ころっぷさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

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タクシードライバー(1976年製作の映画)

4.0

今なお色褪せない衝撃作。浮遊感のあるカメラワークとジャズの響きが印象的だ。ロバート・デ・ニーロの役への没入感も凄まじいが、若きジョディ・フォスターの存在感も凄い。やっぱり歴史に残る傑作だと再確認した。

アキラ AKIRA(1988年製作の映画)

4.0

何時観ても圧倒的。余りに時代を先駆けている。全く古びれない先進性と高い表現力、物語の普遍性と深いテーマ。キャラクターはユーモラスで実に生き生きと描写されている。個性的な音楽。上げたらキリが無い魅力にク>>続きを読む

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

3.0

眼前に臓物全て晒された様な嫌悪感。強烈な皮肉とトラウマ級の閉塞感。これぞ最終兵器と呼べる様な悪夢的な作品だった。見ていて胃がキリキリする様な展開の数々。全てが暗喩であり、また寓話的な悲喜劇でもある。久>>続きを読む

スローターハウス5(1972年製作の映画)

3.5

原作小説とはまた違った魅力を持った作品。映像でしか表現出来ない部分の想像性に富んでいる。複雑かつ難解なテーマをコミカルに描いた脚本と、壮大な規模の撮影に驚く。またヴォネガットの小説を読み直してみたいと>>続きを読む

さかなのこ(2022年製作の映画)

3.0

平和で不思議な雰囲気が癖になってくる作品。前年代のテレビドラマの様な懐かしさを感じた。若い俳優達が皆演技に長けていて感心する。これはのんでなければ成立しない映画だとも思った。

ゼイリブ(1988年製作の映画)

2.5

今観るとかなり大味で何でなん?という作品だったけど、子供の頃に観たトラウマ体験を思い出した。やっぱりこういった作品は映画の多様性の一つとして貴重だし、ジョン・カーペンター監督のイマジネーションは当時本>>続きを読む

人生はビギナーズ(2010年製作の映画)

4.0

何を以てして人生は成功だと言えるのだろうか。この親子の物語は行間から観る者にふと問い掛ける。マイク・ミルズ監督の世界を観る目が新鮮で面白い。ユアン・マクレガーはキャリア史上最高にイケメンに見えた。幾重>>続きを読む

ディア・ファミリー ~あなたを忘れない~(2018年製作の映画)

3.5

実にリアルで身につまされる物語。誰にも起きうる話だし、自分だったらどうするかと考えずには居られない作品だ。演技巧者のアンサンブルが絶妙だし、さり気無くキメ細かい演出に唸る。良く出来た人生の縮図だ。

アロハ(2015年製作の映画)

3.0

豪華キャストが実に楽しそうに役を演じていて、舞台がハワイだし、脚本が大味過ぎて逆に笑えた。ここまで荒唐無稽でバカバカしいと大したものだと感心してしまった。良く出来たコメディと言えばそうなのかも知れない>>続きを読む

ONCE ダブリンの街角で(2007年製作の映画)

3.5

まるでスマフォで撮影したかの様なラフなカットの数々。街角のささやかな物語に臨場感を与えている。何よりも劇中の楽曲が素晴らしいので、素直に感動してしまう。さり気ない終幕も作品のカラーにあっていて余韻に浸>>続きを読む

くまのアーネストおじさんとセレスティーヌ(2012年製作の映画)

3.5

人間社会のメタファーとして色々と考えされる作品。高畑監督の作品の様な淡い色彩と余白を取った作画が圧倒的に美しい。子供から大人まで楽しめる素晴らしいエンターテイメント映画だ。

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.5

これまでの宮崎監督の作品の要素が散りばめられた集大成的な映画になっている。時代と共に変化してきた日本人の倫理観と、変わらない普遍的な価値観をファンタジーの手法で落とし込む見事な作品だった。作画と動画の>>続きを読む

トゥモロー・ワールド(2006年製作の映画)

3.0

迫力の戦闘シーン、そのワンカット撮影の緊迫感は映画史に残るものだった。絶望的な近未来の物語。本当に気持ちが暗くなる様な話だが、重厚な作りで飽きさせない。

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

3.0

時系列を遡り、もう帰ってこない日々を思い出す。切ない物語を静かに、ただリアルに見せていく。ジャームッシュの映画やクリープハイプの楽曲のエッセンスが随所に活きていて自然な演技に引き込まれていく。何気ない>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.5

目新しい設定とテンポの良い展開に、普遍的な家族愛というテーマを落とし込んだ脚本が見事な出来映え。映像の面白さと、下らないギャグも飽きさないし、人気作品になった訳が分かる。アカデミー作品賞を受賞したのは>>続きを読む

裁かれるは善人のみ(2014年製作の映画)

3.5

救いの無い物語が、荒涼とした風景の中に横たわる。言葉が見つからない余韻。政治も法律も宗教も腐りきってしまっては、何を拠り所にしていいのだろうか。ペンの強さで剣を挫くには、余りにロシアの現状は危いのでは>>続きを読む

ロゼッタ(1999年製作の映画)

4.0

U-NEXTにダルデンヌ兄弟の作品が充実していたので、一気に集中して鑑賞出来た。本当に壮絶な物語。常に眉間に皺を寄せ、上目遣いで生きていなければならないロゼッタの姿が痛切だ。対象に肉薄したカメラワーク>>続きを読む

フレンチアルプスで起きたこと(2014年製作の映画)

4.0

無機質な高級リゾート施設と大自然との対比が秀逸。人工物の立てる音がそのまま「家族」の不協和音の様。徹底したシニカルな笑に終始するが、気が付くと背筋の凍る様な恐怖も感じている。本当に油断ならない監督だ。>>続きを読む

午後8時の訪問者(2016年製作の映画)

3.5

劇中の時間の流れ方が異常にリアルに感じる。観ている内にその場にいるかの様な気持ちになってしまう。映画を体験させるダルデンヌ兄弟の真骨頂。複雑な社会背景を匂わせつつ、あくまでも個を描いたドラマ作品になっ>>続きを読む

her/世界でひとつの彼女(2013年製作の映画)

3.0

もはや絵空事ではない話だが、美しい映像とスタイリッシュなデザインがスパイク・ジョーンズらいい。豪華出演者達も皆素晴らしい演技を見せている。

イゴールの約束(1996年製作の映画)

4.0

少年の揺れ動く心の有り様が、切実に描かれていて胸に迫る。状況が刻一刻と変化していく緊迫感も引き込まれてしまう。何を感じるかは観客に委ね、ただリアルに正面から描写されたシーンの一つ一つが際立っていた。素>>続きを読む

SUKITA 刻まれたアーティストたちの一瞬(2018年製作の映画)

3.0

同じ日本人として、これだけ世界に認められたアーティストがいるという事は嬉しい気持ちになる。常に新しい事にチャレンジし、学び続ける姿勢が素晴らしく尊敬出来る。後世のクリエイター達に多大な影響を与えた真の>>続きを読む

風の歌を聴け(1981年製作の映画)

2.5

粗い粒子のフィルムが懐かしい。シュールでユーモラスな世界観だが、文学的なのか、芸術的なのか、はたまた当時の空気感なのか分からないが、時代の変化を感じた。今の映画の渇いたリアリティと比べると、幾分か夢の>>続きを読む

わたしは光をにぎっている(2019年製作の映画)

2.5

消え行く街並みを情感たっぷりに撮影した風景カットが印象に残った。台詞や展開に目新しい物は無かったが、シンプルな小品としては十分評価出来る。

草の響き(2021年製作の映画)

3.0

風景に登場人物の感情を溶け込ませる演出と撮影に見入った。主演の東出昌大の演技も素晴らしかった。生活の空気感、どこか行き止まりの様な閉塞感、そこから必死に進もうとする推進力が画面から伝わってくる。斎藤監>>続きを読む

耳をすませば(1995年製作の映画)

4.0

全ての観客に感情移入する対象が用意されていて、まんまと心を持っていかれてしまう。人生に寄り添ってくれる映画とはこの作品にこそ相応しい称号だと思う。作画、動画、音楽、脚本、演出、演技の全てが素晴らしく愛>>続きを読む

ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ(2018年製作の映画)

2.5

前作の臨場感溢れるアクションシーンと登場人物それぞれのリアルな葛藤はなりを潜め、単純なクライムサスペンスに終始した感がある。演者は好演していたし、撮影も素晴らしかったのだが、前作の出来が余りに良かった>>続きを読む

ボーダーライン(2015年製作の映画)

3.5

圧倒的な臨場感で、自分も作戦に参加している様な気持ちで鑑賞していた。主人公の葛藤がリアルでそれぞれの登場人物の想いも伝わってくる丁寧な演出だった。役者陣の演技のレベルが非常に高くて自然と引き込まれた。>>続きを読む

Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

3.0

ストーリーはともかく、アクションに特化した振り切り方は潔い。感情移入の為所は無いが、頭を使わずに楽しむ事が出来る作品だ。

惑星ソラリス(1972年製作の映画)

4.0

長尺の作品ながら強烈に惹き付けられた。メタファーに満ちた描写の数々が美しく、また恐ろしい。観る者の感性に委ねられた考えるよりも感じるタイプの作品。あらゆるジャンルのエンターテイメントに影響を与えた紛れ>>続きを読む

ブルーバレンタイン(2010年製作の映画)

3.5

兎に角切ない。愛の始まりと終わりを時間軸をオーバーラップさせて描く脚本が見事。主演の2人の存在感たっぷりの演技も素晴らしく、記憶に残る作品になった。

シコふんじゃった。(1991年製作の映画)

3.5

若い俳優達のエネルギッシュな演技が躍動している。笑い所と真剣な部分とのバランスも良い。日本映画界のエンターテイメント作品の金字塔。伊丹十三監督からの系譜を感じる。

スウィング・キッズ(2018年製作の映画)

3.0

躍動感溢れるダンスシーンに胸が熱くなる。歴史的背景への知識が無いので、この物語のリアリティの程度は分からないが、過剰な演出を含めて映画として成功していると思う。俳優達のダンスに掛ける練習量を考えると並>>続きを読む

茜色に焼かれる(2021年製作の映画)

3.0

世界の片隅の不幸を臆することなく真正面で描き切る熱量。主演の尾野真千子の全身全霊の演技が凄まじい。答えの無い問いを、観客にぶつける事が作家である事を思い出した。石井監督にはもっともっと独自の世界に突き>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

3.5

トム・クルーズの俳優としての集大成の様な作品だ。生身のアクションと本物の映像にこだわり抜いた極上の説得力。痒い所に手が届く脚本がまた秀逸。

Ryuichi Sakamoto: CODA(2017年製作の映画)

3.5

静謐な、音楽家の奏でる旋律の様な映像。自然の音との共鳴、社会問題への発言、映画音楽への拘り。坂本龍一がその死まで貫いた音楽家としての生き様を垣間見れる貴重な作品だ。少年の様な表情でフィールドレコーディ>>続きを読む