けーはちさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

けーはち

けーはち

映画(3045)
ドラマ(0)
アニメ(0)
  • List view
  • Grid view

クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち(2004年製作の映画)

2.7

刑事2人が担当する2つの事件が1本に繋がる連続猟奇殺人ミステリー「クリムゾン・リバー」の続編だが、本作は主人公を借りただけのベッソンのオリジナル脚本。イエス・キリストのコスプレ男を囲む12使徒コスプレ>>続きを読む

エクスペンダブルズ2(2012年製作の映画)

3.8

スタローン率いる消耗品軍団の第2作は順当なスケールアップ。レジェンド級アクション俳優ブルース・ウィリスとシュワちゃんも派手に参戦し前作顔見世程度の消化不良も解消。敵役にヴァン・ダム、お助けキャラのチャ>>続きを読む

真昼の決闘(1952年製作の映画)

3.4

結婚して引退したはずが悪党と対峙するハメになる保安官(ゲイリー・クーパー)。原作では若い補佐官が決戦で倒れた保安官を継ぐ話になるようだが本作では誰も手を貸さず孤立無縁。ムカついた保安官も悪党を片付けた>>続きを読む

ロードキラー(2001年製作の映画)

3.2

アホな若者が車の無線でからかったトラック野郎に尾け回され無茶苦茶な報復をされる「激突!」オマージュB級スリラー。近年だと「アオラレ」みたいな感。ワイスピで売れる前のポール・ウォーカーが兄貴にセクシーな>>続きを読む

ウエストワールド(1973年製作の映画)

3.6

仮想空間の「ごっこ遊び」で安全にロボット相手の暴力・殺戮を楽しめる最先端のテーマパークでロボットの反乱──人間がテクノロジーを弄び反逆される話は「ジュラシック・パーク」原作者マイケル・クライトンの得意>>続きを読む

晩春(1949年製作の映画)

3.5

「晩春」「麦秋」「東京物語」で紀子(原節子)三部作だが、初作の本作が最もプリミティブな父娘の物語。何せ見合い・婚礼相手の描写は一切なし。ファザコン気味の紀子が、父の嫁取り・自分の嫁入りの話で機嫌をこじ>>続きを読む

東京物語(1953年製作の映画)

4.0

田舎から上京して来た両親の世話を子供らは嫌がり、老母の葬儀にも冷淡に立ち去る──というドライな家族ドラマ。子は親離れをし各々の生活をしているため煙たがられた親は満足ではないが、まあそれで良いと納得せざ>>続きを読む

アンタッチャブル(1987年製作の映画)

4.0

アル・カポネという裏社会の巨人を倒すべく多様な背景を持つ有志が共闘するのは「七人の侍」さながら魅力的。ケヴィン・コスナー、ショーン・コネリー、ロバート・デ・ニーロら主要スターの共演に加え、新米刑事役の>>続きを読む

荒野の七人(1960年製作の映画)

4.0

「七人の侍」の翻案西部劇。オリジナルにかなり依拠するが機微はランタイムの減少に伴い当然削られる。とは言え、悪党との鍔迫り合いや生活感の描写は簡略化しても話にそう支障はないし、主要キャラ7人もいりゃ描写>>続きを読む

七人の侍(1954年製作の映画)

4.0

弱きを助け強きを挫く武士たち。魅力的な多キャラの共闘。それなのに武士と農民の身分差による軋轢を内包していたり、志村喬の手練のリーダー性と、三船敏郎の未熟なニセ侍“菊千代”のムードメーカー、コメディリリ>>続きを読む

荒野の七人/真昼の決闘(1972年製作の映画)

3.1

どうにもバッタもん臭がぷんぷんするタイトルだが「荒野の七人」からの正統続編となっている。主人公クリスはかつてのならず者ではなく、保安官の地位と愛妻を得て保守的に丸くなっていたが、18歳の不良少年に温情>>続きを読む

ザ・ロック(1996年製作の映画)

4.0

FBIの科学兵器専門家ニコラス・ケイジ(髪がある)と元英国情報部&脱獄犯ショーン・コネリーが“ザ・ロック”監獄島アルカトラズへ潜入、反乱軍人の毒ガス兵器を処理するアクション・スリラー。海ぶどうに似た緑>>続きを読む

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

3.7

豪華客船の遭難、無人島生活を描き、世を風刺するブラックコメディ。モデルの美形男女が主人公で、男女平等とは言うけど実際はレディ・ファーストだとか、見た目・人種・資産での差別を描いた上で、ひっくり返った客>>続きを読む

東京日和(1997年製作の映画)

2.9

写真家・荒木経惟の私小説を映画化。竹中直人が監督主演。アラーキーと言えばヌードで、竹中直人が演じるとなればさぞかし脂っこいエロの情念が満載かと思いきや、かなり妻へのピュアな愛情表現満載、詩的で上品、悪>>続きを読む

ゲームセンターCX THE MOVIE 1986 マイティボンジャック(2014年製作の映画)

3.0

同名テレビ番組の2006年放送分「マイティボンジャック」回にゲームの発売年1986年当時の中学生を主人公としたドラマを合体させた映画版。

人が真摯に努力する姿は感動を生む。スポーツが分かり易いが、今
>>続きを読む

続・荒野の用心棒(1966年製作の映画)

3.7

メキシコ国境付近の村で元南軍と革命軍の争いに便乗するのは棺桶を引く風来坊ジャンゴ──フランコ・ネロのニヒルさがカッコ良いマカロニ・ウェスタン。棺桶の中身=ガトリング砲でインパクトを与えた後、彼の目的(>>続きを読む

大河の一滴(2001年製作の映画)

1.5

五木寛之のベストセラー随筆の題名を借りて適当な物語をつけ、当時人気の美形ロシア人トランペット奏者セルゲイ・ナカリャコフを軸に据えて売り抜ける企画モノ。面白ければ良いのだが、反戦平和を願う陳腐な会話の他>>続きを読む

牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

3.5

エドワード・ヤン監督の青春時代に起きた衝撃的な事件をベースに、未熟な十代の危うさを台湾の弱い立場に重ね合わせた少年ギャング映画。キャラ立ちの薄い多数の登場人物と関係性が複雑で、説明も薄くて236分の大>>続きを読む

くまのプーさん/みんなのクリスマス(2002年製作の映画)

3.2

クリスマス・年末年始の祝祭ムードの中でドタバタした挙句に「一緒に祝うために集まる仲間やその個性こそが尊い」と友情讃歌を打ち出して落ちつける、オールドスタイルなディズニーアニメ。「蛍の光」としても日本で>>続きを読む

忠臣蔵(1958年製作の映画)

3.7

映像化にあたり膨大なエピソードの取捨選択・重み付けをしなければならないのが「忠臣蔵」である。166分の尺でなお前半の浅野内匠頭(市川雷蔵)が刃傷・切腹に及ぶまでは駆け足、後半にかけて丁寧の印象。特に吉>>続きを読む

西部無法伝(1971年製作の映画)

3.6

いかにも紋切り型の西部劇的な邦題がついているが、原題「Skin Game」、軽快なクライムコメディ。

奴隷主と奴隷に扮し売却金を詐取してトンズラする白人と黒人のペテン師コンビ、奴隷解放の機運高まる中
>>続きを読む

クリムゾン・リバー(2000年製作の映画)

3.3

刑事ジャン・レノとヴァンサン・カッセルが異なる事件を追う内に2つが合流し1つに……雪深いアルプスの麓の大学を中心とした閉鎖的な学園都市で巻き起こる、暗くて重苦しいフレンチ・ミステリー。日本でいう横溝正>>続きを読む

わさお(2010年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

ネットやテレビ番組で一世を風靡していた白いブサカワ秋田犬「わさお」が“本犬”役を演る人間&動物のありがちなハートフル映画、と思いきやトンデモ怪作映画に仕上がっている🐶

軸になるのは、わさおと飼い主の
>>続きを読む

憧れを超えた侍たち 世界一への記録(2023年製作の映画)

3.5

日本が優勝したWBC2023の密着ドキュメンタリー。野球の世界競技人口はバレーやバスケ、サッカーなどと比べ1桁少ない。そもそも野球を盛んにやるのは、米国とその周辺諸国、日本をはじめとするアジアの一部だ>>続きを読む

MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)

3.7

誰もが知る1流俳優なのにDV夫の汚名を着せられ今や大作映画に出づらい主演ジョニー・デップの境遇が、戦場を巡りボロボロで冷遇される酒浸りの写真家ユージン・スミスと重なって涙が出る(アンバー・ハードに勝訴>>続きを読む

エデンの東(1954年製作の映画)

3.7

聖書のカインとアベルにも似た兄弟の確執。父親に愛されない男子の空回り孤軍奮闘劇。早逝の美男子、不機嫌な若者の永遠のポップアイコン、ジェームズ・ディーンの儚さ、捨て犬のような母性をくすぐる佇まいが光る。>>続きを読む

地下鉄のザジ(1960年製作の映画)

3.0

叔父に預けられた少女ザジ、ストライキ中のパリの街で地下鉄に入れずウロウロしていろんな人に出会い冒険をするというシュールコメディ。原作は当時流行したシュール小説で、タイトルに「地下鉄」と入っているのに地>>続きを読む

麦秋(1951年製作の映画)

3.3

いつもの小津映画らしく嫁入り前の娘が主軸の家族劇だが今作では医師の長兄・笠智衆が家長的立ち位置で妹・原節子との関係性に焦点が当たる。妹は28歳でOLとして自活するも当世風のバリバリなキャリアウーマンと>>続きを読む

ラスト・クリスマス(1978年製作の映画)

3.4

生来の免疫不全のため無菌室で隔離されて過ごす八歳の少年。離婚寸前の両親と聖夜に人生最初で最後の家族団欒を味わうため病院を脱出。クリスマス映画にしては悲哀が色濃いのだが、少年はガラス越しに話していた友人>>続きを読む

油断大敵(2003年製作の映画)

3.3

妻を早く亡くした刑事が娘を育てる話と年配の泥棒と友情・師弟関係を結ぶ話、最終的に2本の話が1つに繋がって泣かせる情緒に溢れた佳品。役所広司と柄本明という邦画界の達者が繰り広げる人間ドラマ。

しかし前
>>続きを読む

パワー・ゲーム(2013年製作の映画)

3.2

ゲイリー・オールドマン社長に利用された若者がハリソン・フォード社長率いるライバル企業の産業スパイをさせられるスリラー。名優同士の竜虎相打つ対決の駒にされた薄らトンカチな主人公リアム・ヘムズワース、スパ>>続きを読む

オペレーション・フォーチュン(2023年製作の映画)

3.5

ガイ・リッチーが007とM:Iを勝手に撮っちゃいました、なスパイ・アクション。見慣れたジェイソン・ステイサム無双を楽しみながらマクガフィンを追い、結局冷戦以降のスパイ映画ってIT系のガジェットと情報を>>続きを読む

ジョナ・ヘックス(2010年製作の映画)

2.7

DCコミック原作アンチヒーロー復讐西部劇(復讐相手が南北戦争の南軍残党なので結果的に国を守る流れになるが)。「ダークナイト」が当たったので、同じく陰気なリアル路線を目指したのかしらん。個性的な衣装も超>>続きを読む

メイキング・オブ・モータウン(2019年製作の映画)

4.0

モータウン・レコードの創設者のインタビューを軸にしたドキュメンタリー。自動車工場の工員経験から工業的なフローチャートを用いて音楽制作やマネージメント、歌手のマナーや身なりを整える品質管理なども含めてビ>>続きを読む

復活の日(1980年製作の映画)

3.8

新型ウィルスのパンデミック→世界崩壊→自動報復攻撃による米ソの核戦争→二度目の崩壊→そして──小松左京の名作を原作にしたSF超大作。説明はそこそこに深作欣二監督の手により世界中の破滅と暴力と狂気が存分>>続きを読む

最強殺し屋伝説国岡 完全版(2021年製作の映画)

3.7

「殺し屋密着取材のフェイクドキュメンタリー」という体裁で幕を開けるが、それは建前に過ぎず話がヒートアップするごとにどう見たってPOVの1発撮りではない画でケレン味を高めて自由に撮っていくアクション映画>>続きを読む