Sosekiさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

Soseki

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ホイットニー~オールウェイズ・ラヴ・ユー~(2018年製作の映画)

4.1

誠実なドキュメンタリーだと思う。彼女の光も闇も隠さず描いている。これだけの才能に恵まれて努力もして、でも女性で黒人だと幸せになることは容易ではないのだなあ。

小さな子どものように純粋で、家族や世間の
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インターステラー(2014年製作の映画)

4.8

劇場公開時にみたときは、面白いけど伏線はりまくりで理屈っぽいなという印象だった。

その後「2001年宇宙の旅」の映画と小説を経て、改めて見てみてみたら、とても感動。彼らは彼らだし、TARSはHALの
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ラビング 愛という名前のふたり(2016年製作の映画)

2.5

とても意義深い話だと思うが、エピソードの羅列で捻りがなく、退屈。

恐らく史実を重視し、脚色をできるだけ避ける方針だったのだろうが、それだったら(政治的な背景を含む)ドキュメンタリーの方が面白かったの
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アタラント号(1934年製作の映画)

3.9

奇妙で自由でユーモアたっぷりのジュールおじさんと猫猫猫が素晴らしい。

そして船上や水中を漂う花嫁、おじさんの部屋(ファニーとアレクサンデルのイサクの屋敷!)、俯瞰の船の映像(このために飛行機を飛ばし
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A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

4.0

予告をみて、幽霊になった夫が妻を見守る話か、あるあるだな、などと思ってた。

が、全然違った。これは新しい。
タイトルどおり「いち幽霊の物語」だった。それも、なかなか切ないやつ。

ビリディアナ(1960年製作の映画)

4.0

これは「正しい」現代人には不愉快な話。

宗教に象徴される正義の言葉は有害無益でしかなく、女は権力を持つものに取り入ることを自発的に選択する…その様を嘲笑的に描いているだけなので。

ただ、こうやって
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アリー/ スター誕生(2018年製作の映画)

3.5

旧作の「スター誕生」は一切みてないが、何度もリメイクされているだけあって、ストーリーは見応えあった。

日本で今一つヒットしてないという記事を読んで、逆に興味を持ったのだが、原因はアル中ときどきドラッ
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暁に祈れ(2017年製作の映画)

3.5

前半は刑務所の地獄感の描写が延々と続き、この調子でどうやって話を落とすのかと不安になる(事前情報は入れずにみた)。

後半、主人公が刑務所内でムエタイを始めてから、話が動き出す。ここからは割とオーソド
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ミーン・ガールズ(2004年製作の映画)

3.3

腹黒い女の子達の生態を描く。2004年の作品。

実はネオン・デーモンに通じるところもあると思うけど、こちらはあくまで学園コメディ。
オチが主人公に都合良すぎというか、きれいにまとまり過ぎて教科書のよ
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彼が愛したケーキ職人(2017年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

何より、彼は女性を愛することができるのか!と驚いた。
それであれば、この話の主軸は、かつて同じ人を愛した二人が結ばれるメロドラマ。
そのためにバイセクシャルの設定が必要だった、ということになる。何とな
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シシリアン・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

5.0

マフィアに誘拐され、長期間の監禁の末に殺された少年。その少年に対するレクイエム。あなたを忘れないというメッセージ。

少年少女のラブストーリーという言葉からイメージされるものより壮絶。好き嫌い分かれる
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ネオン・デーモン(2016年製作の映画)

3.5

美しさと若さを競い、狂っていく女の子達の物語。それをやたら耽美的に、かつグロテスクに描く。最近みたロブ=グリエみもあり。

エル・ファニング演じるジェシーが、仕事で抜擢されるたびに何とも言えない表情を
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私は、マリア・カラス(2017年製作の映画)

3.0

マリア・カラスに関するドキュメンタリーはこれまでにもあり、今回の作品の意義を掴みかねている。彼女の映像、言葉のみでつなぐというコンセプトは分かるけれども。

マリア・カラスは不世出の歌手だが、その全盛
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プティ・カンカン(2014年製作の映画)

3.0

2014年カイエ誌年間トップテン第1位とのこと。オチのない八つ墓村といった趣。

海岸沿い、対岸にイギリスが見えるフランスの田舎町。町の中には過去の戦争の遺産であるトーチカが点在。
小学校高学年ぐらい
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不滅の女(1963年製作の映画)

3.3

謎の美女を探して街を彷徨う…似たような脚本、最近どこかで見たなと思ったら「アンダーザシルバーレイク」だった。あちらは一応種明かしあるが。

筋は単純。ただ、イスタンブールでの人探しは、意思疎通が難しく
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快楽の漸進的横滑り(1974年製作の映画)

2.0

ひとことでまとめると、退屈…
過激で思わせぶりな表現も、それが2時間弱続くと飽きる。美女の裸体があったとしても。実際、場内でいびきかいてる人複数。

教会批判とか、虐待とか、トラウマとか考えてみたが、
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とらんぷ譚(1936年製作の映画)

4.0

男は子どもの頃、家族で唯一の生き残りとなった。その理由は、家の中で小銭をくすね、その罰として晩御飯を取り上げられたために、結果として毒キノコを食べずに済んだからであった。

以後、彼は悪事を働いて生き
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白夜(1971年製作の映画)

5.0

2012年10月、34年ぶりの公開の際に初見。その後ドストエフスキーの原作を読み、そして今年35mmフィルム日本最終上映とのことで、改めて足を運んだ。

初見時はスタイリッシュな映像、音楽、ミニマムな
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ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)

3.0

QUEENのことを勉強する目的で鑑賞。
結論はLIVE AIDのシーンに尽きる。あのパフォーマンスは一見(聴?)の価値あり。あと猫がとてもかわいい。

ドラマのパートは、一つ一つのエピソードが細切れで
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2010年(1984年製作の映画)

3.5

2001年宇宙の旅の続編。あちらは芸術だが、こちらは普通のSF映画。
頑張ってはいるけど作り込みの足りない映像・音楽、安っぽいモノリス、凡庸なHALの再起動の場面など、もう差が歴然。ただ、2001年は
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バルバラ ~セーヌの黒いバラ~(2017年製作の映画)

3.1

「1930年生まれの国民的シャンソン歌手バルバラを描く映画を撮影する過程」を描いた映画。バルバラを演じる俳優はブリジット(ジャンヌ・バリバール)、監督はイヴ(演じるマチュー・アマルリックは本作の監督で>>続きを読む

あなたの顔(2018年製作の映画)

-

なかなかの実験映画。開始5分で会場からはイビキが聞こえてきたが、こちらは結構真剣に観てた。つもりだったが、ちょうど李康生のところで意識が飛んだ…痛恨である。
最後のショットは、皆幽霊になってしまったみ
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エルサレムの路面電車(2018年製作の映画)

3.3

エルサレムの路面電車を舞台に、10以上の短かなエピソードを重ねて、エルサレムを描く。特に筋や主人公はない。

兵役に行くための別れ、旅の途中も律法を勉強するユダヤ教徒、列車内をパトロールする警備員のよ
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ガザの友人への手紙(2018年製作の映画)

1.0

「他者を思え」の出だしはともかく、以後、説教くさいお話を延々と聞かされて退屈。何故見過ごしたと糾弾するより、実際に行動すれば?という気分になる。

13回の新月のある年に(1978年製作の映画)

3.5

愛を求め続けて得られない、孤独な主人公の鬱映画。主人公は性転換してるのもポイント。

アレクサンダー広場のラインホルトが主人公の運命の男アントン・ザイツを演じている。そして、彼が脈絡なくダンスを踊りは
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ワンダーランド(2017年製作の映画)

3.6

主人公は49歳の専業主婦女性。夫が浮気して家を出て間もなく1年(未練タラタラ)、一人娘はポルトガル、初めてクリスマスを一人で迎えることになる。
そのシチュエーションに耐えきれず、親友の女性と二人で旅に
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search/サーチ(2018年製作の映画)

3.9

父子家庭、父と高校生の娘の関係はギクシャクしている。ある夜、娘が行方不明になる。父は必死に娘を探すが、その過程で彼女の真実の姿を知ることになる、という話。

今は人探しするときもインターネット上のデー
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帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)

3.3

なるほど、近年の欧州の移民難民排斥の動きを指して「帰ってきたヒトラー」と…
ただ、それヒトラーと同じだよと言うだけでは、現実に不満を持つ人々の考えは変えられないのではないか、と最近の政治情勢を見て思う
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バッド・ジーニアス 危険な天才たち(2017年製作の映画)

4.4

面白かった。天才高校生がお金と引き換えに「生徒」にカンニングさせる企み。それをカッコよくスリル満点で描いているけれど、一方でタイ社会の問題(格差、学歴社会、拝金主義や賄賂の横行)が浮かび上がる。このバ>>続きを読む

アンダー・ザ・シルバーレイク(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

表向きは、オタク男子が失踪した美女を探してハリウッド中を彷徨う話。その中で、ハリウッドの闇(つるんでいても名前も知らない関係、麻薬売春、薄っぺらいパフォーマンスアート、作品のオリジナリティへの疑問et>>続きを読む

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

5.0

IMAXデジタルで鑑賞。予備知識はほぼない状態。
映画の形式による現代アートといった趣きで、とても美しい。大画面、高画質、高音質の映画館で観る価値のある作品。

内容については理解できなかったところも
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クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)

3.5

サバイバルホラー映画として、また家族愛の映画として、あまり細かいことを考えなければ楽しめる。
ただ、展開が読めるのでそんなに怖くないし、この設定で続編が成り立つのか疑問。

運命は踊る(2017年製作の映画)

3.0

映像表現としてはなかなか格好良い。
内容は、結末がこれでは共感しようがない。アイデア先行というか、FOXTROTというタイトルにこだわり過ぎというか…

クレイジー・リッチ!(2018年製作の映画)

2.9

結婚が最終目標のゲームを延々と見せられるので、そういうのがお好きな方にオススメ。
個人的には途中で飽きてしまった。

ただ、華僑のパワーはすごく伝わってきたし、演出で笑えるところもあったし、食べ物は美
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モアナ~南海の歓喜~(1980年製作の映画)

3.9

「モアナ」とAで終わる名前で、ポスターも女性が真ん中に配されていたから、てっきり彼女がモアナかと思ったら。
モアナは、結婚と成人の儀式を間近に控えた青年で、ポスターの女性はモアナの婚約者。うーん、紛ら
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