LeeDalyaさんの映画レビュー・感想・評価

LeeDalya

LeeDalya

映画(264)
ドラマ(9)
アニメ(0)

碁盤斬り(2024年製作の映画)

-

題材や質感は良いが、話の繋がりの蓋然性や道理の通し方が甘いなと思って観てたんだけど、これ落語の噺が原典なのね、なるほど。

無名(2023年製作の映画)

4.3

中国映画にしては(そんなに観てないが)思いのほか、作家性の強い作品で、時系列シャッフルと行間でみせる手法が印象的。スパイ活劇という、それそのもののスリルも味わえるが、それよりも汪兆銘政権下の上海という>>続きを読む

悪は存在しない(2023年製作の映画)

5.0

自然をめぐる人間たちの愛や気持ちや議論とは別に、死や理不尽や宗教的な世界線とも繋がる霧深い自然。本作はそのようなパラレルで交わらない構造を捉えつつ、印象的なラストシーンで観る人の頭を真っ白にさせる。車>>続きを読む

貴公子(2023年製作の映画)

4.3

主演の存在感がすべて。明暗併せ持つ独特のヒーローの登場。演じたキム・ソンホは映画初出演。演技に定評はあったが、恐さとエレガントさを併せ持ち、アクションの質も高い。年齢は30代後半ではあるが、韓国ノワー>>続きを読む

コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ー(2022年製作の映画)

4.5

月並みな感想かもしれないが、男性こそ観ておくべき作品だと思った。中絶が許されていなかった時代における女性たちの不安と決断を、臨場感のあるシーンを通して、男性でも一部追体験できるのではないだろうか。>>続きを読む

アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.0

心を鷲掴みにされる力強い作品だけど、作品としては情に流され過ぎた感。

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.5

監督がノーランなので期待したが、IMAXで観るほどの映像的核心性は乏しい。映像と役者がやや豪華なNHK現代史ドキュメンタリードラマという感じ。良作だとは思うが、『イミテーションゲーム』同様、会話群像劇>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.3

殺人推理ものだが、犯人探しは本作の焦点ではなく、夫婦関係や人間の多様性、ロジック至上の愚かさのようなものを問うている。カンヌ仕様の『ゴーン・ガール』みたいな。

当事者夫婦が作家という設定により成り立
>>続きを読む

ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

4.0

スパイものが好きな客層をターゲティングしたジャンル映画。話は少々複雑だけど、映像デザインが良い。あと、クリエイティブでカラフルな格闘シーンは見物。ジョブスリスペクト台詞が挟まれてるところはApple >>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.0

うーん、前作に比べると少々フワッとしてる感あり。ジャンプカット多めで話を圧縮させ、何とか辻褄を合わせた感は否めないかも。長編小説が原作だとそういうのが必要なのかもね。

とはいえ、マキャベリズム全開の
>>続きを読む

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

4.3

アリ・アスター監督自身のフロイト的トラウマ分析みたいな作品だが、どこか親子関係全般に通ずるメタファーのような作品でもあるなと感じながら観ていた。

テレビの早送りやボートの描写は、胸糞映画の古典ともい
>>続きを読む

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

4.0

弱者が生き延びるためには社会的悪事にも目を瞑るべきか否かを問う歴史サスペンス。

脚本の設定が光る。(訳ありの)盲目の鍼師を陰謀うごめく宮廷に放り込むことにより、物事の明と暗、真偽のコントラストが際立
>>続きを読む

WILL(2024年製作の映画)

4.5

野放図と儚さが同居する東出昌大という被写体の面白さを存分に楽しめると同時に、狩猟の迫力や奥深さも味わえる作品。個人的には、獲物を殺して罪悪感を感じる人間と、そうでない人間の違いに特に注目した。

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

5.0

良作です。今の社会に必要なやさしい作品。そして役者たちの名演技。まさにその人物にしかみえない。前作もそうだけど、空気の質感が伝わる映像がこれまた良い。

違う惑星の変な恋人(2023年製作の映画)

4.5

濱口竜介の映画をよりカジュアルにしたような、会話の妙さが印象に残る作品。濱口作品のような文学臭は濃くないが、独特のエモさがあり、観ていて気持ち良かった。

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

5.0

映画館で買ったパンを食べながら観たんだけど、途中で食べれなくなるくらい作品前半は胸くそだったし、美女(エマ・ストーン)の裸体と淫らなシーンにも全く興奮せず、むしろ不快だったが、船上のダンスシーンあたり>>続きを読む

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

5.0

戦争や帝国主義、因習や資本主義の不条理を真正面から批判した激アツの作品。
いや、激アツというには救いが無さすぎで、胸くそが悪すぎる内容だが、観る側にも一種の痛みを負わせるような作品だろう。凡百のアニメ
>>続きを読む

コンクリート・ユートピア(2021年製作の映画)

5.0

面白いけど、笑えない面白さ満載の作品という感じ。なぜかというと、現代資本主義、階級社会、排外主義のメタファーだということが、観ていてすぐ分かるからだろう。そのなかでヒリヒリするくらい"凡庸"な挙動を展>>続きを読む

僕が宇宙に行った理由(2023年製作の映画)

4.0

"お金配りおじさん"としての言動は正直冷笑的に見ていたんだけど、ご本人は実は、至ってシンプルて率直な方であることが伝わる作品でした。やらんとすることが大胆すぎるので、偏見を産むのかもね。(笑)

あと
>>続きを読む

(2023年製作の映画)

5.0

痛快。サイコパスだらけのボーイズラブ。これが意外な説得力。さすがたけし!

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.0

正直、ちょっとあざといなあ(笑)と思いつつ観てたんだが、しかしヴィム・ヴェンダース御大は、いつも鮮やかで、いとをかしい映像に仕上げてくれるので、そこはしっかり堪能させてもらいました。

本作は、ヴェン
>>続きを読む

友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)

5.0

キアロスタミ監督が亡くなった直後にあった特集上映で拝見した。

これまで観た映画のなかで、最もラストが鮮やかな作品でした。

ずっと心に残るであろう至極の一作。

翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~(2023年製作の映画)

-

エンタメとしては面白く観たんだけど…一方で、本作のテーマが地域差別であることに加え、◯◯解放戦線というワードが頻出する点などから、もしかして部落差別が裏テーマにあるのかなと考えてみたが、その可能性は低>>続きを読む

ファニーゲーム(1997年製作の映画)

4.0

アンチ・ハリウッドであり、引いてはアンチ・ドラマツルギーの作品なんだろうけど、個人的には真綿で包むようにゆっくりと、そして責任は相手に転嫁しながら追い詰めて行く昨今の"洗練"された行政のメタファーのよ>>続きを読む

ナポレオン(2023年製作の映画)

-

さすがリドリー・スコット。
映像はピカイチ。
戦争シーンも圧巻。
でも夫婦関係ネチネチ描き過ぎ感…
ポランスキーで観てみたかったかも。

ゆとりですがなにか インターナショナル(2023年製作の映画)

5.0

ドラマ未見だけど十分面白かった。外国人描写は当初ヒヤヒヤしたけど、ギリギリ笑えるところを絶妙に通しているなと思った。さすがクドカン。そして木南晴夏さんの韓国語イントネーションがうますぎて刮目した。(笑>>続きを読む

グランツーリスモ(2023年製作の映画)

5.0

音の良さが半端ない。音だけ聴きに行っても良いくらい。必ずドルビーで観ろ。腹と脳の中枢に響く、鋭い重低音を堪能せよ!

BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)

5.0

原田眞人の作品は、観るものではなく、体感し、キメるもの。完成度を求めるのはお門違い。暴力への哲学を感じるし、痛覚や逃走本能、反骨心なども刺激する。ワルの矜持を描く点はガイ・リッチーにも通じるが、革命の>>続きを読む

ヴィレッジ(2004年製作の映画)

4.5

気がつけば20年近く前に観た作品。世間的には評価低いんだけど個人的にはすごく膝を打った記憶がある作品。この作品に限らず人はだいたい"ヴィレッジ"に生きていると思うんだよね。シャマラン好きだよシャマラン>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

3.8

トム様のキラキラ感喪失が激しく、華が無さすぎて痛々しかった。とはいえ、この歳でもここまで出来るんだ(!)というキング・カズの活躍を観るような嬉しさも同時にあり、色々と不思議な感覚を覚える作品でした。一>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.0

エンタメ性よりも作家性が前面に出ているが、その作家性も作品としてデザインされたものではなく、やや "垂れ流し"感があり、AIが作ったような作品だなという印象でした。とはいえ世界観は嫌いではなく、印象的>>続きを読む

最後まで行く(2023年製作の映画)

5.0

原作の良さを引き継ぎつつ、脚色や日韓カルチャライズにも成功していてお見事。藤井監督画力あるわ。

ちなみに原作は中仏比でもリメイクされるなど人気。

キャラクター(2021年製作の映画)

1.0

ゴヤ表現をここまで凄惨にする意義をあまり見いだせない作品。子供の死体をデコレーションにするなと言いたい。

雄獅少年/ライオン少年(2021年製作の映画)

5.0

ツルッとした絵柄や独特の笑いのリズムに最初は乗れなかったが、終わる頃には心を鷲掴みにされていた。中国のアニメーションは初体験だが、ここぞというシーンの掴みのグリップや鮮やかさは中々のもの。夕空・李白の>>続きを読む

>|