ジョーさんの映画レビュー・感想・評価 - 11ページ目

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人魚の眠る家(2018年製作の映画)

4.5

「みずほは意識がないんだ。本人の意思に関係なく、顔面神経を操作して笑わせることは必要か?完全に見世物になっているよ」
 娘の脳死=医学的な死をめぐって葛藤する別居夫婦。妻は、最終的に脳死を認められず、
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ストレンジャー・ザン・パラダイス(1984年製作の映画)

3.3

 約四半世紀前に付き合っていた彼女が、この作品が封切りの頃観て、ふと洩らした言葉が今でも憶えている。
「明るくもなく、暗くもなく、哀しくもなく、なんかキツネに包まれたような感じ」。
 草創期のミニシア
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日日是好日(2018年製作の映画)

3.8

 昔は茶道のたしなみがないと政財界人の集まりには参加できなかったらしい。彼らは高額な掛け軸を購入し、茶道に金を掛けた。そんな時代もあったということ。
 だが、主人公の典子が、茶道教室に通い始めたのは、
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ガザの美容室(2015年製作の映画)

3.2

 美容室の女性たちの会話だけで、パレスチナの実状を伝える。それが本作の狙いでもある。
 彼女たちの会話の端々にパレスチナ・ガザ地区の状況が浮き彫りになる。
 パレスチナには自治政府のファタハとガザ地区
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セッション(2014年製作の映画)

4.8

 チャーリー・パーカーみたいな破滅的な天才になど、誰もなれないし、誰もなりたいとは思わない。
 でも、”バード”の域まで、自分も教え子も到達したいという、かなわぬ夢を追い求める鬼教師がいる。
 何かに
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アリー/ スター誕生(2018年製作の映画)

4.1

「秘密を教えるよ。君は曲が書ける。心配ない。内緒にする。でも俺は口が軽いんだ」
 そして、おもむろにガガの手にキスをするクーパー。
「本当の紳士ね」

 アル中の落ち目のミュージシャンと、ゲイバーで『
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長いお別れ(2019年製作の映画)

4.7

 母親が認知症を発症してから9年で逝った。そのせいか、7年で逝った主人公の父親の認知症が、次第に進行していく様に、観ていてとてもリアリズムを感じた。
 外を徘徊したり、じっと読むともなく本に向かってい
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教誨師(2018年製作の映画)

4.1

 大杉漣の遺作かあ。感慨深いなあ。5人の死刑囚を教え諭す牧師の役。
 彼も凄いんだけど、死刑囚のメンツも凄い。
 やくざ役の光石研。感情の起伏と言葉の強弱の絶妙なハーモニーはさすがだ。
 関西弁の烏丸
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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

3.6

 ロシア系かアジア系か。いや特定するとすればアゼルバイジャン、ウズベキスタン系か。およそ欧米人という感じはしない。生まれはアイルランド・ダブリンらしい。謎の少年役のバリー・キオガン素性の話だ。
『ダン
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劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-(2018年製作の映画)

3.5

 人の命を預かるドクターの物語として観ればいい。
 ドクターヘリは、そのひとつの道具に過ぎない。そう観ればいい。
 惨事にあった人々を救う。そこで命が救われればそれでいい。
 ドクターたちの私生活は二
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ビブリア古書堂の事件手帖(2018年製作の映画)

3.6

 太宰治の『晩年』と夏目漱石の『それから』。本作のメインディッシュ。
「死のうと思っていた。・・・夏まで生きようと思った」 鮮やかに記憶が戻る『晩年』の冒頭。『それから』が不倫の話だとは僕の記憶には残
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LBJ ケネディの意志を継いだ男(2016年製作の映画)

3.8

 特殊なそっくりさんメイクが売りの作品が増えた。ゲーリー・オールドマンのウイストン・チャーチル首相。クリスチャン・ベールのディック・チェイニー元アメリカ副大統領、そしてウディ・ハレルソンのジョンソン元>>続きを読む

きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

4.6

 過去の函館3部作と言われている作品と比べると随分と肩の力が抜けている。なぜか重苦しさも一切ない。失業率が高くて生活保護者が多いと言われている函館が、過去の3部作には色濃く反映されていたがそれもない。>>続きを読む

モリーズ・ゲーム(2017年製作の映画)

4.8

 幼い頃に父親からスキーでスパルタの特訓を受けて、相当厳しく育てられたモリー。
 女子モーグルのオリンピック代表候補だったにもかかわらず、予選会の転倒で挫折。
 厳格な家庭に育ち、大きな挫折を味わった
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いぬやしき(2018年製作の映画)

2.9

 職場にも家庭にも居場所がない定年前の犬屋敷と、母子家庭で行き場のない怒りを抱える獅子神。
 その二人が超人的な力を授かって、サイボークとなり、善玉悪玉に分かれて対決する。
 家族からお父さんとして認
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サバービコン 仮面を被った街(2017年製作の映画)

3.0

 アメリカ映画が時として表現したがる50年代の良きアメリカの時代。あの『シザー・ハンズ』も実はその類。男はポマードで固めた横分け。女はボブのヘアー。同じような家が建て並び、原色が基調の映像。
 ジョー
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あゝ、荒野 前篇(2017年製作の映画)

4.3

 自分のことを認めてくれる居場所がほしかっただけなのだ。何をしても社会の屑として葬られていた自分を奮い立たせたかっただけなのだ。
 誰だって人に認められたいのだ。どんなにひねくれてしまっても、誰かに
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MIFUNE:THE LAST SAMURAI(2015年製作の映画)

3.8

 今まで三船のどこが凄いのかがわからなかった。本作を観たからと言って、それはあまり変わらないかもしれない。そう達観していた。ただひとつわかったこと。黒沢監督と三船以前の時代劇は単なるチャンバラだったと>>続きを読む

素敵なダイナマイトスキャンダル(2017年製作の映画)

3.5

 1970年~1980年代の懐かしいエロ雑誌の時代。『写真時代』の編集長の末井氏は現在70歳。野坂昭如の小説の題名にもあったが、末井氏は、僕の中では”エロ事師”なのである。
 ”エロ事師”が猥褻罪と闘
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婚約者の友人(2016年製作の映画)

4.0

 アンナと婚約者の友人アドリアンの秘密と嘘。
 彼の秘密と嘘はアンナを当惑させ、2人の愛をも微妙なものにする。
 ドイツとフランスの戦争がもたらした代償。
 ドイツでアンナの婚約者の友人の墓を涙で見舞
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