正統派ラブストーリー。いづみさん目当てで鑑賞。本来のイメージ通りの役柄だった。と同時に清水まゆみさんのコケティッシュな魅力も再発見できた。
サイレント映画に関わってきた映画人へのリスペクトは伝わったが、内容自体は質の悪いドタバタ喜劇。感動もなく心に何も響かなかった。
華やかな世界の裏側にある閉鎖的なしきたり。伝統という名の身売り。幸せを予感させない哀しい映画だった。可憐なあややの姿を見られたのは◎。
戦後混乱期の哀しい生き方を選んだ女性が映し出される。同じ溝口作品でも赤線地帯は少し光が見えたのに対して本作は絶望感だけが残った。ラストカットは神など存在しないという強烈なメッセージに思えた。
男に依存しなければ生きていけない女と、自立出来る女との対比。家族を映しながら世相を描く。成瀬映画の真髄を見た。
面白かった。青春映画の定番。芦川いづみさんのファンにはたまらない一作。
神保町シアター 吉永小百合デビュー65周年特集で再鑑賞。いづみさんの可憐さを再確認。
「たった二十里の街道でこれだけのことがあるんだから、きっと世の中には色々なことがあるんだろうね」。これから押し寄せてくる戦争を予感させる台詞。作品自体は全編温かい映画だった。
短い人生の中の他愛もない少しばかりの楽しみ。何てことのないストーリーではあるが、戦場に向かって進軍していく若者の哀しさを感じた。
名匠清水宏監督の女性版金八先生。流れるような自然なカメラワークが秀逸だった。国民精神総動員というくだらない政策で「ぜいたくは敵だ」を唱えていた時代につくられたとは思えない平和的な作品。
終戦後につくられたラブコメミステリー。テンポもよく上手くエピソードを散りばめた脚本が秀逸。007シリーズにありそうなラストシーンも最高。
今更ながら映画館で鑑賞。それぞれの人が抱えている問題を静かに提起した傑作。一つひとつのシーンが丁寧に描かれているのに好感が持てた。世界中で公開してほしいと思った。
全編小さな村で生まれた小さな幸せを集めたオムニバス。第三話が良かった。若山セツ子さんにやられた。
面白かった。千葉泰樹ここに有り。日常を切り取りながら戦後の混乱期を描いた。所々の笑いも下品でないのがいい。
弱者の日常を描いた社会派作品。増村保造が助監督を務めている。演説さえしてれば食いっぱぐれのない政治家なんかに何が分かるっていうんだ、の台詞が印象的だった。あややは相変わらずお綺麗で。
3人の力強く生きる女性たちのオムニバス。どれもテンポ良く面白かった。全てあややならなお良かった。最後だけポップなのは何故?
あやや中心のドラマと思っていたので少し残念。脚本家の力量なのか源氏鶏太原作の割には全体のテンポも悪かった。ラストの満員電車の描写も必要だったのか疑問。渋沢詩子さんの魅力が発見できたのは◎。
何度も見てるので記録として。身分違いの恋は誰もが憧れる永遠のテーマなんだろうね。
ありがちなストーリー。どんな生活にもルールが必要になる。自由って一体なんだろう。
盛り上がりに欠けるストーリーの中でもいくつかの演奏シーンに感動があった。松竹らしい真面目な映画。
日本映画専門チャンネルにて。本作を含めて何が真実なのかを見極めないとメディアの思うつぼだと思った。この国の正義は形だけだから。
松本清張の名作ミステリーを台無しにした演出だった。オープニングの音楽はもう少しどうにかならなかったのだろうか。でも綺麗なあややを観ることが出来たので3点。
伝説の映画が何故か地上波で。落下から始まる物語。映像の一つひとつが美しかった。終わり方もサイレント映画へのリスペクトで溢れていた。映画万歳!
少し甘めの4点。字幕がわかりやすかった。ミュージカル映画ならではのポジティブさ全開。幸せな映画は元気づけられるから好き。
当時の青春群像を描いた良質な映画の見本。小悪魔な美女と正統派の美女。さしずめ戦後版の東京ラブストーリーといった感が。会社、男女、夫婦、人生、人の行動は今も昔も何も変わらない。
昭和23年に作られたとてもオシャレな映画。セリフの一つひとつ、物語の終わり方がまるでフランス映画のようだった。
敗戦後の下町でささやかに生きる人たちを描いた人情喜劇。「産まれたからには皆が幸せにならなければ。子供も親も」の台詞が心に残った。
秀逸な脚本。よくこの短い時間でまとめたものだ。「世の中はそうそう真っ直ぐには泳げないもの」「人間は表通りだけで生きられるわけではない」などといった台詞に人への愛情を感じた。
現代でも十分通じるテーマ。「自由なんてたかが知れている」という台詞が印象的だった。淡島千景さんの魅力が満載。
さすがの映像美。一つひとつの構図にこだわりが見える。「生」に対する思いを嫁入りから葬式の中で表現した名作。