ペインさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

3.0

“ブニュエル崩れの成れの果て”

パート1は比較的面白く観れた。だが然程汚くもないなんちゃってうんこ💩&ゲロ🤮のパート2は勿論のこと、その後のパート3も全くノレず。

一見すると本作『逆転のトライアン
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ZOMBIO(ゾンバイオ)/死霊のしたたり(1985年製作の映画)

4.5

アピチャッポン、イーライ・ロスらの聖典でもあるシッチェス映画祭グランプリ受賞作。

序盤こそあんまりかも…なんて思ったのも束の間、サービス精神溢れる畳み掛けるような展開と85分という丁度良すぎる幕切れ
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モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル(1975年製作の映画)

5.0

遅蒔きながらMonty Pythonを初鑑賞。
大感銘。狂気と狂喜、衝撃と笑撃、もの凄くバカ丁寧に作られたバカ映画。

単独監督作ではないけれど、テリー・ギリアム最高傑作では?

DEAD OR ALIVE 犯罪者(1999年製作の映画)

4.3

90年代末~ゼロ年代初頭にかけての全盛期三池崇史のキレキレな1本。

ハンガー(1983年製作の映画)

3.5

デヴィッド・ボウイが出てくる冒頭の掴みがあまりにもカッコよく痺れるのだが、それ以降見事なまでにグダリっぷりを見せる、トニスコ改めトニー・スコット長編処女作。

兄リドリーの“『ブレードランナー』崩れ”
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

3.5

瑞々しい快作『ショーガール』、キレキレのシャープな劇薬『エル ELLE』を直前に見返してから見たと言うのもあってか、セックスやバイオレンス等も変わらずあるにはあるのだけれど、諸々の描写にかつての“鋭利>>続きを読む

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.7

“その男、激突!(衝突)につき”

近年流行りの“映画についての映画”、
”フェリーニのアマルコルド型自伝的映画“の決定打的作品。それが御年76のスティーヴン・スピルバーグから放たれた。

前作『ウエ
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アフター・アワーズ(1985年製作の映画)

4.7

S・クレイグ・ザラーやジェームズ・ガンもフェイバリットの、スコセッシ作品史上最もブニュエルに接近したような作品。

前述レビューの『救命士』ともかなり通ずるものがある不条理劇だが、しかしこちらの方が見
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救命士(1999年製作の映画)

4.5

マーティン・スコセッシ監督×ニコラス・ケイジ主演の『救命士』。万人向けとは正直言い難く、意外と知られていないが、実は一部映画ファンの間では根強い人気のカルト映画。

『タクシードライバー』脚本家でもあ
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ギャンブラー(1971年製作の映画)

4.7

雪の西部劇。『シャイニング』『ヘイトフル・エイト』への影響。アルトマン作品では『ロング・グッドバイ』と並べたくなる。ヴィルモス・スィグモンドの撮影がとにかく素晴らしい。

ちひろさん(2023年製作の映画)

3.5

"セックスは水🚰を飲むようなもの"Byちひろさん

主人公のちひろが元風俗嬢というのもあってか、"如何にもな良い人"という感じで描かれていない自然な感じが良い。若葉竜也に"したくなっちゃった"という場
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別れる決心(2022年製作の映画)

4.3

今年の劇場初めはパク・チャヌク新作。

私がこのところ集中的に観ていたダグラス・サーク監督作品的メロドラマの型を借りた歪な不条理劇といったところだろうか。

そのキャラクター設定や突飛なCG使い、高低
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女の都(1980年製作の映画)

4.5

黒沢清監督も"評価は低めだが大好きなフェリーニ作品"として挙げていたが、『8 1/2』のセルフパロディ版といった感があり面白い。

たしかに如何にも巨匠の晩年の珍作、典型的な誇大妄想型映画といった感じ
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こちらあみ子(2022年製作の映画)

4.1

本当に尾野真千子の髪の毛がぶわ~ってテーブルに広がっているシーンはJホラー👻

昨年、映画好きがこぞって邦画のベストに選ぶのも納得の"仕上がり"。冒頭のアバンタイトルからしてそのフレームコントロールと
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地下鉄のザジ(1960年製作の映画)

4.3

"こちらあみ子"と"こちらザジ子"の2本立ては意義深かった。

一見するとテイストは真逆のようで、しかしどちらの作品も可笑しさの中にふとギョッとするようなホラー的ともとれる狂気的な描写があり見応えがあ
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成功の甘き香り(1957年製作の映画)

4.3

ニコラス・W・レフンやS・クレイグ・ザラーのオールタイムベストの1本。

とにかくモノクロ撮影がリッチで、夜の街の捉え方等にジョン・カサヴェテス『アメリカの影』や『すべてが狂ってる』くらいの頃の鈴木清
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夜と霧(1955年製作の映画)

4.5

文字通りの名作クラシック。

昨年の『ニューオーダー』なんかを観ていても思ったけれど、80分程度(※本作は30分)で雄弁にこの世の地獄と蛮行の限りを描ききり、"ショック"を与えてくれる作品が数あるなか
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ファイティング・ダディ 怒りの除雪車(2014年製作の映画)

4.3

斎藤工も激推し!リーアム・ニーソン主演でリメイクもされ、その邦題とパッケージからは想像も出来ない"高み"に"うっかり"到達してしまったノルウェー🇳🇴発の傑作バイオレンスノワールコメディ。

主人公ディ
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心のともしび(1954年製作の映画)

4.5

日本には成瀬巳喜男、アメリカにはダグラス・サークがいる。映画ウマ過ぎ夫さん。

ベッタベタのご都合主義という名の超高速弾丸映画。私が先に観た後の『天が許し給うすべて』と遺作『悲しみは空の彼方に』に比べ
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ストロンボリ/神の土地(1949年製作の映画)

4.5

濱口竜介監督のオールタイムベストの1本。

アリーチェ・ロルヴァケルの『幸福なラザロ』への影響も多分に感じさせるような、土着的な何かを捉えんとする素晴らしいロケーションと神秘的な撮影。

厳しい現実を
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上海特急(1932年製作の映画)

4.1

ディートリッヒの圧倒的女優オーラ!
貫禄!それだけ目で追っているだけで81分が一瞬で過ぎ去ってしまうが、漢字だらけの列車や北京の雑多な風景、構図等が素晴らしい。

さよなら、私のロンリー(2020年製作の映画)

1.5

評判高過ぎて意味分からない。
旦那の新作も微妙だったが、まだ旦那の方が全然救いがある。

同じリチャード・ジェンキンスなら
『ダーマー』や『トマホーク ガンマンvs食人族』の方を絶対に観るべき。

続・激突!/カージャック(1974年製作の映画)

4.1

久々に見返してみて、好きは好きだけれど今観るとより荒削りで"地味な小品"という印象は強まった。この後に『ジョーズ』『未知との遭遇』がくると思えばまさに"革命前夜"の1作と言える。

そう思うと、同じよ
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失われた週末(1945年製作の映画)

4.5

よくこんなギラついた作品がアカデミー作品賞に…と驚く怪作。

『ファーザー』が認知症患者の擬似体験ホラーならば、本作はアルコール依存症患者の擬似体験ホラー。しかしオチはどことなく爽やか。

ビリー・ワ
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刑事物語(1982年製作の映画)

3.8

武田鉄矢ファンの父親に頼むから観てくれと言われ拒否り続けてきた『刑事物語』を遂に一緒に鑑賞。なんだこれ、面白いじゃないか(笑)

年齢的に今こういうのが沁みるベストタイミングだったのかもしれない。昨年
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クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち(2011年製作の映画)

4.1

尻!乳!尻!乳尻!エロワイズマン。

ドキュメンタリーでありつつも、フェリーニ(晩年)やリンチ(晩年)作品のような心地好い揺蕩い感が味わえる←中盤少しウトついたけれど、幸福感が勝った。今のところ一番好
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罪と罰(1983年製作の映画)

4.3

『ラルジャン』みがあって、殺伐としたカウリスマキ。粗削りながらも真っ直ぐさが胸を打つ処女作。

孤独な場所で(1950年製作の映画)

5.0

「映画とはニコラス・レイのことだ」(ジャン=リュック・ゴダール)

イケてる男の代名詞的存在である"カサブランカ・ダンディ"ことハンフリー・ボガートが、こんなにもやるせない後ろ暗さを秘めた男を演じたが
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テナント/恐怖を借りた男(1976年製作の映画)

4.5

スコリモフスキに続いてポランスキ。
やはり○○スキと名のつく監督はイカれた監督ばかり。

人としてはダメかもしれないが、やはり作る映画は一級品ばかりなポランスキ。本作は『反撥』の"名作感"とは対極なが
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ザ・シャウト/さまよえる幻響(1978年製作の映画)

4.5

S・クレイグ・ザラーも大好き、
"叫び声で人を殺せる男"を描いたイエジー・スコリモフスキ御大監督作。カンヌ映画祭審査員特別グランプリ受賞。

5月に日本でも公開される新作『EO』に備えて復習を兼ね久々
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天はすべて許し給う/天が許し給うすべて(1955年製作の映画)

5.0

イーストウッドもゴダールもファスビンダーもジョン・ウォーターズもトッド・ヘインズもスピルバーグもタランティーノも…etc.

皆、ダグラス・サークの映画を前にはただ言葉を失くし、ひれ伏すしかなくなって
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バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト(1992年製作の映画)

4.3

ニコラス・W・レフンや
S・クレイグ・ザラーも大好きな"刑事とドラッグとキリスト"

某著書で、"才能はあるがメリハリのある脚本を書けない人"としてジョン・カサヴェテスと共に名前が挙げられていたのが本
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タバコ・ロード(1941年製作の映画)

4.1

誰かが『悪魔のいけにえ』を例に出していたけれど、"社会派"とは名ばかりの本当にハイパー気狂いホームコメディ。やはり巨匠と呼ばれるような監督は狂っているものである。そして序盤の爺さんと婿のカブをもらうあ>>続きを読む

ガンマン大連合(1970年製作の映画)

4.7

タランティーノやザラーも愛する"レオーネじゃない方"のセルジオ監督の大傑作マカロニウエスタン。

面白すぎ。配信無いの勿体無さすぎるほど、とにかく底抜けに明るく、全編デタラメな映画的外連味と豊かさに満
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The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ(2017年製作の映画)

2.0

蓮實重彦が腐した映画の中にはけっこう面白いものもあると私は思うが、それでも本作に対する彼の"愚かにして醜い"という感想には少なからず同情してしまう。

いつもの"淡いソフィアタッチ"で描くのは100歩
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狼の時刻(1966年製作の映画)

4.7

文字通り"迷宮に迷い込でしまう"という感覚そのものであり、真の意味での"ホラー映画"とも言える怪作👻

デヴィッド・リンチが如何にこの映画を見尽くして研究しているかが伺え、特に中盤のあの屋敷のジジババ
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