リトルブラザーさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

M(1931年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

最後の私刑裁判がマジで凄い。子供殺しが狂人であることは明らかで、近代の法律に基づけば責任能力無しで病院送りが妥当ではあるが、ぶっちゃけその死を願う感情には同意してしまうところがある。今までも最後に悪役>>続きを読む

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

3.8

全てが虚飾だが、映画なんだからそれでも良いのかも。冗長に感じるし、虚しい後味が残るが、映像は美しい。

捜索者(1956年製作の映画)

4.7

ラストシーンが神がかっていて思わず声が出てしまった。

パターソン(2016年製作の映画)

4.4

詩や、バーでの会話、愛する人と交わす言葉、バスの乗客のおしゃべりはそれ自体に注目してみるとやはり面白いもので、同様に日常の生活も映画に撮ったらそれ自体面白いものになっている。インディーゲームの傑作「v>>続きを読む

ミスティック・リバー(2003年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

デイヴが撃たれるシーンはまさにキリスト教の「光あれ」であり、過去と現在の2つの事件によって大きな苦しみを味わった彼にとって、死は救いだったのかもしれない。ジミーは自らの余りに過剰な行動を愛ゆえに、と正>>続きを読む

目撃(1997年製作の映画)

4.8

殺人を目撃するのは「裏窓」だし無実の罪で追われるのは「三十九夜」だし殺された女のネックレスを着けるのは「めまい」だし…。ヒッチコックのサスペンスの後継的な傑作。「ミリオンダラー・ベイビー」見た後だった>>続きを読む

沖縄やくざ戦争(1976年製作の映画)

4.3

やりすぎなくらいハチャメチャなアクションシーンはもちろん、癖の強いキャラクターが揃っていて面白いし、何より沖縄という土地の政治的な複雑さがストーリーに深みをもたらしている。本土が高度成長を遂げている間>>続きを読む

(1954年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

女優の笑顔が非常に愛らしくてまさに純粋無垢という感じなのだが、対する男の方は相当なクズで、このコンビが妙に相性が良い。男は最後狂った女を見捨てて逃げてしまうわけだが、その姿は弱々しく、どうにも憎めない>>続きを読む

上海から来た女(1947年製作の映画)

4.3

短い割に凝った脚本で面白い。鏡の部屋のシーンは切り抜きをsnsで見たことがあったので「これか!」となった。

濡れた欲情 ひらけ!チューリップ(1975年製作の映画)

4.8

ギャンブルとセックスに対する男の欲望の際限の無さと滑稽さが良く表現されている。カットの繋ぎ方、アクションの取り方が天才的で、走るシーンはどれも見る快感に満ちている。

ホーホケキョ となりの山田くん(1999年製作の映画)

4.4

笑いながら見れる。生活の中に妄想が始まるきっかけがあり、それをシンプルな作画の日常シーンから、より書き込まれたイマジネーション豊かな空想のシーンへと繋げて表現されることで、自分自身の生活の中にも見過ご>>続きを読む

現金に手を出すな(1954年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

義理人情に厚くて金払いが良くて少し年食ってるギャングの主人公がカッコいい。最終的に金塊も相棒も失うわけだが、主人公だけ生き延びまた年を重ねていく。老眼鏡もかける。時代遅れかもしれないが、こういう美学は>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.9

進歩すること、成長すること、合理主義が持つグロさと卑猥さがブラックユーモアたっぷりに描かれていた。エマ・ストーンの、精神と身体の不一致の演技は凄まじい。気になった点として、CGを使って描写されるファン>>続きを読む

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

4.6

伊坂幸太郎の殺し屋シリーズの短編集を読んでるかのような楽しさがある。

戦場のピアニスト(2002年製作の映画)

3.8

ノンフィクションということもあり淡々と悲劇的な事件が起きていくので精神的に辛い映画である。主人公と一緒に第二次大戦時のワルシャワを観察していく構成なので歴史の勉強になった。

暗殺の森(1970年製作の映画)

4.9

映像の美しさはもちろん、一人の若者が過去のトラウマと己の弱さからファシズムに取り込まれていく姿が見事に描き出されている。

パーフェクト ワールド(1993年製作の映画)

4.8

終盤はずっと泣きそうになりながら見てた。適当な言葉が浮かばないが、とにかく良い映画です。

間違えられた男(1956年製作の映画)

4.4

ヒッチコックとカトリックの関係はたまに論じられることがあるが、この映画ではそれが強く表れている。人間は原罪と裁きから逃れられないと言わんばかりのストーリー。実話が元とはいえ、普通の日常がサスペンスへ転>>続きを読む

HANA-BI(1997年製作の映画)

4.2

ソネチネの焼き直し感があるし、絵画美術が良くわからんので前半はピンと来なかったが後半の夫婦二人旅が始まるとかなり面白くなる。

山椒大夫(1954年製作の映画)

3.8

ストーリーに魅力を感じなかったものの、ハッとさせられるシーンがいくつもあった。

おもひでぽろぽろ(1991年製作の映画)

4.2

勝手なイメージを投影し/投影されて、それはまた記憶というファンタジーになり思いがけない形で私を縛り付けるのだろう。
田舎住みとしては、田舎を美化しすぎているように感じて居心地が悪かったが最終的にその点
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スウィングガールズ(2004年製作の映画)

3.6

フジテレビっぽい邦画は苦手だな~と思いつつ、ジャズの魅力が伝わってくる映画で楽しめた。

生きるべきか死ぬべきか(1942年製作の映画)

5.0

年末に良いものを見れた。めちゃくちゃ笑ったし、社会状況と家庭内不和と劇中劇を見事に繋いでいく脚本と演出が巧すぎる。

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.0

結構色んなゲームの小ネタがあったんだな。正直演出とか展開はベタすぎてきつかった。家族で見るのはなかなか楽しい。

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

4.7

テロリズムの話かと思ったら(それもあるけど)ヴァーチャルリアリティの話だった。社会の価値観に馴染めず、自分の人生を空虚に感じたり、自分を変えてくれる人間との出会いを妄想したりしたことが実際にあるので、>>続きを読む

この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.5

監督が製作中に読んでいたという、コニー・ウィリスの「ブラックアウト」「オール・クリア」二部作を読んだので再視聴。同書はロンドン大空襲の話なのだが、比較すると戦時の苦しみは共通しているのに戦勝国と敗戦国>>続きを読む

回路(2000年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

黒沢清の演出の上手さは堪能できた。雰囲気は怖いのだが怪異自体はあまり怖いと思えず。スティーブン・キングの小説を読んだ時も同じ感覚だったのでモダンホラーとの相性が良くないんだろうな。同監督の「CURE」>>続きを読む

めまい(1958年製作の映画)

4.6

異様な演出が目立つ。チープといえばそうなのだが、じゃあこれがCGや合成でリアルなつくりにしたら傑作になっていたかと言われると…。

雨月物語(1953年製作の映画)

4.4

霧に分け行っていく小舟、目を覚ますと廃墟になっている家、ぐるっと一回りすると現れる幽霊。現世と幽世の曖昧な境界線をつないでいくカットが印象深い。そして弱いゆえに強く生きた2人の女性。現代から見ても娯楽>>続きを読む

三十九夜(1935年製作の映画)

4.2

男女が手錠で繋がれてから面白くなっていく。短時間で的確に二人のロマンスを描いていくのは流石の監督の手腕だ。最後の手つなぎでニッコリしてしまった。爽やかな終わり方だった。

セブン(1995年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

ラストのモーガン・フリーマンのセリフが良い。どんなにクソッタレな世の中でも、善を信じて悪に立ち向かわなくてはならない。今まで散々世の中の暗部を見て、家族についての後悔を抱え、倦み疲れて仕事を辞める矢先>>続きを読む

かぐや姫の物語(2013年製作の映画)

4.7

時おり提示される異質な立体感、奥行きの概念に陶酔してしまう。
粗っぽい線によって構成された画面は静止していると歪に感じられるがひとたび姫が走りだし体を踊らせれば生の感動を情動を衝動を視る者の目に強く訴
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CURE キュア(1997年製作の映画)

5.0

良くわからないが滅茶苦茶怖い映画。主人公もわかってなさそうなので視聴者もわかるわけが無いわけで。終盤は全部幻覚だったとしてもおかしくない。それにしても主人公と犯人(?)が対話するシーン、基本的に狭い部>>続きを読む