トラディショナルさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

トラディショナル

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二重のまち/交代地のうたを編む(2019年製作の映画)

4.1

作中の4人と同じ"部外者"として、あの時あの場所を体験した人の心に踏み込むことに彼らが最後に語っていたのと似たようなためらいがある身として、どこか勇気をもらえた気がした。

伝えること・憶えておくこと
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ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

4.1

漂流のなかにある人が、飼い犬の消失という無限に拡がる動の可能性によって不動たらしめられてるのが面白かった。フレームのなかに閉じ込められた爺さんとウェンディの間にも見られた動と不動(≠静)の対比が活きて>>続きを読む

サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

3.8

キャラクターの描き方と配置がさすがだし、どのキャストも可愛らしく演じていてラブ溢れる世界だった。価値観の合わない人どうしも小さなのりしろでくっつき合うユートピアにはやっぱり憧れる。

伊藤万理華のタイ
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リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

4.2

触れ書きの通りの"犯罪の無い犯罪映画"、その空洞に向かう疾走感が帯びる気だるさがどうしようもなくカッコいい。空ほどの清々しさはないけど、かえって人間味がある青。映画館出てからの夕暮れ前の空がちょうどそ>>続きを読む

その男、凶暴につき(1989年製作の映画)

3.7

銃声と殴打のアンリアルな乾いたサウンドに満ちた世界が人間のそれとは思えないほどソリッドで、その外にいる女たちの目線もまた暴力的だった。

無音を埋めるノイズと白・青の発色が効果的で、フィルムで見られて
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3-4x10月(1990年製作の映画)

4.4

初キタノ映画。

突発する暴力の"可燃性"みたいなものが通奏低音になっていたことに気づくラストは爽快でさえあった。殴られたり蹴られたり撃たれたりするのを見ても全然痛そうと思えない感じ、身体が別のものに
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.4

まったく逆にみえる人たちが同じところを見つけて肯定しあうこういう映画は大好き。

単なるフェミニズム映画になっていないところも、その要素のほぼすべてを担った高良健吾も素晴らしい。門脇麦と水原希子も、お
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ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)

3.6

ゴシックファッションに包まれた主人公が対照的な原住民の側まで、"裸"になっていく過程が官能的だった。


義指で弾いたピアノがカツカツとノイズが入る描写もなるほどと思った。

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.2

崖の上での顔を盗み見る攻防から目が合うところのスリリングさ、家政婦の周りの赤ちゃんたちの不気味さ、二人の別れのシーンでの抱擁から外に駆け出すまでスピード感とか、そこで伝えたいことが凝縮されてガツンとく>>続きを読む

まともじゃないのは君も一緒(2020年製作の映画)

4.3

まともじゃない人たちが勝手に作った"普通"のレベルを目指して、時に行き過ぎ時に一歩及ばず、その繰り返しの中で見つけた"普通"をまた追いかけて……。いつまでも歩幅の合わない愛おしい人々が歩む、個別的で普>>続きを読む

きみはいい子(2014年製作の映画)

4.0

一人ひとりに目を向けることで救われる理想論と、そうもいかない現実問題の線引がちゃんとされてるのが良かった。

ほぼオムニバスのような形式が伝えたいことに合っていたと思う。

AGANAI 地下鉄サリン事件と私(2020年製作の映画)

4.1

ほぼ淡々とした会話のみで進んでいくけど、一人の人間を描くことに集中していたので全く見飽きなかった。

麻原彰晃が何も語らなかったことで、彼を信じていた人や彼が傷つけた人にやり場のない怒りと憎しみを与え
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シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

4.2

世界とか宇宙とかを描く壮大さと、心の深いところを描く繊細さを両立させる、無限とゼロがつながる宇宙観が、この手のものにしては圧倒的に腑に落ちる。スペクタクルなエンターテイメントでありながら、一人の人間の>>続きを読む

夏時間(2019年製作の映画)

4.1

夏休み、おじいちゃんの家に”閉じ込められた”家族を取り巻く人間ドラマが、演出の落ち着き方とはうらはらに見応えがあった。

まあ言っちゃあほぼ『はちどり』なんだけど、それだけこの年頃の少女っていうのは描
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.3

向き合う人は優しくて、向き合わない人は冷たい。映画の鑑賞者として三上の人生に向き合う側と、津乃田が映し出すテレビカメラの向こう側の人間としての向き合わない側、どちらの自分も体験させられる。

怒ると血
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知らない、ふたり(2016年製作の映画)

4.0

言葉少なめの前半は冷たく感じたけど、しゃべるとみんな暖かくて安心した。セリフにしすぎな気もするけど、自分は結構好き。人と人が繋がっていく物語の転がり方も好き。

少女邂逅(2017年製作の映画)

3.8

どんどん垢抜けていくみゆりが儚くて、割に合わずそのままの紬が切なかった

ゆきゆきて、神軍(1987年製作の映画)

4.0

戦争に関わった人みんな傷を負っているはずだから、それを結局は自分のためにえぐっていく奥崎のやり方は間違っていると思うし、思慮が浅くて嫌いだ。

でも「カメラの前だから」みたいな常識が通じないピュアな人
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劇場(2020年製作の映画)

3.8

キスしたり身体を求めたりしない純愛だからこそ辛かった。

ダメ男の山﨑賢人も危なっかしい松岡茉優もどっちも上手かった。二人とも同性からすると「なんでこんな人……」って感じだけど異性からするとそれぞれ魅
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シカゴ7裁判(2020年製作の映画)

3.7

権力へ立ち向かった実話を元にしたストーリーは、わかりやすくしすぎるとおかしな陰謀論を育てるだけになってしまうと思うのだけど、その点この作品は情報量を増やして複雑にしていたのが良かったと思う。Netfl>>続きを読む

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(2020年製作の映画)

3.6

とにかく作画が最強。劇場で体験する価値大アリだった。

物語は真っ直ぐなバトル漫画って感じで泣くほどではなかったけど、炭治郎たちの今後を見守って行きたくなるようなラストだった。

私をくいとめて(2020年製作の映画)

4.0

キラキラした成功は手に入れられなくても、頭の中でならなんでも出来ちゃうぞ!って思えるパワフルな映画。

大九監督が描く"普通の生活"はいつも彩りに溢れてて、みずみずしくて憧れる。

一人で生きたい!と
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劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(2020年製作の映画)

4.8

とにかく大傑作。

純粋な愛に心打たれて、身体と心の深いところから涙が溢れてきた。

伝えることは難しい、だから美しい。生きているって素晴らしい。

甘いお酒でうがい(2019年製作の映画)

4.3

愛おしいシーンが詰め込まれたとても素敵な映画。

あの松雪泰子をキュートに映してしまうのがさすが大九監督。

シソンヌじろうの感性がラブリーで大好きになった。

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(2019年製作の映画)

4.5

全キャラ愛おしくて、ストーリーも緩急があって楽しかった。

ビジュアルとか音楽が若々しくて見てる間ずっとワクワクしてた。

18歳のときに見ておきたかったな。

2人のローマ教皇(2019年製作の映画)

3.8

人間ドラマとしてとても心動かされたけど、教皇とか教会にもっと馴染みがあれば何倍か楽しめたんだろうなぁ

エンドロールが好き

はちどり(2018年製作の映画)

4.2

一見ひでえ家族だなんだけど、垣間見える少しの優しさが宝石みたいで素敵だった。その優しさが「DVする人に優しくされたときの安堵感」とは違う方向でちゃんと描けてるのがすごいなと。

2時間少しでこんなに多
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ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから(2020年製作の映画)

4.0

映像描写とセリフが素敵な作品。

自分がアメリカ人だったらもっと言葉の表現の深さ楽しめたんだろうなぁ。

舞妓 Haaaan!!!(2007年製作の映画)

3.5

役者とかラーメン屋の下りはまるまる要らなかったような気がしちゃう

小ネタはさすがの面白さ