Sosekiさんの映画レビュー・感想・評価

Soseki

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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.2

父親が窓から落ちて死ぬ。近くにいた息子は視覚障害。殺人か自殺か?犯人は?を追うミステリー的な作品。

ワンコとショパンの前奏曲Op.28-4が伏線。
そして、心が冷える夫婦喧嘩がクライマックス。これを
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.3

映像と音楽は文句なし。
脚本はやたら丁寧なところとそうでないところ、恐らく次作への伏線もあって、若干中だるみ感はあった。

そもそも、原作は1960年代に書かれており、現代の価値観では違和感あるストー
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RED SHOES/レッド・シューズ(2023年製作の映画)

3.0

ローザンヌ国際バレエコンクールを見ると、毎年オーストラリア勢がそこそこ参加している。そういえば、今はパリ・オペラ座のオニール八菜さんもオーストラリアのバレエ学校行ってたっけ。オーストラリアのバレエって>>続きを読む

軍中楽園(2014年製作の映画)

3.4

1969年、中華民国(台湾)軍と中国人民解放軍で戦闘が行われていたころ、台湾の金門島(大陸から2kmほど)に実在した軍が管理する娼館、俗称「軍中楽園」を舞台にした作品。

このような軍管理の娼館制度は
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ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

4.0

電車で寝過ごして、終電を過ぎて、真夜中の街を彷徨い歩くという設定自体が好み。
そして、夜の街に生きる人々のやさしい物語を期待して見に行って、実際そうしたものもあったが、想像より厳しいものを含んでいたよ
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

心待ちにしていた作品だったが、ちょっと残念。
以下はメモ。

———
瞳を閉じると場面が変わり、映画が終わる。そこから先は、各自が思い思いに想像力を羽ばたかせる。

———
劇中の映画は、「老いた男」
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ミナリ(2020年製作の映画)

3.4

1980年代、農場経営を目指してアーカンソー州に移住してきた韓国系移民家族の物語。ミナリは「芹」の韓国語。移住先の土地でたくましく育つ芹は、移民の象徴のようだ。

苦難の連続の末にopen-ended
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.3

何とも言いがたいところがある。
上手にまとまりすぎているようで、良いお話だけど、自分には刺さるものが無かった。
いや、ぜんぜん悪くはないんですが。

日々同じ場所で写真を撮るのはスモークから触発された
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

人々の描き方は、まあ、うーん。時代は戦中から終戦直後に設定しているけど、登場人物はいかにも現代人。

あの場面で「それで絶対勝てるんですか?」とか追及するのずっこける。他人事だなあ。政府が情報統制って
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メットガラ ドレスをまとった美術館(2016年製作の映画)

4.2

想像以上に面白かった。
メットガラは寄付集めのためのセレブのパーティというだけでなく、生きたファッションの展覧会でもあるのだなあと。

2015年の年次展覧会「鏡の中の中国展」の準備とオープニングのメ
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スモーク(1995年製作の映画)

3.8

いくつかの短い物語が少しずつつながって、最後が優しくほろ苦いクリスマス・ストーリー。
世の中には絶対的な善人や悪人はいない。嘘を絶対につかないことが最良とも限らない。でも人を信じたくなるお話。

ポー
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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.1

仕事中もアルコールを飲まずにいられない建設労働者の男と、ゼロ時間契約(決まった労働時間がなく、仕事のあるときだけ使用者から呼び出しを受けて働く契約とのこと)で働く女のラブストーリー。

いわゆる低所得
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

-

事前情報を一切入れずに映画鑑賞したところ、なんだか捉えどころのない不思議な作品というのが率直な感想。懐かしの「かなべえ」(色々バレる)を成仏させたんだな、うんうん、という感じ。

後日、NHKで放送さ
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ファーザー(2020年製作の映画)

3.5

タイトルは父と娘の物語のような印象を与えるが、ちょっと違う。認知症の男の主観を映像化すると、信頼できない語り手の物語となるらしい。

暗殺の森(1970年製作の映画)

4.5

原題は「Il conformista」で「体制順応者」の意味とのこと。映像の美しさと、描かれている人間の弱さ、醜さの対比に目が回りそう。

減点は時点が行ったり来たり、場面もぶつ切りでわかりにくいとこ
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あの頃エッフェル塔の下で(2015年製作の映画)

4.0

雑に要約すると、インテリのおじさんが、あることがきっかけで若き日の熱い恋愛を振り返る話。地方出身の男子が進学のため上京し、地元の彼女と遠恋になり色々あって破局…どこの国でも割とあるある。

ただ、時代
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ダブル・サスペクツ/ルーベ、嘆きの光(2019年製作の映画)

3.9

「ルーベ、嘆きの光」

監督の故郷ルーベは、北フランス、ベルギーとの国境近くに位置する町。かつては毛織物産業で栄えていたが、今は見る影もなく、フランスで最も貧しく犯罪も多い地域の一つ、らしい。

そん
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ミセス・ハリス、パリへ行く(2022年製作の映画)

2.5

ミセス・ハリスは英国で家政婦として働いているときは給金の支払い要求でさえ遠慮がちだったのに、フランスのDIORでは交渉ごとでリーダーシップを発揮してしまう…この性格の一貫性のなさが苦手。
そもそも彼女
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私の大嫌いな弟へ ブラザー&シスター(2022年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

嫌い嫌いも好きのうち。

クセのありそうな親の下で育てられた姉弟の精神的近親相関の物語…特に姉がその感情を受け入れて、乗り越えるまで、かな。

現代はタブーがどんどんなくなってきているけど、近親相関に
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バービー(2023年製作の映画)

3.5

バービーランドは男性優位社会ならぬ女性優位社会。ケンは、かつての(ところによっては今の)女性。

ケンはビーチの人としてバービーに気に入られる以外の生き方ができない。そして反乱を起こす(バービーランド
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シャイニング(1980年製作の映画)

4.0

芸術的なホラー。
説明は少なめ、余白多め。

それで「シャイニング」って何?と思って調べたところ、ダニーとハロラン料理長の持つ特別な力みたいですね。ガンダムのニュータイプみたいなやつ?

ハロラン料理
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不安は魂を食いつくす/不安と魂(1974年製作の映画)

4.1

グローバル化が進み移民が増えて、今こそ見るべき作品かもしれない。

単純に「差別はいけない」で済む話ではない。この年齢差・異文化夫婦には何がしかの愛情はある。周囲の偏見も徐々に解消する兆しはある。しか
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天使の影(1976年製作の映画)

-

ラスト10分ぐらい寝落ち。
オチ重視派としては不覚すぎる。

割とシビアな話だと思うが「全編に夢のような心地がたゆたう」と公式にあるとおり、美しい作品でした。
冒頭猫様衝撃シーンあり(これがオチにつな
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リトル・マーメイド(2023年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

アニメ版リトルマーメイドは未視聴。
アンデルセンの原作は、人間になりたい人魚姫が海の泡となって消える悲しくも美しい物語なので、だいぶ違いますね。

アリエルが黒人であることが話題になってましたが、そこ
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奇跡の海(1996年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

ラストは奇跡の海まさにそれだった。
映画ならではの瞬間で、良い終わり方。
救いがあります。

そして、〇〇は地獄に堕ちるとか偉そうに言い放つ教会の体制側の人々に恐らく中指立ててるトリアーに共感する。

ラヴ・ストリームス(1983年製作の映画)

3.8

身近な人々、家族を愛したい意欲はあるが、理解されず、孤独を選択してしまう姉と弟の物語。姉と弟は互いの理解者なのだけど、だからと言ってずっと一緒にいるわけにはいかないのだよね。

ジーナ・ローランズは5
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ザ・コンサルタント(2016年製作の映画)

3.8

高機能自閉症の公認会計士が主人公でヒーローという意欲的な作品。

個人的には最後の種明かしを含めてなかなか面白かった。ただ、会計の話は一般には伝わりにくいよね。

あと、兄弟のエピソードはあまりに突飛
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ラヴソング(1996年製作の映画)

3.9

中国大陸から香港に渡った男女の10年にわたる恋愛模様。展開としてはあるあるではあるのだが、テレサ・テンの歌が重要な役割を果たすところに独特の詩情を感じる。

そして何より1980〜1990年代の香港の
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ロアン・リンユィ/阮玲玉(1991年製作の映画)

3.5

マギー・チャンのチャイナドレス姿が美しい。また、彼女が阮玲玉とは別人であることを強調する演出なのに、演じているとそのものにしか見えなくなる没入力もさすが。
…という具合に、マギー・チャンを堪能する作品
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オーレリ・デュポン 輝ける一瞬に(2010年製作の映画)

3.5

パリ・オペラ座の元エトワール、引退後は舞踊監督まで務めたオーレリ・デュポンの現役時代のドキュメンタリー。
ちょうど第一子を妊娠・出産し、また、よくパートナーを務めたルグリが引退する前後の時期。

とに
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.1

これはすごい。

決して親子愛ほっこり映画ではありません。いや、親子愛は十分伝わってくるのだけど。最初は「みんなのバカンス」みたいだなー欧州の庶民のバカンスってのんびりしてるなーみたいに見ていたが、全
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博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964年製作の映画)

4.3

核抑止力論をおちょくる
キューブリック流のブラックコメディ。

面白いかは人によると思うが、個人的にはつぼにはまって笑ってしまった。
音楽の使い方良い。

AIR/エア(2023年製作の映画)

3.3

NIKE、AJの歴史、ストーリー自体は一見の価値ありだが、何せ結果を知ってるものだから、間延び感あり。1時間ぐらいでまとめられそう。

1980年代にこだわった演出は普通に面白い。マット・デイモンの中
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ディオールと私(2014年製作の映画)

4.0

ラフ・シモンズの天才ぶりがテーマのおしゃれなやつかなと思っていたが、それよりもっと地に足ついたお仕事ドキュメンタリーで、面白かった。

予算・スケジュールなど気にせず、自分のイメージの実現が最優先のデ
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マイ・プライベート・アイダホ(1991年製作の映画)

3.3

サブカル女子が好きそうなやつ。

今はなきリバー・フェニックスと若き日のキアヌ・リーヴスを堪能し、それからアイダホ、ローマの郊外の風景が美しくて良かった。
話的には割とオチなしだが、まあ良いんじゃない
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ハリソン・フォード 逃亡者(1993年製作の映画)

4.0

お手本のような脚本。
真犯人が分かってからがやや長いなとは思いましたが、とはいえ面白かったです。

ハリソン・フォードとトミー・リー・ジョーンズの関係性の変化も良いし、見終わって、冒頭また見直して、膝
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