Monisanさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

Monisan

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影武者(1980年製作の映画)

4.1

観た。

意外に静かな始まり。この3人のやりとりの絵は観た事がある、有名なシーン。長いワンカットのやりとり、芸術的な画面内のレイアウト、一枚の絵画のよう。

圧倒されたのは兵や馬の迫力。
あれだけの兵
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椿三十郎(1962年製作の映画)

4.3

観た。

三船敏郎、堪らないな。
冒頭の9人の話を盗み聞きして、奥の暗い部屋から出てきた時の存在感よ。渋過ぎる。
話の内容から状況を冷静に分析して、まさに岡目八目。集まった侍達を剣を抜かずに追い払う無
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Valimo(2007年製作の映画)

3.6

観た。

この短編が観られるU-NEXTすごいシリーズだな。
カウリスマキは工場とそこで無表情で働く人を描くのが本当に上手。
そして、ほぼそれだけの短編。どういう意図で作られたものなのか。

工場での
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用心棒(1961年製作の映画)

4.4

観た。

面白い!娯楽作品としてとても面白いのに、映画芸術としてのクオリティも高く上質で、流石としか言えない。

三船敏郎は歩いてる姿も格好良いし、表情の作り方、声と喋り方、全てが主役感。華があるスタ
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ファンタスティック Mr.FOX(2009年製作の映画)

3.7

観た。

ストップモーションで全編作られた作品。アートディレクションのセンスと豪華な声優陣で、この手のアニメーションがなりがちな、ぼんやりとした暗さみたいなものはなく、圧倒的なメジャー感。

まぁセン
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ロッキーVI(1986年製作の映画)

3.5

観た。

アキ・カウリマスキのタイトル通り、ボクシング短編映画。
こんなマニアックな映画が配信されているU-NEXTに感謝。素晴らしい。

マッティ・ペロンパーなど常連達が出てくるというか。レニングラ
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イン・ザ・スープ(1992年製作の映画)

3.6

観た。

インディーズムービー感が全面的に漂っている。U-NEXTで配信されているんだけど、字幕が読みづらくて少ししんどかった。

スティーヴ・ブシェミは個人的には主演とうより脇役、そしていじられる役
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ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

3.8

観た。

職を探しに移動中の女ウェンディ、長時間放置してしまったせいで行方不明になってしまった犬ルーシー。
基本これだけでよく映画の題材に出来たな。またそれに見入ってしまう。

絵が本当に自然で起こっ
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Saltburn(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

観た。

冒頭、オープニングタイトルまでの編集、心地良くて格好良くて好き。

この監督はキャラクターを作るのが上手。オリヴァーは見た目もあるんだけど、全然何を考えてるか分からないし、最初の野暮ったさと
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

観た。

ずっと感情移入して応援してきたこの映画の主人公キャシー、彼女が野っ原で焼かれてしまうシーンは衝撃的だった。
身を挺してそこまでせずとも、クズ男達やその周辺に仕返しは出来たんじゃないか。もしく
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東京ゴッドファーザーズ(2003年製作の映画)

4.3

昔観た気がする。

話の密度が濃ゆい。90分とは思えないくらいみっちりとエピソード達が詰まっていて、泣けると思った次すぐ笑えて、驚いてと。感情が忙しく揺さぶられて、楽しい。

もちろん、出来すぎな展開
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シライサン(2020年製作の映画)

3.5

観た。

なかなか良かった。気を衒わず、一つの設定をシンプルに全うしていて。

伝播系な怖さはリングからの着想なんだろうけど、目を見るとか、薄めるとか、承認欲求とかSNSとも絡めていたり面白い。
記憶
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枯れ葉(2023年製作の映画)

3.8

観た。

2023年にカウリスマキの新作を映画館で観られる、単純にそれだけで幸せ。

ラジオでは、ウクライナとロシアの戦況を特にウクライナ側の被害をニュースが伝えている。
引退を撤回しての映画制作に至
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長屋紳士録(1947年製作の映画)

4.1

観た。

1947年製作か。
終戦から2年でこんなほっこりとした暖かいドラマが作られたんだというのが驚き。

また当時の茅ヶ崎の風景が観られたのも感慨深い。草がぽやぽや生えてる砂浜の雰囲気とか、防砂の
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テリファー(2016年製作の映画)

2.9

観た。

ただ残忍なピエロがグロく殺戮する映画。ストーリーは皆無だな。

なんだろう、往年のスプラッターホラーへのオマージュもあるかもしれないけど流石に2010年代の映画としてはつまらないよ。

唯一
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ムーンライズ・キングダム(2012年製作の映画)

3.9

観た。

12歳の問題児同士の愛の逃避行、というシンプルなストーリーがベースにあるおかげで、ウェス・アンダーソンの世界にしっかり浸れる。
今のお話が複雑に絡まり合うウェス・アンダーソンの映画より好きか
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リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

3.7

観た。

この監督は独特なフィルムを作る方だな。OLD JOYもそうだったけど、カットごとの余白が面白い。
会話のやり取りは終わっててもまだカットかからず、回っている所を使っているというか。逆にカメラ
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ひとくず 新ディレクターズカット(2019年製作の映画)

3.5

観た。

最後の15分くらいでようやく観て良かったと思えた。

役者さんは低予算のわりには、クズっぽいキャスティングになっているし。マサオも徐々に悪く無いと思える。

ただ撮影が下手過ぎて…。切り返し
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暗殺の森(1970年製作の映画)

3.8

観た。

映像が美し過ぎる。本当に絵画みたい。
構図も、光も影も素晴らしいし、出てくる人たちも綺麗。

電車と車の並走するシーン、ダンスホールのシーンが特に印象的だった。

お話は、1人の男がファシス
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お早よう(1959年製作の映画)

4.2

観た。

面白いなぁ。
自分も、もうだいぶ大人になったけれど、やっぱりオナラは笑ってしまう。これは今も昔も普遍的なネタなのかな。

子ども達のオナラ遊びは微笑ましいけど、ご主人がオナラをすると、妻があ
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天使のたまご(1985年製作の映画)

3.7

観た。

天野喜孝の原案を押井守が監督して映像化したもの。
正直、意味は全然分からないし、台詞も意味をなしているようにも聞こえない。

でも、この退廃的な世界観のアニメーション映像を1時間強もの間、観
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キートンの大列車追跡/キートン将軍/キートンの大列車強盗(1926年製作の映画)

3.8

観た。

大スペクタクル映画だな。
ネタは終始散りばめられてるんだけど、それよりも機関車の追いかけっこや、機関車の奥に移動する大軍とか。スケールの大きさに驚く。

ネタはありすぎるけど、キートンと機関
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荒野の七人(1960年製作の映画)

3.8

観た。

七人の侍から続けて観るの面白かったなぁ。こちらは尺は全然短いし、全体的に大味ではあった。

でも設定は大きく違う所たくさんあるんだけど、むしろディテールが忠実な所があり、そこに驚いた。
菊千
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七人の侍(1954年製作の映画)

4.6

やっと観れた。

冒頭でこのお話の目的を長老が明示してくれる。なので3時間半近い長尺に対して、すんなりと向き合える感じがある。
RRRとかもそうだったな。

勘違いしていたのは、三船敏郎が無双するもの
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.6

観た。

アートディレクションは本当にセンスが良くて観ていてとてもワクワクする。唯一無二とはこの事だな、と。

でもお話はどうしてもすっきりと理解が出来ない。この人の頭の中はどうなっているのか、凡人に
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愛する(1997年製作の映画)

3.3

観た。

遠藤周作、「わたしが・棄てた・女」が原作。小説が発表されたのは1963年。

正直この映画では、脚本や演出と舞台設定(制作当時の90年代後半)がうまく融合できていないと感じた。
特に前半、酒
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男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎(1983年製作の映画)

4.0

観た。

寅さんの映画は数本しか観たこと無いのに、なんでこんなにしっくりくるんだろう。日本人としてDNAに刻まれてるんじゃないか、っていうくらい穏やかな気分になる。

ヒロインは岡山のお寺の娘、竹下景
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海と毒薬(1986年製作の映画)

4.1

観た。

終始息が詰まりそうだった。
人間の良心とはどこにあるのか。
終戦間際の米軍捕虜の生体解剖実験を元に作られた、遠藤周作の原作。

手術のシーンは直視出来なかったけど、医師達の汗や息遣い、言葉で
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担え銃/チャップリンの兵隊さん(1918年製作の映画)

3.7

観た。

サイレント時代の喜劇役者はシチュエーションがあればその分だけ、作品を作れたんだろうな。

舞台は所謂"西部戦線"
しかもこの映画が制作されのは1918年だから真っ只中か。

塹壕の中でのコン
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N号棟(2021年製作の映画)

3.0

観た。

タナトフォビアか。
その傾向にある人間にとっては聞くだけできつい台詞がある。

けど映画としては色々と残念…
まず廃団地なのに、住民がいるという事を主人公達があっさり受け入れ過ぎで。その後の
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オカルト(2008年製作の映画)

3.7

観た。

白石晃士監督の今の作風の原点という事か。この監督は、ほんと怪しげな一般人風な人をモキュメンタリーに仕立てるのが上手。

お話の展開は怖スギと同じ。荒唐無稽だけど演者の胡散臭さで妙にリアリティ
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ファッティとキートンのおかしな肉屋/デブ君の女装(1917年製作の映画)

3.5

観た。

ロスコー・アーバックルという喜劇俳優・監督、初めて知った。

バスター・キートンの映画初出演作でもあるのか。以後、キートンは彼に師事する事になると。

パイ投げをハリウッドで最初に取り入れた
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正しいバスの見分けかた(2015年製作の映画)

3.7

観た。

なんだかとても良い温度感で好き。
関西弁のテンション低めの会話、面白いし、ずっと聞いてられる。おもろい事言い合ってるのに笑わない感じも良い。

中条あやみと萩原みのりの冒頭の会話がもう可愛い
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海底王キートン(1924年製作の映画)

3.7

観た。

バスター・キートンの映画は恋愛に絡んだモノが多いな。やはり恋愛には男の悲哀がつきものなのか。そういえば寅さんもそうだもんな。

チャラリー鼻から牛乳♪でお馴染みのバッハ作曲「トッカータとフー
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.1

観た。

しっかり怖いね。お子さんは泣いちゃうんじゃないかしら。

特に前半の海の中のゴジラは恐ろしいし、神木くんのキャラとお芝居も相まってわりと鬱映画でもあると思う。
とにかく途中まで神木くん暗過ぎ
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ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013年製作の映画)

4.3

観た。

映画としては間違いなく名作。
1人の半生を濃厚に浴びせられた気がする。

ディカプリオのトークは素晴らしいし、ドラックでぐちゃぐちゃになっている姿も、セックスしている姿も、曝け出し方がえげつ
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