kurageさんの映画レビュー・感想・評価

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悪は存在しない(2023年製作の映画)

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人間至上主義への警告。
急に距離を詰めるものの軽さと危うさ。
自然に従うか、どうか。

シティーハンター(2024年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

原作未読なので、純粋に歌舞伎町を舞台としたアクション映画を楽しんだ。
鈴木亮平扮する冴羽獠がチャーミング。登場人物のキャスティングが好みだった。木村文乃はできる女刑事がとても似合う。森田望智の相棒役も
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モンソーのパン屋の女の子(1963年製作の映画)

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憧れ女子に相手にされない間に別の女の子にちょっかいをかける自分本位な男の話。人間らしさ満載の短編。
女性はどこまでお見通し?
小説も面白かった。

異人たち(2023年製作の映画)

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ロンドンの高層マンションに住む脚本家のアダムが、異人たちと邂逅する。

同じビルに住む孤独な男との出会いから始まり、親との未消化の別れ、ゲイであることで傷ついてきた過去などに向き合うアダム。心の揺れが
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

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「ノーベル賞を取る」と家族でトロントに移住し、NYで作家になったノラ。
優等生で、韓国人男性らしい堅実な生き方をする会社員のヘソン。
12歳、24歳(ネットで話すのみ)と2度の別れを経て、24年ぶりに
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獅子座(1959年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

星占いによると、獅子座の男性は、宵越しの金を持たないタイプが多いのだそうだ。知り合いの獅子座の女性は、お酒を飲むと、財布の中身がどうであれ、パアッと景気よくお金を使うタイプではある。それは星座よりも出>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

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昨年、やっとこさ広島の平和記念館に行ってきたのもあり(行ったことがなかった)、映画後半はスクリーンを観ながら平和記念館で見たものが蘇ってくる作業を脳が勝手にやり始め、やるせく、怒りがわいた。

過去に
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52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

誰にも聞こえない周波数52ヘルツで歌う世界一孤独なクジラをモチーフに、DV、LGBTQなどで声を上げられない人たちを描いている。

杉咲花演じる主人公、貴瑚をはじめ、辛い環境に身を置く人たちがそっと寄
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離愁(1973年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ベルギーとフランスの国境に住んでいた人たち。ナチスから逃れ、北に向かう人たちを乗せた列車はどこに辿り着くかわからない。

偶然乗り合わせた妻子あるフランス人男性と美しいユダヤ人女性の、危機の中で芽生え
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コンクリート・ユートピア(2021年製作の映画)

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機内で。大画面で観た方が迫力があっただろうな。

壊滅したソウルの街中で、一棟だけ残されたマンションの住民たちが生き残りをかけて戦う。
その中で起きる階級闘争や排除、カリスマの登場を、若い夫婦の目線を
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

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多くの登場人物が重い事情を抱えている。その背景ゆえに、他者に対して寛容であったり優しかったりする。

PMSが酷い藤沢さん役の上白石萌音、ステバチな話し方がリアルで素晴らしかったな。
パニック障害を持
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金の糸(2019年製作の映画)

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日本の金継ぎに着想を得たという本作。ラナ・ゴゴベリゼ監督は現在95歳。

成熟した文学的なセリフに字幕を見逃せない。
ジョージア映画を観たのは初めてだが、旧ソビエト時代からの歴史を知っているといないの
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母性(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

燃え盛る火事の中で孫を救うために命を差し出す祖母(大地真央)。
娘(山下リオ)の交際に反対したため家出されてしまい、誰も頼る人がいなくなった母(高畑淳子)。
父の浮気現場に遭遇し、父の愛人から衝撃的な
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

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脳が赤ん坊の女性・ベラが主人公。
ベラの体は母親、脳はお腹の中にいた子供。
マッドサイエンティストの博士が、自殺した妊婦を発見し、お腹の中にいた胎児の脳を母親に移植したというわけだ。
それだけで嫌悪感
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ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

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湿地にある家で孤独に育った女性が主人公。その育った環境から街の人に疎まれているが、湿地の自然と共に成長し、モノの本質を知る大人に育つ。
二度の恋愛を経て、自分の生き方を理解していく姿が描かれている。
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ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

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短い時間にギュッと凝縮された未来予想図。戦争になると何でもありだ。
過去の戦争にもあるマッドサイエンティストを筆頭とする研究者の狂気を、捕虜の語りから。
クリス・マルケルの他の作品が観たくなった。
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八つ墓村(1977年製作の映画)

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岡山の山奥にある集落、旧八つ墓村で起きた古からの怨念の物語。
末代まで続く呪詛を紐解く役割は、渥美清演じる金田一耕助。
小川真由美の30代とは思えない妖艶な熟女っぷりに目が釘付け。
青さが残るショーケ
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東京画(1985年製作の映画)

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1983年に来日した際にヴェンダースが撮影したものを中心に。

この年は、初めて親と離れて列車に乗り、上京した。姉妹で原宿に行き、そこがタケノコの里だと知った次第。

当時の池袋西武はイケイケで、前に
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能登の花ヨメ(2008年製作の映画)

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能登の美しい営みを映像で観れたことがありがたかった。
古い価値の押し付けがなければ、義母も娘も周囲の人たちも心根がやさしいので、うまくいくはず。
被災からもう4ヶ月。いまだに車内で寝ている人もいると伝
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アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

グレー人間はどこか機械的でおかしみがあり、先日観た『不思議惑星キン・ザ・ザ』にも何か通じるものがある。
デイヴィッド・バーン、歌詞、シンプルで力強いけど、ダイレクトではない。メッセージは届く。

昨今
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不思議惑星キン・ザ・ザ(1986年製作の映画)

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街で知らない人に声をかけた途端に異星へ飛ぶ人間ふたり。さて、どうやって帰還するか。主人公ウラジミールが迫られる選択の数々に、固唾を飲む。
摩訶不思議な話だが、どこか現実味を帯びているのはなぜだろう。
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

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ヴィム・ベンダースはやはり映画館で観るべきと、今年の初映画館は本作品をチョイス。

平山の日常はSNSもなく、言葉を交わし、触れ合う人はわずか。
ダメな後輩のお喋りにちょっとだけ耳を貸し、「おかえりな
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終わらない週末(2023年製作の映画)

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ディストピアへ向かうアメリカ。不穏に次ぐ不穏。
面白かったけど、今観る映画じゃなかったかなと思ったりした。
ジュリア・ロバーツ扮したアマンダのような女性は本当にいる。頭が良くて想像力が逞しすぎるとこの
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コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

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2024年の映画初めは配信の本作をチョイス。
観ている最中に揺れて中断したものの、時間をおいて最後まで。

年末に観たアキ・カウリスマキに通じる、駆け引きのない素朴な愛のかたち。素晴らしかった。

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枯れ葉(2023年製作の映画)

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映画納め。
今年はあまり映画館に行けなかったので、最後にこの作品を観られてよかった。

オーソドックスなラブストーリーは映像ごと時代を超越。ラジオの音声から、監督の怒りと引退撤回作への稔侍が伝わる。
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インセプション(2010年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

「夢」をゲートにした時空の歪みというか、パラドックスの世界。
眠りから一斉に覚めるところのタイミングの合わせ方の仕掛けなど緻密な時間設計がなされていて、すべてが一致した瞬間の観ている側のカタルシスがす
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インターステラー(2014年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

この頃のノーラン監督の脳内は、量子論の映像での表現やその多様性を探っているように想像する。
これは凡人の想像することだから、きっともっと超越しているんだろうけど、「それ」は「そこ」に「在る」感覚はオカ
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返校 言葉が消えた日(2019年製作の映画)

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そこはかとなくクーリンチェみのある映像に惹かれて観続けるも、ゲームのような展開、モンスターの出現にガックリ。
色々継ぎ接ぎしたために何の話なのかが伝わらない。
とはいえ、白色テロの暗黒時代を伝えるため
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チャンシルさんには福が多いね(2019年製作の映画)

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この映画を観た後に、無性に小林聡美の出ている映画が観たくなった。なぜだろう、主人公のチャンシルさんのキャラクターが小林聡美が過去演じてきたキャラクターと重なるからだろうか。

どこか哀しみも感じるチャ
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赦し(2022年製作の映画)

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コントラからの本作品鑑賞。こちらは監督の表現したいことが凝縮された一作に仕上がったのではないだろうか。

夏奈を演じた松浦りょうの表情が素晴らしい。妻の燈子を演じたMEGUMIの演技も迫りくるものがあ
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エクソシスト(1973年製作の映画)

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49年前のフリードキンの名作。実話をもとにした小説を映画化。
今観ても全く色褪せない。
悪霊に取り憑かれた少女リーガンが可哀想で観ていられない。なぜ彼女に憑いたのか謎のままなのと、神父2人の報われなさ
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コントラ KONTORA(2019年製作の映画)

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主人公の祖父は、特攻隊の生き残りなのだろうか。
第二次世界大戦の記憶を現代に伝える、目線の角度が新しい。

ちょっと長いけど、面白かった。インド人監督がこれを撮ったことに驚く。里山が舞台である必然性を
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ナイアド ~その決意は海を越える~(2023年製作の映画)

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クレイジーなほどにチャレンジをし続けるマラソンスイマー、ナイアドさんが、30年ぶりにフロリダ海峡約180キロの横断にチャレンジ。64歳、挑戦五回目にして成功させた実話を元に映画化。

還暦を過ぎた年齢
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NO選挙,NO LIFE(2023年製作の映画)

4.5

選挙の候補者全員を取材することを信条としているフリーライター畠山理仁さんを追いかけたドキュメンタリー。

畠山さんを通して見えるものは「選挙の現在地」。
報道される人たち、されない人たちの差はどこから
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