ドドド大王さんの映画レビュー・感想・評価

ドドド大王

ドドド大王

14歳の栞(2021年製作の映画)

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めちゃくちゃ評価が難しい。ただ、青春映画における1つの最高到達点であることは間違い無いと思う。

恣意的な演出をめちゃくちゃ削って、一人ひとり平等に焦点をあてて、浅くも深くもない少年少女の言葉を拾う。
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碁盤斬り(2024年製作の映画)

3.6

映像も良いし、草彅くんも良い。本当に素晴らしいキャスティングだと思ったし他のメンバーの演技も一級品だと思った。だが、柳田の行動原理がわからなさすぎて、どうしても映画に入り込めなかった自分がいる。

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悪は存在しない(2023年製作の映画)

3.9

あんまり見たことのないタイプの映画。大自然を淡々と映し出す映像が続くが、明らかに不穏な空気が漂っており、それを表現できるのは本当に流石の一言。

中盤移行物語が動き出し、登場人物の映画文脈における役割
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胸騒ぎ(2022年製作の映画)

4.0

個人的にはかなり刺さった。

初めにオランダ人家族と会ったビーチサイドで、主人公のオヤジが貧相な体で、オランダのオヤジがガチムチな体をしていた時点で、嫌な予感はしてた。

色々感想はあるけど、「主張し
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.1

IMAXで鑑賞。圧倒的に圧倒された映画体験であった。静動くっきりとした素晴らしい音響と映像が、私たちを当時の公聴会・聴聞会へと引き摺り込む。

正直、科学者の名前や関係性が全然頭に入ってこなかったり、
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辰巳(2023年製作の映画)

3.9

特段激しいアクションシーンがあるわけではなく、常に俳優の顔面力と、会話劇勝負の映画だが、自主映画スタイルとは思えない超・ハイクオリティに驚愕した。

正直全ての俳優が適材適所すぎて素晴らしいのだが、特
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青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

3.0

期待していただけに、これはかなり低評価をつけざるを得ない。味付けが単純すぎる。

まず地理的制約で隔たれた二人が時を超えて邂逅するというストーリーは、先日公開されたパストライブスに新しい。

パストラ
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海街diary(2015年製作の映画)

3.6

初鑑賞。四季折々の鎌倉を舞台に、複雑な人間模様を描いた作品。ゆっくりすぎる時間の中でも、季節の流れを感じさせるフックや、何気なく見える日々の中にある葛藤など、が丁寧に描写されていた。

俳優陣の演技も
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愚行録(2017年製作の映画)

4.1

初めて鑑賞したが、邦画サスペンスの中でも相当傑作に感じた。邦画らしい寒色系のダークな雰囲気が終始画面を支配し、人間の悪辣さを四方から描写し切る。邪悪な空気を纏ったまま、終盤に突入し、一気にまとめにかか>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.5

もちろん映画としての出来栄えは圧倒的で、俳優陣の演技やバチギマリの構図、音楽、照明全てが高水準の映画体験であった。絶賛する人が数多くいるのも納得できる。

だが、テクニック面が圧倒的な分、物語として見
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毒娘(2024年製作の映画)

3.3

ある家族が引っ越してきた家に、奇妙な赤い服の少女「ちーちゃん」が執着し、家族を破壊する映画。系統としては『座敷女』『トリハダ』などのヒトコワ系を思わせる。また、映画全体に通じる下敷きとしては、家庭内に>>続きを読む

貴公子(2023年製作の映画)

3.6

ドス黒い韓国ノワール作品かと思っていたが、笑える要素素もたくさんあり楽しいエンタメ作品だった。「貴公子」ばかり目で追ってしまうほど魅力的で、最後まで善人か悪人かわからず、飄々と殺戮ショーを展開していく>>続きを読む

黄龍の村(2021年製作の映画)

3.0

物語の展開が面白いのは百も承知だが、全体としての安っぽさがやっぱり目に付く。コンジアムなど低予算でも最高に面白く怖い作品が作れることを知っているので、飛び道具でギャクに逃げるのはタイプじゃない。

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ゴーストバスターズ/フローズン・サマー(2024年製作の映画)

3.2

エンジンかかるのがちょっと遅いかな。人間模様に時間を割きすぎて、お化け退治があっさり終わってしまったところがちょっと残念。中盤は自分が悪いがちょっと寝てしまった。

ただ、意外と最近ないコレほどまでに
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名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)(2024年製作の映画)

3.4

ドッカンドッカンしてて面白かった。コナンシリーズだけでなく、他のさまざまなシリーズからもキャラクターが援護射撃してくれて、まるでプリキュアオールスターズみたいな感じだった。謎も独特で、新事実も明らかに>>続きを読む

ちはやふる 上の句(2016年製作の映画)

3.8

青春が爆発している。当時ちょうど高校生だった自分にとってかなり特別な映画で、希望に満ち溢れた高校1年生のことを思い出す。

なんと言っても、広瀬すずが以上に可愛すぎるし、それがこの映画を成立させている
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ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

4.0

めちゃくちゃによかった。個人的にだが、今年観た映画の中でも、相当上位に食い込むこと間違いなしだ。

良かったところはたくさんあるが、沖縄という舞台を表層的に扱うだけでなく、ストーリーを際立たせる存在と
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

3.7

あのちゃんと幾田りらがめちゃくちゃ良い仕事してる気がした。浅野いにお作品とのマッチ度がえぐいし、これは相当評価上がるだろ思った。

東京の街に突如現れた宇宙戦艦?がじわじわと日常を侵食してくる感じは、
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NN4444(2024年製作の映画)

4.3

ホラーを題材にした日本映画の中でも、ここ数年で随一の傑作。全体的に若い感性と、キレのあるカメラワークが爆発しており、本当に観に行って良かった。

特に、後半2作「洗浄」と「VOID」がどタイプ。いずれ
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変な家(2024年製作の映画)

3.5

他の方もおっしゃっている通り、ミステリーとホラーどちらにも振り切れていなかった感じは否めないと思う。特に、物件ホラーだと『残穢』が素晴らしすぎるので、どうしても比べてしまう。

だが、ジャニーズや売り
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バービー(2023年製作の映画)

3.3

全くバービーに親しみがないため、入りきれない部分もあったが、さすがに素晴らしい映画であったように思う。

とにかく、衣装をはじめとする美術面が美しいし、それでいてストーリーもバービーというフィルターを
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

4.1

『アリ・アスター先生からの最終問題』って感じ。ヘレディタリー、ミッドサマーに続く、胸糞家族映画三部作のフィナーレを飾るのにふさわしい作品。これまでの、ショートフィルムの雰囲気や、監督の趣味嗜好など、ふ>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.6

「どうあがいても真実がない時、何かを事実と確定して前進せねばならない」といったメッセージを受け取った。

ある事件をめぐる裁判映画だが、これまた決定的な証拠が何一つ見つからない。やっと出てきたと思った
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学校(1993年製作の映画)

3.6

卒業式を迎えたとある夜間学校のクラスの中で、担任の西田敏行がこれまでの思い出を振り返る話。

とにかく西田敏行の演技が圧巻で、まさにこんな人物像が日本のどこかに存在していたに違いないと思うわされる納得
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LIFE!(2013年製作の映画)

3.5

広い世界へ飛び出す行動力の大切さを教えてくれる映画。特に終盤の旅を終えた主人公は、元の姿とは見違えるほど精悍でめっちゃノンバーバル強くなっていた。だがぶっちゃけイマイチだなと思った点もある。

1点目
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インクレディブル・ハルク(2008年製作の映画)

3.4

普通に面白かったっていう印象。何がそこまで響かなかったかなーというと、やっぱりブルースの人間性がいまいち伝わりづらかったというところ。

天才科学者なのか、元恋人との関係性に悩んでいる男なのか、人を傷
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新解釈番町皿屋敷 お菊寺(2023年製作の映画)

3.0

評判に違わず、3話目の異質性が際立っていた。物語中盤での、大転換がすばらしい。

また、あまり期待していなかった1話目の教習所のエピソードも個人的にかなり良かった。オーソドックスなスタイルながら、要所
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梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

3.9

盲目の秘密が明かされてからの、タイトル回収がめちゃくちゃ気持ちい。盲目の鍼灸師という独特の人物設定ながら、その設定でなくてはできない役割やスリリングが目白押しで、無茶苦茶脚本が面白い。

その上、一筋
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千年女優(2001年製作の映画)

3.9

摩訶不思議だが緻密すぎる脚本と、それに耐えうる美しい作画に圧倒され続ける。その上、メッセージ性も素晴らしく、今敏の音楽とのシナジーはエンドロールで最頂点に到達していた!

一人の女性の生涯と、彼女が演
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罪と悪(2024年製作の映画)

3.7

国産の本格ノワール映画。地方都市に漂う閉塞感と、複雑な人間関係の中で、二つの殺人事件の秘密が明かされていく。

物語を通して、完全な善側の人間は描かれておらず、誰しもが「悪」の要素を持っていることを強
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.0

噂にたがわず素晴らしい映画だった。余白が多い映画だが、描写を丁寧に紐解けば、おぼろげながら輪郭がつかめてくる。「もう会えない大切な人」とゆく記憶の旅だ。

悩みぬいた父親が高価なトルコ絨毯を買った時、
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十五才 学校IV(2000年製作の映画)

4.0

傑作。不登校の少年を主人公にしたロードムービーで、それぞれ出会う人の人物の掘り下げがリアリティ高く掘り下げられ、全員に感情移入できる。

全体通して特にビッグイベントが起こるわけでも、最後の最後にピー
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みなに幸あれ(2023年製作の映画)

3.6

何か起きそうな雰囲気は終始漂っており楽しめたが、メタファー映画感が強すぎて、恐怖みたいなところがちょっと薄らいでたかなと思う。

っていうか、いまだに清水崇があらゆるとこに関わりまくっている事実こそが
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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

3.7

めちゃくちゃアイデアが斬新だし、ストーリーの構成としても意外性があり素晴らしいホラー映画だと思った。それでいて、メタファーの要素や、ボディホラーとしての要素も充実しており、良いところしかない。

一方
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名探偵コナン vs. 怪盗キッド(2024年製作の映画)

3.1

初見で知らなかったが、4月上映予定のコナンの新作に向けての布石映画だった模様。

これまで放映した映像の総集編的な感じだったので、ライトには感じたが怪盗キッドとコナンが出会う事件について描かれており、
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

映画館で見れて良かった映画だとすごく思った。2時間弱心を奪われた。

主人公平山の毎日は、他人から見れば、まるで木のようにいつも同じで退屈に思えるかもしれない。でも本当は、同じ毎日は1日としてなく、誰
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