久遠さんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

本気のしるし 劇場版(2020年製作の映画)

5.0

不揃いな恋を反復する二人が、不滅の愛で一致する物語。不埒に映る色事だけれど、予定調和の蜜月よりも美しく懸命で純粋に思えた。大袈裟なプロットが示す、今より先を行くジェンダー観と“宿命の女”からの脱却。同>>続きを読む

Cosmetic DNA(2020年製作の映画)

3.6

推しの藤井愛稀さんが主演を務めた、エンパワーメントムービー。クソ男共を「女をナメるなよ」とボコボコにする3人を見て、スカッとして少し泣けた。低予算だけにチープではあるけれど、人物の造形はリアルで、描き>>続きを読む

記憶にございません!(2019年製作の映画)

1.4

緩んだ演出、穴だらけの脚本、浅すぎる風刺。終盤、アレ(及び妻)を象った夫婦の”私的なトラブル”を公的な場で解決した結果、事態が好転しちゃう展開には絶句。現実は其れを上回った気もするけれど。1から10ま>>続きを読む

お兄チャンは戦場に行った!?(2013年製作の映画)

4.5

傑作。引きこもりの兄が「戦場に行くから」と、小中学生並みに幼気な話し方をする妹の〇〇毛を要求するハートフルコメディ。終始ニヤケながら観た俺は変態に違いないだろうし、好人物な監督も変態で確定している。テ>>続きを読む

浅田家!(2020年製作の映画)

3.6

変態性と過度な母性信仰は鳴りを潜め、泣き一辺倒ではなく笑いも多用する正統派の家族映画に仕上がっていた。題名通り、浅田家で始まり浅田家で終わる綺麗な構成。20〜30代まで違和感なく演じるニノに脱帽。物足>>続きを読む

チチを撮りに(2012年製作の映画)

4.2

これは褒め言葉なんだが、”素面で作ってないでしょ、この映画”
迸る「お母ちゃん信仰」「変態性=ロリコン、オネショタ」に“中野映画”を観ているなと目を細めたのも束の間、ラスト10分の限界突破×クレイジー
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静かな雨(2020年製作の映画)

5.0

中川龍太郎監督の世界に対する眼差しは、相変わらず優しい。窒息してしまいそうな程に。か細いけれど、強く胸に染みる言葉。一瞬で消えてしまいそうな美しいショットの全てが、心から離れない。日差しと満月の光が良>>続きを読む

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

-

一果のバレエ、彼女と凪沙が心を通わせるシーンなど感極まる場面は幾つかあった。役者陣の熱演は素晴らしいし、並々ならぬ思いはあるはず。しかし、今作において性的少数者たちが迎える結末は受け入れ難い。手前勝手>>続きを読む

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

5.0

2回目。プロットを把握した状態で観ると恐ろしく周到に設計された作品なのが分かる。新自由主義が蔓延する世界を絶妙なリアリティラインで、一つのイエに置き換えた。ポン・ジュノらしい社会への皮肉と隠喩に打ちの>>続きを読む

リング(1998年製作の映画)

3.5

竹内結子が松本穂香にそっくりで激かわ。
貞子は終盤までテレビから出てきてくれないので、多分焦らすのが好きなタイプのドSなんだと思う。

#生きている(2020年製作の映画)

4.2

Filmarksの評価は微妙だけど、めっちゃハラハラ&面白かった!ゾンビ物としての水準は余裕でクリアだし、何かとdisられがちなSNS全盛期の中“人と人の繋がり”を正しく・温かく描いていたのも良い。お>>続きを読む

37セカンズ(2019年製作の映画)

4.0

初長編作品としては、かなりの出来。後半のフィクショナルな展開は乗れなかった。歌舞伎町をフォーカスして物語を動かせば傑作なり得たかも。

王国(あるいはその家について)(2018年製作の映画)

-

徐々に形を変えていくリハーサルの繰り返しは、家で観ると“強度”への感嘆より、気疲れが先に来た。長尺かつ弛緩する瞬間が無いのも、集中力が削がれる。しかし、劇場で鑑賞した場合は正反対の波及があったに違いな>>続きを読む

鵞鳥湖の夜(2019年製作の映画)

-

時系列が前後する為、初見では理解が追いつかない部分もある。印象的なショットは多く、特に後半は画面に吸い込まれるかのように観入った。パソコンの小さな画面では魅力を最大限に享受できないので、劇場で再見した>>続きを読む

宇宙でいちばんあかるい屋根(2020年製作の映画)

3.9

清原果耶さんの初主演作品、堂々たる出来栄えだと思う。これまでの藤井監督作品と言えば、主要人物に非日常的な“悲劇”を降りかけ葛藤させるのが主題だった。しかし、今作では思春期の少女に普遍的な家族との衝突で>>続きを読む

アス(2019年製作の映画)

3.5

玄人は「ゲット・アウト」より今作の方を評価しているが、非シネフィルな自分にとって明日には忘れるくらい興味の湧かない作品でした。明日にはね。アスには。

ハッピー・デス・デイ(2017年製作の映画)

4.4

2Uと合わせて。春ごろに鑑賞した為、細かい所まで記憶にございません状態だが、タイトル通りハッピーな映画で超楽しかった。性に奔放だから“ビッチ”と揶揄する風潮には辟易するものの、性格に難ありな主人公が同>>続きを読む

星の子(2020年製作の映画)

3.9

スニークプレビューにて。
鑑賞したのは8月上旬なので、細かい内容は忘却気味。最も印象に残っているのは、脱・子役と言ってもいい芦田愛菜さんの好演。白眉は踊り場で泣き崩れるシーン。
個人的に嬉しかったのは
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ほえる犬は噛まない(2000年製作の映画)

-

ぺ・ドゥナ様が可愛すぎやで。ワンちゃん投げられて可哀想。

青くて痛くて脆い(2020年製作の映画)

3.2

「劇的な展開」は、勘の良くない自分でさえ予告を見て推測できた為、驚きは無かった。ただ、未熟な若者の“伝えない人”から“伝える人”へ成長していく過程が今作の肝であり、主演二人の好演も相まって其処は上手く>>続きを読む

センセイ君主(2018年製作の映画)

4.8

好きに全力すぎる“さまるん”の姿に、腹筋が千切れるほど笑わされ、号泣させられた。胸ポンババぼん。観る前は正直、評判に半信半疑だったけれど、これ程まで真っ直ぐにコメディ×青春×ラブを描いた映画は初めてで>>続きを読む

グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

-

最近、ダイエット中で菓子類を摂取できないけど、今作がフォローしてくれた気がする。それくらい画面は常に色彩豊かで、テンポのいい展開も相まって引き込まれた。

The Witch/魔女(2018年製作の映画)

3.8

ヤンジャンで連載されそうな題材を大真面目に映像化できる韓国映画界の凄みを感じた(褒めてます)
超展開の前置きが丁寧すぎる嫌いはある。それも続編ありきと考えればやむを得ないかな。
アクションシーンは最高
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県警対組織暴力(1975年製作の映画)

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菅原文太、松方弘樹がバリかっちょいい。
哀感が漂うラストに泣く。任侠映画、もっと観なきゃだなあ。

思い、思われ、ふり、ふられ(2020年製作の映画)

4.6

予告で受けた平凡な恋愛映画のイメージとは異なる、繊細なヒューマンドラマ。良い意味で裏切られた。
他者と向き合っていく様を抑制の効いた演出で見事に表現しきったと思える。独白シーンの多さが少し気になるもの
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知らない、ふたり(2016年製作の映画)

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やたらと顔がいい韓流アイドル、お団子ヘアーな可愛い青柳文子、いつもより2割増しで綺麗な韓英恵と木南晴夏。印象に残るのは役者さんの姿で、話は殆ど頭に残らず。
今泉力哉信者を自称しているが、「his」に次
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アングスト/不安(1983年製作の映画)

3.7

シリアスな話かと思ったら、めちゃくちゃ手際の悪い殺人鬼が只管にアタフタしてる様子を見せられて終始半笑いだった。ずっと視線を向けられる描写って生理的に気持ち悪いし、ソーセージの食い方汚え。
今作に限って
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サッドティー(2013年製作の映画)

4.0

後の作品群に繋がる原点と言って良い恋愛群像劇。リンゴみたいな髪型をした二股男と彼を取り巻く個性的な人々。「好きって何?」という普遍的なテーマを持続させるのは、何時もながら秀逸な会話劇。
自分は本当に今
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鬼手(2019年製作の映画)

3.7

クォン・サンウが、元祖モムチャンの名に恥じない肉体を惜しげもなく駆使。囲碁の知識が1ミリも無い自分でさえ、全く問題なかった。半分くらい肉弾戦だし。
細けえことはいいんだよ...と言わんばかりの狂った世
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mellow(2020年製作の映画)

3.8

「今泉監督作品を観たな〜」と心が満たされる作品。田中圭さん演じる花屋を始め、どの人物も他人に自分なりの誠実さを向けていて優しい気持ちになれた。伝えること、伝えられたことは凄く価値があるんだよね。監督特>>続きを読む

君が世界のはじまり(2020年製作の映画)

4.3

むず痒く思う場面や何故こうなる?な展開は有る。しかし、思春期だからこそ抱える焦燥や“普通”な日常に対する不安が直球で伝わってきた。
ドラマ版「セトウツミ」を想起させる関西弁の愉快な会話、3人の女優陣(
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悪人伝(2018年製作の映画)

3.5

ヤクザなマブリーと百獣の王似の刑事が手を組み、イカれた殺人鬼を追う!
面白いに決まってる...のだが、割と暴力描写は淡白で展開も驚きは無い。
ジメッとした韓国映画が好きな自分には、今作は手堅すぎたかも
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