佐藤克巳さんの映画レビュー・感想・評価 - 29ページ目

佐藤克巳

佐藤克巳

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光る海(1963年製作の映画)

3.0

吉永浜田コンビの作品系列では格段に豪華な配役。「あいつと私」の石原裕次郎と芦川いづみと比較すると、格の違い歴然、荷が重かったのでは?ミヤコ蝶々はミスキャスト。中平康としては凡庸な作品となった。

完全な遊戯(1958年製作の映画)

5.0

キューブリックの「現金に体を張れ」と遜色無い、石原慎太郎原作、舛田利雄監督のフィルムノワールの傑作。競輪ノミ屋騙くらかしのアイデアは秀逸。小林旭と芦川いづみとのデートは癒し。葉山良二はイカした兄貴だっ>>続きを読む

少女(1961年製作の映画)

3.0

「All WAYS3丁目の夕日」ぽい出だしから牧歌的ラストまでテンポ良く展開、笹森礼子の明朗快活な演技と今日風アイドル的風貌を楽しんで、至って満足。川地民夫と永井智雄もいい味。

踏みはずした春(1958年製作の映画)

3.5

少し荒削りだが、セミドキュメント風の鈴木清順監督初期の佳作。不良少年の社会的更生を助ける左幸子と、暴力的だが努力して改心して行く根は好青年小林旭の迫真の大熱演に支えられて感動の作品となった。浅丘ルリ子>>続きを読む

霧に消えた人(1963年製作の映画)

2.5

藤村有弘がピーナッツ🥜と名付けた浅丘ルリ子と笹森礼子の職場の花🌸。後者は簡単に結婚👰‍♀️ゴール。葉山良二が身を引いたと解釈¿霧に消えた人だから二谷英明?結末が尻切れ蜻蛉。

祈るひと(1959年製作の映画)

3.5

堅実な滝沢英輔作品でも、堂々たる佳作。芦川いづみの誠実さと美しさとの相性が良い。
郭公や十姉妹等鳥にまつわるストーリー展開の巧妙さ、子役の選定まで心配り行き届いた配役、繊細かつ明朗たっぷりの日活らしい
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狂熱の季節(1960年製作の映画)

4.0

「勝手にしやがれ」に最も接近した蔵原惟繕初期の傑作。無軌道に暴れ回る不良を演じた川地民夫の、「野獣の青春」の殺人鬼と並ぶ日本で稀なキャラクターを創出して映画史に名を残した。近年亡くなられて非常に残念。>>続きを読む

結婚の条件(1963年製作の映画)

3.5

渡り鳥シリーズの斎藤武市監督だから期待していなかったが、日活らしい青春映画の佳作だった。輝くような浅丘ルリ子を堪能した。
二谷英明、南田洋子の夫婦関係にリアリティが有り、桂木洋子の助演も良し。ハッピー
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青春怪談(1955年製作の映画)

4.0

北原三枝のウエストがヘップバーン並みに細く、芦川いづみとのレズっぽい関係と男っぽい颯爽感が印象的。三橋達也の炊事もあっけらかんとこなし、全て計算高い二枚目振りも板についている。土壇場で、自由の紳士山村>>続きを読む

色暦女浮世絵師(1971年製作の映画)

2.0

清順心酔の曽根中生デヴュー作。小川節子のみ良かった。

執炎(1964年製作の映画)

5.0

日本海の四季折々の自然と、男と女の情念の昂まりが克明に描かれた浅丘ルリ子の文句無しの代表作。現代戦争が平家伝説に置き換わり神話性を帯びた悲劇のメロドラマに仕上げた蔵原惟繕監督の最良作でもある。山陰本線>>続きを読む

四季の愛欲(1958年製作の映画)

4.5

ラストで山田五十鈴が一蹴した。男と女の情愛は母子関係を超えた。桂木洋子と宇野重吉夫婦の名作「逢びき」と同じ結末で一安心したらこの顛末。孝行息子で作家の安井昌二が仰天。中平康監督のスピーディーな映像感覚>>続きを読む

風のある道(1959年製作の映画)

3.0

マヒナスターズの主題歌が流れて幕だと、和製「或る夜の出来事」になってしまった。芦川いづみ、北原三枝、清水まゆみ三姉妹のキャラクターの違いを見事に演出した西河克己監督の腕は確か。手足の長い清水のお色気が>>続きを読む

街燈(1957年製作の映画)

4.0

淡い暖かい街燈の光線と暗闇と夜空の星。1950年代東京の夜は大人の世界。月丘夢路、南田洋子、葉山良二、岡田真澄等の息のあった軽妙洒脱な巴里風の傑作喜劇。中平康独特の映像空間とシャンソンの主題歌がマッチ>>続きを読む

美しい庵主さん(1958年製作の映画)

4.5

タイトルに違わず美しい庵主さんの芦川いづみ、凛々しく清々しい好青年小林旭、利発で愛くるしい都会っ子浅丘ルリ子のそれぞれが好演。東山千栄子、高橋とよが揃うと小津安二郎作品の世界に紛れ込んだ様なほのぼの感>>続きを読む

美徳のよろめき(1957年製作の映画)

3.5

中平康監督の気品と官能美は十分に達成された秀作とは思うが、心情的に納得出来ない。
宮城千賀子の不倫の結末に比べて、月丘夢路の方は、ホテル別室で元カレ葉山良二が不満を漏らした様に「偽善者」と罵られて当然
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何か面白いことないか(1963年製作の映画)

3.5

浅丘ルリ子の元カレの存在が邪魔。前回同様、面白いことの先に何があるのかわからない。絶頂期蔵原惟繕の力作だが、前半は斬新で快調だったのが、セスナが壊れた所から一転迷走した。

心と肉体の旅(1958年製作の映画)

3.5

クレジットに無いスターがさりげなく出演していて舛田利雄のデヴュー作に花を添えた。
映画スター華やかりし頃のバックステージ物としては水準作。二人の異質な女を支えた好青年の葉山良二の代表作かな。

学生野郎と娘たち(1960年製作の映画)

4.0

鬼才中平康監督のハイテンポ、ハイテンションな迫力は流石。芦川いづみ、長門裕之、中原早苗等中平作品お馴染み俳優の息がぴったり合って、悲劇なのに心地よい。日本の大学に問題ありは今も昔もだが、今日学費は天井>>続きを読む

十六歳(1960年製作の映画)

4.5

中原淳一の絵から抜け出したかの様な超美少女浅丘ルリ子の魅力を最大限発揮した滝沢英輔監督の問題作。二人の教師葉山良二、長門裕之を惑わす小悪魔の妖精。名作「執炎」に繋がっていく女の情念を描いた系譜の一つ。>>続きを読む

夜の牙(1958年製作の映画)

4.0

井上梅次監督の本格ミステリー映画の秀作。大胆不敵にも石原裕次郎主人公が死んだ事になっていた冒頭から痛快で、ヒッチコックタッチの謎解きも楽しい。岡田真澄と浅丘ルリ子が若々しく、森川信等悪役に個性が有り、>>続きを読む

佳人(1958年製作の映画)

3.0

芦川いづみの聖女の様な美しさと気品を堪能させて貰った。滝沢英輔作品としては、「あじさいの歌」が断然優れているが、豊岡・城崎の景観に風情があり、渡辺美佐子の好演が印象に残る。

女を忘れろ(1959年製作の映画)

5.0

バンコクに旅立つ不良学生の小林旭が、清純可憐な浅丘ルリ子と雪降る街の公衆電話を通じて、美しい別れの心温まるラストシーンに涙するが実に爽やか。愛するが故に献身的に身を引く年上の女を好演した南田洋子、やく>>続きを読む

やくざの詩(1960年製作の映画)

4.5

弾丸をペンダントにする医師崩れの流れ者を小林旭が演じた日活アクション映画の佳作。戦後の混乱期に右腕を失い不気味な義手のカタワ者となった悲劇を熱演した垂水悟郎と、その兄で義理堅い拳銃バイヤーを好演した二>>続きを読む

拳銃は俺のパスポート(1967年製作の映画)

3.5

確かに拳銃アクションは素晴らしい。冒頭の狙撃シーンとラストの決闘シーンも秀逸だ。
だが、宍戸錠の段取り通りに事が搬び過ぎかなという疑問が残る。

西部魂(1941年製作の映画)

4.0

「メトロポリス」等ドイツ映画の代表格的巨匠フリッツ・ラングが、電信敷設事業の苦難とその成功を丹念に描き挙げ、ランドル・スコットが悲劇的ヒーローを演じて代表作となった戦前西部劇の秀作。スケール感が素晴ら>>続きを読む

西部の男(1940年製作の映画)

5.0

子供の頃観て以来の再見。南北戦争後のテキサス開拓史を詩情豊かに描いた傑作。結局、記憶が定かだったのは、劇場での死闘とロイ・ビーンの最期のシーンだった。クーパーをヴィクター・マチュアーが完全に食っている>>続きを読む

聖衣(1953年製作の映画)

4.0

概して日本の評判今ひとつだが、シネマスコープへの試みを成功させた功績大である事は勿論、上品で人界戦術を労したスペクタル映画の魁としても、一級作品の質を保持した名作で間違いない。クリスチャンではない私で>>続きを読む

カラミティ・ジェーン(1953年製作の映画)

4.5

ドリス・デイの魅力満載、西部開拓史ミュージカル映画でも有数の傑作。流石、マネーメイキングスター第一位を連続で押されていた理由が確信できるだろう。日本で云えば、松田聖子だね。相手役の名優ハワード・キール>>続きを読む

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(2019年製作の映画)

3.5

怪獣いっぱい人間いっぱい。愛憎劇。環境保護。中共色。理屈理屈。ラストはスピルバーグの「宇宙戦争」っぽいが、ゴジラとキングギドラの死闘のみ評価。所詮、米製ゴジラ。

我輩はカモである(1933年製作の映画)

5.0

喜劇の名手レオ・マッケリーとグルーチョ独壇場のマルクス兄弟が放つ、シリーズ最高峰破茶滅茶抱腹絶倒の政治パロディーの傑作。観ているうちに、川島雄三の「オオ!市民諸君」や中平康の「牛乳屋フランキー」が頭に>>続きを読む

女王蜂(1978年製作の映画)

4.5

サービス満点の一級娯楽巨篇だ。石坂金田一は、70年代最高ヒーロー。巨匠市川崑の鋭角鋭い映像美は、本編でも健在。一座の俳優陣の絡みも流石。犬神の亜流っぽい雰囲気はあるが、戦前戦後の日本此処にあり。鑑賞後>>続きを読む

仔鹿物語(1946年製作の映画)

5.0

フロリダ奥地の原生林開拓民家族を、美しくも儚い少年と仔鹿との交流と大人への成長過程、自然環境の厳しさと闘う信仰心厚い夫婦の強い結束が丹念に描かれた不滅の傑作。美少年クロード・シャーマンJr.の伸びやか>>続きを読む

地獄への道(1939年製作の映画)

5.0

同年の「駅馬車」と遜色ない出来映え。御上頼みが当たり前の日本人には理解出来ないだろう西部開拓時代の無法地帯を、スピーディでアクション溢れる名作に仕上げたヘンリー・キング最良の一本。トム・クルーズ激似の>>続きを読む

足ながおじさん(1955年製作の映画)

4.5

レスリー・キャロンの傑作ミュージカルの一本。デヴュー作の「巴里のアメリカ人」の二番煎じとは言え、アステアとのダンス乱舞と得意のバレーソロは傑出している。音楽と舞台装置がマッチして、何時観ても楽しめる安>>続きを読む

海賊とよばれた男(2016年製作の映画)

4.5

民族系石油会社出光の栄光と苦闘の歴史を、「三丁目の夕陽」以来昭和の復元を題材に名作連発の山崎貴がどう料理するかが注目だったが、期待に違わぬ立派な出来に満足。岡田准一の迫力ある演技は見事という他ない。満>>続きを読む