suzuさんの映画レビュー・感想・評価

suzu

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カリスマ(1999年製作の映画)

4.6

解釈としては、なんか神話っぽいなって思った。何千年も生きる命の世話役として、「生命の樹」を生かすか殺すか、世界の采配を巡って神々が争ってるような。神々には感情は無いがそれぞれの理があり、己の理に沿って>>続きを読む

マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

4.5

IMAXで観るか4DXで観るか通常で観るかで評価がかなり変わる映画かと思う。
クソデカIMAXで観たので音と映像の迫力がすごくて胸の鼓動が早まるくらいには面白かった。音とアクションが魅力の体感系の作品
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エクソダス:神と王(2014年製作の映画)

3.5

現代視点で観てみた。移民してきてドンドコ子孫産んであんだけ増えりゃそりゃエジプト側からしたら恐怖。エジプトにはエジプトの文化と神がある。400年間の奴隷生活への報復としての十災は象徴的。エジプトの初子>>続きを読む

流浪の月(2022年製作の映画)

4.5

人と違うのに社会で生きなければならず、人と違うゆえに他者と繋がれない寂しさが主題だったと思う。
人の世に住む我々はみな様々な事情を抱えて生きている。当たり前な事ながら普段は全くそれを忘れて「社会に適応
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君のいた永遠(とき)(1999年製作の映画)

4.0

90年代、金城武、香港と日本が舞台ってもうそれだけで美しいに決まってる。

高校生の恋愛てこんなものよね。未熟なのに真実の愛だと信じて疑わない。後先を考えない若さゆえのほとばしる情熱。しかしその未熟さ
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津軽のカマリ(2018年製作の映画)

4.0

民俗学的価値の高い映像。
津軽弁の韻律ってとても美しくてそれ自体音楽なのだが、それがさらに三味線の音色や労働歌、ねぶたの囃子、イタコの祝詞などによって唄や音色になると自然の「音」と共鳴するようで、聞い
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.5

演技の安っぽさはたしかに見るに堪えなかったけど、「死んでこい」から始まって「生きろ」で終わる物語のメッセージ性はとても良かった。
あと海戦でのゴジラの咆哮、格好良すぎました。
演技はみんな役所広司に倣
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Winny(2023年製作の映画)

3.8

結局なぜ警察が頑なに金子勇を有罪にしようとしてたのかが分からない。内部で何かしらの圧力があったと思われるがそれは一生闇に葬り去られるのか。当時の警察関係者が告発してほしい。
技術を愛したものが技術に触
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.0

「忘れないで」というトキちゃん。
「何も思い出せない」という水木。
戦争の悲劇もあっという間に忘れ去られてしまう。
だから書いて語り継ぐのだと思った。
戦争の記憶は今では都合よく解釈され政治の道具にさ
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ゴジラxコング 新たなる帝国(2024年製作の映画)

3.0

なんか途中から東リベになってた。
モスラは火の鳥みあって可愛かった。

ノスタルジア(1983年製作の映画)

4.5

退廃美!動く絵画!映像詩!陰翳礼讃!
光と音が感覚を刺激して瞑想・催眠状態になる。犬の遠吠え、水の滴る音、緩慢な動き。
形と影が溶け合い、輪郭と光が混ざり合って境界を失い、夢のように幻想的で曖昧な映像
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青い山脈(1949年製作の映画)

3.6

原節子と芸妓の女性があまりにも美し過ぎて目の保養でしたわ。私も大正昭和の女学生になってみたいものですわ。

明治以降のこの時代は脱封建、民主主義、個人の人格という価値が正義だったんだなあ。理性を重視し
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.8

六道巡り×現代アートみたいな作品。夢野久作のような幻惑的な世界観。邦題すごく良いね。直訳でありながら日本的な情感を含んだ響きの言葉の選択。美学は違えど同じものを見ているのだと感じさせる。
さて、進歩と
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

5.0

私も公園でハトとか眺めてニコニコしてしまう質なので平山の淡々とした生活に共感を抱きました。
現代の生活疲れてる人にはおすすめ。リセールバリューを考えて物を買って2年ごとに最新のスマホ買い替えて…ってそ
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.8

なんか、『耳をすませば』のブロマンス版みたいだなって思った。学校の中の僕、学校の外の僕、大人達、成長期、声変わり、卒業、紅。時間も思い出も幻のように過ぎ去り僕も大人になっていく。でも幻なんかじゃない。>>続きを読む

風の電話(2020年製作の映画)

3.8

人生はあまりに不条理だ。
耐え難い苦しみの中を生きている人がいる。失った経験のある人にしかわからない苦しみ。
ずっと闇の中にいるような感覚。
初ヒッチハイクの姉弟の明るさに救われるね。
苦しみを他人と
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.3

「狂ってるのは社会か自分か、それとも両方か」

社会で生きていくということは理不尽なことが多い。生まれや環境でほとんど決まってしまうし、他人や行政に苛ついて失望して殴りたくなる時もあるだろう。でもその
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コクリコ坂から(2011年製作の映画)

3.8

なんか小津安二郎映画のアニメ版を観てるようだった。60年代のささやかな日常という舞台がそうさせるのか、あまり感情を顔に出さない喋り方がそうさせるのか。
開け放した障子窓から海を臨むお祖母ちゃんの和室が
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耳をすませば(1995年製作の映画)

4.8

セリフ覚えちゃうくらい何度も何度も観たジブリ映画。丘の上の静かな住宅街、知らない道、知らない雑貨屋さん、知らない名前、図書館通い、猫の導き、新しい出会い、未熟な自分、姉のいなくなった部屋、夏の夜。何も>>続きを読む

ハウルの動く城(2004年製作の映画)

4.8

いろんな立場のキャラが時空入り乱れて関わり合って交わり合う混沌のストーリーがすごく楽しい!
そしてジブリ映画は動きに本当に魂がこもってる。生きてる人間より人間らしい。そんな細かい動きを見るのもとても楽
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風立ちぬ(2013年製作の映画)

5.0

美学の映画。人の生はかく美しくあるべし。
「僕たちには時間が無いんです」
死の予感、破裂の予感を前にしても、今ある生命の純粋な美には抗えない。

自然が雄大美と脅威を併せ持つように、人の生もまた美しさ
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リズと青い鳥(2018年製作の映画)

4.3

山田尚子監督が好きで、内容何も知らない状態で見たけど、毎度のことながら感性に圧倒される。視界の中で印象的に際立つ仕草や音、色、光。波紋の様にすーっと観るものの感情に響き渡る余韻がある。
お互いに大切に
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ひろしま(1953年製作の映画)

4.2

キツイ内容なのでまだ最後まで観れてないのだけど、冒頭の方で読んでいた本の内容が気になった。
枢軸国であったドイツ人の視点で原爆について書かれた本で、「結局日本人は有色人種であったから原爆の実験台となっ
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ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

3.9

GANTZ×水カンみたいな世界観でとても良かった。キャラデザもハンギョドンみたいでキモ可愛い。

美しすぎる裸婦(2018年製作の映画)

2.9

た、たぶん亀甲縛りにエロス感じるタイプの美学なんだと思う…。変態はすごいや。
忍術使ってるとこはちょっと笑っちゃった。

映画 聲の形(2016年製作の映画)

4.5

てっきり恋愛ものだと思ってたのが全然違ってて良い意味で裏切られた。
自分の行いによって誰かを深く傷つけ、世界と向き合うことができなくなってしまった主人公の悔悟の物語。
罪悪感が憂鬱や自殺までも招いてし
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健太郎さん(2019年製作の映画)

2.0

ストーリーは面白いんだろうけど、視聴者に分からせようとする下手で説明的な演技とセリフで面白さが9割減くらい。

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

5.0

すんごい良かった。絵と色と動きと世界観がとにかく素晴らしい。冒頭四つ足で階段駆け上るアニメーションがすごすぎて、あーー!これぞジブリーー!!って一気に引き込まれた。現実世界がどんどん歪んで異世界に迷い>>続きを読む

カモン カモン(2021年製作の映画)

5.0

最高。こういう「文明が滅びた後の人類の記憶」みたいな作品が大好きだ。
人間が持つ「感情」って本当に得体の知れないもので、波のように押し寄せては心を掻き乱す。怒り、悲しみ、喜び、苛立ち、安堵。他人もこん
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海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)

3.8

め、めんどくせ〜〜〜〜っ!!
サブタイトルは「知らぬが仏」でいいかな?
真実を告げる常識人ピエールがみんなに叩かれまくってんの笑う。
烏丸せつこみたいなボディと、生い茂る緑の中の白い家が目の保養でした
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ヒメアノ〜ル(2016年製作の映画)

3.6

漫画が面白かったので映画はどんなもんだろうと思って観てみたのだが、漫画とはストーリーが違ってた。漫画は生まれながらの異常者が主題だが、映画は悪意が主題だったように思う。
ゆるい日常コメディが淡々と狂気
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犬王(2021年製作の映画)

3.8

なんかこう、全く西洋の影響が無かった頃の日本体験してみたかったなあて思わせられた。
扇子越しに太陽を仰ぐ所作が雅すぎて真似しよ。
しかし散々ロックンロールした後のあの無音の能シーンは美しすぎませんか?

戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)

3.0

国家や時代に抑圧された愛の物語だったわ。
この時代に生まれて戦地に赴き国家に人生と命を捧げなければならなかった若人達に同情する。

地雷を踏んだらサヨウナラ(1999年製作の映画)

3.0

浅野忠信好きだから子どもの頃からずっと観たかったやつででもレンタルビデオ屋にも置いてなくてやっとアマプラで出会えたことに感動。
こういう時代があってこういう方が居たのねという感じ。近代の戦争を振り返る
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砂の女(1964年製作の映画)

4.1

小説とは違う印象だった。小説を読んだ時はヴィクトールの『夜と霧』を連想したが、映画では坂口安吾の『桜の森の満開の下』を連想させるような妖艶な演出だった。暗さの中にある妖しさに焦点が当てられてるようだっ>>続きを読む

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