kumatoraさんの映画レビュー・感想・評価

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晩菊(1954年製作の映画)

3.8

異性にウキウキする杉村春子を見たのは初めてでとても新鮮だった。それが軽蔑の表情にあっさり切り替わっていくとこが見どころ
皆どうせ最後は独りで死ぬんだけどそれでも逞しく生きていくんですよと少しの希望を持
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快楽の漸進的横滑り(1974年製作の映画)

3.6

声に出して言いたいタイトル

インスピレーションを刺激され続けながら何度も気を失いかけた 難解

俳優陣は終始トップレスで、三原色が官能的に映える
そこに脈打つインダストリアルな音が重なり、なんとなく
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暗殺の森(1970年製作の映画)

3.8

わざわざレンタルしたのにどうやらアマプラで見れるしなんなら最近YouTubeで無料公開されてたらしい

開始10分ぐらいのだだっ広い建造物の中のシーン、すべて大興奮
映像が呼吸してると錯覚するぐらい気
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ひとりぼっちの青春(1969年製作の映画)

3.5

昼夜ぶっ通しで踊り続け、最後に残った者に賞金が与えられるダンスマラソン映画
炎チャレとかガキ使とかイカゲームとか、死のロングウォークとか色々思い出したけど、この手の企画フォーマットはいやでも興味を掻き
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娘・妻・母(1960年製作の映画)

3.7

流れるに続き超豪華オールスターキャスト 原節子と高峰秀子の共演、見たかったんですよ…となった
「稲妻」のような金の絡んだ家族のグダグダがずっと続く
最後ああなってしまうのがとても居た堪れない。リアリズ
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インフィニティ・プール(2023年製作の映画)

3.3

なんか前フリ長いな…と思い始めてから5分後ぐらいに始まったドラッギーな映像はOPクレジットのクールさに通じるかっこよさでワクワクさせられるが、わりと短めですぐ終わるし、通常パートに戻るとまたずっとダラ>>続きを読む

流れる(1956年製作の映画)

4.1

昭和女優アベンジャーズみたいな超豪華キャストで有難い。全員魂でぶつかり合っててクラクラする。ただしセリフが聞き取れなくてストレス

そしてなんかそんな気がしてたが最後やさぐれた杉村春子が全て持っていき
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乱れ雲(1967年製作の映画)

3.5

カラー成瀬

さだまさしの「償い」みたいな展開だと思いつつ、そこから男女のドラマへとなっていく様は流石にかなり無理があるように思えた。加山雄三がカラッとしすぎてて笑ってしまう(初夏のシーンは加山雄三よ
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大学は出たけれど(1929年製作の映画)

3.0

サイレント映画初めて観た
今の時代でも余裕で通用するテーマだし、田中絹代が若い!! 95年も前の映画が観られる有り難さを噛み締めました

女が階段を上る時(1960年製作の映画)

4.0

加東大介が古谷実の漫画に出てきそうすぎてもしかしてモデルにしてたりするのかなと思うレベル 本当名バイプレイヤー

高峰秀子は困ったり辛そうな顔してる時が最も輝いて見える。森雅之と組んでるとより際立つよ
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ハズバンズ(1970年製作の映画)

3.8

男を捨てたくなるほど不快なシーンの連発で参ったが、目が覚めるほど奇跡みたいなシーンも多くて参った。特に雨のロンドン…
良くも悪くも毎回見たこともないような作品を作る

エキサイトする長回しと急に異様に
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宗方姉妹(1950年製作の映画)

3.8

昨日見た「山の音」と同じく暗い…そしてラスト余韻を残して終わろうとするが、この先どうしたって暗雲は晴れないよなとしか思えず何とも言えない感情になった

何度か繰り返される「新しいってことはいつまでたっ
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山の音(1954年製作の映画)

3.6

「めし」の原節子上原謙コンビのより関係性悪化Verという感じで、全体的に登場人物もノンデリ大集合…いつ乱闘に発展してもおかしくないだろというぐらい心ない言動の連発でなかなか辛くなった

でもラストカッ
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乱れる(1964年製作の映画)

4.2

終わり方が衝撃的かつ唐突すぎて唖然とした…なんかもう…ええ…だった

前半30分は伊丹十三のスーパーの女にも似た何かを見せられ、主題がつかみきれず眠たかったが、途中からはあっという間だった

「めし」
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アメリカの影(1959年製作の映画)

3.3

カサヴェテス監督デビュー作
ビッグトラブルの後に観るとギャップがすごい

ヌーヴェルバーグぽさをかなり感じたが、上映年代からしてヌーヴェルバーグに対するアメリカからの回答的な側面があるのだろうか

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ピーター・フォークの ビッグ・トラブル(1986年製作の映画)

3.2

途中からこち亀見てる気分になった…凄まじいバカバカしさ

足の裏くすぐるとことイワシ酒

これがカサヴェテスの遺作かと思うとだいぶ面白い

稲妻(1952年製作の映画)

4.3

前半はそこそこムカムカさせられるが後半何から何まで全てがよかった

世田谷の下宿先で出会う大家さんも兄妹も夢みたいな人たちで最高。羨ましい 香川京子若い

長すぎる蕎麦に笑いながら涙が出そうだった 今
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噂の女(1954年製作の映画)

3.5

赤線地帯同様、遊郭を舞台にした溝口健二作品。字幕オプションないと辛い…

久我美子様の黒ワンピース姿が麗しすぎる。そして顔が小さすぎる。ハサミの修羅場シーンで座りながら睨みつけるシーンが印象に残った
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チャイニーズ・ブッキーを殺した男(1976年製作の映画)

4.5

激渋映画

いつものようにカメラは演者の顔に接近するのだが、チャイニーズを暗殺するシーケンス以降は接近しているばっかりに周りの状況が読み取りづらく、張り詰めた空気が鑑賞者側にも伝染する。これホラーゲー
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浮雲(1955年製作の映画)

4.6

美しかった過去を捨て去ったり捨て去りきれなかったりする男女たちの退廃的なドラマ
輝かしい思い出に縋り続ける感じ、わかってしまう
同性ながら冨岡の色気が伝わってきて腹立つ。そっけないクズ男はモテる
むち
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めし(1951年製作の映画)

5.0

初成瀬巳喜男良すぎて倒れそう

原節子のモノローグのトーンで泣いてしまう。ラストの語りも旧時代的だし、はたしてこの夫婦の未来が本当に明るいのかとか色々あるけど、話し方と寄り添い方で決壊してしまった
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ヴィトゲンシュタイン(1993年製作の映画)

3.0

ヴィトゲンシュタインの伝記映画
哲学の素養がないから雰囲気で観てしまったが、大人が一斉に面白めのリズムでまくしたてる聖徳太子的なシーンがかなり面白く、巻き戻して見てしまった

あからさまに低予算すぎて
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地獄(1960年製作の映画)

2.3

後半パートの地獄描写は時々おもしろい絵もあるが、観てるこっちも地獄だった 煩悩の数ほどツッコミどころが多くて疲れる。全員一生名前呼んで叫んでるだけで笑ってしまう 娘と平行してクルクル回ってどうするんだ>>続きを読む

ペトラ・フォン・カントの苦い涙(1972年製作の映画)

5.0

スゲ〜

自分のための映画だった

15秒毎に態度が変わるペトラ、所有を迫るペトラ、電話をカーリンからのものかもしれないとすぐに取ろうとするペトラ、なんてことのない連絡で依存から解き放たれるペトラ、全
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グロリア(1980年製作の映画)

4.3

アウトローの女性と子供の逃避行。ギャングから逃げつつ徐々に母性に目覚めるアウトロー。全員好きなやつだと思う。

ジーナローランズが今作でも圧倒的。格好いいにも程がある。フライパンゴミ箱に捨てるシーン笑
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ザ・ガーデン(1990年製作の映画)

4.2

初デレク・ジャーマン。映画というよりMVを観ている感覚。スミスのMV撮ってるらしいので後で観る。ニルヴァーナのHeart-Shaped BoxのMVはこれが元ネタなのか?というぐらい似ているところがあ>>続きを読む

クラッシュ(1996年製作の映画)

4.0

ヘア解禁ニューマスター版!!と書いてあってそうか〜という感じで再生したがおもろかった

ジュリア・デュクルノーの「TITANE」をすぐに連想したのでかなりこの作品に影響受けてそうだなと思った

カーク
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風の中の牝鷄(1948年製作の映画)

3.5

階段へ突き落とすシーンヤバすぎて声出た
しかもお前が落としといて勝手に一人でバッドなってその後なんかいい感じの和解風になってるのどうなってんだ
普通に引きまくったけど、田中絹代が後ろに回した手が徐々に
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戸田家の兄妹(1941年製作の映画)

4.0

小津のテーマであるところの家族の解体が描かれ、親族の不義理の連続で観客を大いにイラつかせた後、佐分利信の説教でスカッとジャパン
みたいな映画
毎回どの作品も小波のようにじわりじわりと心動かされてきたけ
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こわれゆく女(1974年製作の映画)

5.0

高カロリーすぎてグッタリしたが物凄い作品を観た
ジーナローランズとピーターフォークの怪演がえげつない
妻以上にぶっ壊れている無神経な脳筋夫に序盤から何度もイラつかされたし、妻のサービス精神(?)ゆえの
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父ありき(1942年製作の映画)

3.9

流石に戦時中の作品となると雑音でかい。状態が悪いのか食い気味のカットチェンジもあるし、聴き取れないセリフはとことん聴き取れない。が、案外どうにかなった

列車の中での息子の最後の台詞に心打たれ込み上げ
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長屋紳士録(1947年製作の映画)

3.8

1947年…戦後から僅か2年
東京の街も焼け跡が目立つ

ラストおばちゃんが泣き出した理由を聞いてこっちも泣きそうになってしまった
なんかもう立ち振る舞いといい雰囲気といい国民のお婆ちゃんという感じだ
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フェイシズ(1968年製作の映画)

4.0

カサヴェテス初鑑賞かと思ったら前別のやつ観てた。ラストの階段シーンが良すぎて一気に0.5ポイント上がった……凄い

みんなキレどころも笑いのツボもサッパリわからないし、顔のクローズアップがひたすら抜か
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早春(1956年製作の映画)

3.9

いつの時代も男達は悲しい生き物だな…と思った
いつもの縁談云々のパターンではなく、不倫が描かれていてなかなか異色でホラーな作品。緊張感も強い。
手を出してしまった時の扇風機描写が妙に怖い。扇風機があん
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ブロークン・フラワーズ(2005年製作の映画)

3.7

ビルマーレイが元カノ5人に会いに行く物語。いわゆるオフビートさと無気力なビル・マーレイの組み合わせが心地よく、ゆったりしているけど体感時間がかなり短く感じて楽しかった。エチオピアのBGMもいい塩梅。パ>>続きを読む

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