lagさんの映画レビュー・感想・評価

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ラブホテル(1985年製作の映画)

3.8

刃物を向けたくせに急に怯えて自分から謝る。たった一度あの日だけ変えた。汚点を脅される。優しい声で風邪ひくよ。切れた電話に喋り続ける。青い夜にネオンサインと土砂降り。レコードを贈る。許してゆかせて。海底>>続きを読む

偶然と想像(2021年製作の映画)

4.0

とても狭い世界で絶妙な登場。嘘みたいに幻。そういう設定の演劇。目を覆い近寄って周りを遮断する。去りゆく後ろ姿から瞬く間に容易く過ぎる年月。口頭での表現。そんな書き言葉を残すんだ。だめに決まってるじゃな>>続きを読む

盲獣(1969年製作の映画)

4.6

手で触る感覚の世界。切り取られた工房。優しく撫でて鋭く傷つける。恋人にしかできない騙す演技。母の妬み。今まで知らずに生きてきた。激しい愛情。

暗殺の森(1970年製作の映画)

4.1

後部座席で夢を見た。少年時代と婚約者。夕陽の海と天使の旋律の中で愛された記憶。分別をなくしこれがパリだと女ふたりで踊る黒と白のドレス。雪が残る樹林に朝霧と結露。追撃は途切れず振り返り垂直に立体で見渡す>>続きを読む

濡れた欲情 ひらけ!チューリップ(1975年製作の映画)

4.0

釘師とパチプロおたの申します。女の抱き方知らない盛りのついた犬みたいなモテない二十五歳は何度も土下座してホースの水で修行。ラーメン屋台を引いて走って叫んで川に飛び込む。泣きながら交わる男女の切なさ。地>>続きを読む

現代任侠道 兄弟分(1970年製作の映画)

3.1

頭脳派じゃない渡辺文雄。警官の小松方正。いつもの待田京介。心優しい小杉勇。左腕が使えない菅原文太にお供する鶴田浩二。誰か死んでも溜めずにすぐ切り替え。

十九歳の地図(1979年製作の映画)

4.3

毎朝自分の足で走り雨が降っても新聞の配達と集金。代々木予備校にはほとんど通わないし隣の家は好きで夫婦喧嘩してる。定規で線を引いて熱心に鉛筆。偏見で嫌味が三つ溜まったら鬱憤ぶつける陰険な迷惑電話。爆破予>>続きを読む

サード(1978年製作の映画)

3.7

嫌な夢を見る。うまくはないがへたというわけじゃない守っている三塁の側を次々と通り過ぎる。やがて打つ番になる。長打になって回るといつの間にか誰も居なくなりホームベースがない。帰る場所を失くして走り続ける>>続きを読む

事件(1978年製作の映画)

4.0

男ひとりを女ふたりで奪い合う。誘導で頭が混乱。分単位で番地まで。金にならずとも報道が注目してるか否か。異議を棄却するか最もだが続きを知りたいか質問を変えるか。関連がないので結構です。気持ちは察するが真>>続きを読む

震える舌(1980年製作の映画)

3.9

医者が告げるこれから大変とか少し長くなるとか。闘病する本人とその家族。光や音の刺激に反応する恐怖。塞がって口が聞けない。鼻に太い管を通す。苦しそうな呼吸。寄ってたかって押さえつけて針を刺したり切ったり>>続きを読む

御用牙 かみそり半蔵地獄責め(1973年製作の映画)

3.7

わらわの子堕ろし儀式はきちがい。埋められて蘇り尼寺の人身売買覗き部屋を破壊。からくりで刺客は串刺し屍の山。腹の中を全部言う西瓜のはらわた食らえ。押し入れに泊まる。鬼火とまむしを呼び怒鳴り脅して褌一丁の>>続きを読む

殺しの烙印(1967年製作の映画)

4.1

炊きたての飯粒中毒な宍戸錠。便器に流れていく後頭部。磔にされて炙られる。首を刺された小鳥と標本にされた無数の蝶はまるで墓場。あたしはどうせ死骸なの。土砂降りと噴水の後ろで睨み微笑む真理アンヌの圧倒的強>>続きを読む

アイ・シティ(1986年製作の映画)

3.6

向こう見ずな脱走不良品の鈴置洋孝。振り回される元刑事で私立探偵のおじちゃんな野沢那智。記憶を無くした小山茉美。美青年ミスターJの堀内賢雄。借りは返すお供の銀河万丈。悪いと思ったら謝るリー様の小林清志。>>続きを読む

プロスペローの本(1991年製作の映画)

4.0

一定間隔で落ち続ける雫。神殿の石柱内にも降る豪雷雨に時折すすり泣きと高笑い。水槽でも床でも引き締まった肉塊たちによる目の前を横切り躍動する体操舞踊で背を反らせて天を仰ぐ。無尽蔵に吹き荒れる紙片。

>>続きを読む

御用牙(1972年製作の映画)

4.1

自身で拷問を試して肉棒を鉢で叩いて米俵に突っ込み石を殴り割る謎の鍛錬。すごいからやめないで。にやけもせず目かっ開いて聴取。敵が多いから天井から槍の雨で壁をめくれば刀。腹なんざとっくに切ってきた。しょっ>>続きを読む

さらば映画の友よ インディアンサマー(1979年製作の映画)

3.9

喫茶店のマスターは麻雀が趣味の室田日出男。ずべ公の浅野温子。背中に彫り物の石橋蓮司。東大紛争を横目にここはキャンヌじゃないんだからあのゴダールくんがだよわざわざ私のために新作を贈ってくれたんだよクソガ>>続きを読む

八甲田山(1977年製作の映画)

3.5

日露戦争に備えて輸送陸路の検証。大暴風雪で視界は真っ白に風の音で何も聞こえず体感温度は下がり声を発するか力尽きて倒れるまで岩なのか人間なのか判別できない。道案内の先導を拒否したから血だらけになって斜面>>続きを読む

闇の狩人(1979年製作の映画)

3.8

徐々に取り戻される昔の記憶で視界が回る。名前を呼びながら顔が近づいてくる。大量に舞う羽毛から空撮。腕の筋肉の凄まじい色気。障子と畳を何枚も破って切り込む。火の粉を被って背中から煙噴きながら髪を乱す。唇>>続きを読む

正午なり(1978年製作の映画)

4.5

まひるのサイレンが鳴る。見下ろす風景は一面緑の田園と山林ばかり。いきなり上手く貸しボートを漕げない。二階に忍び込んで布団の残り香を嗅いで転がる。その場に捨てられたティッシュを踏んづけたら靴の裏に張り付>>続きを読む

安藤組外伝 人斬り舎弟(1974年製作の映画)

4.0

いきなり泥まみれになる屈強な若者たち。飲み屋のネオンと激しい雷雨の中で安岡力也に片腕切断されても女は抱く渡瀬恒彦。知らねえなどこのゴミだいから一転して真面目に働く前田吟。決闘に寝坊して和解。心配要らね>>続きを読む

祭りの準備(1975年製作の映画)

4.8

親子揃っていい年して女道楽。息子が生きがいの母。元気になる薬で頭がやられた娘。宿直室に押しかけて来てぼや騒ぎ。切った西瓜に籠の鳥と自転車。色んな家に泊まり子供にこづかいあげるハナ肇。汚らわしい最低な清>>続きを読む

彼方のうた(2023年製作の映画)

3.7

人が移動した空室に残り続ける。湯気がなくなるまで何もせずど真ん中に突っ立つ永い沈黙。憑依することもない此の世に在らざる者。よく旅をしていたらしい川の録音。どこかで会ったことはありませんか。窓の暖かい採>>続きを読む

親密さ(2012年製作の映画)

4.4

完璧に背後で高架をゆく電車。並んで歩く夜明けの境界。規則を設けた受け渡し合い。打ち上げの飲み会と四角関係。寄せて引いていく。流れ方と改行不可。剥き出しの基礎と理屈に実践。視聴している自分の仏頂面が反射>>続きを読む

心中天網島(1969年製作の映画)

4.0

頭から足までこの世は金。垂らしたぶらかすが仕事。人ひとり殺すのは後で取り返せないがその先まで考えてない。肌身離さず持った手紙。同士の義理。これが務め。今は言えないが黙って通してくれ。連れ去られて他人に>>続きを読む

火だるま槐多よ(2023年製作の映画)

3.9

機材と青黒い光に囲まれた密室。ノイズを空にばら撒くブラウン管たちの砂嵐。頭を抑えて苦しむ電気椅子の洗脳。通行人たちの舌写真を単色高解像度。中央から広がる魚眼。双眼鏡で監視する黒い革。直立して下腹部から>>続きを読む

メロデ Melodies(1989年製作の映画)

4.0

屋内に届く採光。吹く風に揺れる草木と公園の漏れ日。風呂を借りにくる何してんねん男ひとり。あっバイトの時間だ女子大生ふたり。車窓から顔を出す柴犬。今度あの人帰ってくるんだ。割と同刻に駅を発着する上り下り>>続きを読む

女の賭場(1966年製作の映画)

3.8

例えわずかな間でも二度と盆には戻りたくない真面目な暮らしを。義理と人情に盃事など古臭いことが嫌いな成り上がり現代やくざ。堅気の人には分かってもらえない。警察でも裁判でもどうにもできない。縁を切って貴方>>続きを読む

新宿アウトロー ぶっ飛ばせ(1970年製作の映画)

3.6

胸元開けた雇われ用心棒な大映の成田三樹夫は蠍。鏡の前で髪をとかす梶芽衣子の名前はよく笑う子。西神でシニガミで仕事のできる渡哲也。財閥の息子だが赤タンクトップでジープ乗り回す松方直の原田芳雄。

ダバダ
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武器人間(2013年製作の映画)

3.7

大戦末期の記録映像らしいので手振れが激しく狭い工場で手榴弾が爆発したら何が起きてるのか分からない。蝿が飛ぶその辺にキリスト像。掴んで叩きつけ血液うがい。指先にドリルで腕が鎌と斧で顔はプロペラ。つま先で>>続きを読む

昭和残侠伝 死んで貰います(1970年製作の映画)

3.5

三年前に銀杏の木の下で酒と傘。料亭の板前になった若旦那。惚気てばかりの藤純子。初めて見破られた決闘にこだわるも手だけ持っていかれる山本麟一。皿洗いの長門裕之。嫌がらせは当社比控えめで鮮血。頭を胸に抱く>>続きを読む

真昼の決闘(1952年製作の映画)

3.9

錫の星も銃も棄てて怯える。刻々と進む時計。できないのは知っている。拳骨で殴り飛ばして馬の疾走。扉の開閉と真っ直ぐ伸びる線路。静寂の通りを吊り上げて捉える。英雄なんて在りはしない。逃げて隠れて各個撃破。>>続きを読む

昭和残侠伝 唐獅子仁義(1969年製作の映画)

3.5

五年前の果し合い。博奕も喧嘩もしない志村喬。刺されてもかばう山本麟一。当社比控えめな河津清三郎。おお恐っ。手拭いを口で縛りあらかじめ脱いでから殴り込む。あくまで藤純子が命の池部良。終始緊張感がない待田>>続きを読む

渡世人列伝(1969年製作の映画)

4.1

腐っても枯れてもお前を泣かせてまで生き延びたいとは思わない。うわ言の名前。固く手を握る義兄弟。あの世で会いましょう。いつでも呼んでください。恩に着ます。達者でな。見つめ合い穏やかな笑み。青くなる唇。女>>続きを読む

街の灯(1931年製作の映画)

4.6

正面しか見ていない。足をぶつけて何度も水没。口から出てる。それでも帽子であいさつ。捨てられて拾う。素直に引き渡す。とびきりの酒癖と狂った宴から覚めて。本当にどうにかなりそうな拳闘。その午後から日めくり>>続きを読む

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

3.9

旧友のおっさんふたりと犬一匹で車を走らせる。気づけば真っ暗な山奥の森で焚き火。喋るのは身の上とか哲学的な何か。喫茶店で温泉について聞いてみる。やっと水が流れてるのが見える。酒の缶も手放せない。二本ぐら>>続きを読む

直撃地獄拳 大逆転(1974年製作の映画)

4.4

自衛隊の千葉真一。隼の佐藤允。とんちきな郷鍈治。ずっと乗り気な中島ゆたか。総監の池部良。世界の大物な丹波哲郎の秘書は志穂美悦子。停電係の室田日出男。兵器保管庫の山城新伍。そして鬼虎の親分。ツッコミが追>>続きを読む

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