marutabatsuoさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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インファナル・アフェア(2002年製作の映画)

4.0

この頃の香港映画は東映ヤクザ物に感じるような色気がある。その後アジア映画は韓国映画が圧倒してゆくのだが。

後にスコセッシがリメイクし、アカデミー賞を獲得した潜入捜査物の傑作。今見ても緊張感と男の色気
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ロッタちゃん はじめてのおつかい(1993年製作の映画)

3.7

ただひたすらに可愛いロッタちゃんを愛でる映画。
ちょっと生意気でいじっぱり。家出してみたりするんだけど、近所の大人たち(特に隣のベルイおばさん最高!)に助けられ、見守られながら愛嬌たっぷりに過ごす姿。
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コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

3.7

アフガニスタンで命を救ってくれた通訳者アーメッドを取り戻しに行く。
展開はベタな部分もあるが、さすがはガイ・リッチー。張り詰めた緊張感とある種のバディムービーとしての魅力を見せる手腕は鮮やか。
やや展
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ソウルメイト(2023年製作の映画)

3.6

「私のこと嫌いだったよね」恋人よりも大切な親友なのに。
幼い頃からともに育ったふたり。互いに欠かせない程に大切なはずなのに、ある時から離れてしまう

よく考えればおかしな設定、無理やり設定が多過ぎる上
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WILL(2024年製作の映画)

3.8

俺たちのでっくんこと東出昌大を追ったドキュメンタリー。離婚、スキャンダルの後、精神を病みかけた時に救いになったのは山での狩猟だった。
深い森の中で鹿などの命と対峙し撃つ。解体する。食べる。そこでの思い
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雨降って、ジ・エンド。(2020年製作の映画)

4.0

高橋泉監督によるもう一本は、とても奇妙だがファンタジックでピュアなラブストーリー。
女性フォトグラファーが選んだ被写体は中年ピエロ。毎日追っかけ、一緒に過ごす家に美しい心とその奥に明かせない闇があるこ
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彼女はなぜ、猿を逃したか?(2022年製作の映画)

3.9

動物園の猿を逃がした女子高生。その理由を探ろうとするインタビューから幕開け。つかみ所のない会話とところどころに挟まれる現実か夢かわからないようなエピソード。不思議なミステリーの様相が、ある瞬間にぐらり>>続きを読む

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.9

奇妙な映画。アリ・アスターとホアキン・フェニックスなんだからまともなはずはないけど、かなり奇妙。
冒頭から妄想と現実の境目がないボーのアタマの中をこれでもかと映像化して見せる。

特にひと幕めの風呂場
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梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

4.3

うぉぉ、これはめちゃくちゃ面白い。家政婦は見たならぬ鍼医は見た。盲目が見たものとは。
舞台は17世紀の韓国宮廷。はじまりはコミカルタッチで盲目鍼医が宮廷に入り活躍する様が描かれる。
ところが王とその息
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このハンバーガー、ピクルス忘れてる。(2023年製作の映画)

4.0

男女のグダ話がちゃんと幸せな一本の映画に。
「男性器ってチンだけでもいろいろ呼び方あるよね。息子とかも言うけど女性器は娘とは呼ばないし」
もうこのシーンで大笑い。

告白ミスからの観覧車残り時間の微妙
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ダム・マネー ウォール街を狙え!(2023年製作の映画)

3.5

投資家なら興味津々。特に後半のファンド側の裏側が暴かれて行くあたりは興奮

2020年、突如湧き上がったゲームストップ株騒動。死に体のゲーム小売り会社が急騰、その裏には個人投資家の煽りvsファンドの空
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極限境界線 救出までの18日間(2020年製作の映画)

3.5

アルカイダに捕らわれた人質の解放交渉。人を人と思わない相手に対するギリギリの攻防を描くのだが、ところどころに肩の力が抜けるユーモアも。もうちょっとハード路線で胃が痛くなるようなの見せてくれた方がよかっ>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.1

「あ、大丈夫。でももう一回チャンスちょうだい」散髪シーン、あんなの笑うわー。しかも切った髪をポケットに隠そうとするとか……。最高

PMSで月に数日イライラ人にあたってしまう藤沢さん。職場のいけ好かな
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コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

3.8

ラスト「ダディ」と2度つぶやく。一度目はお父さんが追いかけてきたことに気が付いたて、2度目のは……。

ギャンブル狂の父親の大家族、ネグレクト気味の酷い環境で育ったコット。母の妊娠を気に、叔父さん叔母
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ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995年製作の映画)

5.0

久々の鑑賞だが、あまりに良すぎてまだふわふわしている。人が恋に落ちる瞬間を捉えたこの世で最高の映画。
偶然の出会いから列車内でのたわいない話。ウィーンの街を歩き、語るふたり。質問タイムの探り合いと心の
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オープニング・ナイト(1978年製作の映画)

4.7

見終わってあまりの凄さに呆然。全身女優ジーナ・ローランズが全身女優を演じ、カサヴェテスが撮る。
老いを感じ始めた大女優。舞台の稽古後に若い女性の不慮の事故に出くわし……。

舞台で繰り広げられる物語、
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リバー・ランズ・スルー・イット(1992年製作の映画)

4.5

モンタナの大自然、陽光きらめく川面、その上をタクトを振るかのようにフライフィッシングの竿と糸が弧を描く。
家族と郷土への強い想い。ただひたすらに美しく楽しいのに、今にも消えてしまいそうな儚さが宿る。
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違う惑星の変な恋人(2023年製作の映画)

4.0

人を好きになるって素敵なことだよね。
みんな少しズレていて話が成り立たなかったりうまくいったり。男女4人の四角関係はオフビートな夢を見ているような不思議な笑いを誘う。

起きていることは割とツラめなこ
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ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

3.2

実写化する意味わからん。アクションシーンのカメラワークなどフレッシュでかなり良い部分もあるんだけど、マンガそのまんまの表現がさむい。
キャラクターがどんどん突飛になってリアリティラインがあちこちブレま
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ロスト・フライト(2022年製作の映画)

3.8

そうそう、これで良いんだよ。航空パニック物にサバイバルを加えて一粒で二度おいしいやつ。
オープニングからパイロットの主人公が娘と「すぐに帰るからな」的な電話。もう前振り効きまくりで何が起こるかわかるよ
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みなに幸あれ(2023年製作の映画)

3.8

ホラー苦手すぎて超しんどかった。こええよー。
一見幸せそうな田舎の家族たち。しかしその幸せの裏には大きな秘密があった……。

田舎の因習、逃れられない閉鎖社会とそこからなんとか離れようとする若者の姿を
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.1

ある種のフェミニズム映画だが、さすがヨルゴス・ランティモス。ここまでやられると爽快で最高!
天才外科医により生み出された外見は大人の女性、中身は子どものベラ。
支配し、力を見せつけようとする男たちが恋
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僕らの世界が交わるまで(2022年製作の映画)

3.9

めちゃ良い。
YouTuberの息子とDVシェルター経営の母。互いに想いを上手く伝え合えず、それぞれの生き方を模索する。
息子の恋、施設の子に理想の息子を重ねる母。自己愛と想いだけが先行し、空回りする
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エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事(1993年製作の映画)

4.1

名声と他人からの評価こそが大切な社交界に生きながら、許されない恋に翻弄された男女。
絢爛豪華かつ閉鎖的な社会の中、打算的振る舞いとピュアな想いが狂おしいまでに渦巻く様子をスコセッシらしく丹念に鮮やかに
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ビヨンド・ユートピア 脱北(2023年製作の映画)

3.6

同じディストピアものでもこちらはリアル。北朝鮮からの脱北、その瞬間を捉えた本物のドキュメンタリーだ。
想像を超えた酷い国の状況。脱出時の見つかればリアルに死ぬかもしれない緊張感、ジャングルや川を渡る恐
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コンクリート・ユートピア(2021年製作の映画)

3.9

極限状態における人間の力、生き延びるための正しさと非道さ、排除と寛容、わずかな希望。パニック映画の傑作がまたひとつ誕生した。

大震災で唯一倒壊を免れたマンション。若い夫婦は助け合い、リーダーの元生き
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ショーイング・アップ(2022年製作の映画)

4.4

ミシェルウィリアムズ演じる主人公のアーチストは画面に映る間のほとんどをイライラしている。隣人との些細な話、家族間の齟齬、苛立ち。なのにスクリーンから伝わる温度はずっと優しく温かい。

あの鳩こういう伏
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

4.4

オープニングで結末はほんのりと分かっている。なのになんなんだこの温かな気持ちは。
全編に体温が宿り、人が生きている姿が映る。静かな美しい自然とふたりの男、牛。牛乳泥棒がばれて追いかけられる。それだけの
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レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)

4.8

大好きなんて言葉では言い表せない作品だが、今見ても全編超クールで面白すぎてちびりそうだった。
オープニングのライクアバージン巨根説から黒スーツの男たちの闊歩姿、すべてがあまりにもかっけえええ。

互い
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窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

4.0

「どうしてみんな私のこと困った子っていうの?」
良く言えば天真爛漫、今風に言うなら空気の読めない子。おそらくADHD傾向があり自由闊達なトットちゃんは前校追い出されるように新しい小学校へ転入するところ
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笑いのカイブツ(2023年製作の映画)

3.7

「おもろいだけが正しいんや」
まっすぐ過ぎて世界に馴染めず、生き辛さを覚える日々。世間への怒り、あるいは呪いのような感情をひたすらネタにぶつけるお笑いの作家の半生。
「人間関係不得意」な生き方しかでき
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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

3.3

オーストラリア版コックリさん映画。パーティーでノリでやっていたら取り返しのつかないことに……。
主人公の行動が徹頭徹尾ダメダメ過ぎてぜんぜん乗れない。
最後までこれっぽっちも同情の余地なし。もうちょっ
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.2

丁寧な暮らしって、北欧家具に囲まれることでもオーガニックコットンの服を着てほっこりお茶飲んでることじゃないんだよ。
これだよね。

公衆トイレの清掃人。繰り返す毎日とルーティン。
その中にふと現れる少
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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.1

表面的にはこんなにぶっきらぼうで冷たいのに、なぜこんなにも暖かな気持ちになるのか。
金なし労働者で孤独を抱える中年男女の不器用なラブストーリー。アキ・カウリスマキだけの映画マジック。むちゃ良い。

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朝がくるとむなしくなる(2022年製作の映画)

4.1

ふわふわした女の子映画だと思ったらしっかり泣かされた。
コンビニバイトで何の目的もなく毎日を過ごしているように見えた女性。ある日昔の同級生と出会い、心を通わせ、酔いも手伝い少しずつ気持ちを吐露するよう
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