佐藤克巳さんの映画レビュー・感想・評価 - 11ページ目

佐藤克巳

佐藤克巳

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福の神 サザエさん一家(1961年製作の映画)

4.0

テレビアニメとは違う、江利チエミのサザエさんの名残惜しい最終作。カツオとワカメの成長を見れば漫画の世界とも異質だが、江利のエンターテイメントの素晴らしさが発揮されたシリーズ全10回と云えよう。またマス>>続きを読む

サザエさんとエプロンおばさん(1960年製作の映画)

4.0

青柳信雄監督の手腕が冴えたシリーズ最高傑作。マスオ小泉博の出張とタラオの養育からかサザエ江利チエミの実家磯野家に同居した設定になったものの、マスオの大阪出張が長期化。サザエも大阪の親戚花菱アチャコ、浪>>続きを読む

サザエさんの赤ちゃん誕生(1960年製作の映画)

3.5

サザエ江利チエミ、マスオ小泉博の間に赤ちゃんタラオ誕生の巻。宝塚映画製作になっても昭和の和みの雰囲気は変わらず良心的好編で、サザエの出産で磯野家一騒動後、タラオの育児に付きっ切りのサザエにマスオが嫉妬>>続きを読む

サザエさんの脱線奥様(1959年製作の映画)

3.5

2作目の宝塚映画作品で、「番頭はんと丁稚どん」の大村崑、芦屋雁之助、芦屋小雁、茶川一郎のテレビそのままのショートコントが懐かしい珍品だが、サザエさんシリーズからの脱線した印象は拭えない。

サザエさんの新婚家庭(スイートホーム)(1959年製作の映画)

4.0

サザエ江利チエミ、マスオ小泉博の磯野家同居の新婚生活が始まったが、「お早よう」と同じくテレビの話から。マスオはあっさり月賦払いで購入、2階は野球観たさにカツオとワカメと近所の子供が殺到、新婚生活が台無>>続きを読む

サザエさんの結婚(1959年製作の映画)

3.5

シリーズの折り返し地点に位置する皇太子ご成婚を意識したのか?大変な東宝スター豪華出演となった作品だが、藤木悠、横山道代の学生結婚、宝塚スター安西郷子、社長子息平田昭彦の結婚も加わり煩雑な内容となった。>>続きを読む

サザエさんの婚約旅行(1958年製作の映画)

4.0

江利チエミのサザエさんが、宝塚映画製作でワイドスクリーンになって、カツオ白田肇とフグ田小泉博と3人旅。若松、長崎、島原、佐世保、唐津、博多、大阪、宝塚とロケ転戦した豪華版。本作の江利の所作はまるで「ル>>続きを読む

地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン(1972年製作の映画)

3.0

前年大映倒産でガメラシリーズに近似した内容となり、地球の味方ゴジラを決定づけた福田純監督の新シリーズ。ある地球に似た進化を遂げた人類が滅亡しゴキブリが代わって星人となって地球侵略を試みる発想は面白く、>>続きを読む

親鸞(1960年製作の映画)

3.5

石原裕次郎、北原三枝、芦川いづみ等出演の石坂洋次郎作品で、若々しくも瑞々しい日活青春映画の巨匠田坂具隆監督の東映移籍第1作だが、中村錦之助主演ワイドスクリーンの豪華時代劇の力作は認めても感動の薄い印象>>続きを読む

裏町のお転婆娘(1956年製作の映画)

5.0

嘗て、私はLDを収集していた時期があり、MGMを中心にミュージカル映画を一番の楽しみにしていたが、鬼才井上梅次監督が、本作をまるでヴィンセント・ミネリ顔負けの和製ミュージカル映画に仕上げていようとは想>>続きを読む

激動の昭和史 沖縄決戦(1971年製作の映画)

5.0

東宝8.15シリーズの総仕上げをした新藤兼人脚本、岡本喜八監督の日本戦争映画の最高峰。日本人の宿願、沖縄返還協定が締結された記念すべき年の映像化で、翌年沖縄本土復帰を果たす。そうした激動の昭和史最終ペ>>続きを読む

さらばラバウル(1954年製作の映画)

5.0

同年「ゴジラ」の本多猪四郎監督、円谷英二特技監督の戦争ラブロマンス映画の傑作。米航空母艦からのラバウル空襲で、劣勢乍ら果敢に抵抗する航空隊の鬼隊長池部良が、最後にイエロースネークと呼ばれた敵機と空中戦>>続きを読む

激動の昭和史 軍閥(1970年製作の映画)

5.0

「日本のいちばん長い日」の敗戦があるなら当然開戦もある。山村聰の米内光政内閣倒閣から神山繁の近衛文麿内閣に転じた所から、サイパン玉砕で大東亜共栄圏が倒壊する迄の、小林桂樹の東條英機内閣の実態を描いた堀>>続きを読む

日本海大海戦(1969年製作の映画)

5.0

歴史的提督の連合艦隊司令長官東郷平八郎を演じた三船敏郎が海の主役なら、軍神と讃えられた第三軍司令官乃木希典を笠智衆が陸の主役であり見事な名演であった。また国の命運を賭けた日露戦争に国民が一丸となって勝>>続きを読む

ゴジラ対ヘドラ(1971年製作の映画)

3.5

ゴジラが飛ぶ奇抜さ、硫酸の泥を吐くヘドラに大苦戦したゴジラシリーズの珍品で、子供向けにしてはホラー映画っぽい。公害をテーマをにしたサイケデリックな雰囲気が、一部熱狂的なマニアも存在するが私の好みでは無>>続きを読む

連合艦隊司令長官 山本五十六(1968年製作の映画)

5.0

ミッドウェイ海戦迄だったら「太平洋の嵐」の方が優れているが、ガダルカナル攻防戦、ソロモン諸島攻防戦、ブーゲンビル島墜落に至るまでの山本五十六を丹念に描いた丸山誠治監督の演出力と、戦局を左右する空中戦の>>続きを読む

日本のいちばん長い日(1967年製作の映画)

5.0

原作を超え戦争リアリズムに徹した橋本忍脚本、岡本喜八監督の、日本敗戦を決定づけた玉音放送までの緊迫の一日を克明に描いたポリティカルサスペンス映画の傑作。既に戦闘能力を失った海軍大臣山村聰と、本土決戦に>>続きを読む

七つの顔(1946年製作の映画)

4.0

GHQ指令のチャンバラ禁止で、京都映画界が苦肉の策で産み出した瓢箪から駒の名作。刀から拳銃に置き換わったが、台詞回しは時代劇のままが良く異次元空間を創り上げた比佐芳武脚本、松田定次監督のヒットシリーズ>>続きを読む

ゴジラ ミニラ ガバラ オール怪獣大進撃(1969年製作の映画)

3.5

東宝チャンピオンまつりの一作に組み込まれた子供向けに完全にチェンジした本多猪四郎監督の小品。鍵っ子でいじめられっ子の少年矢崎知紀が、夢の中の怪獣ランドで懸命に生き抜くゴジラ親子に励まされて、5000千>>続きを読む

ゼロ・ファイター 大空戦(1966年製作の映画)

5.0

黒澤明の秘蔵っ子森谷司郎監督がデヴュー作にして大ホームランをかっ飛ばした。痛快にしてドラマチックな航空戦争映画の傑作中の傑作で、空の独立愚連隊といった印象。新任隊長加山雄三は、沈着冷静な合理主義者で海>>続きを読む

怪獣総進撃(1968年製作の映画)

4.0

「ジェラシックパーク」の先駆け怪獣ランドのアイデアを始めSF的原点に立ち返った点は評価するが、モスラはインファント島の守神であり他の怪獣とは別次元の存在だと考えるので違和感が残った。結局この作品は「ゴ>>続きを読む

だまされて貰います(1971年製作の映画)

3.0

日本一もクレージーも冠されないのも当然のクレージー映画の凡作。植木等、谷啓、加藤茶でニューヨークまでロケ敢行したが黄金作戦のオマージュか?中途半端に終始した。

日本一のショック男(1971年製作の映画)

4.5

土本典昭「水俣」が同年の公開で、学校で強制的に観た記憶がある公害問題が正にピークに達した時期の社会風刺映画の秀作だが、日本一・クレージー映画の最終作となってしまった残念な作品。ストーリー展開はワルノリ>>続きを読む

怪獣島の決戦 ゴジラの息子(1967年製作の映画)

3.5

テレビのウルトラシリーズの影響で子供視聴者に怪獣ブームが起こり、それに媚びた様にミニラというゴブ付きとなり、更に擬人化され過ぎたゴジラに、私達世代には用無し状態になった残念な作品として記憶に残る作品と>>続きを読む

太平洋奇跡の作戦 キスカ(1965年製作の映画)

5.0

男性的映画に定評のある丸山誠治監督の史実に基づくキスカ島撤退作戦を、冷静沈着且つ大胆不敵に敢行した水雷戦隊司令官三船敏郎を中心に描いた戦争映画の傑作。旗艦艦長田崎潤、参謀稲葉義男、中丸忠雄、潜水艦艦長>>続きを読む

ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘(1966年製作の映画)

5.0

福田純監督、円谷英二特技監督の、南洋のインファント島と某国秘密基地のある謎の島に限定した小型だが、アクションとパニック要素を織り交ぜた陽気で軽快な傑作怪獣映画。銀行強盗宝田明、若い漁師渡辺徹、理工科学>>続きを読む

日本一のワルノリ男(1970年製作の映画)

5.0

「日本一の色男」純情版といった田舎教師植木等のおしべとめしべのお話。坪島孝監督、谷啓と組むと蘇った様に活力のあるシリーズ有数の傑作になった。教え子が集団就職で陶器会社に行って、内藤洋子は専務秘書になっ>>続きを読む

日本一のヤクザ男(1970年製作の映画)

3.0

正直笑えない。陽気な次郎長物とは違い陰険な任侠物パロディである事か?植木等の何時もの相方谷啓の不在が原因か?小指を詰めるギャグと、果し合いで藤田まことのドスに雷が落ちたギャグのみ苦笑したのが唯一の救い>>続きを読む

サザエさんの青春(1957年製作の映画)

3.0

マスオ小泉博との婚約成立も九州出張で1年間延び花嫁修行で家計を預かるサザエ江利チエミだが、うっかり保険契約して埋め合せにデパート売り子のアルバイトに出たがドジの連発で首。持ち上がった良家坊ちゃん江原達>>続きを読む

続・サザエさん(1957年製作の映画)

3.5

サザエさん🟰江利チエミが私には定番。そそっかしくて頑張り屋のキャラが良く出た青柳信雄監督の佳作。フグ田小泉博と恋愛中のサザエが花嫁修行で巻き起こる騒動が4コマ漫画の積み重ねで進行、同窓会での余興で美空>>続きを読む

ひばり チエミ いづみの ジャンケン娘(1955年製作の映画)

5.0

絶大な興行力を持った天才ティーンエイジャー歌姫美空ひばり、江利チエミ、雪村いづみの3人揃っての映画競演自体が大変な事だった。当時数少ない総天然色で、娯楽映画の名人杉江敏男監督が、少女の夢物語をミュージ>>続きを読む

青島要塞爆撃命令(1963年製作の映画)

4.5

ナバロンの要塞に見劣らない古澤憲吾監督、円谷英二特技監督の戦争航空映画の傑作。青島要塞の相貌を偵察する為に、世界初の航空母艦若宮丸から飛び立った複葉機加山雄三、池部良は無事帰還したが、佐藤允、夏木陽介>>続きを読む

三大怪獣 地球最大の決戦(1964年製作の映画)

5.0

ゴジラシリーズとして数える人があるが、本作はモスラ3部作の最終作である。インファント島の守神モスラのテレパシーによってゴジラ、ラドンとのタッグが成立し、金星を滅ぼした宇宙怪獣キングギドラを地球から追い>>続きを読む

モスラ対ゴジラ(1964年製作の映画)

5.0

ゴジラがゴジラらしかった最後だし、当然モスラを応援した。成虫モスラが全盛期だったら勝ったと思えたが寿命で死に絶えた。自衛隊も健闘し感電死する一歩手前で逃した。ゴジラは島に逃亡、幼虫モスラ双子が追走、糸>>続きを読む

乱れる(1964年製作の映画)

5.0

松山善三と加山雄三といえば「名もなく貧しく美しく」で、高峰秀子が母、加山が息子、そして突然、加山は交通事故死。あの映画は、あのラストでなければと落胆した思いと重なるが、本作では得心がいった。また成瀬巳>>続きを読む

喜劇 駅前天神(1964年製作の映画)

3.5

フランキー堺と池内淳子の「湯島の白梅」の現代版パロディのシリーズ小品。森繁久彌と大空真弓の父娘と内縁関係の淡島千景が並列する展開。伴淳三郎、三木のり平は脇に徹し王貞治が2度目出演で愉快。