あんふぁんてりぶるさんの映画レビュー・感想・評価

あんふぁんてりぶる

あんふぁんてりぶる

関心領域(2023年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

収容所からの光を隔てるありとあらゆる壁。回折して辛うじて聞こえてくる音、立ち上る煙火さえも遮断する関心という壁に囲まれた、一家が築いた東方生存圏。

彼ら家族にとっては光の当たらない、関心領域の外側を
>>続きを読む

猿の惑星(1968年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

長年夢みていた醒めない悪夢。
猿でもわかる人間の恐ろしさ。

審問シーンは安部公房の短編、中編小説を彷彿させるシュールさ、三猿にも思わず笑ってしまいました。

冒頭の国旗が象徴する開拓者精神、その滑稽
>>続きを読む

フォーリング・ダウン(1993年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

弁慶でメリーさんでスコット・ラングなマイケル・ダグラス。

怒りの発散の仕方があまりに非日常的だったが、一方でその怒りを買った原因は滑稽なほど日常的で非常に風刺が効いた作品でした。

当初は冒頭の渋滞
>>続きを読む

ラ・カリファ(1970年製作の映画)

3.8

「突拍子のない」の連続、混沌とした町を生きる罪人たち。

雇い主という堰を失った労働者と経営者、交じり合う激情と沈黙。
立場の違いで生活が変わっていいものかと考えさせられました。

スコアが低いと感じ
>>続きを読む

ティファニーで朝食を 4K(1961年製作の映画)

-

2匹の猫と1匹の犬、数多のネズミたち。

訛り矯正云々と『マイ・フェア・レディ』はまったくの無関係なのでしょうか。

落下の解剖学(2023年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

キャリア、言語、障がい、性的嗜好、それぞれの質量に比例してはたらく重力に身を委ねる親子。惹きつけられました。

夕陽のガンマン 4K復元版(1965年製作の映画)

-

騙し、騙され、撃ち、撃たれ。
賞金に目が眩み、銃声がこだまし、信頼が生まれる。男の世界。

荒野にクレジットが映るオープニングいいですよね。

ゴジラxコング 新たなる帝国(2024年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

20倍界王拳ゴジラ x 差し歯コング、ハリウッドならではの怪獣映画。

コロッセオゴジラはややあざと過ぎましたがカイロに佇むコングの画はささりました。

劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦(2024年製作の映画)

-

読み切りとして成立する因縁。

観ているだけなのに何故か鼻が高くなってしまう変人速攻。こりゃハイキュー!!熱が再燃するわ。

フォロウィング 25周年/HDレストア版(1998年製作の映画)

-

罪の告白とコレクション自慢、コインの裏表。
盗み見るクリストファー・ノーランの箱。

マンティコア 怪物(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

怪物の内面を描く丁寧なシナリオ、無駄なく肉付けされやがて対峙するその姿はけしてハリボテなんかではなく、リアリティのある虚構、完璧な創造物でした。

VRを巧みに扱った、視覚的におこなわれる無声映画表現
>>続きを読む

ZOO(1985年製作の映画)

-

ふんだんなモチーフで脳を刺激する脚本、思わず目を瞠る絵画的な映像、反復し耳に残る音楽。多種の芸術が展示された、無数の映画作品とはけして溶け合わない独創的な色の動物園。

縫合される夢。

『ピアノ・レ
>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

-

IMAXで鑑賞。

予言を超える映画体験。ドゥニ・ヴィルヌーヴが加えるスパイスにより、ぐっと押し広げられる感覚。

鑑賞してからしばらく経ちましたが、心は未だに砂の惑星にいるようです。

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

犬との人生を強いられた者。

帰属意識はなく、ひたむきな愛に支えられた彼だけの秩序。

14歳の栞(2021年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

素の2-6という印象、特殊な映画体験。
各々が自分の言葉を持っていることに驚かされました。

開演のチャイムで心を掴まれました。
また彼らに再会したいです。一生撮り続けてほしい。

ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター(1993年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

抜かれてしまった鍵盤と覆われた声。
静謐な埋葬、産声の届かない誕生。

必須とのことで、慣れないスコアを添えて。

演技演出もさることながら、設定と画が特にキマってました。ベインズのもとへ向かうアモル
>>続きを読む

ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

フィクションを目標に据えた諜報。
アーガイルに迫る追体験の旅。

滑走してくるエージェント怖すぎ。

飯舘村 べこやの母ちゃん(2022年製作の映画)

-

TOEICの試験会場へ向かう道中で偶々見かけ、受験後に。

パレスチナに関して全くの無知であるのと同じように、飯舘村のことを全く知らなかったのだと気づかされました。

クリード 過去の逆襲(2023年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

甦る悪夢、振り払う救いの手。

フィラデルフィアから遠く離れたロサンゼルス。ロッキーをとことん排除したうえでの試合前のあのひとりごとはあざとすぎました。

特訓シークエンスが観たくて観ていると言っても
>>続きを読む

あのこと(2021年製作の映画)

-

助長されるリスクと孤独。

『犬鳴村』みたいに映像にぼかしを入れてでも、授業に取り入れるべきだと思います。

ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

世界各地の夜を駆るタクシー。

カボチャと羊と義姉と司教。
〆のヘルシンキにご満悦です。

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

あっという間の3時間弱。
友人と映画館で観るのに適した作品。

ボーの周囲も大概不安定な人々だと思ったが、「ボーから見た世界」であり、「母親の息がかかった社員たち」であることを思い出し、ぼく自身も既に
>>続きを読む

メグレと若い女の死(2022年製作の映画)

-

煙に巻かれた若きジェーン・ドゥの死。
ビールの苦味から離れ、白ワインのほどよい酸味を愉しむ。上質なバディものでした。

インランド・エンパイア(2006年製作の映画)

-

寒河江さんメモ その13

現実から隔絶された洞窟に籠り、リンチの与える夢を見る。

ハリウッドの内側、夢うつつの帝国。

クリード 炎の宿敵(2018年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

それぞれの因縁、分かち合う悪夢。

仇敵が見続けてきた景色を睨むドラゴ、リングから離れた客席でひとり栄光を眺めるロッキー。

アドニス入場の演出よすぎ。ビアンカに歌わせるのずるすぎ。

漸く『ロッキー
>>続きを読む

仮面ライダー555(ファイズ) 20th パラダイス・リゲインド(2024年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

変わったものと変わらないもの。
歳を重ねることの楽しさ。

2月2日に、2番スクリーンにて。

ゲーミングアクセルフォームも案外悪くない。555は二度駆ける。

クリード チャンプを継ぐ男(2015年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

過去を受け継ぎ新たな自分を創り上げるべく立ち上がる次世代の挑戦者。

テッサ・トンプソンかわいすぎ。
「脚にくる」はさすが元王者の言葉。

ロスト・ハイウェイ(1997年製作の映画)

-

寒河江さんメモ その5

心地よい疾走感。

レンタル取扱いは無かったがレンタル落ち品があったので購入。特典映像も観れるかと思いきやまさかの未収録、2Kリストア版とサントラも購入します。

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

支配からの逃亡と放蕩、ありのままの自分と世界、旅の中で快楽と痛みを知り、自由と愛を求め帰着する。

夢のパリではなく、絶望に手を引かれ跳ぶロンドンの川。スターゲートを潜る母娘。ケイレブとネイサンに見送
>>続きを読む

ロッキー・ザ・ファイナル(2006年製作の映画)

-

年老いてなお衰えない精神、より一層と燃え上がる闘争心。時代という圧倒的強者に挑むため、リングへ戻るバルボア。

最後のゴング、夢への鎮魂歌。

ジャックは一体何をした?(2017年製作の映画)

-

いたって真剣なふたり。

小説や絵本などの他の媒体ではおそらく感じられない、映画の魔法が魅せるシュールな光景は、まるでリンチの夢を覗き見ているかのようでした。

>|