重度の自閉症である作家・東田直樹氏が13歳のときに綴ったエッセイを、自らの息子もまた自閉症であったデヴィッド・ミッチェルが翻訳、いまや世界20か国以上で翻訳されている(村上春樹の次に多い)。
そのエッ>>続きを読む
繁忙期に体よく使われてるとしか思えないけど、ノマドたちにとっては資本主義の権化であるAmazonはさほど悪ではないらしい。それぞれの人生を背負い家を持たない選択をした人たちが結局ドルから解放されること>>続きを読む
ブサイク不在で普通じゃないけど幸せになりたいんだ!と叫ばれてもとうてい説得力はなく、そこに愛があるのか分からない結婚を選択することをみんなちがって、みんないい的な方向に持っていかれて、全体的に首が縦に>>続きを読む
26年前の今日、まだ携帯がなかった時代、田舎の親が心配して会社に電話してきたことを覚えている。都心では一日中サイレンが鳴り響いていた。
多くの人を巻き込んだこの事件の被害者であるさかはら氏とオウム真>>続きを読む
鬼滅にもシンエヴァにも乗り損ねた代わりに、90年代初めに巷を熱狂させた映画を観た。
環境音とか生活音とか周囲の音でセリフが聞き取りづらいのは『風たちの午後』と同様。でもセリフは100倍聞こえる。
そし>>続きを読む
ごりごりの歴史ドキュメンタリーに、なんでこんな優作風味のハードボイルドな邦題をつけたのか謎。
愛らしい子どもたちの顔から始まるプロローグ。
ここから15章にわたってナチス第三帝国の誕生から終焉までが>>続きを読む
ネタバレになりそうなので、内容には極力触れずに。
映像化は難しいのではと思っていたけれど、解釈が分かれるメタファーについては置いといて、原作の最大の特徴である叙述トリックを含めて、総じてうまく表現で>>続きを読む
鳴り響くサイレンは聞こえない。避難場所では何がアナウンスされているのかわからない。
困惑と恐怖と孤独はどれほどだったろう。
10年前のあの場所に、聴覚障害を持つ人たちが存在することを意識したことは、た>>続きを読む
特集に組まれていたから、てっきり瀬々監督作品なのかと思ったら、プロデューサーだった。(制作費を振り込んであげたらプロデューサーとして名前をクレジットされたと謙遜しておられた)
震災後すぐに避難所とな>>続きを読む
「僕たちはいかに若かったか」という原題に「青春讃歌」という邦題が言い得て妙。
とにかく前半の童貞オサラバ物語が必死過ぎて笑える&痛々しい。大学寮のカオスと熟女の筆おろしに幼馴染の存在が消滅したかと思っ>>続きを読む
物乞いやゴミあさり、売春で日々食いつなぐ子どもたちの路上生活を赤裸々に映し出したドキュメンタリーは、ヒューマニズムにあふれた演出(と言っていいと思う)と芸術性の高さで、「面白かったねー」「ねー」とまる>>続きを読む
前半はなかなか面白く観ていたのだけど、メキシコに入国したとたん、時々意識を失ってしまった。気づくと膝撃ち抜いたり撃ち返されたり(そりゃそうだ)、ユリめくかと思ったらそういうわけでもなかったり、最終的に>>続きを読む
性的マイノリティものにありがちな悲惨さは控えめ、都合良く次から次へとエピソードが展開していくのは、娯楽作品としては正しい形といえる。肩肘張らずに楽しめるから万人にオススメできる一本。
ルーシー・リュ>>続きを読む
「はちどり」のひりつき感を期待すると肩透かしかも。でもこれはこれで良かった。
「82年生まれ、キムジヨン」など、女性監督たちによる家父長制や男性優位を背景にした作品では描かれる男性キャラはわかりやす>>続きを読む
幸せから逃げた男と幸せにしたかった女。夏の陽射しを浴びたカラフルな思い出が彼女をとらえて離さない(『海辺の恋』に対してこちらのカラーとモノクロのバランスは非常にしっくりきた)。「いっそ死んだと思えば」>>続きを読む
同じ相手と20年連れ添うことが結構なミラクル話になっちゃうパリだから成り立つというか、冷静に考えると「そんな御無体な」っていう話。「こういう恋愛には絶対に向かないタイプしか好きになれない女」であれば涙>>続きを読む
監督がカメラ1台を携えて単身乗り込んで撮影した、いわゆる自主制作作品。
いきなりもんのすごい接写&手ブレ&パーン!に、110分耐えられるかどうか不安になったけど、ドキュメンタリー風と言えなくもない。実>>続きを読む
ドタバタ不条理劇の先に、え?そんなんあり?なラスト。クセ強めのキャラクター陣によるキテレツ展開、アフリカ系黒人に対する差別発言とか、身体的ハンデの描写とか(フック船長親分のベッドからの降り方笑)暗にギ>>続きを読む
初モッキーが個人的に大当たりで、これもオープニングの歌からワクワクしたけど、処刑人の首チョンパがピークだったかなあ。
ミステリーとしても特別出来がいいとは思えない上にコメディ路線がハマらないと結構つら>>続きを読む
フィジカル的に犯罪スレスレのナンパテクが本当に通用していたとしたら、この時代のパリの女たちはどうかしている。
バードからフレンチまでいろんなキスを繰り出す百戦錬磨のイケメンは、運命の出会いを嘯きなが>>続きを読む
移民たちが多く住むいわゆるスラム区域で起きた若者たちと警察の衝突は『レ・ミゼラブル』を彷彿とさせる。
投石とか銃弾とか「爆発する怒り」の音にいちいちビクッとさせられた。
なにやらお互いに思うところあ>>続きを読む
シリアの過激派組織に誘拐されたデンマークの写真家。その過酷な体験と、息子の救出に奔走する家族の姿が「人質ビジネス」の卑劣さを浮き彫りにする。
家族を前にしても、テロリストには決して屈しない=身代金は>>続きを読む
未体験ゾーン。今年はいまいちそそられるものがない中、処刑山シリーズの「ナチス×ゾンビ」とアイアンスカイの「ナチス×SF」に、さらにサメ足しちゃいました、の今作は結構楽しみにしてたのだけど。
過激なゴ>>続きを読む
出奔したまま死んだ夫、頑なに離婚しなかった妻、看取った愛人、母親に本音が言えなかった三姉妹。葛藤しながらもそれぞれが家族と己の人生に向き合うという、すこぶるありきたりな話なのに、めちゃくちゃ感動してし>>続きを読む
スサンネビアの「アフター・ウェディング」のリメイク、というだけで、主役キャストが男女入れ替えてあることは知らなかった。冒頭のインドでミシェルウィリアムズが出てきてびっくり。
ビア作品のほうは、エゴの>>続きを読む
長回しすればするほど傑作と言われがちの風潮には多少の疑問はあるけれど、絵巻物に込められた若き監督の静かな執念には圧倒された。それにしても泳いだあとにあれだけセリフを言わせるのは鬼だな。
ひとりっ子政>>続きを読む
つ、つまらん…
ロッシデパルマの相変わらずモディリアーニの絵画みたいなお顔がステキだったのと、人魚ルラがめちゃんこかわいい以外、中身がスッカスカな上に音楽が絶妙にダサい。
インドのおじさんにトゥク>>続きを読む
小山田浩子も茄子の輝きもホンサンスも、私にとってはあまりにも最近過ぎるものだけど、ユーロスペースをシネマライズやシネヴィヴァンに、カウリスマキをカーウァイやカラックスに、Switchをスーファミに、a>>続きを読む
大義を失った戦争から帰還した多くの若者がそうであるように、彼もまたPTSDに苦しむことになるのだろう。既視感ありありのBased on a true storyは、観たことすら忘れてしまいそうだわ。>>続きを読む
辻くんはじめとする男たち(傍観者のフリをする脇田も含めて)はもちろん、あれほど怒り狂った女たちですら、結局浮世に手を差しのべてしまう。虚言癖などなかったかのように。
イライラし通しだった私ですら、こ>>続きを読む
観ようかどうしようか迷っていたとき、この作品についてのブログで、ヤスミンアフマド『細い目』の冒頭、ジェイソンが母に読み聞かせた一遍の詩がタゴールのものであったことを知った。そしたら行くしかない。
「>>続きを読む
ガリガリの手足にショートカット、まるで少年のようなミシェルウィリアムズがルーシーと戯れる姿に並走していたカメラは、旅の途中のほんの数日間、不意に襲われた不運によって前に進めなくなってしまった彼女ととも>>続きを読む
得体の知れないヤツに執拗に追い回される展開はまんま激突かターミネーターなのだけど、怖さよりルトガーハウワーのジョーカーばりの泣き笑い顔に心がざわついて仕方がない。
殺したい殺されたい。
終わりたい終>>続きを読む
ファッキンイデオロギーという旗印が皮肉にも悲劇によってさらに高々と掲揚されるいう、ひさびさに韓国映画十八番の残酷さを観た。
動ける太っちょにも弱いが、やはりボウイにやられる。時代違うやんけ!って思わ>>続きを読む
スコアの低さを横目に見つつ、映画開きはこちらで。
ときどきゾンビ忘れちゃうくらい、人間の敵が人間。
でもいざ現れたときのゾンビの数はエグかった。一作目に比べてスピードアップしてるらしいけど、速さが確>>続きを読む
今年観た作品のレビューは今年のうちに片付けようとしたけど、どんどん雑になるのでここで断念。
2020年の締めは、恒例の日芸映画祭でかかったこの作品で。
公開当時に初めて観た時以来、30年以上を経ての>>続きを読む