トラディショナルさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

トラディショナル

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楽日(2003年製作の映画)

3.8

たった1本の映画の時間と平行に進んでいってくれて良かった。

スタッフのおばさんのシーンはスタイリングも相まってジャンヌ・ディエルマン感じた。

女は女である(1961年製作の映画)

3.9

ミシェル・ルグランの無駄遣い(笑)いろんなフォーマットいじってトガッたことするゴダールはやっぱり好き。

"美術:ベルナール・エヴァン"に今度は注目していこうと思った。

バビロン(1980年製作の映画)

3.9

差別の連鎖によるストーリー展開はシンプルで刺激に欠けるなぁと思っていたけど、ラストはダブの快楽ここに極まりけり。こっちの方が先だけど『サウダーヂ』感じた

あこがれ(1966年製作の映画)

4.1

「本当にべつのことでしょうか?」

この問いがくれる、「離れている誰か(何か、どこか)とへのまなざし」という"あこがれ"の解釈がとても良い。だとしたら、最後まで二人会わなくていいんじゃないと思っちゃう
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8 1/2(1963年製作の映画)

3.8

こんなん撮んなきゃやってらんないのかな映画監督って。ラストは見たなかで一番スカッとしない大団円。

なまいきシャルロット(1985年製作の映画)

3.8

知らない世界にふれ、壊すまで。

すぐ「死んでやる!」とか言っちゃう感じかわいいよね。

検察官/勾留(1981年製作の映画)

4.5

"内も外も"な「部屋の映画」

雨の取調室という演劇的な舞台が、外にある彼と妻の部屋とつながることで空間の奥行きがすごい。そんでラスト数分のドラマの骨太さ。久々にこれは!って映画に出会えたわーい。

勝手に逃げろ/人生(1980年製作の映画)

4.0

「映像はできた。あとは音だ。」

このときのイザベル・ユペールはんぱない

優しさのすべて(2021年製作の映画)

3.6

冒頭の居酒屋とか部屋における画面の作り方、商店街の長回しとか全シーン撮り方好きだなーと思ったのと、随時挟まれるモノローグの意味が最後にどっと押し寄せてくる構成も良かったんだけど、なんせお話とセリフがあ>>続きを読む

PASSION(2008年製作の映画)

3.9

演劇のような長い会話劇だが、伴走する視線劇とキマったカット割りとで驚くほど映像として飽きない(逆にラストらへんの長回しでうとうと💦)

人間関係のパワーバランスがグラグラする感じもスリリングで、どの人
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ミューズは溺れない(2021年製作の映画)

4.3

視"線"によって世界から切り取られた二人の関係。描こうと線をひいた瞬間壊れていく世界を描くことは決して自己表現ではない。その壊れた世界の欠片でつくった舟を周りにおいていかれながらも押して進む二人の背中>>続きを読む

恋する惑星 4Kレストア版(1994年製作の映画)

4.0

おっしゃれ〜〜!!ヒュー!!(興奮50冷笑50)

近くてよく動くキャメラはあまり好きじゃないけど、アジアを撮るとなったら別の話。

「ベリショのほうが良かった」なんて思う日がくるとは。

さかなのこ(2022年製作の映画)

4.2

「好きこそ最強!」って綺麗事じゃ終わらない不穏さを上手く隠し、水があんなに出てくるのに暖かい16mmフィルム撮影の画面。それはもちろんフィル厶のおかげだけじゃなくて、厚みのある人間を演じられる役者たち>>続きを読む

わたしは最悪。(2021年製作の映画)

4.1

"わたし"も他の登場人物も、客観的に見ると全然悪くないんだけど、主観的にはそう思えてしまうんだよなー。高緯度ならではの低い陽の光が、人生の瞬間をみずみずしく照らし出していた。

激怒(2022年製作の映画)

3.6

オープニング映像のフォントから、カメラワーク、劇伴の入れ方(鳴ってる音自体は良い)とか生理的にむず痒い感じがずっとしていたけど、ヴァイオレンスに向けて積み上がっていく怒りのおかげでグロめの描写も気持ち>>続きを読む

ひも(1965年製作の映画)

4.2

"あなたのためにやった"の反復と「ひも」構図の反転。自分のために生きる女の強さが最後の一秒まで描かれていて良かった。

アメリカの友人(1977年製作の映画)

3.8

ダニエル・シュミットがやられるシークエンスとかさすが楽しかった。

赤きれいだけど、ヴェンダースのフィルムの良さは白黒のほうが出るんだなと。

さすらい(1975年製作の映画)

4.1

出会いと別れの軽さ。これぞ"ロード・ムーヴィー"。

書を捨てよ町へ出よう(1971年製作の映画)

3.8

刺激的なショットは目に焼き付いたけど、いちいち冗長かなぁ……

スクリーンの中と見ているこちらの関係を揺さぶる「実験」は、他の映画では味わえない貴重な映画体験となった。

エル・スール(1982年製作の映画)

4.1

『ミツバチのささやき』のほうが映画として凄いのはわかるんだけど、こちらはまだ人間に寄り添ってくれる良さ

神秘的なものがそうでなくなりそうで、結局手に入れられずそのまま神秘であるもどかしさと儚さの絶妙
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

4.2

本当にいい映画は、こうやって共感の好きもなく美しいんだな

静と寂を感じるために映画館があるのだと実感

吉原炎上(1987年製作の映画)

3.9

めちゃくちゃで笑ってしまうシーンもあるんだけど、装い華やかになるほど、その重みで引き返せなくなっていく感じ、しっかり悲しい

鬼龍院花子の生涯(1982年製作の映画)

4.1

みんな幸せになってはいけないことを自覚して人生を送っている感じ。それこそ"死にに来"ているような。

花子だけが幸せになれることを信じて"生きて"いるのかもしれない。だからこのタイトルなのだと解釈。

ONE PIECE FILM RED(2022年製作の映画)

3.6

この手のバトル漫画の劇場版にありがちなついていけなさ満載だったな……。

キノコの副作用のせいでウタの"正義"を否定しきれないまま彼女が敵になってしまったあたり、物語薄っぺらくなっちゃったなぁと。(特
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東京裁判(1983年製作の映画)

4.1

ブレイクニー弁護士が原爆のことを口にしたあたりがクライマックス(ここをドラマにしてほしい)で、あれが記録にさえ残されなかったことがすべての終わりで今にもつながってるんじゃない。

偏っているとは思うけ
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アパッチ砦(1948年製作の映画)

4.0

西部劇の「侵略」を今見て楽しめるのかな…というのがあったけれど、そこは飲み込める描き方をしていて素晴らしいなと。

馬が疾走するシーンは白黒映像でこんなに興奮できるのかって迫力。

果てなき船路(1940年製作の映画)

4.2

湿った夜の船上が印象的なんだけど、やっと晴れたと思ったそこで起こることがいちばん悲しい。

それぞれの終わり方を迎える「旅」。

なみのこえ 新地町(2013年製作の映画)

4.1

話を聞くのと人を見るのと良いバランスで構成されているのだなと気づいた。

それぞれ違うけどどれもああいった体験をした人でないと持てなさそうな"海への思い"を聞ける体験がありがたい。

震災での死と、そ
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日本のいちばん長い日(1967年製作の映画)

4.0

笠智衆、三船敏郎をはじめとする閣僚たち豪華キャスト共演が見もの。

クーデター篇は見てても負けていく側の肩を持つ気に全然なれなくてダレたな……。政治家たちの貫禄と将校の青臭さの対比という意味ではすごい
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セント・オブ・ウーマン/夢の香り(1992年製作の映画)

4.0

アル・パチーノ演じる紳士によるスカッとアメリカ。

チャーリーが秘密を守る動機弱すぎねえ?と最初思ってたけど、中佐を生きさせるのと同じく"良心"の話だとわかると気持ち入った。「友だち」になって終わるの
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リリーのすべて(2015年製作の映画)

3.8

エディ・レッドメインすげぇ……。変身しはじめるまでにも漂うやわらかい仕草が美しかった。

"女性に見られたい欲求"と"男性に愛されたい欲求"が混ざってるところないか?と感情変化についていけないところが
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レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)

3.9

ドンパチと静かな会話のメリハリ効いててカッコよかった

Mr.ピンク推し

イヴの総て(1950年製作の映画)

3.9

ラストをイヴじゃない人にやらせるのすごい

作家の妻かわいい

ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

4.0

多くの人の抱くであろう"映画っぽい"のイメージにはまったくあてはまらないけど、めちゃくちゃ映画だった。

部屋を行き来して電気を点けたり消したり、ドアと窓を開けたり閉めたりするリズムは「アクション」だ
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夜明け告げるルーのうた(2017年製作の映画)

3.8

「あさりが砂を吐き出す」って話だと思うと、思いを伝えることと水のイメージが重なって気持ちいい映画と思えるようになった。

物語を通して"差別"を乗り越えるのに、、「人間が異種を認める」ってかたちに着地
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