skipさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

イノセンツ(2021年製作の映画)

3.6

北欧発のサイキックホラー。
超能力に目覚める子どもたち。純粋無垢であるが故に残酷な子どもたちの世界で起こる事件。静かに淡々と起こる事件に恐ろしさと悲しさを感じる。その一方で、大仰にすることなく、水面や
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ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

3.7

見た目がか弱そうに見えても、美しく強く生きる主人公。サスペンスを期待して観たけど、サスペンスよりも、主人公の生き方、生涯に重点が置かれた話だった。
湿地の自然が美しく、主人公の生涯を引き立てていて、そ
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.9

変な夢を見て目覚めたみたいな観賞後感です。気になる何かがあったような気がするけど、明確に言葉にできないような。それは、自分の解釈が足りてないからなんだと思うんですけど。

アニメ的表現や音楽は素晴らし
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リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

3.8

流行りのタイムループもの。2分という時間と主人公目線でのカメラワークにより、観てるこちらもタイムループを実感できてるんですね。このもどかしさといったら!
ループのたびに少しずつ天気が違ってるのを「時間
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パリ、テキサス(1984年製作の映画)

3.9

初めてのヴィム・ヴェンダース。
まず一番に目に入ってきたのは、トラヴィスの被る赤いキャップ。その後も赤い服、赤いクルマなど凄く印象に残る。他にもテキサスの広々とした青い空、鮮やかな緑燃える草、夜のネオ
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東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-(2023年製作の映画)

3.5

話が完結してる感じがしないのは、原作では続きがあるからしょうがないのか。てっきりエンドロールのあとに何かあるのかと思ったら、何もなかった…
感情の向かう先が拗れてる登場人物が多い中で、千冬→場地がわか
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.2

11歳の夏、父との思い出をビデオカメラと自分の心の中に残し、あのときの父と同じ歳になった娘は何を思うのか…

父が抱える葛藤の苦しさ、娘の思春期の輝きと危うさ、父娘との夏の思い出といったエモーショナル
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MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

3.8

タイムループと社会人あるあるを絡めてくるアイディアに唸る。同じ事ずっと繰り返してると思いますもん!部長にタイムループを気付かせるのに、上司に順番に上申してくっていうのも面白い。タイムループ繰り返してい>>続きを読む

笑の大学(2004年製作の映画)

3.9

WOWOWで内野聖陽さんと瀬戸康史さんの舞台版と、役所広司さんと稲垣吾郎さんの映画版を放映してたので、がっつり両方観てしまいました。

映画版を公開当時、観て感動しましたが、今観ても変わらず面白い。
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大名倒産(2023年製作の映画)

3.2

お金がない大名コメディ映画にはすごく既視感ありましたが、豪華キャストに惹かれて観に行きました。浅野忠信さんが、いつ悪役になるのかドキドキ(ワクワク?)しながら見てましたが、そんなことは起こらない、全世>>続きを読む

アス(2019年製作の映画)

3.8

ジョーダン・ピール監督のホラー作品。前作「ゲットアウト」と同様に、独特な恐怖の感覚と社会問題を想起させる作風が、クセになる。
まず、自分と同じ顔の人間からあんなでっかいハサミで襲われるってのが怖い。ま
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ゲット・アウト(2017年製作の映画)

3.8

NOPEを観て興味わいたので、ジョーダン・ピール監督繋がりで、こちらも観てみました。

黒人であるクリスが感じる白人からの視線、居心地の悪さ、理不尽さ、私たちの価値観から外れた展開にぞわぞわきます。
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ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

3.9

関連作品を全部見ていないので、置いていかれるかもという不安もありましたが、そんな不安が吹き飛ぶほど面白かった!
タイムリープの結果マルチバースが生まれたという設定がわかりやすく、さまざまなキャラクター
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大人は判ってくれない(1959年製作の映画)

4.5

高圧的な教師、夫婦喧嘩ばかりして子供のことを考えない親、そんな大人たちに諦めているような子供たち。
子供と大人の間を揺れ動くアントワーヌの瑞々しさ、というか生々しさを感じる。

無邪気に遊具で遊んだり
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川っぺりムコリッタ(2021年製作の映画)

3.8

孤独な青年山田が住んだ場所は、川沿いにある古アパート、ハイツムコリッタ。隣人との関わりを経て、少しずつ変わっていく山田の日常を描いている。

ゆっくり穏やかに進む日常の中にどこか感じる仄暗い空気がない
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怪物(2023年製作の映画)

4.1

特出して怪物のような人物がいるわけではない。登場人物は、私たちの周りに、普通に、当たり前に、存在しているかもしれない人たち。
真相がわかるにつれ、怖くなっていく。
普通の人たちが、無意識に誰かに対して
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秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

3.9

祖母の遺品整理のために母の生家に訪れるネリーと父と母。母が子供の頃遊んでいた森で出会ったのは、今の自分と同じ年齢の8才の母。
森の中の紅葉の彩り、洗面所の青いタイル、レトロな壁紙、青い服と赤い服の少女
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ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

どうしても納得がいかない。
どうして凪沙は死んでしまったのか。

一果と人生を共にして欲しかった。一果と出会ったことで生きることに希望を見出したのだと思っていただけに、ツライ。一果と生きるために風俗で
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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

3.8

車に欲情する女性。こんな設定思いつくのがまずスゴイ。

主人公アレクシアの殺戮シーンの連続から一転、後半はアレクシアと消防士ヴィンセントの擬似親子としてのやりとりが描かれる。愛する息子への愛は「男でも
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犬王(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

とってもよかった。
ライブシーンの高揚感は、噂に違わず素晴らしかったし、犬王と友有の無垢で真っ直ぐな思いに胸を打たれます。友有が川原で斬られた後の犬王のことを思って、勝手に泣いてます。

また、犬王が
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岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

3.7

ドラマシリーズ全て視聴済、原作は未読で映画に臨みました。

ドラマ版を踏襲し、高橋一生さんの岸辺露伴や編集者泉のキャラは魅力的。異次元に迷い込んだような空気や、奇妙なキャラを短い時間にぎゅっと凝縮して
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最後まで行く(2014年製作の映画)

3.8

日本リメイク版が面白かったので、オリジナル版も観てみました。どちらもそれぞれ良さがあって、比べて観るの楽しいですね。

韓国版は、無駄な要素が少なく、時系列に沿っていて、さっぱりしていてとても観やすい
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最後まで行く(2023年製作の映画)

3.7

笑いと緊張の絶妙なバランスを保ちながらのスピーディーな展開がとても面白かった。
綾野剛さんの眼鏡でロングコートの佇まい、最強すぎる!

敵対してるはずなのに、戦っていくうちに同志の様な感情抱いていく関
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帰れない山(2022年製作の映画)

4.2

都会育ちのピエトロと山育ちのブルーノ。子供の頃一緒に山で過ごした2人。進む道が別れ、再会し、また別れ…
8つの山を訪れる者と1つの山に居続ける者。お互いのことを複雑な思いで見ていたこともあっただろうが
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PLAN 75(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

75歳以上の老人が生死を選択できる制度「プラン75」が成立した架空の日本。
一人暮らしで仕事や住まいを失い、制度を使うことを決意する78歳の主人公ミチ。

淡々と他人を死に誘う仕事が公共の仕事として成
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流浪の月(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ぴんと張りつめた空気感、湖や月、カフェが入ってる建物など、風景や美術が印象的で、キャストの演技も素晴らしく、それだけで見入ってしまう。
横浜流星さん、最初に出てきただけで、この人なんかヤバいって空気醸
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生きる(1952年製作の映画)

4.8

それまで死んでいるように生きていた市民課長が、余命宣告を受け残りの人生を小公園建設のために尽力することで、生きる実感を見出す。黒澤明監督の名作。
リメイク版を観たので、オリジナル版も見返してみた。数年
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生きる LIVING(2022年製作の映画)

3.9

オリジナル版の陰鬱さが薄れ、時間も短くなりとても見やすい。ポスターから全然違いますよね。主人公はスマートな英国紳士に変わっていました。
しかしながら、物語の主旨はオリジナルから大きく変わることがなかっ
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銀河鉄道の父(2023年製作の映画)

3.6

宮沢賢治の父・政次郎を主人公にした、彼の家族のお話。
賢治がやりたいことを変えているのは何故?どんな思いでこんなことしてるの?って疑問を持ちながら見ていましたが、そもそも「父」から見た「賢治」の話なの
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

歩行器がないと歩けないほどの肥満体になってしまった主人公チャーリー。心不全で先が長くないと言われてもなお、頑なに病院への通院を拒み続ける。そんな彼と彼を取り巻く人たちとの最期の一週間。

あの巨漢が闇
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ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

3.9

「ちょっと思い出しただけ」を観たので、こちらも見直してみました。
同時刻、違う都市で起こる、タクシードライバーと乗客巡る5つのオムニバスストーリー。
タクシーに乗っている間だけの短い時間でうまれる関係
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

3.9

タクシー運転手の葉とダンサーの夢を諦めた照生。照生の誕生日での2人の出来事を遡っていく。

LINEの猫、腕くるくる回す体操、バレッタ、水族館デートと水色のケーキ、ボーダーのTシャツ、奥さんを待つ男性
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ファーザー(2020年製作の映画)

4.1

認知症を患うアンソニーから見える世界を描く。
認知症に悩む父と娘のヒューマンドラマだけではなく、時系列の歪みの謎を解き明かすミステリーとしても味わえる。
同じ家のはずなのに置いてあるものや色などが少し
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劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室(2023年製作の映画)

3.9

現実にはこんなに上手くいかないであろうご都合主義、ドラマから変わらないお約束の展開、お約束のセリフ…それでも、毎週ドラマを見続け、キャラクターに愛着を持ってしまった者にとっては、飽きるどころか、胸が熱>>続きを読む

東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-(2023年製作の映画)

3.5

若手実力派俳優の皆さんの演技を楽しみました。いかにも漫画っぽくて、実写にすると過剰になりそうなキャラクターも違和感なかったのが凄かったです。
今回前編てことで、正にひとつのお話の最初の半分という感じだ
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素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)

4.8

みんなに愛される不朽の名作。
主人公ジョージの人となりや他者との関わり方を幼少期からじっくり描いているから、出来過ぎかと言いたくなるようなハッピーエンドにも説得力あるし、ジョージのことを家族や友達のよ
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