kyokoさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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さがす(2022年製作の映画)

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世の中胸くそ映画は山ほどあるし、それがひとつのジャンルとして確立しているのも理解している。
胸くそに変態要素を盛り込み、さらには騙される系まで加えてきたら「面白い」はずなのだけど。

途中でプツンと切
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裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)

5.0

恐怖、驚愕、とまどい、疑念、悲嘆、信心と救済……ルネ・ファルコネッティの震える瞳に次から次へと映し出される感情が生々しい。私には怒りは見えなかった。一瞬見せた不敵な笑みにぞくり。
圧倒的顔力とリアリテ
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ガートルード/ゲアトルーズ(1964年製作の映画)

4.1

夫の気持ちは富と成功とボケ防止で読んでる本のタイトルすら思い出す気もない老母に向けられている。愛と見せかけているのは美しい妻への執着に過ぎない。
嗚呼、なんて虚しいの、ゲアトルーズ。

心の空虚を満た
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ジャンヌ(2019年製作の映画)

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8歳だった『ジャネット』から2年、10歳になったリーズちゃんの体幹は相変わらずグラグラだけど、こちらを見据えるきりりとしたまなざしはだいぶ大人びていて「あら~大きくなったわねえ」と親せきのおばちゃんみ>>続きを読む

ファミリーファミリー(2019年製作の映画)

3.8

監督・脚本・編集・音楽・出演と、大川裕明が全部入りの作品。

家族の終わってる感が凄まじいのにちょっと笑える。そして終盤はガッツリ泣いてしまった。

死んだ気になったら人間なんでもできるのよ。

香川1区(2021年製作の映画)

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比例当選した前回の選挙から4年、国を変えたい思いも愚直な活動ぶりも全く変わっていない。今回の選挙では頑固で不器用な部分が己の首を絞めたことも露呈し(あげく田崎史郎に八つ当たり)やはりこの人は政治家には>>続きを読む

ダンサー・イン・ザ・ダーク 4Kデジタルリマスター版(2000年製作の映画)

5.0

1度目は呆然とするばかりで涙のひとつも流れず、2度目は逆にミュージカルシーンを観るだけでも泣けた。
3度目となる今回は…不条理だとばかり思い込んでいたセルマの運命は、無垢が狂気を纏ったことによって引き
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ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男(2019年製作の映画)

3.7

トッドヘインズが社会問題を扱うとこんな感じになるのね。水俣同様、闘争がいまだに続いているということもあって、エンタメ性を極力排除した、良く言って骨太、悪く言って地味。

テフロンという身近な素材が引き
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アイカ(2018年製作の映画)

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『海辺の彼女たち』もきつかったけど、こちらはそれに輪をかけてしんどかった。
なによりまずロシアの極寒の光景がつらい。さらには、産後の悪露と乳腺炎一歩手前状態という、こればかりは経験者でなければ分かるま
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少年、機関車に乗る(1991年製作の映画)

3.7

モノクロのジャケ写で古い映画とばかり思いこんでいたら、音楽が妙に現代チック(全体的に音楽や効果音の主張が激しい)だし、カメラワークやエンドロールでの走行音とか洒落ていて、終わったころにようやく90年代>>続きを読む

ただ悪より救いたまえ(2019年製作の映画)

3.8

『工作』以来のスクリーンでのジョンミンだし、加えて『新しき世界』のコンビ再びときてるので、ものすごく楽しみにしていた作品。

濃密かつ繊細な関係性が物語に深みを与えていた『新しき世界』に対して、お互い
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ローラとふたりの兄(2018年製作の映画)

3.9

『おかえり、ブルゴーニュへ』もだけど、エスプリの効いた会話でクスクスさせつつ、ふだんはそりが合わない兄ふたりがかわいい妹のためならタッグを組む家族愛が泣かせる。兄妹だけじゃない、親子愛、夫婦愛、とにか>>続きを読む

夜空に星のあるように(1967年製作の映画)

3.3

これが同時代のフランス映画と言われたらすんなり観られたと思うのだけど、ケンローチ作品となると…うーむ。
社会の底辺で生きる人々が主役、という点ではテーマはぶれていないものの、泥棒稼業が当たり前に職業の
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グレイ・ガーデンズ(1975年製作の映画)

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正真正銘セレブリティだったはずのクセスゴ母娘の、一挙手一投足から目が離せない。

娘の頭に常に巻かれたターバンは、スカーフかと思いきやよく見たらタオルだったりニットだったりするのだけど、これ絶対高いだ
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セールスマン(1969年製作の映画)

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買うって言ってないのに「現金?代引き?頭金は?」と畳みかけるやつからタワシひとつも買う気にならないけどね、フツーは。終始咥えタバコで「近所から金借りる案」とかもうヤクザやん。

それが「聖書」となると
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

2.9

エドガー・ライト、やっぱり私ダメなのだわ。オープニングでもうきつかった。
ホラー演出もクラシックな繰り返しだから飽きちゃうし(ラストのおじさんたちはちょっと笑っちゃった)ミステリーとしても全く力がない
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GUNDA/グンダ(2020年製作の映画)

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ナレーション無し、劇伴無し。
モノクロで映し出される世界は静謐なようでいて、あらゆる生の音で埋め尽くされている。

子ブタって生まれた直後からあんなふうに動き回っちゃうのね。そりゃ行方が分からなくなる
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17 Blocks/家族の風景(2019年製作の映画)

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アメリカでも有数な治安の悪い危険区域、父親不在の家庭、依存症の母親、貧困、DVといった、フィクションならばステレオタイプが過ぎるだろと言われる話が、20年にも渡る家族のリアルな記録だというのだからこれ>>続きを読む

私は白鳥(2021年製作の映画)

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こういうのって、眠れない夜にテレビつけたらなにやら白鳥とおじさんが映ってて、毎年富山に飛来する白鳥の個体を瞬時に見分けるおじさんとそれについていけてないスタッフとの会話にゲラゲラ笑いつつ、トラックの荷>>続きを読む

悪なき殺人(2019年製作の映画)

3.8

ガゼルを背負う男がいれば、人間を背負う男もあり。
偶然×エゴイズムが織りなすサスペンスは、どこにどう着地するのか全く予想がつかなくて、116分見入ってしまった。最後の最後は「あっ」て声が出るし。
どう
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ユダヤ人の私(2020年製作の映画)

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ホロコーストの起きる瞬間を目撃し、人間が単なる番号と化す体験をしたマルコ・ファインゴルト。106歳で亡くなる直前までの70年あまりを、誹謗中傷や脅迫の手紙が送りつけられてもなお、語り部として生き続けた>>続きを読む

リトル・ガール(2020年製作の映画)

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わずか7歳の子が、自分の性に対して違和感を抱き葛藤し続けている。必死に堪えていた涙がみるみるうちに膨れ上がってもなお、母親が傷つくことを恐れてその胸のうちを容易には打ち明けない。そんな健気な姿を、どう>>続きを読む

フォレスト・ジャイアント(2020年製作の映画)

3.7

森林開発会社が運営する合板工場のリストラ政策を命じられた野心家の男が、少年期に父親と過ごした田舎町で目を背けていた過去に向き合いながら、人生を見つめ直すヒューマンドラマ。
中盤まではやや平板で画面の暗
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ミスタイム(2019年製作の映画)

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ヘルシンキオリンピックの選手村だったアパートの一室にはシルッカ・リーサという女性の私物がまるごと残されていた。その部屋を偶然購入した今作の監督が、それらから一個人の人生を紐解いていく異色ドキュメンタリ>>続きを読む

マザー・アンド・ミルク(2019年製作の映画)

3.5

フィンランドは液体ミルク発祥の国だそうで、最初は母乳育児に振り回される(振り回され方が災害レベル)夫婦を描くことによって、母乳信仰を否定する話かと思ったら、あれ?結局「みんな母乳で大きくなったのよ!」>>続きを読む

初雪(2020年製作の映画)

3.8

ヨーロッパ映画を作るのに、もはや「難民問題」を避けては通れまい。

暖かな朝の日差しが差し込む部屋で、夫を、娘を、息子を、順番に優しく起こしていく美しい母。朝のルーティンには幸せが満ちていて、それが「
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ザ・トリップ(2021年製作の映画)

4.0

トミー・ウィルコラがネトフリでバイオレンス&ブラックコメディ作ってた!
しかもノオミ・ラパスで。

処刑山シリーズみたいなくだらなさ全開なのはもちろん、そこにタランティーノ風味の洒落た構成を施し、伏線
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夢のアンデス(2019年製作の映画)

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宇宙や海から俯瞰し、地理と歴史を結びつけながら犠牲者たちへの鎮魂歌のような体をなす前二作に対して、今作は子どもの頃から変わらぬ姿で祖国を見守るアンデス山脈に投影された、グスマン自身の強烈な郷愁と二度と>>続きを読む

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.8

IMAX上映どころかレイトショーでようやく。

ジブリとSWという最強二大コンテンツに、ヴィルヌーヴの世界観を支えたヨハンヨハンソンからその役割を受け継ぐハンス・ジマーの音楽が掛け合わさった150分は
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SAYONARA AMERICA(2021年製作の映画)

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傑作ドキュメンタリー「NO SMOKING」を構成するパートのひとつに過ぎなかった、2019年のアメリカソロライブ。これが丸々観られるのかと思って楽しみにしてたんだけどね。

アメリカを愛しアメリカに
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マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

3.8

前半のかったるさといったらもう…
古典的な脅かしの連続をodessaの爆音で受けるも眠気に襲われる。

が。
たぶんその場にいた全員が予想していたであろう展開を、ジェームズ・ワンが、そんなことある⁈な
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ヴェラは海の夢を見る(2021年製作の映画)

4.2

子どもは爆竹遊びで「戦争ごっこ」、郊外には崩壊した建物。
そこかしこに戦争の影を色濃く残しながらも、経済成長の兆しが見えるコソボを舞台に、夫の自殺と田舎の持ち家によって手話通訳のヴェラが巻き込まれるサ
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オマージュ(2021年製作の映画)

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仕事終わりの日比谷通いで疲労がピークだったのか、これはガッツリ寝てしまった…首が死ぬ椅子なのに…

唯一心に残っているのは編集技師だった老女とのやりとりぐらい。

この映画が悪いのではなく、ひとえにバ
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三度目の、正直(2021年製作の映画)

3.7

人間の利己的な執着が不気味だったりグロかったり。ハッピーアワーの俳優陣が自然と不自然の狭間の微妙なトーンで立ち振る舞っている。
相変わらず男たちがしょうもない。
精神科医は論外だし、前夫は婚約者がいて
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母の聖戦/市民(2021年製作の映画)

3.8

ギャングに誘拐された娘を取り返すために闘う母親の物語。
普通の一市民だった女性が、被害者になると同時に暴力を加える側に立たされるという展開は、警察もあてにならない、軍はやりすぎ感満載、「そりゃトランプ
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カリフォルニエ(2021年製作の映画)

3.7

モロッコからイタリアに移住した少女ジャミラの11歳から14歳までを追ったドキュメンタリー。
9歳から通っているというボクシングジムの場面から始まるので、てっきりボクサーとしての成長物語かと思いきや、中
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