bunrokuさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

4.0

バタバタと忙しい日々が続いていたので、静かで控えめな展開が心地よく、でもその落差が大きすぎたのか、前半は眠気との戦いに。回復した後半はじっくり鑑賞できたのだけど、悔しくて悔しくて、もう一回きちんと観た>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.5

絢爛豪華たる美術、自由闊達な撮影、たぶんそのあたり受賞ラッシュなんだろうな。それと音楽、ビヨンビヨンとしていて面白かった。予告編を見ていてなんでこれがR18なのかピンとこなかったんだけど、本編を見れば>>続きを読む

サン・セバスチャンへ、ようこそ(2020年製作の映画)

3.0

もう出会うことがないかもしれないと思っていたウディ・アレンの新作を観ることができて嬉しい。たとえばデラシネ的なロマン・ポランスキーならば、アメリカから逃亡してもヨーロッパがあるさ、だろうけれど、ニュー>>続きを読む

ビヨンド・ユートピア 脱北(2023年製作の映画)

3.5

上手くいく人と上手くいかない人、その違いはどこから生まれてくるんだろう。その前に、まあまあマシな国に生まれることのできた人と、とんでもない国に生まれついてしまった人、その違い、その深い溝。それを埋める>>続きを読む

葬送のカーネーション(2022年製作の映画)

4.5

シリア難民の爺さんと孫の女の子。そんな2人が葛藤を抱えつつ、荒涼としたトルコの大地を背景に、シリアとの国境を目指すロードムービー。汚れたフロントガラス越しに写し出される結婚披露のお祭り騒ぎ、そして白馬>>続きを読む

アンブッシュ(2021年製作の映画)

3.0

力のこもったカットが無数に(はオーバーだけど)積み重なって迫力は満点。でも結局はごく狭いエリアでのドンパチだし、全体の布置や作戦がいまひとつ分かりにくいので、メリハリにはいささか欠けていたかな。装甲車>>続きを読む

アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)

3.0

CGだからやりたい放題ではあるんだろうけど、かなりの広角でグィーンと人物を追っかけたり引いたり、そんなカメラの動きが面白かった。DC系の映画はあんまり見てないんだけど、CGの進化というかCGのライブへ>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

4.0

勝手な推測だけど、カウリスマキが久しぶりにメガホンを手にしたきっかけは、おそらくロシアによるウクライナ侵攻にあるんじゃないかな。いつまでたっても歴史から学ぶことなく同じ愚ばかりを繰り返している政治の悲>>続きを読む

エクスペンダブルズ ニューブラッド(2023年製作の映画)

3.0

後半は船のなかでのアクションシーンの連続で、ということはスタジオのセットのなかでの撮影がほとんどなわけで、それもあってかちょっとチマチマこじんまりした印象。このシリーズを観るのは初めてで、これまでなん>>続きを読む

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.5

暴力的なシーンをカーテンの隙間からチラリと見えるに留めたり、再会シーンを扉や窓のフレームを上手く使った構図のなかに収めたりと、造りは上品かつ端正。ふたりの友情の描き方も性的なニュアンスを避けてさりげな>>続きを読む

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

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オープニングの長回しはワクワクしたし、カンガルーのエピソードには今後の展開を予感させる不気味さがあったし、どこか剣のある母親もなんだか怖かったし、降霊ドープで行っちゃってるときのヒロインの瞳がネコみた>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

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ミニマルに繰り返される日々の営みは観ていて気持ちいい。それを彩る読書も素敵。でもなんといっても印象的なのは、爛熟を通り越した日本のコンビニエントな文化に水を差すようなフィルムカメラやカセットオーディオ>>続きを読む

翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~(2023年製作の映画)

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僕は埼玉に足を踏み入れたことがなく、だからまったく土地勘がないんだけど、だから大宮と浦和がなんであんなに必死になって綱引きをしているのか、訳がわからなかった。反対に関東の人にとっては、関西の府県がどん>>続きを読む

ほかげ(2023年製作の映画)

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塚本晋也のこだわりの強さが全編を貫いていて、面白いとか面白くないとか、そんなお気楽な言葉は早々に萎えてしまう。独特の手持ちカメラや、ややくどかったり明暗が変転したりする編集など、ワンマン映画ならではの>>続きを読む

ティル(2022年製作の映画)

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伝記的・啓蒙的な物語なので変な作り込みはできず、だから映画的なワクワク感にはいささか欠けるんだけど、描かれる事件が事件なので、心への響きは重い。事件が起こったのは1955年のことらしいが、考えてみれば>>続きを読む

市子(2023年製作の映画)

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ちょっと無理も感じてしまう展開だけど、ほんとよく出来たお話で、時制を操るシナリオもキレが良く、なにより演出と演技がずば抜けて素晴らしい。撮影もいいな。行方の分からぬ人物を追っかけて行くうちに過去の苦渋>>続きを読む

ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

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ファンタジーっぽい映画はどっちかというと苦手なんだけど、CGが素晴らしいし、お話もよく出来てるし、ミュージカルナンバーも耳に優しく、童心に戻って楽しめました。フラミンゴが飛び立つシーンが印象的だったか>>続きを読む

バッド・デイ・ドライブ(2023年製作の映画)

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展開にはかなり無理があるように思うんだけど、そんな無理を楽しめるかどうかが評価の分かれ目かな。種明かしには笑えるし、僕はそれなりに楽しめたんだけど、ついつい「96時間」と比べてしまって、ちょっとしみじ>>続きを読む

ナポレオン(2023年製作の映画)

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とんでもなく波乱に満ちた、そしてとんでもない波乱をヨーロッパにもたらしたナポレオン・ボナパルト。その半生を、たった158分にまとめ上げる手腕に感嘆。もちろんちょっと端折りすぎかなと思うところとか、ちょ>>続きを読む

エクソシスト 信じる者(2023年製作の映画)

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市井の人々の協力によってエクソシズムに取組むというお話で、神父さんの影が薄かったのが印象的。悪霊憑きをカトリックの範疇に閉じ込めず、世界のあちこち、いろんな宗教のもとで起こりうることなんだよ、というス>>続きを読む

(2023年製作の映画)

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秀吉・秀長・黒田の三馬鹿トリオ、そのアドリブっぽい脱力系の演技、信長の無茶振りっぽいハイテンションの演技、キム兄のすべらない話っぽい演技、いろんなタイプの演技が重なりあって味覚は複雑。そこを僕は面白い>>続きを読む

ロスト・フライト(2022年製作の映画)

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不時着してみればゲリラが支配する怖〜い島だった。なるほど、よく思いついたもんだな、こんなお話。こりゃひょっとすると凄い映画かもしれないぞ、と思って観たんだけど、まあそれなりに面白い映画でした。A級、B>>続きを読む

理想郷(2022年製作の映画)

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都会と田舎、インテリと非インテリ、その確執と対立。普遍的なテーマだけど、この映画、脚本も台詞も演出も演技も撮影も音楽もすべてが完璧で圧倒的。あかんのはワンちゃんだけで、もうちょっと頑張って欲しかった。>>続きを読む

緑色の部屋(1978年製作の映画)

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観る機会をこれまで幾度も逃し、このたび初見。大いに戸惑いを感じる内容だったので、山田宏一さんによるインタビューを探して読んでみたんだけど、ホラー映画、ジャンル映画への言及はあるものの、アントワーヌ・ド>>続きを読む

黒衣の花嫁(1968年製作の映画)

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ほんと久しぶりに再見。せっかちなんだけど、ほんのりと粘着。そんなトリュフォーならではの軽やかな展開を久しぶりに堪能。「恋のエチュード」「華氏451」が僕の偏愛するトリュフォーなんだけど、これもまた捨て>>続きを読む

私がやりました(2023年製作の映画)

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MeToo運動を茶化したみたいなお話で、こんなふうに倫理をちょいと捻って見せるのはさすがフランス映画のお家芸だなあと感心。ただ舞台中継を見ているような台詞中心の展開がちょっとしんどくて、ああここで笑わ>>続きを読む

花腐し(2023年製作の映画)

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ピンク映画界、ひいては日本映画界へのレクイエム。破滅願望っぽいマイナスの吸引力がいささか強くて息苦しいが、そこに込められた作者の切実な思いが心に沁みる。ひとりの女を巡るふたりの男の乖離と親和のやり取り>>続きを読む

ドミノ(2023年製作の映画)

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先の読めない展開で、こんなにワクワクしたのも久しぶり。こんなお話をひねり出す、稚気と腕力に感嘆。種明かし的な部分には笑ってしまったけど、そんな脱力感も含めて大いに楽しめました。続編できたら嬉しいけど、>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

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終戦直後を舞台にというアイディアは原点帰りのようで面白い。プラスをゼロにするんじゃなくゼロをマイナスにするってのも面白い。でもね、傲慢や虚栄のシンボルみたいな高層ビルやタワーや高速道路をぶっ壊すのに比>>続きを読む

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

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「ニューアジア」の田園風景の美しさ。その上をレーザー光線?を照射しながらゆっくりと飛行していく「欧米側?」の破壊兵器のカッコよさ。そんなビジュアルが嬉しい。それにしても「ニューアジア」の版図や政治体制>>続きを読む

SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

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世界でいちばん住みやすい国と言われているらしいフィンランド。そんなフィンランドにも潜んでいる底なしの暗部を描いた警察小説、ジェイムズ・トンプソンのカリ・ヴァーラ警部シリーズを少し前に読んでたので、フィ>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

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スコセッシの力の入り具合が半端ない。ストーリーを追うだけなら2時間のエンタメに仕上げることも出来ただろうに、本気印のこの長さ。国の歴史の一コマを、きちんと映画で残しておこうという使命感のようなものを感>>続きを読む

(2023年製作の映画)

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暗部から目をそらしてきれいごとで済ましてしまいがちな世の風潮や、その上に立って成立している表現。それらへの自重と弾劾が幾重にも重なって、表現論としてもかなり鋭く重たい。それに沿うかのように、夜の施設の>>続きを読む

大いなる驀進(1960年製作の映画)

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東京から長崎まで驀走する1960年の特急さくら。その中で繰り広げられるグランドホテル形式のドラマ。こんな映画まったく知らなかったんだけど、YouTubeで期間限定で提供されているのをたまたま見つけて鑑>>続きを読む

ルー、パリで生まれた猫(2023年製作の映画)

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かっわいい!だけの映画じゃなく、それなりの思想を含んだ展開なので、きちんと受け止めなくてはいけないなあとは思うんだけど、これはちょっとどうだかなあ。ペットとして育った猫ちゃんが野生の生活に入っていくこ>>続きを読む

熊は、いない/ノー・ベアーズ(2022年製作の映画)

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反国家的存在と見做されて映画作りを禁じられているパナヒ。それに反逆してゲリラ的に映画作りを続けているパナヒ。そんなパナヒをパナヒ自身が演じているもんだから、フィクションと分かっているのにドキュメンタリ>>続きを読む