けんぼーさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

けんぼー

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秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

5.0

音。そして、「間」。小さな宝石のような映画でした。不思議なところはいっぱいあるし、非現実的なストーリーなんだけど、全く不自然さを感じさせない。ネリーと(Petit)マリオンを演じたジョセフィーヌ&ガブ>>続きを読む

コロンバス(2017年製作の映画)

5.0

何という映像美。何という静謐さ。俳優陣の抑制的かつ自然にも程がある演技の素晴らしさよ。ゆったりとしたアーティスティックなカメラワークで酔わせつつ、ストーリーにも寸分の違和感もない。ジョン・チョーはめち>>続きを読む

メイド・イン・バングラデシュ(2019年製作の映画)

5.0

この現実は重い。資本主義のフレームワークで生きるかぎり、いわゆる発展途上国の人々に苦しみを与えているであろうという自覚は持っていたつもりでしたが、結局は日常生活の中であまり考えないようにしているわけで>>続きを読む

プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

5.0

衝撃を受けました。今年観た中では『さがす』に匹敵する強烈な展開。何を書いてもネタバレになりそうで怖いのですが、ジェンダー問題に光を当てながら全く教条的でなく、かくもカッコいい映画に仕上げるって、監督し>>続きを読む

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2021年製作の映画)

4.5

遅ればせながら鑑賞。ストーリーにさしたる意外性はありませんでしたが、恐竜たちのリアルさと手に汗握る闘争&逃走シーンを十分に堪能させていただきました。個人的には悪役の最期はもっとグロくてよかった気がしま>>続きを読む

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.5

何とも言えない禍々しさ。敢えてジャンル分けするとすればサイコスリラーということになるかと思いますが、円谷プロ作品を彷彿させる要素もあり、謂く言い難い作品です。台詞や作中で引用される詩、登場するアイテム>>続きを読む

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

5.0

死ぬほど面白かった‼️
最終盤までたくさんの「?」を頭の中に充満させられながらも血糊がバンバン飛び散るインモラルなのに痛快なアクションシーンのオンパレードで、全くダレ場のない至福の2時間でした。そのた
>>続きを読む

キングメーカー 大統領を作った男(2021年製作の映画)

4.0

「正義とは何か」を終映まで問われ続けているようで気持ちの持って行き場に困りましたが、フィクションながらもほとんど実話を再現した映画とのことなので、隣国の政界を理解する上で貴重な一助になりました。ソル・>>続きを読む

ブライアン・ウィルソン/約束の旅路(2021年製作の映画)

4.5

ブライアン(現在の)がかわいすぎます!開始直後から、やおらスクリーンに駆け寄って抱きしめたくなる衝動を抑えるのに苦労しました。そしてそのかわいさは、この人が持つ素晴らしい人柄のなせるものであることを、>>続きを読む

セイント・フランシス(2019年製作の映画)

5.0

本作を鑑賞し終えた感想をひと言で表せば、「女性にはとても敵わない」ということ。生物学的には男性は女性から派生した出来損ないだと聞いたことがありますが、本当にしょーもない存在に思えてきました。もちろん、>>続きを読む

神々の山嶺(2021年製作の映画)

5.0

圧倒されました。アニメーションでここまでリアリティが出せるものなのか…いや、アニメーションだからこそなのかもしれない。とにかく実写と見紛うほどに美しい山々の描写に息を呑みます。そして自然への畏怖。まる>>続きを読む

モガディシュ 脱出までの14日間(2021年製作の映画)

5.0

ちょっと待って下さい。これ、みんな知ってます今この映画がやってること??大傑作ですけど??
本当に内戦真っ只中のソマリアで撮影したとしか思えないリアリティ。実際本当に人間30人ぐらい死んでないでしょう
>>続きを読む

ベルファスト(2021年製作の映画)

4.5

北アイルランドの複雑な歴史を背景に、ある普通の家族が苦悩しながらも懸命に生きる姿を淡々と描いただけの映画ですが、じわじわと押し寄せる感動に涙が溢れました。主人公の少年バディの何と愛くるしいこと!名優ケ>>続きを読む

グレイマン(2022年製作の映画)

5.0

最高すぎました。まさにノンストップスーパーアクションエンターテインメント。ライアン・ゴズリングかっこよすぎ。クリス・エヴァンス、まあクズなこと(笑)。そしてアナ・デ・アルマス…何も言うまい。早くもシリ>>続きを読む

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

4.5

結論、大好きです。アタオカな人たちがいっぱい出てくるし、放送禁止用語のオンパレードだし、目まぐるしいストーリー展開もありませんが、とにかく愛おしい。ゲイリーもアラナも、普通に隣近所にいそうな感じなキャ>>続きを読む

母へ捧げる僕たちのアリア(2021年製作の映画)

4.0

もう少しドラマチックなストーリー展開をイメージしていましたが、いい意味で肩透かしを食らいました。原題は”Mes frères et moi”、つまり「兄たちと僕」。邦題は素敵といえば素敵だけど、ちょっ>>続きを読む

エルヴィス(2022年製作の映画)

5.0

単なるエルヴィスの伝記映画に終わらせることなく、トム・パーカーという一人のならず者(?)によっていかにこの不世出のスターが誕生し、輝き、そして「退場」したかを描き出したバズ・ラーマンの手腕は見事です。>>続きを読む

ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)

4.0

タイカ・ワイティティらしい、子どもへの愛に満ちた映画。エンタメ性も十分だし、ソーも相変わらず頭悪そうで最高でした。底抜けにスカッとするほどではありませんでしたが、常に75〜80%くらいのアドレナリンが>>続きを読む

三姉妹(2020年製作の映画)

5.0

私の中では今年観た中でNo.1(筆者注: 但し、マーヴェリック様にはマルチバースにおける別格玉座に鎮座頂いたものとします)。途中4分の3ぐらいまでは、「君たち全員サイテーか…」というぐらい、三姉妹が揃>>続きを読む

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.5

うーん、私はこの映画にカタルシスを感じることができませんでした。各登場人物のキャラが立っているようで立っていないというか、人物像が最後まで胸に突き刺さってこなかったというか…。ロードムービーの要素もあ>>続きを読む

PLAN 75(2022年製作の映画)

4.0

もっとガンガン、グサグサ来る感じなのかと勝手に身構えていたら、どんより、静かに、淡々と最後まで進んでいきました。それだけに、怖い。そして、ともすれば荒唐無稽に堕してしまうかもしれない設定を、まるで実話>>続きを読む

FLEE フリー(2021年製作の映画)

5.0

「難民」という言葉に慣れた気になってしまっていた自分の後頭部に強烈なハリセンを見舞ってくれました。こういう映像体験を一人一人が積み重ねていくことが、差別や偏見をこの地上から根絶するための一歩になると信>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

5.0

トム先輩!なんちゅうもん作ってくれたんですか!!!!これ、なんか文句ある人います!?


とにかく、観よ。以上。解散!

オードリー・ヘプバーン(2020年製作の映画)

4.0

もっと彼女の内面の奥深くに迫る内容を期待していただけにやや物足りなさを感じましたが、比類なき美しさと慈愛に満ちた心を持った至宝だったことを再認識するには充分な作品と言えましょう。『マイ・フェア・レディ>>続きを読む

ローレル・キャニオン 夢のウェストコースト・ロック(2020年製作の映画)

4.5

CSN&Yもジョニ・ミッチェルもイーグルスもローレルキャニオンでみな繋がっていたことを51年間知らずに生きてきたことが恥ずかしくなりましたが、いやー観てよかったです。そして何気に我がモンキーズが地味に>>続きを読む

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

5.0

絶対に期待を裏切らないMCU。世界観が壮大すぎて度肝を抜かれました。劇場選びは慎重に。3D IMAXでご覧になることを強く推奨します。

マイスモールランド(2022年製作の映画)

5.0

本作品はドキュメンタリーではなくフィクションですが、ここに描かれたのとほぼ同じ不条理がこの国で数多く行われているであろうことは、他国と比べて圧倒的に少ない難民受入数から容易に想像できます。何の落ち度も>>続きを読む

カモン カモン(2021年製作の映画)

5.0

やばいです。また一つ大好きな映画ができてしまいました。子どもへの〜映画に出てきたジェシーだけでなく、世界中の子どもへの〜愛に溢れています。いや、懸命に生きるすべての人たちへの愛かな。最初は、モノクロで>>続きを読む

アンビュランス(2022年製作の映画)

4.0

すばらしきB級映画でした。やりたいことが多すぎてとっ散らかってる感じも最高。誰が主人公なのかもよくわかりませんが、ジェイク・ギレンホール扮するダニーの同情するのに苦労するほどのダメ人間ぶりもよき。海外>>続きを読む

英雄の証明(2021年製作の映画)

5.0

すべての登場人物の感情の機微をこれほどまでに同じような粒度で描いた映画は記憶にありません。とにかく、それぞれのキャラが立ちまくっている。そして、底抜けの善人も出てこない代わりに、憎悪すべき生粋の悪漢も>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

5.0

国際長編映画賞にふさわしい作品でした。原作において最も根幹をなすコンセプトはしっかり登場させつつも大胆にプロットを膨らませた脚本が見事に成功しています。特に後半は「村上春樹的なるもの」を凌駕して完全に>>続きを読む

ハード・ヒット 発信制限(2021年製作の映画)

4.0

ちょっと期待が大きすぎたか。筋書きにところどころ違和感あり。結末もちょっと腹落ち感不足かなぁ…。着想が面白かっただけにもう少し練り込んでほしかったと思うのは、欲張りすぎかしらん。カーチェイスは十分に見>>続きを読む

クレッシェンド 音楽の架け橋(2019年製作の映画)

5.0

映画史に残るであろう名作。脱水症状になる程泣きました。「未来志向で仲良くすべき」などと部外者である我々は簡単に考えてしまいがちですが、そんな生易しい問題ではないということが心にグサグサ突き刺さります。>>続きを読む

さがす(2022年製作の映画)

5.0

衝撃作。とにかく鑑賞者の予想を最後の最後までことごとく裏切ってくれます。途中の味も後味もぜーんぶ悪いです。気持ち悪いことこの上ない。でも、絶賛すべき大傑作。俳優陣の演技もみな素晴らしいのですが、とりわ>>続きを読む

クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

4.5

相変わらず愛らしい佳作をプレゼントしてくれたイーストウッド監督の安定感に感謝。派手さはありませんが、静かな感動をもたらしてくれます。それと余韻ですよね。底抜けのハッピーエンドではない。新たな人生を踏み>>続きを読む

国境の夜想曲(2020年製作の映画)

4.5

報道で見聞きする映像より、この映画が切り取ったもののほうが本当の中東を教えてくれているのではないでしょうか。語りもあざとい演出もない、正真正銘のドキュメンタリー。特に驚いたのは、ISにより囚われの身と>>続きを読む