既に海と空を喪失して体当たり自爆を求める宮口精二に反し参謀の三船敏郎は精鋭を集結させる。指一本でも動く限り操縦桿を離すな我々は特攻隊じゃない。燃料を節約し機体を軽くするために遺体も投棄する。特技監督の>>続きを読む
フラッシュのマグネシウムも雷鳴も。一万二千度という太陽ふたつ分の火の玉を同じ人間の六百メートル頭の上に。音速を超える爆風で街中の割れたガラスが飛んで来て針鼠にされる。高熱で瓶はホルンのように曲がり時計>>続きを読む
恥晒しで追放されて名誉に関わり口外できない。ひとりぼっちで寂しくて寒いのにおみゃあさんなんでおらを抱かない。養う力もなく逃げられて凍え死にさせた。別れが来てしまうまでもう少し一緒に旅をさせてほしい。>>続きを読む
昭和二十年八月八日の長崎のなんでもない日常。空襲警報が鳴らない間のささやかな結婚式。お腹にいる赤ん坊。道や川で遊ぶ子たち。めでたく招集が来たのに駆け落ちなんてそれでも男か。捕虜収容所で吹く笛と静かな弦>>続きを読む
ほとんど伊福部昭の音楽が流れてる104分。キリスト教を信仰していない有色人種の非戦闘員の一般市民に毒ガスの何倍も残虐な兵器を使う。診察だけで治療はしていない。ケロイドに紫の斑点と血便でも甘え扱いで嘲笑>>続きを読む
家の外に出て帰ってくる。当たりが強く機嫌が悪い。手榴弾を持ち歩く。婦人科の問診中でも酒を飲む。たばこをふかして洗面所や台所に置く。シャワーを浴びて髪をとかして眼鏡をかける。脱力して真後ろへ倒れる。やわ>>続きを読む
動く貨物車の上で跳んで掴まる。肘で窓を突き破って雷雨の中で鉄棒大車輪。通風口ぐらい余裕でよじのぼって潜入。奇襲の居合も金網と壁を蹴って避けて返り討ち。特訓で生えてる木を折る。目の前で死にゆく姿が焼きつ>>続きを読む
ゴミ捨て場から拾った片目が割れたフランス人形。すき焼きとビール。真昼の公園のブランコ。東京から秋田へ電車で。被害者もまた胞子を着床させる暴力の担い手。浴衣の帯を吊るした梁が崩れて明ける海。
いい気持>>続きを読む
蜘蛛の脚を押さえて背を撫でる。被り上下黒の蠍を鋏で裂く。卓球の卵。娘を手離さない絵描きの父。縛り吊し切創に檸檬汁。自ら首を刺して巻いた包帯。境内の至る所で全裸青姦。心地の良い弦楽。飲んでいると喝采や女>>続きを読む
疾走したり四畳半だったりのコスモスファクトリィ。二重露光で三途の川と紳士の愉しみを往来。台所に立つ。姿鏡の背中。看護師を脅迫強要。病院裏の解体工事。写真を撮らせる。家具と炬燵の赤色。切った葱を投げつけ>>続きを読む
パステルカラーの壁面でピンクのジャズ喫茶とイエローのピアノホール。ブルーのドアと床にグリーンのタイトル文字。金網の外は赤の境界。漆黒の背景に紅の花。石柱と街灯に白の旅立ち。雪原と線路にネオン街。
水>>続きを読む
橋の手前で天国の外側。夏の夜に降る雨。食べさせも殺せもしないどうせ一生だらしない男。辛抱強く執念深い女。別々に真面目に働いても気になって探しに行く。あなた純情ね今頃誰かといいことしてるわよ。
居酒屋>>続きを読む
担当課のたらい回しを延々と。地位と椅子という縄張りを守り毎日書類に判を押すだけの役所事務。市会議員の選挙演説。親父の退職金目当てな金子信雄よりも顔芸が多い志村喬は目をかっ開いて声を震わす。本人不在で酔>>続きを読む
派手に噴き出る血。疲れて穏やかな目をした梶芽衣子。秘密警察の眉毛無し岸田森。保身閣下の安部徹。黒死病にかかる伊丹十三。両目を順に刺されて散弾銃な山本麟一。胸元はだけた医者の原田芳雄。
千本鳥居で暗殺された殿山泰司が血まみれで握っていた花札。何度も命を狙われる顎髭の河津清三郎。遠藤辰雄が風呂覗いてそのまま雪の中を全裸で腕切り落として飛び回る池玲子。助監督は志村正浩で音楽は荒木一郎。>>続きを読む
しんみり仲間を殺されて殴り込み。棺桶から長物取り出す梅宮辰夫。二丁拳銃の菅原文太。横っ跳びする着流しの千葉真一。先生で親父の水島道太郎。どぶ鼠で泥棒猫の河津清三郎。花札投げて目潰しする宮園純子。
海底の冷え切った砂漠に異変。悪夢の東京地震。悲鳴と助けを求める声は届かず目を潰して無惨に黒焦げ。百十万どころではない一億人の難民。灰に埋もれて最後の別れ。帰る土地が消えても民族を愛し信じている。
た>>続きを読む
アイドル歌手と女優。自分で書いていない詳細な日記。買った覚えのない服。水槽に浮く。配達と傘。本物じゃないから。流れる音楽全部よい。
眠れる夢の共有。自由で余裕な林原めぐみ。怯える大塚明夫。肥満の無責任な古谷徹。嫉妬まみれの山寺宏一。続きを急かす田中秀幸。人形の首が侵食する。絵の中に飛び込む。その呼び方やめて。
紙を睨んで作図と計算。ひとりずつ違う動きをする群衆。流れる気体と水滴の粒。舞い上がる火の粉と切れ端。呻く黒煙。不規則に降る雪。凄まじい通り雨。移ろう車窓からの色。本腰を入れて仕事をするために所帯を持つ>>続きを読む
だったぁーひぃーはぁーらっせーらーな音楽。三十年経って街は欲望に身を任せた馬鹿共の吐き溜め。軍の人体実験による制御できない念動力は戦車や橋を破壊し都市を飲み込む。うるせんだよと薙ぎ払う。武装決起する大>>続きを読む
人を殺めたと雨の中傘を差して警察に自首する。ネオンに染まる顔。墓前で屈む。頑固でも心は雪のように綺麗な島田正吾のとっつぁん。嫌がらせ脅し惨い寝そべって宴会三昧な河津清三郎。左腕に巻かれた包帯。どの道奴>>続きを読む
殺めた菅原謙次の妻の三田佳子と坊や。高架下の果たし合いから障子に鮮血と明け方の石切山。駆け落ちして板前になる津川雅彦。笑いながら爆弾ばら撒く眼鏡かけた前髪ありの山本麟一。傘を持って現れて高倉健の肩につ>>続きを読む
遠藤辰雄と天津敏が人間の皮被った畜生。霧の夜に帰ってくる高倉健。もう我慢できない死んで貰うよと藤純子。自ら使い捨てになり街を去るふたりの幸せを願う鶴田浩二。ここには居られなくなったんだ好きなところへ行>>続きを読む
三年前の神隠しとかいう漁村虐殺事件の再現。侍が嫌になり全てを捨てた仲代達矢。必要とあらば血で手を汚す丹波哲郎。あの時から俺は既に死んでいた。今一度生きる為にまだすることが残っている。狂乱の弔い太鼓でふ>>続きを読む
痙攣して全速力で飛びついて噛みにくる物量は暗いと見えない。呆気なく投げつけて肉壁にする。あまりにも直球過ぎる父娘の別れと走馬灯。今日のヒーローはマ・ドンソクだが半分以上過ぎてから見せ場をつくるコン・ユ>>続きを読む
並行して車に轢かれる少年と獣。手話での意思疎通。複数の教師による児童虐待。顔の痣と傷。薄暗い校舎に響く悲鳴に閉ざされた扉の向こうで強姦。泣いて漏らしながら思い出して証言。買収済みの裁判。叫びは放水車に>>続きを読む
松恵の妹が死んで回想。室田日出男のおじちゃんが養子先の案内。刑務所の面会で惚れられて嫁ぐ小学校教師の夏目雅子。段々元気がなくなる正妻の岩下志麻。毎晩妾と歌う仲代達矢は口髭で御前の丹波哲郎に頭が上がらな>>続きを読む
汚職理事が安部徹で日本刀大好きな校長が名和宏の学園。キャバレーの帰りにバイクを蹴飛ばした報復に胴上げされて袋叩きの数学担当は室田日出男。サツなんか関係ねえ馬鹿野郎かかってこい。そのくらいで死ぬんだった>>続きを読む
電車から降りる時に手錠で繋がった刑事な成田三樹夫の右腕を切り落としてぶら下げたまま街中を走りネオン街の墓石で削りながら噛む。埋めてミイラ化して黒犬が咥えて持っていく。雨で増水した下水道を這う。大量の指>>続きを読む
結婚式は軍服。果てしなく広がる墓標。知らない土地の人形工場。窓の外は雨。洗面台の戸棚に収めた。何度目かの発つ列車。もう貴方が居ない別の人生。それでもあの旋律は頭を離れない。
ネバダの荒野にて。じゃんけんで決める便利屋ふたり。家の壁に大量の銃火器を立てかけてる夫婦。その他近所の住人たち。口を開けると追加で蛇が三匹ぐらい出てくる寸胴な地中生物はその辺の車ぐらいなら引きずり込み>>続きを読む
密猟団に女盗賊に性格の悪い傭兵。便器に吸い込まれる。白く膨れた水死体。足を掴まれ引きずられ粉微塵。触手から吐かれた消化途中の意識ある人。丁寧に骨は残す。焼いて撃って景気良く大爆破。やな鳴き声に振り向く>>続きを読む
周りは山と荒野の一本道を猛スピードで追い越す。何度もクラクション鳴らして車間距離詰める。踏切通過待ちを押す。電話ボックスを三度轢いてくる。もう後に引けなくて正面特攻。夕陽が沈んでた。
盗聴器しかけて団地の隣の部屋に張り込むも聞こえるのは他にやることがない堕落した毎日だけ。あんな金玉の腐った奴殴り殺してやりたい。無駄なことに血眼になって偽善者ぶるより女ふたりに囲まれて至れり尽くせりで>>続きを読む
兄の家に帰ってきた妹。困るのよね自分の女だと思って来ちゃ堕ちていくほどお金になるの。妻子持ち四十路と愛人関係。発熱してようと失恋で泣いていようとお構いなし。
