bunrokuさんの映画レビュー・感想・評価

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猿の惑星/キングダム(2024年製作の映画)

3.0

権力の頂点に立つのがゴリラ、それに反発しつつも従うしかないチンパンジー、そして割りを食うのが心優しきオランウータン、そんなヒエラルキーが面白い。人類もエイプも、その辺りは一緒やね。草むした人類の遺跡、>>続きを読む

ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュ(2022年製作の映画)

3.0

素材の重さの割に肌触りは軽く、緊迫した場面の描写もあっさり軽い。主眼はどうやらお母さんの喜怒哀楽にあるようで、そちらの描写は反対にくどくて重い。そんなアンバランスを面白がれるかどうかが評価の分かれ目か>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.5

時の流れのなかで生まれては消える泡沫のような出会いと別れ。その切なさ。誰のなかにも探せばきっとあるはずの、そんな切なさ。それを映画のなかに重ね合わせて観ることができたかどうかで評価が分かれてしまうよう>>続きを読む

辰巳(2023年製作の映画)

3.5

とんがってキレまくる女の子の存在感が凄い。敵役の男の人の目に時折浮かぶ、憎々しいだけじゃない複雑な陰影も印象的。ややくどいけれど、入り組んだ展開にも唸らされ、むかしの東映実録路線を想起させるパワーが充>>続きを読む

エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命(2023年製作の映画)

3.5

排他的な一神教が世俗的な権威を身にまとってしまったときの怖さ。ユダヤ教もキリスト教も(さらにはイスラム教だって)根っこは似たようなもんだと思うんだけど、歴史のなかで反復増大した近親憎悪が後戻りを困難に>>続きを読む

貴公子(2023年製作の映画)

3.0

繰り返されるカッコ付け合戦や、いささかクドい展開に溜息をつきかけもしたんだけど、締めくくり方はなかなか気が利いていて、終わってみれば満足してる私でした。「コピノ問題」が韓国内でどんな風に捉えられている>>続きを読む

ゴッドランド/GODLAND(2022年製作の映画)

3.5

ゆっくりしたパニングや横移動で写し出される雄大苛烈な大自然。国家や宗教のたくらみも、それらに振りまわされる人々の複雑な恩讐も、生も死も、すべてを呑み込んで無かったことにしてしまう大自然のたくらみの前で>>続きを読む

アイアンクロー(2023年製作の映画)

3.5

マニアではないけれど、鉄の爪フリッツ・フォン・エリックは知っている。そんな高名の陰に、こんな悲惨が潜んでいたとは。自分が果たせなかった想いを子に託すっていう世にありがちな親のエゴ。そして強さや勝利に対>>続きを読む

あまろっく(2024年製作の映画)

3.0

庶民的で人情味あふれる明るく楽しい町。ウォーターフロントは美しく、ちょいと足を伸ばせば六甲山。ってなアマ(尼崎)の魅力を無理矢理つめこんたようなご当地映画。ちょっと強引な設定と、いささか詰め込みすぎの>>続きを読む

インフィニティ・プール(2023年製作の映画)

3.5

グロいだけなんじゃないかとあんまり期待してなかったんだけど、アイデンティティの混乱や喪失、そしてそんなカオス的状況への耽溺や嗜癖、といったものが物語の背後に感じられて刺激的。虚脱と敗残の漂うラストがい>>続きを読む

No.10(2021年製作の映画)

3.0

前半のダラダラした展開から突然切り離されたような後半のトンデモない展開。いろいろ意味深な台詞もあって、そこから深読みを誘ってくるような気配もあるけれど、そんなところに足を掬われることなく、ケッタイなも>>続きを読む

ブルックリンでオペラを(2023年製作の映画)

3.5

5人の大人たちがみんな訳ありで、展開も適当にぶっ飛んでいて飽きさせない。作り方によったらもっとハチャメチャなコメディになるところ、グッと抑えてお上品。収まるところにちゃんと収まって、クスクス笑えたし、>>続きを読む

オーメン:ザ・ファースト(2024年製作の映画)

3.0

いやー、なかなかにエグかった。カソリックの影の軍団というか異端の異端というか神と悪魔は裏表というか、部外者には呆気に取られる設定で、これカソリックの人が見たらどう思うんだろ。反カソリックのデモや暴動の>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

原爆の開発者ってことくらいしか知らなかったので、学問と政治や軍事との狭間で苦しむ科学者の苦悩のドラマかと思いきや、「赤狩り」の描写がかなりのウェイトを占めていたのでびっくり。重量級の内容で見応え充分。>>続きを読む

12日の殺人(2022年製作の映画)

3.5

未解決事件と銘打たれているので犯人探しには鼻から答えはなく、だから緊迫感は低めだけど、淡々としたなかに人間ドラマがしっかり盛り込まれていて、見応えはたっぷり。真実を探っていくなかで、探っている側の内面>>続きを読む

Here(2023年製作の映画)

3.5

どう結びつき、どう展開していくのか先の読めない設定や展開がユニーク。森の緑や苔の世界に踏みこんでいくプロセスも面白い。さらには顕微鏡下のミクロの世界まで。現実生活の水平の広がりと自然界の垂直の深まり。>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.5

流石に見応えたっぷり。ただ前作以上に抜粋的だったんじゃないかな。政治やら宗教やら因縁やら生態系やら、あれこれ細々と書き込まれたお話で、原作を読んでる最中にしんどくなってしまったことを思い出す。戦いに次>>続きを読む

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

4.0

サブウェイとかグランブルーとか、初期のベッソン映画にはほんと凄みがあったんだけど、次第に僕の好みから遠ざかっていくようで、だからだんだん観なくなり、今作にも正直あんまり期待してなかったんだけど、これに>>続きを読む

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

3.0

ホラーだと勘違いして鑑賞。ぜんぜん怖くならないのでおかしいなあと思っていたら、しだいにネバネバした情念やそこまでやるかの展開に巻き込まれてハラハラドキドキ。これぞ韓国コンテンツのパワーですね。親子間の>>続きを読む

ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争(2023年製作の映画)

3.5

中学生の頃に見た気狂いピエロの衝撃は忘れられない。これまで知ってるつもりでいた映画とは異形の映画。映画はどこまでも自由なんだと教えてくれた。そんなわけで良くも悪くもゴダールは、いつも僕の頭の片隅に居続>>続きを読む

ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

3.0

小説と現実がクロスするお話っていろいろあったと思うけど、さらにその上を行こうとする工夫があって、面白かった。骨格はよく練られているし、舞台もあちこち飛んでゴージャスだし。ただ観客を楽しませてやろう、笑>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.5

見応えたっぷり。夫婦の言い合いっこのあたり、かなりの迫力。でもなんか言ったら即ネタバレになっちゃいそうなので口チャック。どこの国も一緒かもしれんけど、フランスの裁判も大概やね。(体調が悪く一週間遅れの>>続きを読む

マダム・ウェブ(2024年製作の映画)

3.0

予知能力を持った救命救急士が活躍する物語と思って観に行ったらスパイダーマンの傍流みたいな映画だったのでびっくり。マーベルとDCの区別もつかないアメコミ音痴なので、数多あるアメコミ映画の中でこの作品がど>>続きを読む

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.5

強力で抑圧的な母親にスポイルされた男の破滅に至る悪夢のような道行ってことなんだろうけど、なんだか部分部分がてんでバラバラに弾けていて、物語よりも作者の才気ばかりが押し出されてくるようで、しかもかなり長>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.5

PMSの女性とパニック障害の男性。理解と友情を深め合うなかで、相互の癒しが進んで行く。そのゆっくりした歩みに寄り添うように展開は優しく丁寧。たぶん原作も良いんだろうけど、三宅唱の演出力はほんと素晴らし>>続きを読む

一月の声に歓びを刻め(2024年製作の映画)

3.0

カルーセル麻紀や前田敦子の力のこもった没入型の演技が印象的。ただ、北海道、八丈島、大阪と所を変えての三つのエピソードの絡み合いが僕には今ひとつピンとこず、テーマが拡散してしまっているように思えたのは僕>>続きを読む

傷物語-こよみヴァンプ-(2024年製作の映画)

3.5

今作の吸血鬼はとんでもなく強い。首チョンパに腕チョンパ。そんなわけであたりは血の海。そんな惨状が高校生のいかにもな恋愛模様と隣接し、さらには女吸血鬼の悲しい生きざまにも話がおよぶ。圧巻なのは最後の戦い>>続きを読む

瞳をとじて(2023年製作の映画)

3.5

海に向かって開かれたトレーラーハウスや養老院。時の流れに逆らうことなく淡々と営為する日々。そんな中では過去の経験や記憶なんて、その意義は霧散するに違いない。だから結局、奇跡が起きようが起きなかろうが、>>続きを読む

あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。(2023年製作の映画)

3.0

現代の女子高生が太平洋戦争末期の日本にポンと投げ込まれたらどんな風に感じどんな風に成長するかというお話で、タイムスリップもんとしては趣向に乏しいんだけれど、そのぶん反戦テーマが際立っていて、その訴求力>>続きを読む

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

4.0

バタバタと忙しい日々が続いていたので、静かで控えめな展開が心地よく、でもその落差が大きすぎたのか、前半は眠気との戦いに。回復した後半はじっくり鑑賞できたのだけど、悔しくて悔しくて、もう一回きちんと観た>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.5

絢爛豪華たる美術、自由闊達な撮影、たぶんそのあたり受賞ラッシュなんだろうな。それと音楽、ビヨンビヨンとしていて面白かった。予告編を見ていてなんでこれがR18なのかピンとこなかったんだけど、本編を見れば>>続きを読む

サン・セバスチャンへ、ようこそ(2020年製作の映画)

3.0

もう出会うことがないかもしれないと思っていたウディ・アレンの新作を観ることができて嬉しい。たとえばデラシネ的なロマン・ポランスキーならば、アメリカから逃亡してもヨーロッパがあるさ、だろうけれど、ニュー>>続きを読む

ビヨンド・ユートピア 脱北(2023年製作の映画)

3.5

上手くいく人と上手くいかない人、その違いはどこから生まれてくるんだろう。その前に、まあまあマシな国に生まれることのできた人と、とんでもない国に生まれついてしまった人、その違い、その深い溝。それを埋める>>続きを読む

葬送のカーネーション(2022年製作の映画)

4.5

シリア難民の爺さんと孫の女の子。そんな2人が葛藤を抱えつつ、荒涼としたトルコの大地を背景に、シリアとの国境を目指すロードムービー。汚れたフロントガラス越しに写し出される結婚披露のお祭り騒ぎ、そして白馬>>続きを読む

アンブッシュ(2021年製作の映画)

3.0

力のこもったカットが無数に(はオーバーだけど)積み重なって迫力は満点。でも結局はごく狭いエリアでのドンパチだし、全体の布置や作戦がいまひとつ分かりにくいので、メリハリにはいささか欠けていたかな。装甲車>>続きを読む

アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)

3.0

CGだからやりたい放題ではあるんだろうけど、かなりの広角でグィーンと人物を追っかけたり引いたり、そんなカメラの動きが面白かった。DC系の映画はあんまり見てないんだけど、CGの進化というかCGのライブへ>>続きを読む

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