ヒット作に恵まれないジワンが1960年代に女性監督が撮った映画の修復に関わる。
一部が欠損したフィルムの行方を探しながらジワンは自らの内側を覗き込んでいるように思う。
物語は地味で盛り上がりには欠ける>>続きを読む
辛い。ひたすらに辛い。
凪沙の姿の痛々しさが辛い。
(絶賛されている方も多い草彅さんの演技に私自身は嵌まれず寂しい)
血を流しながら横たわるかつての白鳥と、バレリーナとして世界に羽ばたいていこうとする>>続きを読む
高速道路のサービスエリアで寸借詐欺を繰り返してなんとか暮らしているホームレス一家。詐欺、生活苦、いじめ、不就学、問題がてんこ盛り。ひとつ躓くとどんどん貧困の連鎖に巻き込まれてしまい身動きが取れない。>>続きを読む
地方出身者として東京で暮らす女性と上流階級に属する女性。二人の対比が見事に描かれているが決して対立ではない点が魅力だった。自転車で東京の街を駆ける美紀の姿を見た華子がタクシーの後部座席から降り立つシー>>続きを読む
前作のおさらいを済ませて劇場に。
主人公が最強になっていた。ずっと困惑しているような困り顔のまま能力を爆発させる様は前作主人公ジャヨンよりずっとサイボーグ的であった。
複数の組織が絡み合う複雑さやわか>>続きを読む
チェ・ウシクとキム・ダミのドラマ「あの年私たちは」ペア。ドラマとは全く違う関係性を楽しみに観る。
始まりはストレンジャーシングスぽくもありどこかしら既視感が。物語が進んでいくに従いダミ演じるジャヨンの>>続きを読む
娘と父の心温まる思い出話を見ているはずなのにずっと不安定で寂しい。
その頃の父と同い年となった娘ソフィの目線がそうさせているのか。ソフィに宿る心情は後悔だったり恋しさだったり焦りだったり。それはそのま>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
小学生、母親、教師、それぞれの視点で見えるものが全く違う。物語が進むにつれて本当はこういうことだったんだと分かることが多くて、人間は(自分を含めて)やっぱり見たいものだけを見る生き物なのだと実感する。>>続きを読む
日本版も面白い。
矢崎(綾野剛)側の背景や事情が結構早い段階で明らかにされてわかりやすい印象。
アクションを封じた岡田准一演じる工藤のあたふた具合も面白くこのコンビの妙を楽しんだ。綾野剛+狂気は最高。>>続きを読む
母親の葬儀の日にしでかした轢き逃げをなんとか隠蔽しようとする刑事(イ・ソンギュン)。前半は彼の焦りに焦りおたおたする様がどこかユーモラスで真剣なだけに笑ってしまう。もう一人の悪徳警官が現れてからはどん>>続きを読む
ケイト・ブランシェットではなくリディア・ターだった。
音楽的素地のない私は専門用語の飛び交う序盤で既に置いてきぼりを食う。ただただターの音楽に対する妥協のない姿勢に圧倒されるばかり。
頂点を極めたマエ>>続きを読む
血に塗れないチェ・ミンシク笑
数学を通じて年代を超えた二人が友情を育む物語。ファンタジー的な展開も見られたけれど背景にあるのは激烈な受験システム、社会的格差、北と南の分断と韓国が抱える社会問題だった。>>続きを読む
血、死、血、死、血 … とにかく血!
フィリピンから韓国釜山へ犯罪者を輸送する貨物船が舞台。
グロい死のオンパレードに目を細めて見ていたけれどだんだん慣れてくるのが恐ろしい。
主人公と思っていた(お目>>続きを読む
NIKE エアージョーダン誕生の物語。
仕事に対する情熱、企業努力、決断力、瞬発力、どれが欠けても伝説には辿り着けなかった。息子への愛に裏打ちされたジョーダン母(ビオラ・デイビス)の交渉力がお見事。提>>続きを読む
まずはパリの街並みが美しい。
自分自身もタクシーの窓から眺めているような気分になる。
物語が進むうち、そのパリにも美しいばかりではない重い歴史があり、そこで暮らす人々にもそれぞれの人生があることが浮か>>続きを読む
愛する人を失った喪失感から過食と引きこもりとなり過度の肥満となった主人公。
ファットスーツと特殊メイクで創り上げられたビジュアルにまずは驚く。
(初めて見た彼の立ち上がった姿はまさに鯨であった)
しか>>続きを読む
ロストケアにやられてしまって何も考えず楽しめる(失礼)一本を探す。
物語の舞台は地中海マルタ島。
美しい島で繰り広げられるコンフィデンスマンの世界を頭を空にして楽しんだ。
例の如くまんまと騙される快感>>続きを読む
他人事と目を背けたくも共に居るのは高齢の両親。介護が自分ごととして降りかかるのは時間の問題であろう。
介護は本当にこれ程までに過酷なのか。
公助はこれほどまでに届かないものなのか。
この疑問さえ穴に落>>続きを読む
「ちひろさんに会いたい」まず心に浮かんだこと。深い寂しさを抱えるちひろさん。
危うくて優しい。彼女を慕う人々も何かしら抱えるものがあってそれは私も同じだから会いたくなるのか。
それでもちひろさんの行動>>続きを読む
ゆっくり静かに進む物語に途中瞼が…
ジェラール・ドパルデューの表情がいい。
苦虫を噛み潰したような仏頂面の中時折見せる笑顔(それも一瞬だったりする)に惹きつけられる。殺された若い女性に自身の娘を重ねる>>続きを読む
ピーター(ヒュー・ジャックマン)は彼自身父親や世間の作った枠に自分を嵌め込み生きているようだ。息子と向き合うことは自分自身の問題とも対峙するということ。父親としての愛情は確かにあって、それ故にすれ違っ>>続きを読む
余命わずかなシングルファーザーが残される息子の新しい家族を探す。
感動を強要することなく物語は淡々と進む。
迷い、戸惑い、恐れ、たくさんの感情がないまぜになり時に怒りを爆発させる父親ジョン。
幼いなり>>続きを読む
妻を亡くした喪失感から脆く優しい内面を硬い殻で覆って日々をやり過ごすオットー。
まずは彼を演じるトムハンクスがとてもいい。迷惑そうな顰めっ面が最高である。
マリソンはじめ周りの人々から必要とされること>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
スティーブンスピルバーグ監督の自伝的物語。
幼い頃に見た映画に魅せられフィルムカメラでの作品作りに没頭していくサム。
ユダヤ系の差別に苦しみ愛する家族のあり方に傷ついて、それでも映画から離れなかった彼>>続きを読む
祝。アカデミー賞七冠。
特にキー・ホイ・クァンの助演男優賞受賞が胸熱だった。
家族関係に悩みコインランドリーの経営にも苦しむ中年女性が全宇宙にカオスをもたらす巨悪を倒す。そんな奇想天外な展開を楽しめる>>続きを読む
物語自体はわかりやすい分大きな盛り上がりを見せないままラストへ。
阿部サダヲファンとしてはもっと癖のある役を期待していた。とはいえ、普通を普通に演じられるのも才能ではあるけれど。
ずっと袋をがさがさい>>続きを読む
1098年代初頭、イギリスの海辺に立つエンパイア劇場が舞台。まずはこの劇場の佇まいにやられる。
劇場や映画へのノスタルジーが主軸というよりそこに働く人達が踏み出す一歩を描いた作品だったように思う。
オ>>続きを読む
一度観ただけで理解できる世界観ではないのであろう。
悪い女を追う男、そんな物語として見ていたけれど、愛を求め続ける女の物語としてみていたらまた違うものが浮かび上がってきたのかもとぼんやり思う。
ソレが>>続きを読む
愛とエゴの境目はどこなのだろう。どちらも混じり合ってこその愛情である気がする。
人を想い大切にすること、自分自身を満たすということ、人間の性について、たくさんのテーマが含まれた作品だった。
鈴木亮平さ>>続きを読む
1920年代ハリウッドの黄金時代が舞台。
ネジが外れたぶっ飛んだ人々が繰り広げる狂騒のパーティーに圧倒される。
パーティーに終わりがあるように一人また一人と輝く舞台から降りていく姿が物悲しい。
個人的>>続きを読む
尊厳死を望む父親と困惑し振り回される娘たち。深刻な問題にもかかわらず、どこか乾いていてユーモラスでさえあった。
高齢の親を持つ娘の私はこの父の望みを後押しできるだろうか。もっと必死に思い留まるよう説得>>続きを読む
今や日本を代表するカルチャーとなった『アニメ』。
アニメ業界に全く疎い私であるが登場人物達のアニメに対する「熱さ」が存分に伝わる作品だった。
まずはパク・ソダムがかっこいい。(お元気になられて良かった)
カーアクションシーンで引き込まれる。クールに驚異的なテクニックで危機をすり抜けていく様は爽快だ。
シンプルなストーリーながら泣かせるシーン>>続きを読む
音楽を愛し音楽に愛された巨匠、エンニオ・モリコーネ。
彼自身が語る担当した映画音楽と制作秘話は彼が人生そのものから音を紡ぎ出しているのがわかるものだった。
曲を聴けばその映画のワンシーンが浮かび、同時>>続きを読む
非常に見応えのある作品だった。
ハーヴェイ・ワインスタインの性的暴行をニューヨークタイムズ記者二人が暴いていく過程が丁寧に描かれる。
心身ともに傷だらけになりながら自らの身に起こったことを訴える姿を知>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
ソン・ガンホ×イ・ビョンホンを楽しみに。
究極の密室ともいえる旅客機内でのバイオテロという設定はコロナ禍も相まって興味深く、急降下する旅客機内で乗客が吹き飛ぶシーンなどには息を呑む。
ところが物語が進>>続きを読む