猫背さんの映画レビュー・感想・評価

猫背

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パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

男らしさへの執着は弱さの裏返しで、弱さを見つけ出しては攻撃することで自分の首ををも絞め続けている。彼の弱さが見えた時それは魅力にさえ思えたのに、許さないと決めてしまったのなら結果は甘んじて受け入れない>>続きを読む

ザ・ライダー(2017年製作の映画)

4.1

馬に乗ることと生きることがほぼ同義なのに、馬に乗れば死を呼び寄せる。生活のためのバイトは退屈でも、安全な場所にいれば人生は薄く長く引き伸ばされていく。
全身付随になったライダー仲間や、いつも歌っている
>>続きを読む

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

4.0

3部構成の秀逸さ。それぞれ見方は違うということである程度のストーリーの予測はできるが、真実と断定される妻マルグリットの視点から見える夫が想像以上に酷く驚く。問題なのは1人のレイプ犯ではなく女性を人間と>>続きを読む

エターナルズ(2021年製作の映画)

3.8

ちょっと駆け足気味ではあるけれど、10人のヒーローを登場させてかつ数千年規模だからしょうがない。その割にそれぞれのキャラクターの持ち味がちゃんと出ていて愛着が沸いた。

キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)

3.8

第一次世界大戦下でのキングスマン結成秘話。前作まではお気楽アクションだったが、歴史が下敷きになれば話の重みが違ってくる。前線に派手なアクションを持ち込むのは危うさを生むけれど、キングスマンお得意のあっ>>続きを読む

イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ(2010年製作の映画)

3.8

バンクシーの話じゃない。"精神に問題のあるカメラオタク"がアーティストとして成功してしまうまでのドキュメンタリー。偶然が偶然を呼び、あっちこっち蛇行しながら人生が進んでいくのが面白い。最後の個展を開く>>続きを読む

世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ(2018年製作の映画)

3.6

現在の生活を覗くと"心の広い聖人君子"みたいな印象を受けるが、過去を振り返りながら彼の話に耳を傾けるうちに、資本主義に反対する頑なな姿勢が見えてくる。富の再分配が進んで救われるのは貧困層だけでない。中>>続きを読む

ブラック・ウィドウ(2021年製作の映画)

4.0

ナターシャの特殊な生い立ち21年間(これだけで1本作れそう)をオープニングでさらっと流してしまうのがカッコいい。孤独に生きて死んだとされていた彼女の、家族の話。でもセオリー通りにまとまったいい話という>>続きを読む

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.8

人間臭さがあまりない。クールな未来感の演出といえばそうなのかもしれないが、もう死んでしまったキャラ含めてもう少しみんなのこと知りたかったな…という気持ちが残る。人物の関係性や背景があまり描かれない中で>>続きを読む

イレイザーヘッド(1976年製作の映画)

3.4

タイトルの種明かし?のところが面白かった。リンチの初期作品は敬遠してたけど、案の定ここから入らなくてよかった。

ズートピア(2016年製作の映画)

3.8

よりによって窓口係に配属されたナマケモノがチャーミング。お客さま至上主義では絶対悪とされるけどこういうのを受け入れる度量はもうちょっとあってもいいよなと思った。

アナザーラウンド(2020年製作の映画)

3.9

酒飲みの映画なのに説教くさくない、少しダメなおじさんたちが滑稽で愛おしく思えてくる作品だった。今日は飲まないよと言いながらグラスに手を伸ばす気持ちはよく分かる。あんな悲劇の後でさえ飲むんかいという感じ>>続きを読む

プリティ・ウーマン(1990年製作の映画)

3.8

娼婦ジュリア・ロバーツの垢抜けっぷり、そして隙のない富豪リチャード・ギアの心がだんだん解れていくのが見ていて楽しい。モノより非常階段が大事。

トゥルー・グリット(2010年製作の映画)

3.6

仇を討った反動で奈落に落ちる。対価を払うターンだと視覚的にパッと分かるのが映画的でカッコよかった。

サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2019年製作の映画)

4.7

人工内耳のビリビリとした不愉快な音が印象的だった。障害そのものではなくマジョリティの基準に合わせることこそが苦痛であり、自身を受け入れられないことこそが痛みであると気付かされる。聾者たちの囲む食卓の賑>>続きを読む

ステイ・コネクテッド つながりたい僕らの世界(2014年製作の映画)

3.5

タイトルを英語から英語に替えてカタカナ表記するのは何がしたいんだろう、解釈を押し付けられてる気がするし、せめて日本語にすべきでは?

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

3.6

対象をモチーフとして見ることとと性的に欲することとの間に大きな壁がある気がして、どこで超えたのか掴めなかった。彼女はずっと美しくクリーンで触ると冷たそうに見える。

グーニーズ(1985年製作の映画)

3.8

ぜんそくの吸入器がなんだかカッコよく思えてくる。チャンクとスロースは冒険に置いてかれるわ踏んだり蹴ったりだわで可哀想だが、合流が完全にヒーローの登場の仕方で笑ってしまった。(チャンク!)

ライフ・イズ・ミラクル(2004年製作の映画)

3.7

いつも通りのどんちゃん騒ぎが繰り広げられる。割と悲惨な状況でもちっとも深刻さがないのはこの世が舞台だからだろう。死にたいロバの滑稽さは人間にも当てはまる。

ベンジャミン・バトン 数奇な人生(2008年製作の映画)

3.5

ブラピが一番かっこいいとこで、はいストップ!と思っても無情に時は進んでく…。

ユージュアル・サスペクツ(1995年製作の映画)

3.8

埠頭のコードやパイプがごちゃごちゃしたカットは始め不可解だったが、語り手の変化によってコロコロと意味を変えていき、この作品を象徴するかのようで印象深かった。誰かがオマージュを捧げてそう。

ノマドランド(2020年製作の映画)

4.7

大きな喪失や理不尽の中で生かされていることに対する疑問。映像に散りばめられた答えのようなものがあまりにも些細でかつ説得力があった。少年に向けて読む詩に涙が出る。

82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

3.8

夫は妻思いのとてもいい人だけど、妻に見えてる世界がこんなにも違うとはなかなか気づけないだろう。男性にこそおすすめしたい作品。

くれなずめ(2021年製作の映画)

3.3

前田敦子のシーンはボスキャラが登場したような迫力で楽しかった。ホモソのノリは疲れないのかなと心配になる。

ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY(2020年製作の映画)

3.9

はみ出し者の女たちが結託して戦ってスカッとする。ユアン・マクレガーの犬死にとダイナーのそわそわするような距離感と薄情すぎる解散の仕方が好き。

ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

3.6

キャラの立たせ方もストーリーもGotGには及ばない気もしたが、映画はコンディションだから安易に比較できない。クリプラ出てたっけ?と思ったけど気づくはずがなくて笑えた。

パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

3.5

1日を何回も繰り返す映画を何回も観てると流石に飽きてくるからもう一捻りほしかった。明かされる事実すべてがさもありなんという感じ。

プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

3.8

主人公が可愛いらしい服を着ているのが印象的だった。私たちは男からの蔑視や暴力に晒されることに疲れ果てているし、自衛のためにメンズライクな服装を選んでしまいがちだけれど、本当はひらひらした服も安心して着>>続きを読む

ザ・コンサルタント(2016年製作の映画)

3.6

あれこれ詰め込んであるがギリギリまとまってる。ベンアフレックがドンパチやってるだけでお腹一杯ではある。

スウィング・キッズ(2018年製作の映画)

3.9

ミュージカルだから嘘みたいな美談に落ち着くのかと思ったらそんなことはなくて誠実な作品だと思った。

アンソニーのハッピー・モーテル(1996年製作の映画)

3.8

友達思いのいい人たちが悪友にそそのかされる。失敗の連続なのにみんな棚ぼた的幸せを手に入れていて微笑ましい。

アニー・ホール(1977年製作の映画)

3.1

賞を総なめしているからハードルが上がってしまった。かなり昔の作品だから仕掛けがウケたのかな。

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