けーはちさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

けーはち

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マディソン郡の橋(1995年製作の映画)

4.0

中年の不倫恋愛願望コッテリなメロドラマと言えばそれまでだが、主演メリル・ストリープの恋する女の情感たっぷりな名演で泣かせる名作。子供らが遺品の手記を読み進めて行く枠物語の形式で「母親の不倫話なんてキモ>>続きを読む

イリュージョニスト(2010年製作の映画)

3.6

時代の変遷と共に不要になる老手品師を描くフランス製アニメ。50年代、TVやロックなど新しい刺激的な娯楽に目が肥えた観衆は陳腐な手品に目も向けない。少し情をかけたら何でも叶えてくれると思ってついてきた田>>続きを読む

八甲田山(1977年製作の映画)

4.0

日露戦争を見越した冬季訓練中の事故で最大規模となる悲惨な雪中行軍の遭難を描く。二手に分かれて八甲田山でスレ違う計画だったが、少数精鋭で準備周到に進めた側と、朝令暮改を繰り返す上官の介入で予定が狂った側>>続きを読む

スーパー・マグナム(1985年製作の映画)

2.7

原題「Death Wish 3」で「狼よさらば」のシリーズ3作目。主人公はしばらくぶりに戻ったNYの旧友を殺され、さらに親しくなった人がストリートギャングに無茶苦茶に乱暴されるのを見かね、復讐に乗り出>>続きを読む

ラストエンペラー(1987年製作の映画)

3.5

歴史教師が本作を「甘粕は隻腕ではない。何となく凄味を出すために適当な脚色をした」と批判したのを思い出す。史実との相違部分は本件に限らずWikipediaに記載通り枚挙に暇がないが、そこは映画なので論っ>>続きを読む

エルヴィス(2022年製作の映画)

3.7

黒人と白人の音楽、ブルースとカントリーを融合させたロカビリーを始めたエルヴィス・プレスリーの伝記映画。派手な衣装、中性的な髪やメイクにセクシーなくねくねダンスをしてヒーカップで唄い上げる姿は社会に波紋>>続きを読む

別れる決心(2022年製作の映画)

3.7

韓流サスペンス&ロマンス。殺人事件の捜査に心血を注ぎ未解決事件を思って眠れぬ夜を過ごすワーカホリック不眠症刑事が、コネで強制送還を逃れたスネに傷持つ夫殺し容疑中華系のファム・ファタールに手玉に取られる>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

3.4

レズビアンを公言する「女性版バーンスタイン」といった風情の天才指揮者の栄枯盛衰ドラマ。ケイト・ブランシェットがパワハラセクハラ何のそのゴリゴリ権威主義のオッサンみたいな超男性的な成功者のオーラを放つ。>>続きを読む

11人のカウボーイ(1971年製作の映画)

3.2

一攫千金ゴールドラッシュに沸く西部。今やカウボーイは不人気で人手不足。やむなく学校に通う少年らを動員し牛追いを任せる牧場主ジョン・ウェイン。御年65歳が15歳くらいまでの孫ほどのティーンズと共に挑む冒>>続きを読む

シャレード(1963年製作の映画)

3.8

列車の振動に続き軽快なスウィングの打楽器と007風ギターリフに弦楽隊、マンシーニの曲とモダンな幾何学的模様で彩られるオープニング、子供の向ける水鉄砲の銃口に不穏な策謀の予感が漂う。オードリー・ヘプバー>>続きを読む

シャーロック・ホームズの大追跡(2019年製作の映画)

3.6

犬の顔をした「名探偵ホームズ」というと宮崎駿の方が連想されるが、そのアイデアをパク……リスペクトして香港の作家が書いた児童書が大人気になって、アニメ化したもの。炎色反応や酸化、水の凝固や気圧といった初>>続きを読む

サンダーアーム/龍兄虎弟(1986年製作の映画)

3.3

インディ・ジョーンズ+007的な宝探し潜入スパイ作戦をカンフー&超絶スタントで魅せるジャッキー・チェンのアクション映画。撮影中の大怪我を押して完成に漕ぎ着けた(ENDクレジットの「アチャーやっちゃった>>続きを読む

ひまわり(1970年製作の映画)

3.1

マンシーニの音楽が良くて、哀愁棚引くメインテーマが評価されるが、個人的にソ連に渡ったときのガラッと空気が変わる東欧イメージの曲は印象的。イタリアらしい陽気なバカップルが戦争に引き裂かれる話で、大人の悲>>続きを読む

聖闘士星矢 The Beginning(2023年製作の映画)

3.0

80年代黄金期ジャンプ漫画ハリウッド実写化。星矢の聖闘士としての覚醒までに焦点を当てる。DBの実写版よりは原作愛を感じるが、如何せんギリシャ神話が下地の熱く耽美なファンタジーバトルの壮大さは手に余るの>>続きを読む

OK牧場の決斗(1957年製作の映画)

3.5

有名なOK牧場の決闘を元にした正統派西部劇。鏡や扉を使った画角、牧場の地形、柵や小屋の窓などの構造物を使った射撃戦の娯楽性が冴える。話の軸は、伝説の保安官ワイアット・アープ(バート・ランカスター)と賭>>続きを読む

トゥームストーン(1993年製作の映画)

3.3

伝説的なOK牧場の決闘の史実──人間ドラマ部分に脚色はあれど出来事は事実に忠実な形で描かれている。決闘自体は30秒のうちに発射された30発程度の弾丸で終わった。その決闘に至る諍いや決闘後の血で血を洗う>>続きを読む

デンジャラス・プレイス(2022年製作の映画)

3.0

元警察署長ブルース・ウィリスが愛娘を拉致した悪党に対峙する話だが、「目出し帽を作業中に忘れてしまい顔を見られてしまった悪党が娘を始末せざるを得なくなる」といったお粗末さが持ち味のアクションスリラー。>>続きを読む

少林寺(1982年製作の映画)

3.7

北京武術大会5連覇の天才少年リー・リンチェイことジェット・リーの初出演にして初主演カンフーアクション映画。中国・香港が初の共同制作に取り組んだ映画で、現在の本物の少林寺を堂々と映像に収めている。唐の太>>続きを読む

バッド・ウェイヴ(2017年製作の映画)

3.3

カリフォルニアのヴェニス・ビーチのアクション・コメディ探偵物語。シモネタたっぷりで「ダイ・ハード」と別の方向で身体を張って(全裸スケボー、ケツの割れ目に銃隠し)いるブルース・ウィリスが拝めるぞ。ゴール>>続きを読む

おくりびと(2008年製作の映画)

3.2

納棺前に遺体を綺麗にする納棺師を題材にした非常に物珍しいお仕事ドラマ。地方の寂れた日本家屋の町並み、畳の上での日本式仏葬の所作等のエキゾチシズムが欧米でウケたようで、本作はアカデミー賞外国語映画賞を獲>>続きを読む

ドラゴンボール超 スーパーヒーロー(2022年製作の映画)

4.0

追悼、鳥山明。本作では原作主人公の悟空、ライバルのベジータを差し置いて、悟空のかつての宿敵ながらも彼の息子・悟飯を師父として育て上げたピッコロを軸に、すっかり武術から退き学者になった悟飯とその娘も話に>>続きを読む

ドラゴンボール EVOLUTION(2009年製作の映画)

2.7

追悼、鳥山明。「デビルマン」等と共に酷い実写化と評されがちな本作だが、見返してみると至って普通の出来。原作の異世界カンフーファンタジー長編漫画をコンパクトに掻い摘んでヤングアダルトにウケる類型に沿って>>続きを読む

ミスター・ガラス(2019年製作の映画)

3.7

「アンブレイカブル」に始まるシャマラン監督のヒーロー・トリロジー最終編。思いのほか良かった。黒幕にして自身は脆弱ゆえ傷つき痛みを知る悪の救世主キリスト的存在「ミスター・ガラス」は、既存2作主人公の戦い>>続きを読む

アンブレイカブル(2000年製作の映画)

3.2

「シックス・センス」の稀代のドンデン返しで世に出たシャマラン監督だが、後年の作から見るに実は「こ〜んな荒唐無稽な人物・設定が実在したら、さあ、どうする、どうなるの🤔⁉️」という子供のように純粋な夢想を>>続きを読む

一人っ子の国(2019年製作の映画)

4.0

計画生育政策、所謂「一人っ子政策」時代に生まれた世代の女性監督が撮るドキュメンタリー。近現代の中国を当事者が描く稀有な一本。

厳格な統制は中国人の生活水準向上の一助になったが、その裏に我が子を亡き者
>>続きを読む

運命の女(2002年製作の映画)

3.2

アラフォー有閑マダム(ダイアン・レイン)が若いツバメと不倫する話。夫(リチャード・ギア)は会社の社長で何不自由なく暮らすとも、何となく倦怠期の毎日、たまの用事でNYのソーホーに出た彼女は若くてSexy>>続きを読む

ビニー/信じる男(2015年製作の映画)

3.4

イタリア系ボクサーが交通事故で頚椎を骨折🚗🤕……歩行もままならない重傷という絶望の淵から這い上がり、再び頂点に返り咲く実話。監督は無名だが、制作総指揮は名匠スコセッシ。絵に描いたような栄光、挫折、そし>>続きを読む

野獣暁に死す(1968年製作の映画)

2.7

仲代達矢を準主役級の悪ボスで起用したマカロニ西部劇。みんなニヒルに構えているが彼だけ目玉ギラギラ殺気バチバチの野武士のような面持ちでマチェーテを抜いて斬りつけ、撃たれる時もやたら重々しい芝居でユラ〜ッ>>続きを読む

子猫物語(1986年製作の映画)

3.1

「ゴジラ-1.0」に追い抜かれるまで邦画(実写)全米興収1位の本作。ムツゴロウさんこと畑正憲監督による動物達の紡ぐ愛と冒険の物語。CGIなどは時代柄当然なくてアニマルアクターで撮るのだが、猫が「ケガで>>続きを読む

ジャイアンツ(1956年製作の映画)

3.3

東部から文化の違う西部に嫁いだ女性を主人公に、開拓の終わり〜太平洋戦争の頃までのテキサスを舞台に描く200分の大河ドラマ。

前半は西部の厳しい環境に適応したり差別とぶつかるエリザベス・テイラーの姿、
>>続きを読む

(1985年製作の映画)

3.3

戦国大名の内紛の一部始終を描く時代劇。黒澤=軽妙なヒューマニズムとアクションエンタメという印象があり、神の視座からどっしり構えて人の業を描く重厚時代劇は割と異色に感じる。重厚すぎて興収は大赤字だが、三>>続きを読む

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

「スパイダーバース」アニメ第2弾。マルチバース監視組織「スパイダー・ソサエティ」の登場で並行宇宙SFの基礎が確立。アニメの特性を生かした並行世界の絵柄が違う表現が相変わらず秀逸で、動きと会話の快感を突>>続きを読む

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

3.9

しばしば「ショットガンみたいな下痢をした」みたいにギャグにされる口ずさみやすい表題が印象的。とある男女の関係の一部始終を淡々と描くロマンス映画なのだが、基点となるサブカル趣味のスノッブ仕草(押井守は常>>続きを読む

イチケイのカラス(2023年製作の映画)

3.7

昼行灯のようで一旦火がつくと誰よりも真実を追い求める竹野内豊とクソ真面目な若手(今回は弁護士)・黒木華の裁判官バディが織り成すリーガル・サスペンス。月9ドラマの劇場版として豪華ゲスト含むオールスターキ>>続きを読む

プリンセスと魔法のキス(2009年製作の映画)

3.5

ディズニーセルアニメの最終作。グリム童話「かえるの王子様」を翻案。舞台は20世紀初頭頃のニューオーリンズ。王子様は親のカネで遊び歩いていたら勘当された放蕩息子で実は現状一文無しの逆玉狙い、ヒロインはプ>>続きを読む

ビッグ・ガン(1972年製作の映画)

3.2

殺し屋を引退して組織に妻子を殺された男が因縁ある親分衆を一人ずつ殺っていく陳腐な復讐劇の形なのだが、マカロニ・ウェスタンなどを多数手がけたイタリア人監督によるジャッロ(エログロ猟奇ホラー色のあるイタリ>>続きを読む