ころっぷさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

3.5

原作とは違うのに、どことなく村上春樹の文体を感じる。これが優れた脚色というやつなのかと思う。主人公の垢抜けない雰囲気と、金持ちのベンとの対比が印象的だった。何か起きそうで起きない、と思っていたら起きた>>続きを読む

チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)

4.5

何度観ても涙を止められない作品。この映画は痛烈に我々に問い掛けている。愛する事の意味。正義の価値。世間の不寛容。あなたはどうか?という問い掛け。何より3人の演技が素晴らしい。大切な時間を慈しむ様な表情>>続きを読む

おいしい生活(2000年製作の映画)

2.5

いつものペーソスは鳴りを潜め、荒唐無稽でベタなギャグ満載のらしくない作り。何かあって片手間に脚本を書いたかの様。肩の力を抜いた軽妙さと言えば聞こえも良いが、これは少し下らな過ぎる。本人の自己評価は知ら>>続きを読む

ひとよ(2019年製作の映画)

3.0

家族それぞれが苦しみを抱え生きている姿がリアルで胸に迫る。こういう話は決して絵空事では無く、現実にも街の片隅にある事なのだろう。事件は風化していっても、関わった人たちの心の傷は癒える事が無い。無理に分>>続きを読む

ゴーストワールド(2001年製作の映画)

3.5

およそ映画の主人公としては似付かわしくない程に無表情なキャラクター。そこが何ともリアルで面白かった。淡々とした展開の中にも、微妙な感情の起伏があって、それが着ている服なんかに出ている所がまたいい。キャ>>続きを読む

ざわざわ下北沢(2000年製作の映画)

3.0

20年以上前に下北沢に住んでいた事があるので懐かしかった。今では面影の無い駅周辺の雰囲気がフィルムに残されているのが嬉しい気持ちになる。様々な登場人物の物語が断片的に紡がれるが、雑然とした雰囲気は下北>>続きを読む

鴨川ホルモー(2009年製作の映画)

3.0

原作小説を読んだので鑑賞。映画はまた無理のない程度の改変で上手く纏めた感じになっていた。山田孝之の怪演が面白かった。京都の街並を実際に映像で見る楽しみも大きかった。オニのCG描写も悪く無い。及第点の出>>続きを読む

少年は残酷な弓を射る(2011年製作の映画)

3.5

冒頭から時系列が入り乱れ、この特質した家族の物語に否応なく強烈に引き込まれていく。映像の不穏さ、不可解な描写が、終始観る者に不安を与え続ける。何故?という問いを抱えたまま、留まる事無く地獄に落ちていく>>続きを読む

ブラックホーク・ダウン(2001年製作の映画)

3.5

徹底的にリアルに戦場を再現する事で、戦争の意味をそれぞれに考えさせる作品。その余りに苛烈な臨場感に終始身体が強張りっぱなしだった。豪華なキャストがヒーローでは無く、そこで必死に生きる人間として描かれて>>続きを読む

地球は女で回ってる(1997年製作の映画)

3.0

お馴染み通常運行の自虐ネタ。まぁ、今観るとその後のウディ・アレンの叩かれ方を予見する様な内容だが、これがまた可笑しくて笑ってしまう。この人の頭の中は皮肉しか詰まっていない様だ。豪華なキャストが本当に各>>続きを読む

SOMEWHERE(2010年製作の映画)

3.0

淡々とした時間の流れがリアルな作品。スター俳優の憂鬱は感情移入し難い所。エル・ファニングの透明感が映画に華やかさを添えている。映像は美しく、何気ない風景ショットが印象的だった。

鏡の中の女(1975年製作の映画)

3.5

リブ・ウルマンの演技は本当に鬼気迫る。愛と死、そして実存を扱った難しい作品だが、映像に説得力があり退屈を感じさせなかった。夢のシーンはホラーの様な恐怖。次第に心が囚われていく描写が恐ろしい。ベルイマン>>続きを読む

灼熱の魂(2010年製作の映画)

3.5

余りに衝撃的な内容で、暫し言葉を失う。戦争や民族紛争、宗教紛争が生み出した悲劇。それは今の世界にも通じる人間の業であると改めて考えさせられる。今も尚紛争が絶えない事に、本当に心を痛める。

Vision(2017年製作の映画)

3.0

美しい森の映像が印象的だった。物語は神秘的かつ観念的なものですが、人間の幸せの本質と、命の尊さを感じさせるものでした。ジュリエット・ビノシュの透明感のある佇まいが、河瀬監督の世界観とマッチしていたよう>>続きを読む

テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)

3.5

状況が逼迫するにつれ、自由に解き放たれていく2人の姿が清々しい。広大なアメリカの風景に目を奪われ、力強い女性の姿に圧倒される。色々と時代を感じされる描写が逆に今観ると新鮮。若かりし頃のブラッド・ピット>>続きを読む

シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

4.0

異形の者との愛。人智を越えた存在。圧倒的な映像で語られる空想と現実を浮遊する様な物語。言葉では無く、互いの欠けたものを補う事で繋がる愛。ダークな世界観の中で、信じられない程純粋な想いを描いている。

メイド・イン・ホンコン/香港製造 デジタル・リマスター版(1997年製作の映画)

3.5

20年振りに鑑賞。あの時代の空気がそのまま閉じ込められている。映画はそういう意味でもとても価値のあるものだと改めて感じる。粗削りに感情のままに、スタッフ・キャストの情熱がギラギラしていて、観る者を熱く>>続きを読む

イカとクジラ(2005年製作の映画)

3.5

冒頭のテニスのシーンからして既に不穏。皆それぞれが自分の非を認めずに相手ばかり責めていく。家族の脆さと、それでもどこか愛さずにはいられない様子が心苦しくもなる。長男のウォルトがセラピーで母親との良い思>>続きを読む

転々(2007年製作の映画)

3.0

小ネタ満載の三木監督の世界観。徒歩のロードムービーがのんびりしていて良い雰囲気。ラストで何かドンデン返しあるかと思っていたが意外。オダギリジョーと三浦友和の並びがまた良い。

近頃なぜかチャールストン(1981年製作の映画)

3.0

いぶし銀の演技巧者が集まったアンサンブルは格別。刑事役の財津一郎と文部大臣の殿山泰司の存在感は更に別格。この作品の脚本を岡本喜八に持ち込んで主演までした利重剛は当時まだ20歳前だと言うから天才としか言>>続きを読む

(1997年製作の映画)

3.5

3部作の中では一番好きな作品。通底する都会の孤独が、家族の中にも吹き荒れている。長回しと絶妙な構図が3作目にして既に名人芸の様に極められている。衝撃的な内容が盛り沢山だが、微かな絆や希望を感じたりもす>>続きを読む

アンダー・ザ・シルバーレイク(2018年製作の映画)

2.5

終始思わせぶりなハードボイルド風な雰囲気を醸し出すが、展開が意味不明。やりたい事が迷走している様で気持ちが付いていけず。クラシックハリウッドへの傾倒的なオマージュやチャンドラー風のテイストは嫌いではな>>続きを読む

グリーンバーグ/ベン・スティラー 人生は最悪だ!(2010年製作の映画)

3.0

出会いが人生を変える普遍的な物語なのだが、使われているモチーフがやや風変りで新しさがある。基本的に主要登場人物が皆優しく、辛辣になりそうなシュチュエーションもライトに流す事が出来る。主人公の人生の斜陽>>続きを読む

愛情萬歳(1994年製作の映画)

3.5

とても奇妙な三角関係だ。都会の片隅のマンションの一室を勝手気ままにシェアする若者。その場限りの切なさと、先行きの見えない不安が彼等の表情に微妙な影を落としている。青い街の色、蛍光灯のチラつき、夜の騒音>>続きを読む

何者(2016年製作の映画)

3.0

原作小説を読んだばかりなので、案外忠実に再現している様に感じられた。キャストもイメージにハマる感じで、それぞれに個性を出していた。終盤のツイートの羅列の山場を、舞台で演じている様な演出にしたのは良かっ>>続きを読む

青春神話(1992年製作の映画)

3.0

やはり独特の雰囲気がある。雨と浸水。ツァイ・ミンリャン監督の耽美で毒気のある世界観がデビュー作品にして既に濃厚。風景の切り取り方や静かな中にある緊張感が病みつきになる。

フジコ・ヘミングの時間(2018年製作の映画)

3.5

孤高のピアニストの人間性に迫る秀作。何よりラ・カンパネラの演奏には鳥肌が立つ。悲しみと苦悩を背負って生きる彼女の存在感は言葉に出来ない。

スノーホワイト 氷の王国(2016年製作の映画)

2.5

豪華なキャストとアクションシーンは中々見応えがあったが、物語はありきたりで、展開に工夫も感じられなかった。残念。

アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

3.0

徹底してグラウンドを描写せず、会話のみで想像させる演出が面白い。若い俳優達もリアルな存在感を役柄に与えていた。話自体は他愛のない物だが、爽やかな後味が残る秀作だと思う。

PORNOSTAR ポルノスター(1998年製作の映画)

2.0

久し振りに最後まで観るのが辛く感じてしまった。強引な必然性の皆無な脚本が一番の難。役者の演技も監督の演出も稚拙と言わざるを得ない出来栄え。音楽も工夫して欲しかった。流石に同じ曲を推し過ぎ。唯一印象に残>>続きを読む

高崎グラフィティ。(2018年製作の映画)

3.0

高崎出身なのでタイトルにつられて鑑賞。知っている景色が出る度に懐かしい。脚本もよく練られていたし、若いキャスト達の演技も爽やかでしっかりと空気感が表現されていて良かった。若い世代は感情移入出来る作品だ>>続きを読む

肉弾(1968年製作の映画)

4.0

強烈なパッションと痛烈な皮肉に満ちた作品。灰汁の強い時代を感じる演出だが、ユーモラスな描写の中に批判精神が滲み出ていて力強かった。岡本喜八監督の作品は多分初めてなので、今後も観たいと思った。

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

3.5

余計な説明をしない、時間の流れを重視したスタイルで観客を当事者の視線に置く。淡い記憶に紛れる危うさ、その喪失感が胸に迫る。過去を振り返る時の、それに二度と触れる事の出来ない切なさが静かに行間を埋めてい>>続きを読む

SHAME シェイム(2011年製作の映画)

2.5

無機質でクールな映像と、肉感的なテーマの対比が印象的。色々と想像させる表現に終始するが、今一つ物語にも登場人物達にも引き込まれず。

アジアの天使(2021年製作の映画)

3.0

異なる言語、文化、価値観を持った人物達が次第に心を通じていくプロットは巧く表現されていた。展開はややリアリティに欠けるものの、俳優達の好演もあって良い雰囲気だった。天使の描写は正直いらなかった気はする>>続きを読む

リトル★ニッキー(2000年製作の映画)

2.5

チープでめちゃくちゃながら、頭を使わずに楽しめる。無駄に豪華なキャスト。余りに下らないけど、本気でフザケられると笑ってしまうものだ。