TPさんの映画レビュー・感想・評価

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イヴの総て(1950年製作の映画)

4.2

★1990年に続き2回目の鑑賞★

 前半は、マーゴ役のベティ・デイヴィスの演技が凄いなと思いつつも、昔の映画っぽい進行だなとちょっと退屈しかかったが、イヴが策略と本性を出し始めてからは急にストーリー
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.6

 原爆の悲惨さが十分描かれていないという批評もあるようだが、本作はそれは主眼ではなく、天才的物理学者で原爆生みの親と言われるオッペンハイマーの赤裸々な人間像を描きたかったのだと思われる。
 時にエゴイ
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アイアンクロー(2023年製作の映画)

3.9

 プロレスは1975年から1985年くらいの間、毎週欠かさずTVで観ていたくらい好きだった(特に外国勢が豪華だった全日の方が好きだった)ので、フリッツ・フォン・エリックが全日のリングで戦っていた姿も、>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

 全体的には犯人は誰かというミステリーの体をとっているが、法廷劇というジャンルに分類するのが一番適切。
 一方で、法廷劇を主題にする映画は数多いが、本作は事件の結末もさることながら、焦点は一般的な夫婦
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山椒大夫(1954年製作の映画)

2.7

★1989年に続き2回目の鑑賞★

 中世の民衆芸能を原話として森鴎外が執筆した原作を映画化。そのような出典であるがため、正直、ストーリーは凄くおおざっぱで単純でご都合主義的なところも多い。
 また、
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真夜中のカーボーイ(1969年製作の映画)

4.2

★1988年に続き2回目の鑑賞★

 ジョン・ヴォイドの演技・佇まいや、過去の思い出や夢をフラッシュバックで入れることで、主人公ジョーが祖母の偏愛を受けて育ち、故郷での尻軽女の甘い囁きを真に受けて自分
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めし(1951年製作の映画)

3.2

★1989年に続き2回目の鑑賞★

 林芙美子原作だが、2/3を書き上げたところで林は亡くなったため、未完の作品を映画化したもの。川端康成が監修(具体的に何をやったか不明)している。

 日本人離れし
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リバー・ランズ・スルー・イット(1992年製作の映画)

4.2

 物語は徹底して長男ノーマン視点で描かれていて、だからこそ、厳格だった父や奔放な弟の私生活に入り込みすぎることはなく、大きな舞台は少年・青年期を送った大自然であり、その多感な時期の懐かしき想い出をフラ>>続きを読む

瞳をとじて(2023年製作の映画)

2.5

😅 エリセ監督という先入観を失くして観てみたら、これが正直な感想です 😅

 本当にエリセ監督作品なのだろうか。「ミツバチのささやき」「エル・スール」で観られたような、極力セリフではなくて“間”や映像
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悪い奴ほどよく眠る(1960年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

★1989年に続き2回目の鑑賞★

 父親の復讐を怒りをもって計画し、飄々と(口笛が効果的)実行していく西(三船)の静と動の対比、汚職という水面下の巨悪に対する個人的な毒をもっての正義の緊迫感ある対立
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ポップスが最高に輝いた夜(2024年製作の映画)

3.0

 1985年は私が最も深く洋楽に嵌まっていた時期にあたり、当時これだけのスーパースターが一堂に会しただけでもテンションMAXの事態であり、忘れえぬ記憶となっている。
 当然のことながら今でさえカラオケ
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椿三十郎(1962年製作の映画)

4.1

★1989年に続き2回目の鑑賞★

 話の骨格は「用心棒」と同様、「二つの組織の対立する地域によそ者が現れ、その混乱を鎮める」というものだが、本作は常に若侍側に味方することになるので、主人公がどちらに
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E.T.(1982年製作の映画)

4.8

★1989年に続き2回目の鑑賞★

 35年前に鑑賞した時の評価は5。今回観なおすにあたって、子供・ファミリー向けの映画だと思っていたので、正直、あまり期待していなかったのだが、本作は万人に受け入れら
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アマデウス ディレクターズ・カット(2002年製作の映画)

3.5

★1989年に続き2回目の鑑賞★

 ブロードウェイの舞台「アマデウス」の映画化作品なので、ほぼ史実とは異なる内容。
 サリエリ、モーツアルトの生涯はかなり脚色されているので、当時の二人の関係を深掘り
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喜びも悲しみも幾歳月(1957年製作の映画)

3.5

★1989年に続き2回目の鑑賞★

 物語は、日本各地の灯台を転々と転勤する灯台守夫婦の人生を、第二次世界大戦の空襲や、息子の事故死などという出来事はあるにはあるが、かなり淡々とつづり、敢えて感動をこ
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用心棒(1961年製作の映画)

4.6

 完全にエンタテイメントに徹した作品。そもそも、一浪人がなぜ命を張って宿場町の抗争を収めたり、妾を救ったりしようと思ったのかというような細かいところはお構いなしに、勢いでストーリーは進行していく。
 
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.8

 ヴィム・ヴェンダース監督作品は30年以上前に「パリ・テキサス」と「ベルリン・天使の詩」の2作を観ただけ(のみならずジム・ジャームッシュと混同していた。。。)。
 それらは評論家筋の評判は良かったもの
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惑星ソラリス(1972年製作の映画)

4.5

★1989年に続き2回目の鑑賞★

 1961年に刊行されたスタニスワフ・レムの原作では、人間の記憶から“対象物”を作り上げるという能力を持つ惑星ソラリスがそれぞれの隊員から創造した“対象物”は各調査
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イマジン/ジョン・レノン(1988年製作の映画)

3.5

★1989年に続き2回目の鑑賞★

 生誕から1980年12月8日に銃撃されて死去するまでを数々の映像と関係者のインタビューで綴ったジョン・レノンのドキュメンタリー映画。日本では映画館で上映されたが、
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それから(1985年製作の映画)

3.0

★1988年に続き2回目の鑑賞★

 1910年に刊行された、夏目漱石の前期三部作の二作目にあたる作品の映画化。若くして異才の映画監督と名高かった森田芳光が監督。

 そもそも明治時代のいわゆる高等遊
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スプラッシュ(1984年製作の映画)

4.5

★1988年に続き2回目の鑑賞★

 監督のロン・ハワード、主役のトム・ハンクス、ダリル・ハンナがまだまだ駆け出しだった時(三人とも製作当時20代)に製作され、彼らが大ブレイクするきっかけともなった貴
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わらの犬(1971年製作の映画)

4.4

★1988年に続き2回目の鑑賞★

 正直、全体の2/3までは、その日その日を気ままに好き勝手に生きている粗暴な田舎の青年たちの行動にほとほと嫌になってくるし、気が弱く、その弱さを隠すため(隠せてない
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.5

 原作はFBIの前身であった捜査局の特別捜査官ホワイトらの活躍を中心とした内容なのだが、主演のディカプリオが敵役であるデ・ニーロ演じる人物の甥を演じることになり、オセージ族から戦略的に石油鉱業権を奪い>>続きを読む

未知への飛行(1964年製作の映画)

4.2

 ストーリー展開は同年、同社製作の「博士の異常な愛情」とほとんど同じで、訴訟戦術により「博士~」が8カ月先に公開することになったこともあり、本作は「博士~」と比較し興行的に失敗しているが、評論家筋の評>>続きを読む

フィル・スペクター(2013年製作の映画)

3.4

 1960年代から1970年代に活躍し、アメリカの音楽界に多大な影響を与えた奇才プロデューサー、フィル・スペクターの、2003年に自宅で若手女優を射殺したという容疑で逮捕された以降の裁判を中心に描いた>>続きを読む

裸の銃を持つ男PART33 1/3 最後の侮辱(1994年製作の映画)

2.8

 ロサンゼルス市警の名物刑事で現在は定年退職しているドレピンが、爆破犯逮捕に一肌脱ぐという内容。

 1,2作目と比べると、悪役が何を目的に何をやりたいのかよくわからない。また、盛り込まれるギャグには
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ナバロンの要塞(1961年製作の映画)

4.2

★1982年に続き2回目の鑑賞★

 冒険小説家の第一人者アリステア・マクリーンが1957年に発表した同名小説の映画化。名優を揃え、音楽にディミトリ・ティオムキンを起用し、当時としては大変大掛かりな特
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裸の銃を持つ男2 1/2(1991年製作の映画)

3.4

 ロサンゼルス市警の名物刑事ドレピンが、エネルギー業界の覇権争いを丸く収めるといったストーリー。

 1作目と比較すると、大掛かりな舞台設定でなくなった分全体的にこじんまりとした感があるが、その分、コ
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セルピコ(1973年製作の映画)

4.4

★1988年に続き、2回目の鑑賞★

 1970年に警察の腐敗をニューヨークタイムズ紙上に暴露し、翌年、同僚刑事の意図的な怠慢で重傷を負った、実在の麻薬課刑事セルピコの半生を描く。
 実際に大スキャン
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裸の銃を持つ男(1988年製作の映画)

3.4

★1995年に続き、2回目の鑑賞★

 とことん馬鹿をやってほしいというのが私のコメディ映画に対する要求であり、元々しゃれた笑いより、下品で下ネタ系の方が大好き。
 また、笑わせようというタネがまき散
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猿の惑星(1968年製作の映画)

4.2

★1988年に続き2回目の鑑賞★

 特殊メイクの猿人が大挙して登場するという、言ってみればキワモノ映画なのだが、監督がシャフナー、主演がヘストン、音楽がゴールドスミスという一流の布陣から、原作を基に
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6月0日 アイヒマンが処刑された日(2022年製作の映画)

3.0

 ゲシュタポのユダヤ人移送局長官で、アウシュヴィッツ強制収容所へのユダヤ人大量移送の指揮的役割を担ったアドルフ・アイヒマンは、1960年にアルゼンチンで拘束されてイスラエルに送還。1961年に死刑判決>>続きを読む

狼たちの午後(1975年製作の映画)

4.4

★1988年に続き、2回目の鑑賞★

 公開の3年前に実際に起こった事件を題材に、社会派の名匠シドニー・ルメットが監督、「ゴッド・ファーザーⅡ」などで当時ノリにノっていたアル・パチーノ主演、ジョン・カ
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ガンジー(1982年製作の映画)

4.4

★1987年に続き、2回目の鑑賞★

 インド独立運動の指導者マハトマ・ガンジーの、イギリスの大学卒業後に南アフリカの弁護士になるところから、1948年に暗殺されるまでの55年間を描いた3時間超の大作
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ライムライト(1952年製作の映画)

4.1

★1988年に続き、2回目の鑑賞★

 老道化師カルベロが精神が原因で脚が動かなくなったバレエダンサー、ケリーを力づける数々の名言が、この映画の白眉。
 また、親子以上に歳の違うカルベロを愛するケリー
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.5

 物語導入部は、戦時中を舞台にしていることもあり「風立ちぬ」風の、現実に軸足を置いた作品かと思ったが、途中から、眞人の冒険・成長物語の様相を呈してくる。
 私は宮崎駿作品以外のジブリ作品はほとんど観な
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