Kuroitaさんの映画レビュー・感想・評価

Kuroita

Kuroita

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スペアキー(2022年製作の映画)

5.0

よかった!
フランスのしつらえや服装はもちろんのこと、何気ない日常をサラッと描いて、盛りすぎずにエンディングを迎えるのも良い!
日常の中にこそ、単純に見える繰り返しの中にこそ、微細なヒダがあって、それ
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ペトルーニャに祝福を(2019年製作の映画)

4.4

面白かった。
女性が強いのは、実は何にも依存なんてしていないから。
その都度、心ごと軽やかに揺らしながら、
男性の決まりや法則だらけの世界を、不貞腐れながら歩く主人公が、逞しくそしてかっこいいなーと思
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街のあかり(2006年製作の映画)

3.5

不遇に耐えうる力こぶが、
どの人間の中にも眠っているけど、
カウリスマキの映画では、みんなが拳を握りしめながら、でも最後には、他人の手を引っ張っていくみたいな、強さがある。

コントラクト・キラー(1990年製作の映画)

4.0

フィンランドではなく、イギリスが舞台の映画。
フィンランド語ではなくて英語のカウリスマキ映画も相変わらず良かった。

イギリスでも、やっぱりカウリスマキ色は現在。色の使い方が素晴らしいなと思った。
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逃げた女(2019年製作の映画)

3.5

ホンサンスらしいなぁー。

キムミニはかわいい。

パスタがおいしそう。

冬の韓国をあったかいコートと革靴で
コツコツと歩きたくなる。

リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

4.0

やっぱり好きだ、ケリーライカート。
心の虚無感みたいなものは、幼少期に経験したことと繋がっているのかもしれない。
生まれてから地続きの人生を一度は脱線してみたくなる気持ちを、小さくてささやかな逃走劇に
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過去のない男(2002年製作の映画)

3.9

抗いも苦しみもせずに、淡々と清く生きていくのは、カウリスマキ映画の登場人物の得意技だと思う。

パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

4.4

これ!とっても良かった!
カティオウティネンが美しく、初めて彼女を素敵だなと思った。
少しくっついた目鼻立ちも薄明かりの朝みたいな淡い色調の瞳も小さなそばかすも、ソバージュの金髪も、だるそうに燻らすタ
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マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

サラッと見終えてしまった。
カウリスマキらしい色調や人物たちの表情。低所得の労働者を描いていても、あまりしみったれた感じがしないのは、しつらえのセンスがなす技なのか、無表情に垣間見える熱き血潮のせいな
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バタアシ金魚(1990年製作の映画)

4.1

これこれ!
90年代から2000年代初頭にあった邦画の雰囲気!
今は久しく失われてしまったこのゆるさ。
あの時代に作られたものは、機械的じゃない人間の本質を映し出している気がする。
今はお馬鹿な人間よ
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ハンナとその姉妹(1986年製作の映画)

4.5

ウディアレン的な語り口で、
人物達が様々に交錯していく。
軽妙で不埒で、愛嬌があって、
どこか哲学的な心の声が、好きだった!

彼の切り取るNYの街の撮り方はやはり秀逸で、どこが嫌いかわかっているから
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秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

3.8

私が悲しいのは私のせい。

誰のせいにもしないその姿勢が、
自分を救うような気がする。

それにしてもフランスらしいしつらえや服装、目からも楽しい映画だった。

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.0

戦時下のドイツを明らかにコミカルにしていたのは、イマジナリーのヒトラーの仕業か、登場人物たちがマンガチックに個性際立つとりどりのキャラクターだったからか。

戦争というものも子供たちから観たら、おとぎ
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87分の1の人生(2023年製作の映画)

4.0

これぞアメリカ!な物語。
単純だし、わかりやすいし、ひねりもなにもないし、綺麗な展開が続くのだけど、フローレンスピューがとっても良いから、なんだかいいもの観たなぁって気持ちになった。
自分をもう一度立
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

ただただ宮崎駿の最後の作品な気がして仕方なくて、最初から最後まで感慨深かった。
作品を直視していなかったかもしれないけど、私の見方としたら、宮崎駿の置き手紙みたいだなぁと感じた。
この世界への途方もな
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母性(2022年製作の映画)

4.0

思ったより深いテーマだった。
女優人達の演技がうまいわけじゃないんだけど、あれで良かったと思える。
オーバーなくらいでちょうど良い。
みんな気色悪いくらい顔が美しくなくて良かった。

女性には母と娘し
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.6

途中話の筋が分かりづらい箇所がいくつかあった。
是枝節なんだけど、なんか綺麗にまとめすぎた感じもあり。
けど画面の美しさは変わらずに保たれていて、電車の中の光と影や、電気を消した暗がりや、雨や洗車の水
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わたしの叔父さん(2019年製作の映画)

3.9

北欧の静かな人々の日常は、
さりげないカーテンから差し込むさりげない日の光から始まる。
おじさんと姪の日常もまた変わらずに続くかのように思える程に、静かで同じルーティンに彩られている。
けれど永遠なん
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ロブスター(2015年製作の映画)

3.9

どこかしら自己を偽って相手と共通項を見出そうとしたり、自分を犠牲にしようとするフリをしたり、人間の営みは、愛という名を着せられたゴミみたいなものなのかもしれない。
弱くてちっぽけで陳腐で浅はかで
哀れ
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ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

4.1

以前に観たOLD JOYの監督さんの。
主人公ルーシー演じるミシェルウィリアムズの細い体とか表情とか見てるだけでこちらも世界に放り出された気持ちになった。
犬のウェンディと離れ離れになったルーシー。2
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テイク・ディス・ワルツ(2011年製作の映画)

4.0

まったりしたストーリーに独特のしつらえがこの映画の雰囲気を作っていた。
随分前に観たけど、すんなり観れてしまった記憶。
もう一回観てみたいかな。

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

5.0

好きな作品。
友人2人が森の奥の温泉に行くだけなのに、始終宇宙が転がっている。
自由気ままに暮らすカートが語る言葉は、それこそ正しい位置から見渡した景色みたいな味わいがあって、わたしもこんな友人欲しい
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ミナリ(2020年製作の映画)

3.9

とにかく設えが美しく調和していた。
韓国の家族たちが住むトレーラーハウスも、みんなの洋服も、小綺麗で色彩の感覚もよく、観ていて楽しかった。

ミナリはセリのことなんだな。
雑草だからどこでも茂っていく
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ステラ(1990年製作の映画)

4.1

ステラみたいに娘の幸せを1番に願い、表舞台から去っていくことができるのかな。
距離は遠くても心は寄り添い続けられるのかな。
近くて遠い、穴が空くほど見つめていたい私の娘。

私のママが最後のシーンに涙
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フレンチ・イグジット さよならは言わずに(2020年製作の映画)

4.5

ルーカスヘッジズだ!と思って見始めたけど、やはり良かった。
情や感情論のみで押し切ることなく、
人間の模様を白黒付けずに描いていたところが、ヒューマンに偏りすぎている昨今の映画より好感が持てた。
それ
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こちらあみ子(2022年製作の映画)

3.8

あみこにとったら、こっちもあっちも地続きで繋がっていて、それは子供にとったら当たり前の世界なのかもしれなくて、
でも最後にはこっち側でも大丈夫って、自分で決別する、そのやり方が、厳しい現状と空想のあの
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ホワイト・ノイズ(2022年製作の映画)

4.3

後半戦、怒涛の展開に画面に釘付けになってしまった!
街並みやカラーやネオンサインが賑やかで華々しく、なんかSFを見ているみたいだった。作り込まれた風景の中で、一見難しい顔をした「死」が、「生」よりも
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ベルファスト(2021年製作の映画)

4.3

所々に流れる音楽がぴったりでとても良いものを観たなぁという感じだった。
劇中、現実はモノクロで、主人公たちが映画館で観る映画はカラーになっているところが皮肉にも現実は厳しいよって言ってるみたいだったな
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灼熱の魂(2010年製作の映画)

4.0

すごかったな。
最後に明かされるストーリー展開とか、とにかく全てが。
内戦とか宗教の違いとか、私はあまりにも知らなすぎて、そこらへんの事情はよくわからなかったけど、この映画みたいな物語以上の物語が世界
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.8

お化けとか幽霊とかそうゆうんじゃなくて人の気持ちが抑制できないことも、ある種のホラーだよね。
人間とか羊とか関係なく、対するものを慮ってあげられないことが、やっぱり過ちの根源なんだろうなぁ。
しつらえ
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カモン カモン(2021年製作の映画)

5.0

言わずもがなわたしが好きなマイクミルズだった。
もう一度観て消化したいし、浄化されたい
。人生の美しい側面をみようと決意しようと思った。
哲学みたいに難解でとてつもない物語を、きっと隣にいるこの子も抱
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