佐藤克巳さんの映画レビュー・感想・評価 - 31ページ目

佐藤克巳

佐藤克巳

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突撃隊(1961年製作の映画)

4.0

ドン・シーゲルとしては、SF映画の傑作「盗まれた街」に次ぐ戦争映画の秀作。演出に、キューブリックの「突撃」とは違った才気を感じた。個性豊かなキャラクターの創造に、岡本喜八っぽさがあり、スティーブ・マッ>>続きを読む

オデッセイ(2015年製作の映画)

4.5

リドリー・スコットの宇宙スペクタクル映画の傑作だな。しかし、中共資本に席巻された感じが気にくわない。日本も落ちたものだな。何処にも痕跡がない。下らない映画ばかり作るから、世界から取り残された感じ。不愉>>続きを読む

ジャッカルの日(1973年製作の映画)

4.0

ドゴール暗殺を目論む極右テロ集団に、プロの殺し屋が雇われ、国際的インテリジェンスとの闘いとなったが、実際の構図は、ルパンと銭形の対決かな?但し、アイデアは、こちらが先。007シリーズ以来、当時流行った>>続きを読む

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

4.5

難解さがあった。ハリソン・フォードが登場して、続編であると実感する。フィルムノワールのムードをよく継承している。レプリカントの増殖と革命が起きるムードが高まり、ラストには泣けた。ハングルが不快だったが>>続きを読む

助太刀屋助六(2001年製作の映画)

4.0

最後まで喜八ワールド。仲代達也、小林桂樹を両翼に、明朗快活な真田広之が運動神経の良い好演が光る。佐藤允等お馴染みメンバーが楽しい。
「用心棒」に対するオマージュかな?

日の名残り(1993年製作の映画)

4.0

原作に忠実で重厚な傑作。戦間期の英国の運命を変えた外交舞台を、懸命に支えた名執事をアンソニー・パーキンスが好演。淡々とした展開の中で、メイド頭との炎の情念が沸々と伝わり、自己の人生と重ね合わせて、より>>続きを読む

万引き家族(2018年製作の映画)

1.0

汚い映画。最初から乗れない。わざとらしい。
海外で左翼の評価で客を呼ぶ。黒澤明の「どん底」と雲泥の差。子供を出しに同情買って、大島渚の「少年」以来の不愉快さ。是枝汚いやり口に辟易。

赤い河(1948年製作の映画)

5.0

オールマイティの巨匠、ハワード・ホークスの傑作西部劇。ジョン・フォード色満載で、ティオムキンの音楽が抜群、更に、ジョン・ウェイン、ウォルター・ブレナン、モンゴメリー・クリフトの名演も文句無し。ラストシ>>続きを読む

早春(1956年製作の映画)

5.0

流石だな。サラリーマンの悲哀、倦怠期の夫婦を描いて一分の隙もない、小津安二郎ならではの傑作だ。ビリー・ワイルダーの「アパートの鍵貸します」と全く遜色なく、池部良等の究極の名演は、一生忘れない。

ソイレント・グリーン(1973年製作の映画)

4.0

昨日、公開時以来、久々BSで観た。人口爆発、環境破壊等の近未来退行社会を描いた佳作。
デミル的ヘストン劇場が辿り着いた終末観か?或いは、「猿の惑星」の姉妹版?

眠狂四郎 多情剣(1966年製作の映画)

4.0

眠狂四郎シリーズは、日本の007シリーズに他ならない。雷蔵は、日本映画史上の最高峰のエンターテイナーだと思う。艶やかで、上品、エロティシズム。中谷一郎との決闘シーンは、「椿三十郎」超えた?

空の大怪獣 ラドン(1956年製作の映画)

5.0

文句無しの満点。「ゴジラ」と並ぶ、日本が誇るSF特撮の最高峰。当時の世界水準を、軽く超えていた。この域に達したのは、「零戦」、「戦艦大和」?超音速で飛行するラドン、九州を蹂躙し、博多を破壊する怪物も、>>続きを読む

男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎(1981年製作の映画)

2.5

これも初見の寅次郎映画。タイトルに合致していない感有り。やはり、大阪風情を感じないのは、街に問題があるからか?大阪出身の山田洋次にしてからにこの有様。東京一極集中の先駆けを現しているロードムービーとい>>続きを読む

男はつらいよ 寅次郎春の夢(1979年製作の映画)

3.5

未見の作品だった。香川京子と林寛子が、なかなか品格があり、マンネリズムからは脱していた。虎屋を中心にしたホームドラマは良かったが、日米間の風刺劇としては、一味足らないかな。

天国と地獄(1963年製作の映画)

4.5

私は、真実味のない紛い物の地上波は観ないが、BSは時たま観る。本作は、タイトル通り、「天国と地獄」を描いて、申し分ない傑作だろうと思う。黒澤明の押し付けがましいヒューマニズム色は押さえられ、娯楽サスペ>>続きを読む

地獄の饗宴(1961年製作の映画)

4.5

日本のグレン・フォード、三橋達也が本領発揮した、喜八マジックのハードボイルド・アクション。いつもながら素晴らしい小悪魔、団令子に乾杯!田崎潤、中北千枝子、佐藤慶等、神出鬼没の脇役陣も豪華そのもの。スピ>>続きを読む

妖星ゴラス(1962年製作の映画)

5.0

恐竜の絶滅は、隕石落下が原因だとか?
本作は、宇宙からやって来た「妖星ゴラス」に、地球が正面衝突の危機に晒されるカタストロフィを描いた、壮大なSFスペクタクルの古典的傑作である。同年の「キングコング対
>>続きを読む

男はつらいよ 寅次郎純情詩集(1976年製作の映画)

2.0

グランプリ女優京マチ子出演で、シリーズの箔をつける為の作品?これ以降、寅さんの恋愛パターンの妙味を探ぐるゲームと化すか?

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016年製作の映画)

4.5

観客が内容を予見できるのに、それを上回るSFファンタジーを創出するルーカスの 凄さに圧倒された。最近の中米戦争延長線上にある近未来のリアルな宇宙戦争であり、悪の帝国に対して、攻撃あるのみである事実証明>>続きを読む

のらくろ二等兵 教練の巻(1933年製作の映画)

3.0

戦前漫画映画の頂点に立つ「桃太郎海の神兵」等の瀬尾監督の初期作品で、田川水泡原作漫画を忠実に再現させているのは流石。なお、併せて「二等兵」も拝見したが、こちらは更に良い作品。

男はつらいよ 寅次郎相合い傘(1975年製作の映画)

4.0

冷房もない暑い昭和の夏の、一服の清涼剤と言った寅さんシリーズの秀逸な作品であり、分岐点となった記念碑。浅丘ルリ子のリリィとの現実感の違いは歴然で、寅次郎の浮草人生の悲叫感は、これ以降の作品では絵空事と>>続きを読む

男はつらいよ 寅次郎子守唄(1974年製作の映画)

2.5

パターン化して、平準化した感がある山田洋次作品。タイトルから、てっきり「沓掛時次郎」風の哀愁のあるシリアスな出来栄えを期待したが、山田イズムの民青推薦目出度い予定調和満載の、遅れて来た青春映画だった。>>続きを読む

男はつらいよ 寅次郎恋歌(1971年製作の映画)

4.0

観客とのかけ引きが巧みだな。山田演出の冴え。前半は、「東京物語」のパロディ、後半は、もっと冴え捲くり、後家さん池内淳子と一人息子との和気あいあい感から、ひょっとして上手くやるのかな?なんて期待を持たせ>>続きを読む

続・男はつらいよ(1969年製作の映画)

4.0

多分、山田洋次の最高傑作は、ハナ肇の「なつかしい風来坊」だろう。渥美清では、断トツで「男はつらいよ」第1作。あれで完結している。テレビシリーズでは、確か最終回に蝮に噛まれて野垂れ死だったが?このシリー>>続きを読む

東京暮色(1957年製作の映画)

5.0

一部の隙なし、小津安二郎。原節子、山田五十鈴2大女優対決。この頃有馬稲子、絶頂期。中村伸郎、藤原釜足、名人芸。家族の悲哀極致。特に今回、娘を無くし孤独の父親役、笠智衆に大いに共感。我が事さながらだった>>続きを読む

君の膵臓をたべたい(2017年製作の映画)

3.5

矢張り、青春映画は生が良い。瑞々しい若葉のような機微は、アニメでは描けない。それを立証したような新鋭映画作家の感性が表出した傑作でしょ。ただ、私が老化して、第三者だったのが、頗る寂しい?主演の二人の会>>続きを読む

日本のいちばん長い日(2015年製作の映画)

5.0

大日本帝国崩壊の序曲。役所広司の阿南惟幾を中心とした帝国陸軍の最終除幕が美しい。一瞬、キューブリックの「博士の異常な愛情」が被って、原田監督の良いセンスが良かった。昭和天皇、鈴木貫太郎、迫水久常に力点>>続きを読む

夕陽の群盗(1972年製作の映画)

2.5

少年版「明日に向かって撃て」か?ベトナム戦争の徴兵拒否の模写?ニューシネマ崩れ?アンチ西部劇?どうにも煮え切れない。まるで、「万引なんとか」?

愛と誠(2012年製作の映画)

2.0

やってくれました、三池ワールド。何時も、期待たがわぬ、見事なズッコケ。ここまで、前作を茶化せば、大成功でしょ。妻夫木聡が、西城秀樹を歌った時点で、キテレツ・ミュージカルは、前作とコラボ。早乙女愛も、泣>>続きを読む

驚異の大日本帝国/汝の敵日本を知れ(1945年製作の映画)

1.0

実に不愉快な反日米側プロパガンダ映画の模範的な作品である。だから、私は、キャプラが嫌いになった。現在のいたるところに流布する、オールドメディアの印象操作とそっくり?百聞は一見にしかずだな。だから私はテ>>続きを読む

眺めのいい部屋(1985年製作の映画)

4.0

典型的な英国映画。理知的で、機知に富み、ユーモラスで、愛らしいキチンとした良い映画。日本の良き時代にも通ずる伸びやかさと正直さに溢れた好編。眺めより、素朴な愛情だな。

愛と誠(1974年製作の映画)

4.0

西城秀樹に捧げたい。山根成之作品では、田中絹代と共演した「俺の行く道」も良作だったなぁ。彼の情熱ある演技は素晴らしかった。

ジュリアス・シーザー(1953年製作の映画)

4.0

ハリウッド版シェイクスピア劇は、明らかに、本家ローレンス・オリヴィエの「ハムレット」他三部作を意識したマンキーウィッツ監督の力作だが、比較すべきは「ヘンリー五世」だろう。オリヴィエのこの作品は、カラー>>続きを読む

ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト(2008年製作の映画)

4.0

マーティン・スコセッシの音楽映画の一本だが、老いの目立つ出来映え。第一、ストーンズよりビートルズ派だし、キース・リチャードより、ブライアン・ジョーンズだし、これより、「アマデウス」だし、音楽は、若いう>>続きを読む

バリー・リンドン(1975年製作の映画)

4.5

近未来SF映画の傑作「時計じかけのオレンジ」で映画作家の頂点に君臨したキューブリック期待の新作として、当時観た印象は、主人公バリー・リンドンの波瀾万丈の人生と、人類は闘う宿命を負っているとの感想を持っ>>続きを読む

シャイアン(1964年製作の映画)

4.0

大監督ジョン・フォードの壮大な西部開拓史劇。
先住民族シャイアンの悲劇は、上映当時のベトナムに対比するより、現在の中共に侵略されたチベットやウイグルを重ね合わせてしまうのは、私だけだろうか?或いは、官
>>続きを読む