こんな調子乗ってる高峰秀子はじめて見た。戦後派というやつだろうか。
ロングショットで正座する田中絹代を4連殴打、からの間髪入れずに山村聰だけを画面に入れたショットで画面外への追加殴打、という脅威の小津>>続きを読む
劇映画部分は断片的で夢のような不思議な感触がある。張が阮から毎月金をもらう契約をした後、ひとりで線路の上を歩いていく。レールの上を歩いて最初はふらついているのだが、突然安定する、というよくわからない細>>続きを読む
ガラスですよねぇ……『ヤンヤン 夏の想い出』とかでもそうだけど、薄暗い室内とガラス窓の青空からの逆光、フロントガラス越しの運転席、後部座席の後ろのガラス窓、ガラスの内側にいる人と外側にいる人……
“生>>続きを読む
“実験的な撮り方”への拘りは、もうちょっと使いどころを絞ってほしい……空間がよく把握できない鉄人間同士の銃撃戦は結構厳しいものがある。
とはいえ回想シーンの親を惨殺する描写とか、いかにも作りものめいた>>続きを読む
やっぱり神代辰巳は“70年代の作家”だったのだと思う……
『恋人たちは濡れた』、『黒薔薇昇天』、『開け!チューリップ』、『悶絶!!どんでん返し』、の薄汚れた、擦れっからしの世界をすっかり失ってしまった>>続きを読む
男が男を、男が女を、女が男を、女が女を、オカマが男を、オカマが女を、殴る!蹴る!怒鳴る!犯す!!
画面から迸る異常な熱量、愛憎、痴情、このテンションにアテられて、果たして正気でいられることができよう>>続きを読む
だいぶ不安でしたが、面白かったので安心しました……
初っ端の露骨な2001年パロの、“この程度の映画”感でハードルを下げてくれるのは見やすいし、赤ちゃん人形を遊ぶ女児の完全な無表情がツボ。
基本的に全>>続きを読む
相変わらずの“やるせなき男”なんだが、まあ芸達者な役者陣の演技とセリフのリズムで2時間まるで澱みなく見せ切れてしまうのが技ですね……
発せられるほぼ全てのセリフの節々に絶妙に感じられるトゲやら毒やらが>>続きを読む
デカいランプを両手持ちして謎の踊りを始めるウド・キアーはほんと素晴らしい。『ブルー・ベルベット』の“粋なオカマ”が口パクでお菓子のピエロを歌う名シーンと同じテンションがある。
全編割と分かりやすい作為>>続きを読む
噂に違わず、傑作。
ガロの空気を存分に纏いながら、ウェットなところはとことん”泣かせ“に来るのが、やっぱり”国民的“たる所以だよなぁ……
最初のミュージカルシーンがいきなり、湯浅政明「1969年のドラ>>続きを読む
映画っていうものはやはり見るべき時期というのがあるもので、特にこれなんか映画見始めたばっかの中学生ぐらいで見とかないといけなかったやつだなぁ……と大いに反省しました。
ワンシチュエーション映画が苦手な>>続きを読む
これに限らず、ベックリン「死の島」の引用率が高すぎるので、そろそろギャグでやる以外は引用禁止にしてほしい……
まあ、蓋を開ければ割と”いつもの宮崎映画“だったわけで、“宣伝しない宣伝”はこの作品に全然>>続きを読む
これは傑作。トム・サヴィーニ監督作ということだが、特殊メイクを見せびらかすようなわけでもなく、演出の品がいい。ロメロも関わってるのかな?
とはいえ作品のトーンを壊さない範囲で、印象に残るゾンビの造形は>>続きを読む
『3時10分 決断のとき』に同じく、“悪魔”と対峙する映画を作ってしまったマンゴールド。
アンジェリーナ・ジョリーの悪魔演技がほんと見事で、こんな凄い役者だった頃もあったんだなぁ……と。
2階で首吊っ>>続きを読む
不穏な評判をなんとなく察しつつ、まぁ、こんなものかなぁ、とテンションがダウナー方向に緩やかに下がり続けたまま2時間半の本編を過ごしたが、エンドロールで1人1人映し出される名前を見ていると、だんだん殺意>>続きを読む
ハワイ初日で財布とパスポート無くして余裕な加山雄三、というところから、これ以上何があっても、この男が主人公である限り深刻になりようがない、という微温的安心感に包まれる。
金持ち大学生の田中邦衛なんても>>続きを読む
“映画館”というワンシチュエーションの舞台を選んだにも関わらず、特に空間の使い方に工夫がないというか、いまいち何がどこにあるのか撮り方が分かりづらい。
ただ歯が抜け替わる結構痛々しい特殊メイクは見もの>>続きを読む
かなりガチャついていて、テリー・ギリアムも最初っから上手なわけじゃないんだ、と思ったが、ちゃんと笑ったギャグがあったので良い映画なんだと思う。
呼び鈴を引っ張ると、裏で紐が首に繋がっておりうめき声を上>>続きを読む
あまりにも“普通に”面白い。引きの絵と寄りのバランスとか、めちゃくちゃ手慣れている。
アイスキューブがブチギレてバイキング料理を破壊するのを引きで撮り、テーブルについているジョナヒルたちの反応をバスト>>続きを読む
しょうがないんだと思うけど「企画会議」が透けて見えるようで感心しなかった。
「ホラー映画は時代における恐怖を常に反映してきました。当社の「死霊館」シリーズで培った“人形ホラー”のノウハウのを軸に、今作>>続きを読む
傑作。やっぱりデ・パルマとリンチだけは“代替不可能性”において突出している。
冒頭のこれ見よがしの徹底的な長回し、ニコラス・ケイジの異常なテンション、この愚直な力技でしか表現できないものが確実にある。>>続きを読む
これが中々の掘り出し物。ウェットな描写が若干しつこいが、色々と奇妙なバランスで成り立っており、マンネリを回避している。
特に、男しかいない奇妙な雪の町で子どもが産まれるくだりはすごい。子どもの性別や目>>続きを読む
いつものシュレイダー映画なのだが、クライマックスの殴り込みも“見せない演出”で、徹頭徹尾ダウナーな仕上がり。これがシュレイダーの本質なのかもしれないが、やっぱりダウナーの先にある異様なケレンに期待して>>続きを読む
前作は劇場で見ているが、4年前なのでほとんど何も覚えていない。
今回日本語吹き替えで見たら、グウェンが悠木碧でまさかのエッジランナーズキャスティングか、と思ってしまったがよく考えたら、4年前からなわけ>>続きを読む
テクニカラーに彩られた猛毒、というある種のハリウッドクラシックの系統に連なる作品。(「夢去りぬ」とか……)
冒頭の列車での出会い、内装の徹底的なグリーンとか色彩コントロールへの気概にあふれている。
あ>>続きを読む
相変わらず増村保造、重い……
思っていることをガンガン台詞で言うが、それが“説明的”というのではなく、徹底した演出の上に載ってくるので“異常な迫力”に寄与している。『赤い天使』とまるで違うテイストで、>>続きを読む
アラン・パーカーは素晴らしい映画作家だと思うが、これは……
メジャー映画で名優揃いのキャスティングとお膳立てしておいて、やってることがほぼほぼ「ソドムの市」、という意味ではぶっ飛んだ映画なのは間違いな>>続きを読む
人が歩いているシーンで、カメラ回すタイミングに合わせたらしき、歩き始めの部分からカットせずに使ってたりして、そういう脱構築は相変わらずやってるのに、全く“遊び心”を感じない、という意味不明な境地に至っ>>続きを読む
カウンターカルチャーになんの思い入れもない監督が、60〜70年代アメリカの政治・文化をテーマにした一代記を撮る、というどう考えてもトチ狂った企画。おまけに“普通に面白い”ハリウッド映画に仕上げる能力だ>>続きを読む
配車場の虹色に輝く車を見るのとか結構感動的だし、彼女と食事するところの、“布をめくる”ことを活かした異常な料理を見てしまう演出とか堅実、あと場末のストリートを切り取る風景描写はやっぱニューヨーク派なん>>続きを読む
『ビバリーヒルズコップ』には全く感心しなかったので、マーティン・ブレストどうなの、と思っていたが、流石にこれは良い。
狙ったことが完全に上手くいった映画。
狙い自体は何ら珍しくはない、“最初は反目しあ>>続きを読む
最高の映画ですよ。
女に振られたオタクが2人、ショッピングモールに行こうぜ! クッキーが美味いから、と繰り出す。
ずっと見てると絵が浮かび上がってくるトリックアートが、全く何も見えずに1週間立ちすくん>>続きを読む
ロケーションを活かした、アイデアも身体性も抜群な自転車アクション→時計塔アクション、これだけでアクション映画としては申し分ない価値がある。
時計塔からの落下が伝説的なスタントとなっているが、しかしヒー>>続きを読む
まあ役者は当然良いわけで……(ハーヴェイ・カイテル、ウィリアム・ハート)
公開当時のミニシアター文脈というかそういうのはさっぱり分からないので、なんでこれがそんなに人気作になったのかは謎……
ポール・>>続きを読む
77年と『ロッキー』以後だし、大ヒット作だし、普通にアガる映画かと思ったら全くそんなことはなく……
めちゃくちゃニューシネマを引きずりまくっている青春映画だった……(ただしニューシネマとしても、鬱屈や>>続きを読む
ずっとここに居たいと思わせる映画。
こればっかりは、撮れてしまったことが奇跡としか言いようがない。
テクニックだとか、上手いとか、観客を楽しませるだとか、そんなことは“表現”の本質とは一切なんの関係も>>続きを読む