リトルブラザーさんの映画レビュー・感想・評価

リトルブラザー

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法廷遊戯(2023年製作の映画)

3.9

杉咲花がすげえのと画面の雰囲気がめちゃくちゃ好みだった。ストーリーは消化不良気味。

ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)

3.9

思っていたよりも歴史の残酷さを感じられて良かった。スターリニズムの非人間性をしっかり描いている。作中の男たちの友情ドラマは熱くなる。収容所パートの主要人物は全員見せ場があって素晴らしい。惜しい部分もあ>>続きを読む

アンストッパブル(2010年製作の映画)

5.0

ただただ気持ちが良いほどに恐ろしい雄叫びをあげながら暴走する列車を、二人の漢が必死に止める。銃と鉄道と電話が映画のストーリーを進化させたみたいな話が「サスペンス映画史」に載っていたような記憶があるが、>>続きを読む

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)

4.5

最初はドタバタコメディのような展開だが徐々に広がっていく叙情が終盤爆発するのが圧巻。あとは一気呵成。最後は悟りに至る主人公。良い。

エクス・マキナ(2015年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

PKDっぽいアンドロイドSF。ロボット三原則においてはそもそも人間ってどうやって判断するの?っていう問題があるよなと。最後、エヴァが肌を他のアンドロイドのボディから換装するシーンが良い。ここまで生々し>>続きを読む

私ときどきレッサーパンダ(2022年製作の映画)

4.8

青春のイタさ、呪いでもあり救いでもある家族、自分の中にいる怪物。様々な深いテーマを盛り込みつつ軽快にユーモラスに、荒唐無稽でありつつ絶妙なリアリティを保ちつつ。素晴らしい傑作!

バオ(2018年製作の映画)

4.0

かわいい子供のことを「目に入れても痛くない」とか「食べちゃいたい」とか形容することがあるけどそういった表現は中国やアメリカにもあるんだろうか

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.4

ミミズとか戸締まりとかのファンタジー要素・ギミックは面白いんだが、登場人物に感情移入出来なかった。天気の子の方が好きかな。

カーズ(2006年製作の映画)

5.0

初めて映画で泣いたのが子供の時に見たこれだった。今改めて見ると、レース要素はアメリカのスポーツビジネスの丁寧なパロディだし、ラジエータースプリングスでの物語の展開は西部劇っぽい。荒唐無稽な、ユーモアた>>続きを読む

絞殺魔(1968年製作の映画)

4.4

画面分割に何の意味があるんだよと思っていたら、薄暗い方の画面に写っている物が死体だと、扉を開けた瞬間に判明するシーンで度肝を抜かれた。画面を割ること=切り取ることのメディア性とか、異常と正常の違いは何>>続きを読む

Kids Return キッズ・リターン(1996年製作の映画)

4.9

校庭を自転車でぐるぐる回る。青春という地獄は抜け出せない円環の形をしているのだろうか。なにかを成し遂げようとしても最後はご破算になっちまう。でも、他の北野映画とは違って死んで終わりではない。また何回で>>続きを読む

映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

2.5

演出が好みじゃないのと、なんかこう、「違うだろ!」と。映画についての解釈違いに悶絶しながら見ていた。

インセプション(2010年製作の映画)

4.5

ノーランの映画で一番好き。作品中の概念やガジェットが魅力的だし、夢の中ならではのアクションが素晴らしい。今回再見して思ったのは、ストーリーの中で大きなポイントになっている「後悔・罪の意識」ってのが新作>>続きを読む

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)

4.6

「震災は怪物」という言葉の重さ。自分は震災当時小1で、岩手県の内陸部に住んでたから沿岸の人々に比べれば大きな被害は無かったんだが、避難所とか余震とか停電・断水とか放射線とか、本当に色々なことがあった。>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.7

3時間は長すぎて、終盤以降は入り込めなかった。爆発のシーンは流石のクオリティだが、登場人物に感情移入しづらい。歴史のターニングポイントだけあって、知ってる著名人の名前がバンバン出てくるのがボスラッシュ>>続きを読む

あの夏のルカ(2021年製作の映画)

4.8

とてもコンパクトな映画で、舞台も小さな田舎の町だし、起きる事象も規模の小さなものである(当人たちにとっては切実だが)。たぶん、だからこそ、濃密に感情を揺さぶられてしまうんだろう、後半からずっと泣きなが>>続きを読む

ダンケルク(2017年製作の映画)

4.1

表層的なホラー演出が素晴らしい。映像のクオリティも圧倒的。時系列を乱す必要性はよく分からないし、青年が死ぬのも「?」となる。また、スピルバーグと比較すると戦争のはらわたをそんなに描いてないよねと言いた>>続きを読む

プライベート・ライアン(1998年製作の映画)

5.0

何度も見た。自分はこれのおかげで映画好きになったんだと思う。

ふしぎの国のアリス(1951年製作の映画)

4.5

ディズニーで一番異常な映画。過剰な、ナンセンスな、シュールな映像でとても笑えるし頭がおかしくなる。そしてアリスがめちゃ可愛くて萌える。

ハドソン川の奇跡(2016年製作の映画)

4.3

機長と副機長のコンビがかっこよすぎるんだ。イーストウッドの編集・演出が洗練されすぎてあっという間に終わる。

タクシードライバー(1976年製作の映画)

3.0

今どきは弱者男性っていうんだろうな。あまり共感できなかったし音楽と演出がうざい。

ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.7

殺し屋はマックで栄養補給するしパスポートをジップロックに入れてるし初犯のクライアントには優しい。

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

4.4

メタフィクションっぽい感じの複雑なプロットでなにがしかを暗示しているようにも感じるが、映像もガジェットもポップでそれだけで楽しめる。砂漠の地平線の気持ちよさ。

ある男(2022年製作の映画)

4.4

在日差別とか死刑制度の是非、加害者家族への偏見など社会的・政治的なテーマを散りばめつつ、そうしたレッテルに振り回される人々を丁寧に描写している。ぶっちゃけリベラル左翼のお説教が始まったらどうしようとか>>続きを読む

8 1/2(1963年製作の映画)

4.6

映画は光と影の芸術だと言われるが、本作はその極限に近いのではないか。

ロープ(1948年製作の映画)

4.2

ルパート先生の思想がよくわからんという問題があるものの、よくできたヒッチコック流サスペンスの小品。

インターステラー(2014年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

映像は素晴らしく、特に水だけの惑星はすごいエキサイティングな表現。蓮實重彦とか、ノーランの演出や編集を批判するシネフィルはそこそこいる印象だが、まあそれも(特に今作においては)分かる。冗長すぎるし、印>>続きを読む

MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.6

点数がつけられるような映画なのだろうか。伏線?暗喩?ある種のジェンダー論とか宗教性を読み解くことも可能なのかもしれないが、そういった見方を拒否するかのように衝撃的なイメージで観客をぶん殴ってくる。カル>>続きを読む

スパイの妻(2020年製作の映画)

4.6

演出はいつもの最高の黒沢清。最後の病院のシーンが「CURE」っぽかった。NHKが関わっているからか画面の質感が朝ドラっぽく、らしくないのだが、ふんわり明るい室内で、窓を閉めて暗くして、白黒のフィルムを>>続きを読む

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

3.8

かなり面白いんだが終わり方に納得できず。それは蛇足だろ~。見ててリアルにずっこけた。

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.5

主人公がトイレ掃除に情熱を燃やす無口なおっさんという時点で面白い。仕事してるシーンはプロフェッショナル・仕事の流儀。妙に儀式めいたルーティンの数々とか、癖が強い脇役たちとかもユーモアがあって良い感じ。>>続きを読む

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