矢野竜子さんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

オオカミの家(2018年製作の映画)

2.5

2次元と3次元を横断する表現としては
目を見張るものがあると思うが
やはりそのギミックに頼り過ぎていて
というかそれのみの作品で正直しんどかった。
こういうのはMVぐらいでちょうどいい説。
ホラー映画
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マイ・エレメント(2023年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

触れることができない2人が
触れるとどうなるか。
そこから火と水というキャラクター設定に
したように思ったけれどどうなんだろう。
ただそれが合わさることで
さらに光のエフェクトを産むとか
流石のピクサ
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天使の影(1976年製作の映画)

2.8

ずっとなにいってるかよくわからないし
屋内でしゃべりっぱなしで正直辛かった。
ただ現代の歌舞伎町を舞台にもできると思う。
街という舞台で役割を全うできないものは
死ぬしかない。
ハリボテみたいな遠景の
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キャスト・アウェイ(2000年製作の映画)

4.3

無人島ものでただの冒険サバイバルにしないのがこの監督らしく、
むしろそこに味が出ているように思う。
タイトルよりも前にフェデックスの車が映り
この作品が物流=「流れ」=「運命」の映画
ということが宣言
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鬼軍曹ザック(1950年製作の映画)

4.3

明らかに低予算なのに
アイディアと脚本で奮闘していて
サミュエルフラーのクリエイター魂を感じた。
冒頭から何をどう映しどう語るかの
演出が冴え渡っていて正座せざるを得ない。
終盤の戦いは銃撃相手が同じ
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KUSO(2017年製作の映画)

-

ソニックマニアで
終演後フライングロータスと握手する
という奇跡が起きたので
(客席にわざわざ降りてきて
ファンサービスしていて凄かった)
今見るしかないと思い、意を決して見たら
もはやタイトルそのま
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ルビー・スパークス(2012年製作の映画)

2.5

お洒落でナードなラブストーリーに
見せかけたサイコホラー。いや普通に怖い。
なんかいい感じの終わり方に見えるけど
不気味でキモくて鳥肌。
制作側は意図してるんだろうか?
フランケンフッカーを見て
出直
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学校の怪談G(1998年製作の映画)

3.8

清水崇の4コマ漫画のような
超どストレートな2作(片隅、4444444444)は
もはや笑いと紙一重だと思う。もちろん好き。
黒沢清の木霊はドラマ性など何もない、らしさ全開の怪作。
学校という場所を使
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ミンナのウタ(2023年製作の映画)

4.1

ちゃんと怖くてちゃんと感動できて
面食らってしまった。
最近の清水崇作品の中では
圧倒的に1番怖いと思う。
前作でわりとやりたい放題やっていた
清水崇が急にオーソドックスに立ち返るとは。
アイドル映画
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バービー(2023年製作の映画)

3.8

ポップで楽しい世界観を逆手にとった
過激で現代社会に対する皮肉に満ちた
痛烈な一撃パンチ映画。
脚本にノアバームバックが入っているが
ホワイトノイズ同様にバービーが
死の観念に支配され始めるという部分
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牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

4.3

光と闇の映画。
みなが不安に支配されて
ここではないどこか(光)を望み続けるものの
次第に毒が回っていきその場から(闇に)
捕らえられ続けてしまうそんな映画。
誰も逃れられないし世界は変えられないけれ
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ニンゲン合格(1999年製作の映画)

4.2

「1秒間に24の死」から成り立つ
「映画」であるからこその痕跡の映画。
本編中ひたすらに登場する歩き、走りがそれを象徴する。
生きているものは歩き、走り、そして死に向かっていく。
燃える炎もそうだろう
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トルテュ島の遭難者たち 4Kレストア(1976年製作の映画)

4.4

旅行でも計画通りにいかないことが
逆に楽しかったりするけど
そのドライブ感が味わえる
まごうことなきバカンス映画。
仲間割れするのも旅行あるあるですね。
段取り、計画をぶっ壊して無軌道に進む
展開にた
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マリア・ブラウンの結婚(1978年製作の映画)

4.3

改めてファスビンダーは
時代の5歩先をいっていたんだなあと…
貴方が私と寝たのではなく
私が貴方と寝たなど至言多し。
看守の鍵の音を聞かせるカットは
女性解放が近いことを思わせる。
アメリカ=自由=資
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川沿いのホテル(2018年製作の映画)

3.7

よくわからない負が立ち込めるホテルが舞台。
多分だけどあのホテルはシャイニング同様に
呪われている。
ホンサンスなりのホラー映画なんだろうか。
雪景色の中、
出会っていたはずの詩人と女性2人は
その後
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しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 〜とべとべ手巻き寿司〜(2023年製作の映画)

3.2

小西康陽による深田恭子の隠れた名曲を
キーにもってくるあたりが
この監督のオリジナリティで面白さ
と思うけどあんまり活かされてないような…。
ただ場内爆笑であったかい気持ち
になったから加算0.5。
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草の葉(2018年製作の映画)

3.8

主観客観をキムミニを通して
いったりきたりして楽しい。
他人の会話から
ドラマ、キャラクターを見出し、
楽しむキムミニだが、自分もいつの間にか
そのドラマに加わることになる。
大きくは
①他人→キムミ
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バウンス ko GALS(1997年製作の映画)

3.7

きょう東京ドームにaespaを
見に行くから見た(?)
ギャルとおっさんという性別と年代、
日本と海外という場所を筆頭に
境界についての映画。
そしてその境を一線を越えるということ。
渋谷の雑踏を望遠
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ゾン100 ゾンビになるまでにしたい100のこと(2023年製作の映画)

1.5

ネトフリ資本でこんな幼稚な作品
やめてくれー
韓国のネトフリ映画#生きているが
いかに傑作だったか。
これで2時間以上もあるのしんどすぎる。
ゾンビ描写やらテンプレのオンパレードで
アクションシーンも
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ミックステープ 伝えられずにいたこと(2021年製作の映画)

3.6

まさかのGirls At Our Best!に面食らい、
キンクスの使われ方に涙し、
そしてエンドクレジットにしっかりと
刻まれたヒロト甲本の文字。
やっぱり想いと音楽が時代を超えて
繋がるとかどうし
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ゼイ・クローン・タイローン/俺たちクローン(2023年製作の映画)

3.4

擬態映画であり、一種のフェチ映画。
フィルムの粒子感だったり、
右上にチェンジマークが入ったり。
内容がクローンものだけに、
映画自体が往年のフィルム映画に擬態しているのが
メタ的に面白い。

キングダム(1994年製作の映画)

4.3

オカルト×医療×ブラックコメディ×グロ
はたまたゾンビ、なんでもありなのに
しっかりまとめていて最高だった。
これだけカオスな内容のくせに
主軸の幽霊少女のエピソードは
かなり正統派でグッときたし、
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ザ・ショック(1976年製作の映画)

3.5

清水崇最新作の「ミンナのウタ」の
予告で本作の有名なシーンの
完全なオマージュカットがあったなあと。
畳み掛け、盛り上げには
落下まみれにすべしとバーヴァ先生が
教えてくれている。
頭にこびりつくよう
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あした晴れるか(1960年製作の映画)

3.0

正直、キュートな芦川いづみと衣装、
タバコ吸いまくる
石原裕次郎のみが見どころか。
内容は時代もあってひどい。
(ある意味レガシー) 
石原裕次郎の着替えと
スクリーンプロセスが融合した
タイトルバッ
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イノセンツ(2021年製作の映画)

3.5

超能力による
目に見えない過程(=念力)と
それに伴う目に見える結果。
そこには一見すると繋がりはないわけだが、
映画というハッタリで簡単に繋がるわけで。 
その飛躍こそが映画だなと思ったり。
大友克
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こわれゆく女(1974年製作の映画)

4.8

問答無用の傑作。
中断の映画であり、
宙ぶらりんにされ続けるのがたまらない。
つまりは純然たるサスペンス映画。
開かれたパーティは絶対に途中で終わるし、
客は誰1人として長居できず帰らせられる。
終盤
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フェイシズ(1968年製作の映画)

2.8

何かが欠けてしまった人たちが
ひたすら大声出したり踊ったり
騒ぎまくってその何かを埋めようと
するものの結局虚無しか残らない話。
見ててどっと疲れた。
階段は関係を分つ舞台装置。

オープニング・ナイト(1978年製作の映画)

4.2

老いという自身が
直面した抗いようのない運命と
アドリブのきかない舞台公演が
いつのまにかメタ的に繋がり、
終盤ジーナローランズが
満身創痍でボロボロになりながら
「運命の乗り換え」(by輪るピングド
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ラヴ・ストリームス(1983年製作の映画)

4.1

どうかしてるってセリフとともに
本当にどうかしてくるから笑った。
愛の欠如を描いたジョンカサヴェテス編と
愛の奉仕を描いたジーナローランズ編
といった感じなんだろうか?
それにしてもボーリング場での
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ドキュメント サニーデイ・サービス(2023年製作の映画)

-

今でも覚えているのは
江ノ島オッパーラ(偶然にも本編にも出てくる)で
インディーズの某バンドのライブを見に行った時、
曽我部さんが出演しないのに見に来ていて、
本当は見に来てくださいと呼ばれたのかも
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チャイニーズ・ブッキーを殺した男(1976年製作の映画)

4.5

映画館で見ると改めてひたすら顔だなと。
そしてこの欲望とどん詰まり感。
顔の圧が逃げ場のなさに追い討ちをかける。
このにっちもさっちもいかない感じは
平日のうだる暑さの真昼間にこそ
味わう方がよりキく
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小さき麦の花(2022年製作の映画)

4.0

ワンビンのドキュメンタリー見てるかと
思うぐらいフィクションに見えない。
フィクションとノンフィクションの狭間で
描かれる生活史。
本当にそこで暮らすような人々、
臭いが漂ってきそうな
ロケーションに
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ジョージア、白い橋のカフェで逢いましょう/見上げた空に何が見える?(2021年製作の映画)

2.1

長すぎる。
意味性がない画を見てるのってつらい。
途中からNHKの深夜やってる
なんちゃら紀行みたいなのを想像した。
注目!とかラストとか口を出さずには
いられない感じで正直ダサい。
サッカーが見たい
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ゆりかごを揺らす手(1991年製作の映画)

3.5

小道具の使い方が上手い良質な家系スリラー。
冒頭から囲いを作らせるのだが、
後の侵入を予感させる。
落下するガラス、夫の階段からの落下、
屋根裏からの転落=死・暴力のイメージの連想。
そして死と暴力の
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ギミー・ザ・ルート ~NYグラフィティ~(2012年製作の映画)

4.1

この監督の「浮き草たち」も
素晴らしかったけど、これも負けじと良い。
街中でやり取りさせて
それをロングショットで捉える。
ゲリラ撮影としか思えないけど
どれもこれも素晴らしい。
あとピザ屋とか雑多な
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アンチクライスト(2009年製作の映画)

2.2

このレビューはネタバレを含みます

エデンから追放されて
人間になったはずのアダムとイヴが
今度は殺し合うって話?なんだろうか。
知らんけど。男性優位社会の誕生的な?
この監督にとってセックスは
生と死が交わる部分であり、
一種の門なん
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