事件の真相に迫っていくサスペンス要素に特化した映画。当時の記者の情熱と信念に熱くなる。取材も徹底的にフィジカルで、今と比べたら困難であったろうが、その分説得力と迫力がある。この手の作品を撮らせたら右に>>続きを読む
何の予備知識も持たずに鑑賞。独特の間の演出に唸らされる。水彩画の様なタッチの背景が懐かしく、キャラクターとの対比が面白い。単純明快な物語だが、表現手法にこだわりがあり楽しめる。原作にも大いに興味が湧い>>続きを読む
重厚感のある演出。豪華配役と一流のスタッフによる確かな仕事。美しい撮影に旧態の映画人達の技術力を感じる。主演の三國連太郎の抑えた演技と相対する山崎努の迫力の演技との対比が見応えある。
とにかく豪華なキャストがこれでもかと登場する。大物俳優から当時の人気女優まで顔見せ出演で花を添えるが、全体的に表層的な描写に留まり物足りない。有事の緊張感も余り無く、出来事を順番に追っているだけで伝わ>>続きを読む
ミシェル・ゴンドリー監督作品にしてはマトモな映画。基本は初々しい青春映画の範疇に収まっている。しかし所々で癖のある演出でらしさを醸し出す。ドリーミーな描写と何をしても何処かお洒落な所はフランス映画なら>>続きを読む
子供と犬。戦争帰りと野球。泣ける要素の全てを詰め込んだ涙搾り取りマシーン映画。オールドアメリカの望郷感マックスで、ファンタジーの様な無菌状態ながら、分かった上で泣きます、犬ネタは抵抗不可能です。
細部まで丁寧に作り込まれた脚本と作画が相当にレベルが高い。展開の早さと情報量の多さに付いていくのが大変だった。独特の世界観と多種多様なテーマが描かれていて興味深い。湯浅監督作品は他の監督とは一線を画す>>続きを読む
如何にアメリカという国が戦争によって成り立っている国であるかが解る。大義があろうが、無かろうが、それが政治的にしろ、経済的にしろ常に消費されるのは取り返しの付かない命と時間だ。それと引き換えに手にした>>続きを読む
地の底から湧き上がってくる様な恐怖との背中合わせに、抵抗し難い人間の滑稽がある。悲劇と喜劇は真逆でもあり、よく似ている。静かな狂気が次第に増幅し、二度と戻れない臨界点に達する時、人は何故かそこはかとな>>続きを読む
ドキュメンタリーの様なリアルな描写で、山間の町の生活を丹念に紡いでいく。人の表情を風景の中に溶け込ませ、流れる物語を絶妙な距離感で傍観する。一瞬一瞬がただ過去に押しやられていく事に、僅かばかりの抵抗を>>続きを読む
公開当時に観た以来、殆ど忘れていたが中々の作品だと思う。人気絶頂期のケビン・コスナーの魅力を120%引き出したイーストウッドの演出が光っている。お決まりの展開なのだが、主人公の逃避行を追う内に自然と感>>続きを読む
全く予想外の展開で目が離せなくなってしまった。リアリティで描かれていた物語が、ホラーになりコメディになり目まぐるしく変化していく様が面白い。かなり恐ろしいし笑えもする。ぶっ飛んだとんでもない作品だ。
膨れ上がる製作費に人気の程が伺える。相変わらずの安定感のある脚本と演出だが、シリーズ全体から見ると、ややシリアス過ぎて堅い印象を受ける。人間ドラマに重きを置き、笑い要素を抑えた作品に若干の物足りなさを>>続きを読む
ドラマをレンタルで一気に見た勢いで鑑賞。映画化でスケールアップ、お金の掛かった大作戦で見応え十分な出来映え。お馴染みの3人の掛け合いも面白いし、ドラマファン向けのサービスも満点。脚本が相変わらず巧い。
身を切る冷たい風が画面から吹き付けてくる。行き場の無い者同士が必死に身を寄せ合う悲哀が、静謐な映像から湧き出ている。歴史的背景も物語を理解するには多少必要だが、それに伴う政治的メッセージを声高に主張す>>続きを読む
前作に続いて小気味良い脚本で面白い。やや込み入った展開で回りくどいが、スケールアップしたと思えばファンには嬉しい作品だろう。キャストが皆味のある芸達者ばかりなので安心して観ていられる。家族の絆というテ>>続きを読む
中々の豪華なキャストが揃った作品だ。終始現実離れした妙な展開が浮つくが、タランティーノ風のクライムアクション+ブラックコメディとして捉えれば悪い出来では無い。コリン・ファレルの眉毛芸も堪能出来るし、サ>>続きを読む
テンポの良い脚本で、登場人物達を生き生きと描いている。百戦錬磨の演技巧者の間合いの巧さを堪能出来る。古美術の知られざる世界の描写が興味深く、エンターテイメントとして飽きさせずに楽しませながら勉強にもな>>続きを読む
リアリティという点で特筆すべき作品ではある。言葉に出せない感情とか、答えの無い問いとか、映像や役者の演技で伝え得るギリギリの表現にチャレンジしていたし評価も出来る。しかし敢えて厳しい言い方をすれば、映>>続きを読む
冒頭から15分位までは、総集編を見せられている様で全く入り込めなかった。吉沢亮演じる受けのキャラクターが出てきてからは、割に整理された観やすい脚本になっていった。チョイ役で色んな人が出演していたのが印>>続きを読む
非常に見応えのある作品だった。新聞社の内幕物としてディティールがしっかりと描かれていて、脚本の出来栄えも素晴らしい。スピルバーグの演出も適度に抑制された安定感のある流れを見せ、盛り上げる所の迫力や緊迫>>続きを読む
期待以上に良い作品だった。ロンドンの街並みがとにかく美しく、品格がある。古き良きをリスペクトする国柄なのだろうか、最新と伝統が共存する暮らしのスタイルが際立っていた。わりと限られた人数の小さな物語なの>>続きを読む
美しい建築は見ているだけで、色々な記憶を刺激して勝手な景色を発起してしまう。そのせいか物語を追うのが物憂くなってしまい、内容が上手く入ってこない。会話を丁寧に撮っていたが、やや退屈を感じてしまった。隠>>続きを読む
優しい目で鑑賞しても、相容れない隔たりに疲れを伴ってしまう。余りに稚拙ではないか。どんな意図を持って作られた作品であるにしてもだ。キャラクターの性格や表情は現代的な要素なのだろう。それが悪いのでは無く>>続きを読む
手書きの絵本の様な質感と不思議な世界観は楽しめるのだが、ストーリーに広がりがなく何処へも行かない。人魚とのラブストーリーも説得力に欠ける描写に終始する。パリの街並みがとてつもなく美しい。
のんびりとした無添加なユーモアが独特だ。田舎町の雰囲気が心地良く、美味しそうな料理とトニャカイに癒やされる。
なかなか不思議な世界観。いまいち集中して観る事が出来ず、ジェレミー・アイアンズの押し引きの巧さを堪能するに留まる。グレン・クローズはいつだってリミット無しの全開の演技で尊敬に値する。引く程豪華な屋敷。
西川監督のジャーナリスト的な視点からの問題提起と、表現者としての文体とが、極めて高いレベルで作品として結実している。社会からはみ出た人間とは特別な存在では無く、当たり前に生きる事の困難は至る所にある。>>続きを読む
辛辣な物語だ。不幸の連鎖の直中にある人間の姿に、不格好にもがくその姿に、映画を越えた力を感じる。身体の全てで表現された怒りや悲しさは、言葉で無く空気の様に伝わってくる。カメラを通して震えている人間の振>>続きを読む
自主制作映画の様な手作り感が懐かしい。それぞれの小さな物語が同時間軸で並行して進み交錯する様は面白い。閉塞感で終わらない、突き抜けた馬鹿馬鹿しさでつい笑ってしまえる様な話で少し考えさせもする。3人の監>>続きを読む
撮影がまず素晴らしい。鮮やかな光と流れるカメラワーク。ショットの切り取りにいちいちセンスがあって唸る。音楽の使い方も上手いし、少年達の距離感の描写も細かく演出も丁寧だ。誰しも不安と不満の中で生きている>>続きを読む
煽り運転どころの騒ぎではない。完全にホラーです。ヒグマ化したラッセル・クロウのサイコ具合がトラウマ体験になります。道すがらの関係の無い人々のとばっちりが半端無い。運転中のイライラには注意しようという自>>続きを読む
久方振りの鑑賞。何度観ても新鮮な気持ちで物語に引き込まれる。個性的なキャラクターが不思議な人生を彩り、虚実よりも大切な物を教えてくれる。キャストが素晴らしく、撮影も音楽もそれぞれに見事な仕事。ティム・>>続きを読む
タイプの全く違う2人の男性の間で揺れる女性という定石の設定。各キャラクターのバックボーンと性格に新しさがある。基本的には毒にならないコメディだが、人生に於ける辛辣な部分も隠さず表現している所は好印象。>>続きを読む
レイモンド・チャンドラーのハードボイルド小説の世界観と、タランティーノ映画のブラックコメディを良い塩梅でミックスした様な作品だ。主演のラッセル・クロウとライアン・ゴズリングの演技巧者同士の会話の応酬が>>続きを読む
童心に帰れる映画の代表。80年代に育った世代としては懐かしさと共に、幸せな時代の空気ごと運んで来てくれる時限装置でもある。肩の力を抜いた格好良さの権化の様なビル・マーレイ。何が起きてもワクワクする様な>>続きを読む