kumatoraさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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グロリア(1980年製作の映画)

4.3

アウトローの女性と子供の逃避行。ギャングから逃げつつ徐々に母性に目覚めるアウトロー。全員好きなやつだと思う。

ジーナローランズが今作でも圧倒的。格好いいにも程がある。フライパンゴミ箱に捨てるシーン笑
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ザ・ガーデン(1990年製作の映画)

4.2

初デレク・ジャーマン。映画というよりMVを観ている感覚。スミスのMV撮ってるらしいので後で観る。ニルヴァーナのHeart-Shaped BoxのMVはこれが元ネタなのか?というぐらい似ているところがあ>>続きを読む

クラッシュ(1996年製作の映画)

4.0

ヘア解禁ニューマスター版!!と書いてあってそうか〜という感じで再生したがおもろかった

ジュリア・デュクルノーの「TITANE」をすぐに連想したのでかなりこの作品に影響受けてそうだなと思った

カーク
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風の中の牝鷄(1948年製作の映画)

3.5

階段へ突き落とすシーンヤバすぎて声出た
しかもお前が落としといて勝手に一人でバッドなってその後なんかいい感じの和解風になってるのどうなってんだ
普通に引きまくったけど、田中絹代が後ろに回した手が徐々に
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戸田家の兄妹(1941年製作の映画)

4.0

小津のテーマであるところの家族の解体が描かれ、親族の不義理の連続で観客を大いにイラつかせた後、佐分利信の説教でスカッとジャパン
みたいな映画
毎回どの作品も小波のようにじわりじわりと心動かされてきたけ
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こわれゆく女(1974年製作の映画)

5.0

高カロリーすぎてグッタリしたが物凄い作品を観た
ジーナローランズとピーターフォークの怪演がえげつない
妻以上にぶっ壊れている無神経な脳筋夫に序盤から何度もイラつかされたし、妻のサービス精神(?)ゆえの
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父ありき(1942年製作の映画)

3.9

流石に戦時中の作品となると雑音でかい。状態が悪いのか食い気味のカットチェンジもあるし、聴き取れないセリフはとことん聴き取れない。が、案外どうにかなった

列車の中での息子の最後の台詞に心打たれ込み上げ
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長屋紳士録(1947年製作の映画)

3.8

1947年…戦後から僅か2年
東京の街も焼け跡が目立つ

ラストおばちゃんが泣き出した理由を聞いてこっちも泣きそうになってしまった
なんかもう立ち振る舞いといい雰囲気といい国民のお婆ちゃんという感じだ
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フェイシズ(1968年製作の映画)

4.0

カサヴェテス初鑑賞かと思ったら前別のやつ観てた。ラストの階段シーンが良すぎて一気に0.5ポイント上がった……凄い

みんなキレどころも笑いのツボもサッパリわからないし、顔のクローズアップがひたすら抜か
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早春(1956年製作の映画)

3.9

いつの時代も男達は悲しい生き物だな…と思った
いつもの縁談云々のパターンではなく、不倫が描かれていてなかなか異色でホラーな作品。緊張感も強い。
手を出してしまった時の扇風機描写が妙に怖い。扇風機があん
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ブロークン・フラワーズ(2005年製作の映画)

3.7

ビルマーレイが元カノ5人に会いに行く物語。いわゆるオフビートさと無気力なビル・マーレイの組み合わせが心地よく、ゆったりしているけど体感時間がかなり短く感じて楽しかった。エチオピアのBGMもいい塩梅。パ>>続きを読む

彼岸花(1958年製作の映画)

4.7

カラー小津作品見るのはこれで最後だけど本当に素晴らしかった。一番好きかもしれない。
(原節子と杉村春子いないと少し寂しいけど)
やはりこの頃から家父長制へのアンチテーゼあるいは問題提起の意識があったの
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小早川家の秋(1961年製作の映画)

3.6

キャストは豪華だがなんかちぐはぐとした印象を受けたし、いつもの作風となんか違う
同じく中村鴈治郎が出演してる浮草の方が個人的に遥かに好きかなというかんじ

関西のネオンは郷愁を誘うし、ローアングルも相
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麦秋(1951年製作の映画)

4.1

いつも通りのフィックスカメラといつも通りのストーリーかと思ったら途中で珍しくカメラが動いて戸惑った。
原節子が縁談に浮つく様子を見せるとこも(今まで見た小津映画の傾向からすると)珍しく思えて、いやめっ
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HIDEO KOJIMA:CONNECTING WORLDS(2023年製作の映画)

3.0

聞いた事ある話が多く新鮮味はない
尖りながらもマスに訴えかけるものを作るという姿勢がブレないところがカッコいい。そこが世界中で愛される所以

かつての同僚がいっぱい出てて楽しかった。もっと沢山細かい制
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秋日和(1960年製作の映画)

3.9

毎週1〜2本ペースで小津作品を見てるとどの作品も展開が大体同じでそのうちいやもう既に区別がつかなくなり始めている。同じキャストで役柄をシャッフルしてるなとわかるし、このロケ地前も見たな…と思う
だがそ
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ガルシアの首(1974年製作の映画)

4.0

なんかの比喩的なタイトルかと思っていたがタイトルまんまのストーリーだった

メキシコおっかねえ…フィルムからずっと張り詰めた空気が漂ってきて退屈しない
そこから皆ことごとく蜂の巣になっていくのが緊張と
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秋刀魚の味(1962年製作の映画)

3.8

晩春とほぼ展開が同じで笑った
ただ晩春と少し違い、男性達は愚かでどうしようもない存在なのだと描かれているようにも思えた。男性が台所に立つ描写もあったりして当時なりに価値観の異質さや変容に対する眼差しが
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

2.0

中盤からのテンポの悪さで鑑賞のモチベーションが大失速して苦行だった
何から何までわからず興味を惹かれることもなかったので純粋に楽しむことができなかった。
わからないながらも絵的に面白いとか発想がとか台
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

3.5

思わず一時停止したくなるような綺麗なカットが多かった
光の射し方や機関車を見つめる二人の後ろ姿とか

危うさの中で揺れるアナを終始薄っすら緊張感を持ちながら眺め続ける そんな中時々流れる妙にのどかなB
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お早よう(1959年製作の映画)

4.5

カラーのほうが画作りに目が行きやすくていいね…
終始アングルと奥行き、色使いに興奮してしまう。なんてエレガントなんだろう
助産師のおばあちゃんを背後から撮った絵が個人的ベスト

結構コメディ色が強く、
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晩春(1949年製作の映画)

4.6

当時の時代、価値観ならでは…の描写も多々あるけど
それでも胸を打たれてしまって最後はウルウルきた

毎度ながらそこまで劇的な出来事も何も起きないし、生活描写も必要最低限のように思うが、すぐに実在してた
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.6

前知識ゼロだったので爽やか青春エモ映画かなと思って観たらぜんぜん違ったのだが、かなりぶっ刺さってしまった

旅の後のカラムの虚無を思うと辛い。だいぶ感情移入していたのか見終わった後帰ってこれなかった
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鬼婆(1964年製作の映画)

4.0

怪作という言葉がぴったり
原始的な人間の有り様が生々しいライティングで描かれていて目が離せない。A24ぽいというのもわかる気がする
一面に広がるススキが場面によってはひどく暴力的な得体の知れない集合体
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

3.9

仲の良かった頃を特に見せるわけでもなく、突然友人に拒絶されるというシンプルな掴みにとても惹きつけられた(妻が口をきいてくれなくなる某有名web漫画を無駄に連想してしまった)
主演のおっさんの困り顔を何
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VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

4.0

前作ルクスエテルナよりスプリットスクリーンが効果的に機能していて、スプリットスクリーン大好き人間としては開幕から興奮してしまった。序盤はラジオの音声の字幕も追いながらでなかなか集中力を要する感じがあっ>>続きを読む

心中天網島(1969年製作の映画)

4.0

古典と実験の組み合わせがうまく噛み合っててクール…ATGやっぱり好きだな
冷静に考えたら完全にコントか昼ドラだろというようなシチュエーションであっても、武満徹の音楽が混ざり合い、黒子が見守る中向けられ
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楢山節考(1958年製作の映画)

4.5

すごい。。今村昌平版と甲乙つけがたい
65年も前の映画なんでてっきり白黒かと思ったらそんなことはなく、ライティングやら書割やら、画作りに惹かれっぱなしだった
そこに鬼気迫る三味線が調和して感情が揺さぶ
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