受け入れてい>>続きを読む
歴史がてんでダメな人間なのでよく分からない事だらけではあるし、言葉も3割くらい分からなかったのだけど、爽快な感動があった。
丁寧なリズムで紡がれるショットたちが次第に気持ち良くなってきて、最後には爽快>>続きを読む
何で観ようと思ったのかも謎ではある。
これと言って感想は無い。
退屈なカットバックが続いて、ドラマでも観ているような気持ちだった。
オチも何だか取ってつけたようなもの。
観終わって、家に帰ってきて、粗末な晩御飯を食べた辺りにジワジワ来た。
ありふれた別れ。
手持ち撮影うますぎ。
佐和子が唐揚げのような物を両手で持ち食べる晩御飯のシーン、黙々と食べる佐和子が両肘をパタパタと開いたり閉じたりする。
全く意味の分からない、そもそも意味なんて無いであろうその所作にドキッとした。
ちょ>>続きを読む
マーティン・マクドナーの映画はいつも困惑して終わる。
面白いとも思わないのだけど、つまらない理由も分からない。
何も分からない。僕には学が無い。悲しい。
演劇観てるみたいだった。
何かを落とすショットがどれも素晴らしかった。
大事なものを運んでいるはずの男が様々なものを落としていく。
それでも落とさなかった地図が如何に重要であるか。