アレサ・フランクリンが教会でゴスペルアルバムを収録するに至った道筋をたどる今作は、とにかくジェニファー・ハドソンの歌唱力(あの子役もすごかったね)に圧倒される。
ミュージシャンたちや姉妹で楽曲を作り上>>続きを読む
コロナ禍の世界を描いた7人の監督によるアンソロジー。
ジャファル・パナヒは、防護服に身を包んだ実母の訪問から始まるドタバタな笑いと、生れ出る命と老いたものたちとの邂逅を描く。これはもう奇跡的といってい>>続きを読む
ジャファル・パナヒの息子、パナー・パナヒによる初めての長編監督作品。
世界的に有名な監督の二世というプレッシャーはやはりあったらしい。
いくつか、おっと、急にどうした?みたいな演出があったけど、父親と>>続きを読む
カメラの引きも寄りも異常なサッカー愛もレトロな音楽も、随所にチャーミングさがあってすごく好みではあるのだけど、容赦なく眠気が襲う。
首が死ぬ椅子だったから逆に良かった、ふかふか椅子だったら完全に落ちて>>続きを読む
ADHDの息子を育てるシングルマザー(体型がザ・メキシカン)。
夜更けまで息子をひとり留守番させていた家に男を連れ込み激しいファック。うっかり「若くてろくでもない母親」のイメージにミスリードされそうに>>続きを読む
嫁に対して孫を催促&息子の単身赴任先についていかないことを姑がネチネチ言うのはあるあるだろうけど、嫁が韓国人であり、姑がリベラルさが売りのはずだった元教師であるところに最初のおかしみがある。そこにコロ>>続きを読む
TIFF、牛の次は羊だった。
家畜の餌となる牧草を求めて夏と冬に居住場所を変えるトルコの遊牧民。文明と乖離する暮らし方は時代とともに消えつつあって、慣習を貫くのが困難になってきている。
情勢には抗>>続きを読む
短編集というスタイルのせいか、これまでの濱口監督作品の中ではいちばん肩の力を抜いて観ることができたし、今まで見たことのないズーム使いも相まって想像以上に笑えた。
1話目:古川琴音ちゃんの繰り出す「暴>>続きを読む
お祭り感のない今年のTIFFの一発目
ナレーションも状況説明も一切ないワイズマンスタイルのドキュメンタリーは、ルマという名の雌牛の出産シーンから始まって、とにかく牛牛牛、牛だらけ。
手持ちカメラのブ>>続きを読む
中国で2021年の全世界最高興行収入を記録した作品。
監督でもあり主演女優でもあるジア・リンという人は全く存じあげない方だったけど、中国では人気のコメディエンヌだそう。撮影当時39歳、なかなかのおば>>続きを読む
1880年代のアメリカ西部を舞台に、父親によって身売りされた中国人女性が、その厳しい境遇の中でも自己を見失うことなく、やがて彼女の生きる場所を見出していく物語。
奴隷あるいは売春婦として扱われることの>>続きを読む
DVDスルーになってしまったのは、公開予定時期が「酒鬼薔薇」と被ってしまったから、らしい。
悪ガキの暴走は、狂気というより究極の純粋さ?
希死念慮の母親とアル中の父親の中にいて、どうしたって「おとな>>続きを読む
死に囚われたゴス少女と人知れず孤独と闘っていたおじさんとの奇妙な友情物語、と言ってしまえばそうなんだけども。
人生を変える出会いの奇跡に泣いた。
「F」のワードに泣いた。
最後の交換条件に泣いた。
魂>>続きを読む
トランプ政権が誕生する直前だった『ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ』、トランプ政権の弊害なぞどこ吹く風の『インディアナ州モンロヴィア』、そしてトランプ政権下で行政の側から民主主義を死守しようと>>続きを読む
地を蹴る規則正しいリズムが心の均衡を保つことを妄信する中にふいに訪れた平穏な時間は所詮まやかしであったのか。巣食っていた焦燥と恐怖は、やがてなにも背負わない友の身軽さに対して己が背負わされたものの重さ>>続きを読む
アミューズの推しキャスティングが中山七里の小説を根底から変えるという暴挙。
いやいやいやいや、そんな設定じゃ動機と事件がぜんぜん結びつかないって。タイトルが意図するものも物語に込められたメッセージも伝>>続きを読む
アンドリューガーフィールドをSNSが生み出す「毒」の権化のように仕立て上げた演出で、たぶんもっとヤバい感じにしたかったんだろうけど、いかんせんメッセージに目新しさがないうえにある意味正論っていうのがね>>続きを読む
2015年に起こった、ブカレストのライブハウス「コレクティブ」での火災映像は、当時ニュースでもよく取り上げられていた。誰よりも早くメタルバンドのボーカルが逃げ出していたことも、ものすごいスピードで天井>>続きを読む
田舎の純朴娘が都会の悪い男に偽の婚姻で貞操を奪われたあげく妊娠し捨てられるという、おのれワシのリリアンギッシュになにしてくれとんねん!な作品。
当然のごとくこの時代のシングルマザーに対する世間の風当>>続きを読む
流れ者の男と恋に落ちた大地主の未亡人。
男には過去があり、ふたりは山へ逃げることを決める。
この未亡人、どちらかと言えば意地悪おばさま系のルックスで戸惑う。
この時代はこういうタイプがイケてたんだろ>>続きを読む
「ホームドラマ」と謳っているだけあって、ドライヤーにしてはとても分かりやすい作品。
一日中家事育児に追われている妻イダに対して暴君のようにふるまう夫ヴィクトル(失業中で常にイラついている)。精神的に追>>続きを読む
リリアンギッシュのかわいさが丸ごと詰まった1本。
なにあのぴょこぴょこ歩きは!「キスする?しちゃう??」の顔は!かわいいかよ!
妹のデイジー(まさかの牛だった)とお別れしてでもウィリアムの学費を援助、>>続きを読む
ドラマ12話からなるルイ・フイヤード版のほうが本家となるのだけど、300分という尺に腰がひけてしまい、ジョルジュ・フランジュによるリメイク版(トーキー)のみ鑑賞。
300分の見どころを100分弱に収め>>続きを読む
祖父の遺産を狙う性悪家政婦。役者である孫は、夫を洗脳した偽聖職者と戦う妻を主人公にした映画を使って、祖父に真実を伝えようとする。
ムルナウが「映画は人を救う」を実現させようとした、かなりチャンレンジャ>>続きを読む
信頼していた友と愛する妻に裏切られ嘲笑という殴打を食らった男が、”彼奴”という名無しの道化となって日々殴られながら笑われ続けることで己の人生を悲劇から喜劇に変えようとする、心も肉体も痛い物語。
出だ>>続きを読む
シカゴで恋に落ちた田舎の男と都会の女。
結婚して男の家に着いた早々、彼女は農場主として威張り散らす義父にとんでもなく嫌な態度を取られた上に、父親に言いなりの夫ともすれ違ってしまう。あげく荒くれ農夫に迫>>続きを読む
ドライヤー×ハルボウ
室内劇がほとんどを占めていて、まるで舞台劇を観ているかのよう。
美しい青年ミカエルと孤独な画家の蜜月は、肖像画を依頼しにきた公爵夫人の出現によって終わりへと向かっていく。これ、>>続きを読む
これはスコアが難しいな。。
時間が経つにつれて印象が強まる作品と言える。
ああ、あれもこれも秤にかけざるえないことだったのだなと。
嘘と罪悪感、正義感と打算、信頼と疑惑、己のために誰かのために天秤が傾>>続きを読む
やっと!観た!
ラングのスピオーネ!
面白かった〜
国際的スパイ組織vsイギリス諜報局and美しい女スパイとのロマンスというハラハラドキドキのアクション大作。メトロポリスもびっくりだったけど1920>>続きを読む
王子とは結婚できません!なぜなら私はデザイナーとしてビジネスがしたいのよ〜
フェミニズム&ポリコレ最重視の波が止まらないアメリカ映画界は、とうとうシンデレラまでこんな風にしてしまった。
継母からは毒>>続きを読む
土砂降りの中、回転ドアの向こうに広がる喧騒はやはりオールセットなんだろうか。『サンライズ』同様、奥行を感じさせる縦横無尽なカメラワークが素晴らしい。
老ポーターが金ピカの制服を貧しい集合住宅で見せび>>続きを読む
酔っ払いに対して日本より100倍は寛容に見えるデンマークという国の、アルコール濃度高めの文化が非常に興味深い。16歳以上なら酒の購入が可能なんだそうだ。
とはいえ、酒が毒にも薬にもなることは、どの国で>>続きを読む
すごくいいところとイマイチなところが混ざった結果のスコア。
ただのテキストだった「ワーニャ伯父さん」が、徐々に彼らの感情とリンクしていく。なぜ異国語を用いるのか、家福の演劇論が説明すれどなかなか肌身>>続きを読む
ぐずぐずしているうちに『17歳の瞳に映る世界』よりこちらを先に観ることになってしまった、エリザ・ヒットマンの長編デビュー作。
年上の親友キアラ(ゴージャス系美人)とその彼氏が海でいちゃつくのを、ベビ>>続きを読む
日本の特撮オタクの監督だけあって、クレイジーボールの動きはゴレンジャーの必殺技を彷彿とさせるし、おどろおどろしいクリーチャーのチープさとゴア描写のバランスはなかなか。こういうB級SFホラーは好みのはず>>続きを読む
出会い系アプリからの初デートの夜が一転、いちゃもんをつけてきた警官(当然白人)を誤って殺してしまった黒人男女の果てのない逃亡劇。
気が強くて神経質なクイーンに対して、スリムはあまり頓着しない温厚な性>>続きを読む