かなみさんの映画レビュー・感想・評価

かなみ

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街の上で(2019年製作の映画)

3.7

ずっと肩身が狭い映画 人と人の間にある距離感の形は、綺麗に完成されたものではなく、ぎこちなく歪で不格好
あらすじで雰囲気映画と思いきや、という映画。今泉節が凄い 人間ってやっぱり毎回上手く付き合うの難
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眠る男(1996年製作の映画)

4.0

ひとつの村を描写するということにおいてこの映画ほど静かで細々としたものは無いと思った。雪が降る日の冷たくて痛い空気に似ている。温かさも哀愁もある。全編を通してショットの美しさが素晴らしい。
怒りや憎し
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裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

凄まじい息苦しさと顔圧の応酬 ベルイマンが、人間の顔の中の動きを映画にすることは芸術に見られる最もすばらしいものをもたらした、と語っていたことを思い出した。まさしく、ジャンヌ・ダルクという人間の全てが>>続きを読む

ぼくの名前はズッキーニ(2016年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

子供が愛されない理由に怯えて未来が見えないだなんてあんまりだと思った。

雨月物語(1953年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

父権社会の地獄を、重たい霧のように、細やかな香の煙のように圧倒的な描写力で見せつける。
欲望に駆られた享楽的で移動的な男と、不安と不幸に身を削がれ身動きが取れない女。物質的な豊かさが画面を華やかにして
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タクシードライバー(1976年製作の映画)

3.6

どこまでもどうしようもないトラビスの、浅ましい蛮行の末のあのラストの笑顔に心がえぐられた。なるようにしかならないのか。

哭声 コクソン(2016年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

映画の最初に語られるルカ福音書24章の引用、これが映画を徹底して貫く。信心を求め続ける。ムミョンが神であるにも関わらずジョング一家が救われなかったことは、恐らく鑑賞者に神への懸念を与えるためであり、し>>続きを読む

祇園囃子(1953年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

灯りが煌々と輝く京都の街は、とても美しくとても息苦しい。
移動的ではなくどこまでも柔らかな舞子の一挙手一投足を捉える映像。舞子の姿がどこを本当に取っても美しく、それが残酷で厳しい世界のなかでどこまでも
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イレイザーヘッド(1976年製作の映画)

3.4

悪夢に最悪な現実が融解してすべてが目も当てられない地獄のような様相に姿を変える。悪夢に一貫性を求めるのも変な話だがあまりにも雑然としていて見ていて不快だった。悪夢のイメージが雑多で把握しきれない、それ>>続きを読む

ラ・ポワント・クールト(1955年製作の映画)

3.7

きっと外縁に本質が追いついていない。
不安定で不明瞭なすべて、男女の愛 家族の体調 湖の水質 父としての決断、その何もかもを結局私たちは完全に見つめ通すことは出来ない。真実を見ようとしている感情に、真
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メメント(2000年製作の映画)

3.6

構造は天才的に上手いけどストーリーにいまいち良さを見いだせなかった

第三の男(1949年製作の映画)

3.6

ザ・傑作古典映画 この時代でこの完成度凄すぎる

トムボーイ(2011年製作の映画)

3.7

主人公が性自認と社会的な感覚の齟齬を痛烈な体験から知る。その無知ゆえの子供の本質的行動が周りの人間の定規によって是正を受ける様があまりにも惨い。深く感情移入させるのではなく、あくまで子供への無理解のよ>>続きを読む

アングスト/不安(1983年製作の映画)

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カメラワーク、音楽、セリフの調和による理解と恐怖、凄まじい密度の嫌悪感

太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

序盤から中盤が最高にかっこいい。
原爆という人間には大きすぎたエネルギーはのその質量そのものは、人の行動力にまったく釣り合っていないものだ。ロマンスとカタルシスでは覆えないほどに男は疾走し暴走し、果て
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青春の殺人者(1976年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

親離れ、そして女からも逃げても、男は結局自分の行く場所を知らないまま。希望も未来も与えられなかった男のカタルシス 大切なモンは全部過去にしか無かった。
どうしようも無いほどの悲劇、両親の殺人は気持ちの
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泥の河(1981年製作の映画)

4.0

子供に押し寄せるにはあまりにも強大な試練、しかしそのすべての問題の重大さに子供ゆえ気づくことは無い。

映画は強烈な死のイメージから始まる。戦争が人の命をいつまでも追い奪い取っていく。きっちゃんが忠実
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