Sosekiさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

Soseki

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ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!(2018年製作の映画)

3.5

前半は、フィンランドの田舎の素人メタルバンドが、ノルウェーの有名フェスに出演することを決意するまで。この辺はゆるーい展開で若干眠くなる。シモネタも多い。

後半は、フェスへ向けての旅。この旅が凄すぎ、
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マダム・フローレンス! 夢見るふたり(2016年製作の映画)

3.2

米国のソプラノ歌手フローレンス・フォスター・ジェンキンスの伝記的映画。

とは知らずに視聴。
確かにオペラ界隈でこの名前は聞いたことがあったが、こういう人だったとは。ぶっ飛んでいる。

全体に札束で賞
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悲しみは空の彼方に(1959年製作の映画)

4.0

仕事命のシングルマザーと、愛情深く献身的なシングルマザーを対比しつつ、二人の友情を描くだけなら割と普通のイイ話。
ところが、これに白人と黒人というもう一つの対比ポイントが加わって、見応えのある作品とな
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アナと雪の女王2(2019年製作の映画)

2.9

このレビューはネタバレを含みます

脚本について、出だしは期待が持てるものだったが、結局イマイチ。大音響の中でも寝てる人もいたし、こういうのに気がつく時点で自分も集中できてないなと思う。

とにかく多方面に配慮し、また、前作とのつじつま
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ジョージア、ワインが生まれたところ(2018年製作の映画)

3.3

ワイン、またはジョージア(グルジア)という国に関心がある人向け。
アメリカ人ソムリエが、ジョージアワインを探究するドキュメンタリー。iPhone6で撮影。

ジョージアはワイン発祥の地の一つであり、壺
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少女は夜明けに夢をみる/ 夜明けの夢(2016年製作の映画)

3.2

イランの少女更生施設のドキュメンタリー。大きな事件はなく、入所している女の子たちの様子や、語られる言葉を淡々と記録する。

彼女らは、窃盗、殺人、薬物、売春などで施設に入れられたわけだが、施設の中では
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トロピカル・マラディ(2004年製作の映画)

-

肝心な、前半と後半のつなぎの部分で寝落ち。目が覚めたら全然違う映画になっていて驚いた。

ノスタルジア(1983年製作の映画)

4.0

映像とエピソードの密度が濃く、理解した感がなかったので、映画館から帰って動画配信されていたものを再鑑賞。 35mmフィルムよりクリアな映像は良いのか悪いのか、いずれにせよだいぶ異なる。結局、再見しても>>続きを読む

サクリファイス(1986年製作の映画)

4.3

タイトルは「犠牲」であり、映画はダ・ヴィンチ「東方三博士の礼拝」とバッハ「マタイ受難曲」の有名なアリア「憐みたまえ、我が神よ」から始まる。

ということで、宗教的で格調高いものを想像していたが、意外に
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アップグレード(2018年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

妻を殺され、自身は四肢麻痺となった男が、AIチップを埋め込むことで身体の自由を取り戻し、犯人探しを始める。

この設定で何となくオチの予想がつくところもあり、また、途中ゆるめの展開から若干眠くなるとこ
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クロール ー凶暴領域ー(2019年製作の映画)

3.4

クロールよりもハリケーンよりも圧倒的にワニワニワニだった。

ツッコミどころは少なくないが、音楽が来るぞ、来るぞと予告し、キターってなるのは楽しい。
ワンちゃんの扱いも納得できるもので、気分よく鑑賞で
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第三夫人と髪飾り(2018年製作の映画)

2.8

北ベトナム、チャンアンの風景は美しい。女たちも屠殺の場面も美しい。しかし。

女性が過去、ただ子どもを産むことでしか価値を認められなかった時代があった。土地によっては今もそうだろう。だからこそ、ラスト
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宮本から君へ(2019年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

1990年代の漫画が原作。
漫画の映像化としては最高の部類か。池松壮亮と蒼井優の演技は漫画っぽい極端さがあるがちゃんと感情が入ってて見応えあるし、ある種のコメディとして間もいい。

ただ時代は変わって
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シンドラーのリスト(1993年製作の映画)

4.5

シンドラーはナチ党員であり、戦争と、弱い立場にあるユダヤ人を、自身の事業に利用して成功する。快楽主義者でその振る舞いは模範的とも言いがたい。しかし、ユダヤ人への弾圧が日増しに強まるのを目の当たりにして>>続きを読む

ボーダー 二つの世界(2018年製作の映画)

3.8

非常にユニークな作品。
現実のような超現実を描いている。
そして、人間と人間以外の境界はどこにあるのかを問う。

ベースにあるのは北欧のトロール(妖精)伝説。トロールは、人里離れた場所に棲み、女子ども
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イカリエ-XB1(1963年製作の映画)

3.3

1963年にチェコで初めて製作されたSF映画。原作は一応スタニスワフ・レム。

2163年に生命探索のためアルファ・ケンタウリ系に向かう宇宙船イカリエXB-1の旅。
と同時に、人間の否定(アウシュビッ
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ジョーカー(2019年製作の映画)

3.5

あらすじチラ見して臨んだら割と想定内で、終始冷静に見られてしまった。理解できるジョーカーというのは、やはり違うんじゃないか。

ただ、それを別にすれば、現代社会が忘れてはいけないことを描いていると思う
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メランコリック(2018年製作の映画)

2.3

東大卒だけど、まともに就職したことがない引きこもり気味の男子が、風変わりな銭湯で働き始めたら仲間や彼女ができて、人生が充実し始めた…それだけにしてはちょっと長い。

言われた通りに真面目に働くだけで満
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

3.8

予習一切なしで視聴。

とっちらかり気味だけど、洒落てるし映画愛にあふれていてイイね。でもポランスキー関連のエピソードは一体?ちょっと前にmetooで告発されてたよなあ、というのが直後の感想。

シャ
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アラジン(2019年製作の映画)

2.5

もともと現代アメリカの正しさの基準からは程遠い物語。それを男女平等の部分だけ修正しても違和感が増すだけ。
それなら、貨幣の存在すら知らず、衣装を取っ替え引っ換えできる王家の人間と、泥棒でしか生きていけ
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ヒンディー・ミディアム(2017年製作の映画)

3.2

前半はインド・デリーのお受験戦争の話で、日本と変わらないなあと驚きつつ笑えるコメディ。

後半は超格差社会の問題点に切り込んでいて、笑えるところもなくはないが、全体に眉間にシワがよる。結末は穏当な感じ
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聖なる酔っぱらいの伝説(1988年製作の映画)

3.6

ルトガー・ハウアー追悼上映にて。

心温まる酔っぱらい賛歌。
オルミにこんなチャーミングな作品があるとは知らなかった。

ルトガー・ハウアーが、アル中でホームレスでお人好しで女好きでだらしない、けれど
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アートのお値段(2018年製作の映画)

3.1

エキサイティングではないが、現代のアート市場について、示唆に富むドキュメンタリーだった。

ジェフ・クーンズほか一流アーティストの作品制作現場も見られる。

以下、備忘録。

・アートのお値段は需要と
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トム・オブ・フィンランド(2017年製作の映画)

3.8

ゲイアート、というかゲイポルノの先駆者トウコ・ラークソネンの波乱の半生を、ある意味淡々と描く映画。

今のフィンランドは同性婚も認められているようだが、ここまで来るのにどれだけの苦労があったことか。
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不滅の物語 オーソン・ウェルズ(1968年製作の映画)

3.5

虚構を現実にしようとする、その発想が面白い。そして、物語を紡げず、財産を守るだけの人生の空虚さ。

マカオらしくないマカオも、オーソン・ウェルズの存在感も楽しんだ。

原作はイサク・ディーネセン(本名
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工作 黒金星と呼ばれた男(2018年製作の映画)

3.3

興味深い映画だった。

これはどちらかというと韓国現政権のプロパガンダ映画だろう。
そういう意味で、今だからこそ公開されたし、すべて真実かというと疑わしい。もちろん映画なので面白ければどちらでも良いが
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世界の涯ての鼓動(2017年製作の映画)

2.0

巨匠なので遠慮なく。
壮大なる企画倒れ作品と認定した(個人の感想)。

生命の起源を探る深海探索と、命を奪うテロリズムを組み合わせて高尚さを出したかったようだが、それぞれが突っ込み不足。一方で独身男女
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いとはん物語(1957年製作の映画)

4.0

脚本も撮影もよく練られた良作。

大阪の裕福な商家の三姉妹の会話から始まる。谷崎の細雪ぽいなと思ったら全然違った(事前情報がないと意表突かれる)。
(以下、微妙にネタバレ)



三姉妹のうち一人だけ
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トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)

4.0

ふわもふコンビのダッキー&バニーが最高にツボ。とても面白かった。

オチについては賛否両論で、納得できない人がいるのはよく分かる。ただ、前作に対してキレイにまとめ過ぎという感想を持っていた者からすると
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裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)

4.3

死の恐怖に怯えながら、それでも自身が信じるものを貫き通す女性の物語。

サイレント映画だが、拷問室から火刑までの迫力には驚くばかりであった。

そしてその迫力には、映像だけでなく劇伴音楽(今回のバージ
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快楽(1952年製作の映画)

3.7

ゴダール「イメージの本」のオチがこの作品の引用とのこと。やはり知らないと意味を取り違えるなと実感。

モーパッサンの短編が原作で、3つのエピソードから成る。仮面の男、メゾン・テリエ、モデル。それぞれの
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リラの門(1957年製作の映画)

4.0

パリ市北東外郭の庶民の町、リラの門が舞台のコメディ。だが、人を思いやることの尊さ難しさを描き、その結末は物悲しいものであった。その展開が見事。

ジュジュとピエールの関係は、アレクサンダー広場のフラン
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ホフマニアダ ホフマンの物語(2018年製作の映画)

4.1

子どもの頃見た悪夢。
現実なのか夢なのか、恐怖の感覚はやたらリアルで、区別がつかなかった。そういうのを思い出した。

夢の中で、外国土産で貰った見慣れない顔した人形に追いかけられて、その後しばらくリア
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サマーフィーリング(2016年製作の映画)

3.6

大切な人の突然の死。
それをただ悲しむ話ではなくて、その悲しみを乗り越えて生きることを描く。そこが何よりいい。

劇的なエピソードはない。ただ、悲しみを乗り越える過程で、死者のことを少しずつ忘れていく
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自由の幻想(1974年製作の映画)

3.3

いくつものエピソードが脈略なく続く不条理劇。

そもそもの着想源は、ブニュエルと共同脚本のカリエールがそれぞれ見た夢だそうで、非現実性と脈絡のなさはそこから来ているのは納得。しかし、二人で話し合い練り
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