ケーティーさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

ケーティー

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ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

4.7

※IMAX2Dにて鑑賞

ミュージカル映画を愛する人がつくった、今までのミュージカル映画を越えた映画。名作舞台の単なる映画化ではなく、本当の意味でのミュージカル映画をつくろうとしてするその心意気に感動
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二十四の瞳(1954年製作の映画)

-

木下監督だけに、予想以上にシリアスで描写にも洞察力がある。
決してほのぼのした感動ものではない。

それは初めの主人公の登場シーンからで、ここでの自転車での登場のさせ方と村人の反応を描く描写がうまく、
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サバイバルファミリー(2017年製作の映画)

-

現代の日本に、いや、私たち日本人に警鐘を鳴らす作品。しかし、押しつけがましい教訓や啓示でなく、こんな大切なこと忘れてないって、やさしく語りかけてくるような映画。

矢口監督のアイディアの積み重ねがすご
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ファインディング・ニモ(2003年製作の映画)

-

とにかく海の中の映像がきれい。
そして、ディズニーの脚本はやはり構成がしっかりしている。

親が子どもの存在を認めることの大切さ。
偏見に拘らず、相手を信頼することの大切さ。
こうしたシンプルなテーマ
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沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

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人は心を殺して生きることができるのか。

スコセッシ監督は、このテーマに絞って映画を創ったのではないか。そんなことを思わせる作品だった。
特にそれを感じたのは、映画のキチジローに原作と少し違う印象を受
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パプリカ(2006年製作の映画)

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まるで不条理劇を観ているかのような世界。
突然全く意味不明なセリフを矢継ぎ早に話したりするシーンが面白い。

このセリフは原作にもともとあったのかこの脚本の創作なのかはわからないが、その言葉遊びがいい
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ユー・ガット・メール(1998年製作の映画)

-

とにかくかわいらしく、でもどこかセンスのあるセリフと絵がたくさん詰まっている。

また、作者の知性をセリフなどの端々から感じる。
脇役にさらっと哲学者の名前を出させて、それぞれの人物像を説明するなどし
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Mr.レディMr.マダム(1978年製作の映画)

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随所に散りばめられたギャグが何とも面白い。取り立ててケレン味のあるギャグを言わなくても、シチュエーションや絵で笑わせる技術がすごい。
本人たちは普通に生活しているつもりでも、どこかワンポイントズレてい
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日本で一番悪い奴ら(2016年製作の映画)

-

月刊シナリオに出ていた脚本を読んでから鑑賞。
脚本を読んだとき、色んな内容を入れつつもよくまとまっているなと思う一方で、何か情感がないなと感じた。しかし、実際の作品を観ると、白石監督が細かな演出を足し
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見知らぬ乗客(1951年製作の映画)

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何気ない日常の切り取り方とその膨らませ方がうまい。

電車で知らない人に話しかけられるというどこにでもありそうな風景から始まる本作。
しかし、その見知らぬ男が自分が今一番したいことを提案してきて、さら
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浮雲(1955年製作の映画)

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二人がようやく結びついたとき、悲劇が待っている……。

水木洋子先生の書くセリフがうまい。
渡り台詞のような流れるやりとり、一言でパッーと世界がわかる端的で的確なセリフ。
二人のやりとり以外でも、例え
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海難1890(2015年製作の映画)

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必ずしも全てがうまくいっているわけではないけど、作る人の誠意を感じる作品で、自然とトルコ人への愛や感謝が沸いてくるいい作品でした。

序盤や一部で、現代人の感覚で当時の人がしゃべっているセリフがあって
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ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅(2016年製作の映画)

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正直なところ作者のアイディアはすごい。でも、ドラマが弱く脚本が脚本としての役割をわかっていないで、書かれていると感じた。

コワルフスキの人物像は魅力的だし、クリーデンスの話も面白い。正直クリーデンス
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卒業白書(1983年製作の映画)

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一人の青年の成長を描いて、現代の拝金主義あるいは個別利益追求の風潮にこのままでいいのかと疑問を呈した作品。

主人公ジョエルは真面目に高校生活を過ごすが、特段よい成績を修めるわけでもなく、つまらない日
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アメリカン・グラフィティ(1973年製作の映画)

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主人公のふるさとを出るか否かの繊細な葛藤と、夢と大人への旅立ちを描く作品。

群像劇風で、同時進行するどの話もそれぞれの人物像が掘り下げられていて、よくいかされている。さらに、その中での青年たちの微妙
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インセプション(2010年製作の映画)

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夢の中でさらに夢を見るという構造がおもしろい。

夢と現実がまじるとか、夢を現実と思うという設定はよくある。
しかし、この夢の中に夢をつくるという設定をつくり、さらにそれを主人公の根底的な内面とつなげ
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アメリカン・パイ(1999年製作の映画)

4.4

見事な三幕構成。

とことんバカでくだらないんだけど、その中でもしっかり高校生たちの成長を描いていて、すごい。どこかしみじみとした感動を覚える作品。

好きだからこそ一歩踏み出せなかったり、躊躇ったり
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探偵はBARにいる(2011年製作の映画)

-

最近の邦画では少ないハードボイルドテイストの作品。
大泉洋がどこか情けないんだけど、カッコよく、また、松田龍平のスカした魅力や小雪の美しさなど、俳優陣の持ち味をうまく生かしている。

脚本は古沢さんが
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疾風ロンド(2016年製作の映画)

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泣き笑いありのエンターテインメント作品。
決して全てがうまくいっているわけではないし、必ずしも名作とはいえないかもしれないが、映画の面白さとは何かを考えて作っている。

基本はコメディながらも、ゲレン
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男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎(1981年製作の映画)

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松坂慶子演じる芸者のおふみが、寅次郎が泊まる安ホテルの一室にやってくるシーンが印象的で忘れられないシーン。

おふみは、とにかく殊勝で普通の人であれば逃げ出したい境遇でもめげずに生きる。
そんなおふみ
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屋根の上のバイオリン弾き(1971年製作の映画)

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構成もセリフもよく練られていて、うまい。改めて英語字幕付きで鑑賞すると、前後のセリフと物語やナンバーがリンクしていて、巧みなことがわかる。

英語のセリフを通して、なぜチャバを小鳥と表現しているかもわ
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海賊とよばれた男(2016年製作の映画)

1.0

はっきり言って駄作。

イランへ向けて出発する船を見送るシーンなど、いい絵はたくさんある。またラストの回想など、この絵を取りたかったんだなと思わせるシーンも多い。

しかし、脚本のセリフが下手すぎて、
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グッド・オールド・サマータイム(1949年製作の映画)

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ハンガリーの戯曲でルビッチにより映画化もされた作品のミュージカル版。

ミュージカル化により舞台が楽器店となり、初めに女が売る商品もオルゴールではなくハープとなっている。
しかし、このハープを売るシー
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この世界の片隅に(2016年製作の映画)

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はっきり言って、人物が多すぎて、表面のエピソードをさらうだけで、人物の深い心情に切り込めてない部分もある。映画としてはもっと人物を絞って、それぞれの芯に切り込んだいいようにも感じた。

しかし、それで
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リロ&スティッチ(2002年製作の映画)

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リロと家族を取り巻く事情がしっかりつくってあり、福祉局のおじさんや宇宙人など、ぶっとんだ設定もあるんだけど、その中でしっかり一貫性が保たれている。

だから、映画が進むうちにそれぞれの境遇がわかり、そ
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土竜の唄 香港狂騒曲(2016年製作の映画)

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一作目は見てなかったが、初めにハイライトもあり、全く問題なく楽しめた。

とにかくギャグてんこ盛りかと思いきや、中国系ヤクザの撲滅に絡んだドラマやアクションなどもあり、アニメルパン三世的な作品になって
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男はつらいよ 寅次郎紅の花(1995年製作の映画)

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寅さんはいつまでも誰かのものではなく、みんなのもの。例えその存在が時代錯誤だとしても、どこかで求められる存在。

そんなことを思わせたかったんじゃないかと思うラストにじーんとなる。
浅丘ルリ子さん演じ
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男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花(1980年製作の映画)

4.5

ほのぼのとした沖縄の暮らしを描いているように見せかけて、さりげなく寅次郎とリリーのすれ違いを見せていく。この描写と設定の高度な技に、監督の職人技を感じる作品。

子どもの頃は、わからなかったが、今改め
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ほしのこえ(2002年製作の映画)

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心理的な距離は近づいていくのに、物理的な距離はとんでもなく離れていく。
その設定が面白い。

正直なところストーリーというストーリーはない。
だから、初めて見終わったときはこれで終わるのという感覚。
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桃色の店/街角 桃色の店(1940年製作の映画)

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ハンガリーの戯曲の映画版。

セリフと個性豊かな人物の設定がおもしろい。
ラブコメとして楽しませながらも、さりげなく働く人々の生きざまを出している。

単に面白さだけを追求してるのではなく、真摯に人物
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家族の日(2016年製作の映画)

4.3

とにかく何ともいえないふわーっとした感動がある作品。

ご都合主義だとかそういう感想もあるようだが、そんなことは決してない。
なぜなら、主人公の家族は必ずしも革新的に暮らし向きがよくなったわけではない
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男はつらいよ 寅次郎忘れな草(1973年製作の映画)

-

寅さんといえば、見事な構成・ストーリーだが、この作品は必ずしもそうではなく、少し毛色が違う。

それもそのはず、あるインタビューで本人が話していたが、浅丘ルリ子の要望で役の設定を酪農家の娘から変更し脚
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トラック野郎 御意見無用(1975年製作の映画)

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とにかく面白い絵の連続。
ケンカ、カーアクション、子だくさん家族、祭り、思いがけない告白、男女の別れ、……etc。

正直、寅さんとかのように綿密な伏線はないんだけど、それでも納得できるのは桃次郎の人
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何者(2016年製作の映画)

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とにかく原作に忠実。
ただその結果、ストーリーをそのまま無理矢理ほとんど詰め込んで、ディテールを捨てるという選択をとっている。

そのため、20代の登場人物と近い年代であれば、それぞれの心の機微を読み
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女の園(1954年製作の映画)

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一人の女性が狂い、壊れていく様を通して、組織の闇と虚構を暴く秀逸な映画。

特にラストのそれぞれが正しいことを言い、痛いほど気持ちがわかるのに誰一人相容れることはない。その描写があまりに見事すぎて、衝
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秒速5センチメートル(2007年製作の映画)

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ラストを観たときに、きっと二人の少女は本当にいるのかどうかもわらかないし、主人公の男の妄想あるいは幻想なのかなと思った。

1話目のラストの展開がどこかファンタジーすぎて、ここまで来たら高校生の男なら
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