ペインさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

2.5

2023年上半期映画ベスト10で、多くの人が軒並み1位に挙げていたので、あまりそそられなかったが重い腰を上げて鑑賞。

うーん…。案の定といったら申し訳ないのだが、ゴダールが言うところの"よく出来た答
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ハタリ!(1962年製作の映画)

4.1

パワーワード・ホークス晩年の人気作。

正直『ヒズ・ガール・フライデー』や『赤ちゃん教育』のような秒で終っちゃうようなキレキレぶりと比べると体感時間がかなり長く、同じくウェイン主演の『赤い河』や、『男
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決断の3時10分(1957年製作の映画)

4.7

クリスチャン・ベイル&ラッセル・クロウ主演でリメイクもされた『3時10分、決断の時』(こちらも良い!)のオリジナル版。

リメイク版の『3時10分、決断の時』の監督は、今月公開される『インディ・ジョー
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怪物(2023年製作の映画)

4.1

“実際どうだったかなんてどうでもいいんだよぉぉ~”by田中裕子

『空気人形』とはまた別ベクトルでの、是枝裕和カルト作爆誕。

奇しくも監督脚本の両者が大好きな相米の『台風クラブ』を全面展開させており
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ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

4.3

色々と禁じ手だらけな映画とは言えるが、それらが徹底しており、てんこ盛りで抗えぬ“面白さ”。トム・クルーズが本作を気に入るというのは納得。

特に冒頭のバットマンが絡むアクションシークエンスは今年観た映
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サンゲリア(1979年製作の映画)

4.1

ロメロゾンビに比してとにかく描写の1つ1つが汚なくって腐敗臭がプンプン伝わってくる。

フルチ作品はストーリーテリングという部分では諸々野暮ったいという印象は拭えぬが、いくつか観た中では『ビヨンド』と
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ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

3.0

『アウェイ・フロム・ハー』『テイク・ディス・ワルツ』等々、女優だけでなく監督として重量級の傑作放つサラ・ポーリー御大新作。

“『ドーン・オブ・ザ・デッド』(※ジェームズ・ガン脚本)の主演女優”として
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

2.0

1作目は確かに画期的な面白い映画であったということは前置きさせてもらいつつ、今回はハッキリと“ダメ続編”だったと言わせてもらおう✏️

暗いジメジメとウエットさの増したグダグダ脚本&グダグダアクション
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TAR/ター(2022年製作の映画)

4.7

キューブリック 、ウディ・アレン仕込みの俳優兼監督トッド・フィールド16年ぶりの最新作。

こりゃヤバいっ!2度鑑賞したが、何度でも観たくなるスルメ映画。今年は私的には『TAR』と『フェイブルマンズ』
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4匹の蝿(1971年製作の映画)

4.3

ロック・バンドのイケメンドラマー、
酷い目に遭う。ザラー、エドガー・ライトののFavorite。

とにかく変な面白い映画を撮ってやろう!という気概が、全シーン全ショットから感じ取れる素晴らしきアルジ
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バビロン(2021年製作の映画)

1.5

マーゴット・ロビーの華とその一挙手一投足に惹き付けられるので、まだエブエブよりはマシなのだが、流石に体感時間長過ぎて前半から所々死んだ魚の目で観ていた(マーゴットが勢いよく🤮するところが白眉)。

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EO イーオー(2022年製作の映画)

3.0

『イメージの本』という名の遺言を最期に遺し、怒れる独居老人ジャン=リュック・ゴダールは昨年この世を去ったが、もう一人の独居老人イエジー・スコリモフスキ(御歳85)が、また極めて私的な最新作を放った。>>続きを読む

レッド・ロケット(2021年製作の映画)

4.3

“Red Rocket(発情した犬のぺ○ス🚀)”

『ワイルド・スピード』のパロディ映画、“ヒワイ(卑猥)ルド・スピード”ご出演経験をお持ちの、落ちぶれた元ポルノスターである主人公マイキー(サイモン・
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ホブスンの婿選び(1954年製作の映画)

4.5

アリ・アスターがCriterion Channelで推していた1本。

スピルバーグが撮影前に見返すで今やお馴染み『戦場にかける橋』『アラビアのロレンス』『ドクトル・ジバゴ』の名匠デヴィッド・リーンの
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マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

4.3

『インランド・エンパイア』『ツイン・ピークス The Return』を経た今見ると、
本作は実は整合性のよくとれた(※リンチ作品としては)とても“バランスの良い”作品に思えてくる不思議⬅️とはいえ勿論
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吸血鬼(1932年製作の映画)

-

世界の名だたるホラー作家たちの文字通り“聖典”ともいえるヴァンパイア映画の祖。

全編ひたすらに生々しい…
純度、強度、深度すべてにおいて高次元。

映画の父グリフィスや、ムルナウ、ドライヤー等のこの
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ミーン・ストリート(1973年製作の映画)

3.5

マーティン・スコセッシ初期作
『ミーン・ストリート』(73)

最近観てかなりハマった『アフター・アワーズ』(85)や『救命士』(99)といった、ある種ブニュエル的ですらあるような“スコセッシらしから
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(1997年製作の映画)

4.7

アリ・アスターの“ベストツァイ・ミンリャン映画”というのも納得しかない1作。

“ルノワールじゃない方”の「河」。

”現代社会に生きる人々の孤独を描く“とは名ばかりで、同時期のトッド・ソロンズ映画(
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.1

快作『プロミシング・ヤング・ウーマン』に引き続き、キャリー・マリガンのその“男前感”、“眼差し力”に引き込まれてしまう。

勿論『17歳の肖像』に始まり、傑作『ドライヴ』や『インサイド・ルーウィン・デ
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ビフォア・サンセット(2004年製作の映画)

5.0

無限大の可能性が開かれていたかのような瑞々しい“青春譚”でもあった前作から9年、現実味を帯び、シニカルさとビターな風味が加わった2作目。

“初々しさ”はたしかに後退したものの、繰り広げられる会話の質
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ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995年製作の映画)

4.5

“恋愛における最も幸福な瞬間”を切り取った珠玉の名編。

監督のリチャード・リンクレイターが出会ったある女性との実体験が元になっているが、実は本作撮影の直前にその女性が亡くなっていたことを監督は200
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さすらい(1975年製作の映画)

3.8

『まわり道』を観たついでに『さすらい』も。これでヴィム・ヴェンダース監督のロードムービー三部作を一通り鑑賞🔎

本作『さすらい』は、映画として“骨っ節”があって、ロビー・ミューラーの撮影も冴えに冴え渡
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まわり道(1974年製作の映画)

4.3

ナスターシャ・キンスキーの女優デビュー作。ヴィム・ヴェンダースのロードムービー三部作の二作目。唯一のカラー作品で評価は低め。

しかしこの垢抜けなさ具合が心地よくもある。気心知れた友人とダラダラ何をす
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ドント・ウォーリー・ダーリン(2022年製作の映画)

4.3

女性映画監督2本立てその②

前作にして長編デビュー作『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』が絶賛されたオリビア・ワイルドの長編2作目。本作は、評判はそこそこながら私は支持したい。

わかり
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ニア・ダーク/月夜の出来事(1987年製作の映画)

4.5

女性映画監督二本立てその①

男泣かせの剛腕監督キャスリン・ビグロー御年71(若すぎ)の原点にして最高傑作か?

『地獄の逃避行』的ロードムービーの果ての愛、食人族、吸血鬼、人体発火…etc.色々とご
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女神の継承(2021年製作の映画)

4.1

本当にド根性の“野心作”。

所々で予算が足りないのか、はたまた作り手の技量の問題か、ホンジンパイセンの『哭声 コクソン』なんかと比べると、ショットが緩くなる部分がやや多くノイズにはなってしまったし、
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カランコエの花(2016年製作の映画)

4.5

“わた婚”も大ヒット爆進で、今をときめく若手女優・今田美桜の原点作。

公開時に高い評判は聞いていたが、たしかに素晴らしい。本作から7年ものブランクが空いて撮られた公開中の中川駿監督最新作『少女は卒業
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ブラック・フォン(2022年製作の映画)

4.3

大作『ドクター・ストレンジ』からお帰りなさいなスコット・デリクソン監督の回帰(怪奇)作。よっ!待ってました👏とにかくジャンル映画として無類に楽しく、ニコニコになってしまう出来映え。

わかりやすく何か
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メイン・テーマ(1984年製作の映画)

4.3

黒沢清『ドレミファ娘の血は騒ぐ』とほぼ同じ年に公開された、森田芳光による愛しか感じないゴダール模倣映画。

あの大傑作『ときめきに死す』と同年の作品でありながらB面的な扱いの作品だが、この“不発の夏”
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ドレミファ娘の血は騒ぐ(1985年製作の映画)

4.3

黒沢清初期の愛しか感じない
ゴダール模倣映画。

勿論、主演の洞口依子さんの魅力は言わずもがな、伊丹十三演じる蓮實重彦とおもしき大学教授が強い印象を残す。

その拙さも込みで、とにかく作り手の研究心と
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零落(2023年製作の映画)

1.0

同じく公開中のスピルバーグ監督『フェイブルマンズ』との共通項を見出だしている方をけっこう見かけるが、映画としては正直”天と地の差“と言わざるを得ない。

やたらとネオンを吊らす演出等は、監督が竹中直人
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

1.5

これがアカデミー作品賞ですか…😂あまりのショックにしばらく席を立てずスタッフに退出してくださいと声をかけられる始末(笑)

作り手が参照元に挙げていた、レオス・カラックス『ホーリー・モーターズ』や湯浅
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ラスト、コーション(2007年製作の映画)

3.8

『別れる決心』とあらゆる意味で“対”となるような、女優タン・ウェイの原点作。

当時この作品で“脱いだ”ことがセンセーションを呼んだ彼女だが、最新作『別れる決心』では徹底して“脱がない”ことでもって我
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最凶女装計画(2004年製作の映画)

4.5

“エブエブ”で今やアカデミー作品賞監督のダニエルズが、リメイクを企てていたというのも納得の意表を突く傑作ぶり。過去のラジー賞ノミネート作品においても『ショーガール』並みに良い。

“頭空っぽで観られる
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赤ちゃん泥棒(1987年製作の映画)

4.5

たしかにアバンタイトル~からのオープニングがめちゃアガる⤴️映画。

まさしく才気迸る若手監督による一撃!といった感があるコーエン兄弟初期の快作で、“巨匠”になってしまっては撮れないような瑞々しい1本
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