bunrokuさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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大いなる驀進(1960年製作の映画)

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東京から長崎まで驀走する1960年の特急さくら。その中で繰り広げられるグランドホテル形式のドラマ。こんな映画まったく知らなかったんだけど、YouTubeで期間限定で提供されているのをたまたま見つけて鑑>>続きを読む

ルー、パリで生まれた猫(2023年製作の映画)

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かっわいい!だけの映画じゃなく、それなりの思想を含んだ展開なので、きちんと受け止めなくてはいけないなあとは思うんだけど、これはちょっとどうだかなあ。ペットとして育った猫ちゃんが野生の生活に入っていくこ>>続きを読む

熊は、いない/ノー・ベアーズ(2022年製作の映画)

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反国家的存在と見做されて映画作りを禁じられているパナヒ。それに反逆してゲリラ的に映画作りを続けているパナヒ。そんなパナヒをパナヒ自身が演じているもんだから、フィクションと分かっているのにドキュメンタリ>>続きを読む

春画先生(2023年製作の映画)

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春画と出会い、その魅力に目覚め、その世界に身を投じていく、そんなお話かと思っていたんだけど、ちょっと違い、後半は別に春画を持ち出さなくてもいいような展開に。性のあれこれを抑圧から開放していく契機として>>続きを読む

アンダーカレント(2023年製作の映画)

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抑制の効いた語り口、絶妙のキャスティング。今年のベストの一本ですね。でもなんといってもストーリーが絶妙。原作を読んだのは10年以上前だと思うけど、ほんと素晴らしくて、幾度か読み返した思い出があります。>>続きを読む

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

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最終作なのでゴージャスにイタリア紀行。シチリアあたりの悪い奴らもパワーアップで、対するマッコールの殺陣もそれに劣らずパワーアップ。ホームセンターの仕事が引けてのち、カフェで寛ぎながら文学全集を読み耽る>>続きを読む

ヒッチコックの映画術(2022年製作の映画)

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ヒッチコックの言葉をコピペしたようなナレーションが、ヒッチコックに成り切ったようなナレーターの語りで全編を覆う。語りは単調で、章立てはされているものの構成はいささか散漫。カットの組み立て方とかシーンの>>続きを読む

ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

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シリーズ完結おめでとうございます、と思ったら、エンディングクレジットの最後にまさかのオマケ映像。初志貫徹、最後まで見守ってあげて下さい。ふー、それにしても長かった。サービス精神旺盛すぎて、ひとつひとつ>>続きを読む

ジャン=リュック・ゴダール 反逆の映画作家(シネアスト)(2022年製作の映画)

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私にとってゴダールはやはり特別な存在で、その変遷(政治に寄りすぎたりアートに傾きすぎたり)にびっくりしたりがっかりしたりも含め、ずっと目の離せない存在でした。そんなゴダールの歴史がコンパクトに上手く纏>>続きを読む

沈黙の艦隊(2023年製作の映画)

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原作はときどき目にするくらいで熱心なファンではなかったんだけど、それでも大まかなストーリーは知っていて、こんな大風呂敷、はたして日本映画で再現できるんやろかと疑心暗鬼での鑑賞に。ところがどっこい、素晴>>続きを読む

BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)

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わっ、カッコつけてる、あっ、笑わそうとしてる、そんなサービス精神が満載で、悪い奴らがいろいろ入り乱れ、あれこれ人と人との複雑な綾もあり、警察内部のゴチャゴチャもあったりと、登場人物がかなり多くてちょっ>>続きを読む

バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

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ケイト・ブランシェット、TARのあとの息抜き映画かと思ったら製作年はTARの前なんですね。しかもこれまた人間的な訳ありを抱えた天才の物語。こんなのばかりに出ていたらフツーのおばさん役ができなくなりゃせ>>続きを読む

ウェルカム トゥ ダリ(2022年製作の映画)

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ダリの奇人変人ぶりもおやおやだけど、その妻ガラのとんでもぶりもなかなかのもんで、そんなふたりのプラスとプラスが反撥しあいながらも別れがたく粘着していることで生まれる爆発力。そんな危うい現場に凡人は近づ>>続きを読む

名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊(2023年製作の映画)

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せっかくのベネチアなのに陽光に背を向けた密室劇だったのでちょっと残念。たくさんの人がいて、そのなかのいったい誰が犯人でしょうというのがパターンなんだから、密室劇になるのは仕方ないんだろうけどね。パター>>続きを読む

ヒンターラント(2021年製作の映画)

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わざとらしく傾いた構図、絵画であることをことさら強調するような背景美術、そんな人工的な、表現主義的な描写が延々とつづく。しかもお話はかなりに重く暗い。なわけで私は、どんよりした檻のなかに閉じ込められた>>続きを読む

6月0日 アイヒマンが処刑された日(2022年製作の映画)

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アラブ系イスラエル人の少年の物語、収容されているアイヒマンを混乱しながら警護する警察官の物語、ゲットーや収容所での体験を語り継いでいこうとしているユダヤ人の物語、とかなんとか、視点やトーンや場所や時間>>続きを読む

ほつれる(2023年製作の映画)

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随所に上手な台詞や演出があって、見応えたっぷり。もちろん夫婦ふたりの切れ味するどい演技あってのことなんだろうけど、この監督の才能をたっぷりと堪能できました。モラハラ的な気持ち悪さ満載の夫、そんな夫への>>続きを読む

私たちの声(2022年製作の映画)

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オムニバスってのは印象が拡散してしまうんで観るのが難しいんだけど、これはなかなか力作揃いで面白かった。どれが良かった云々とどうしても比較が生まれてしまうんで、作ってる人の力の入り具合もひとしおだろう。>>続きを読む

こんにちは、母さん(2023年製作の映画)

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大企業のリストラやホームレス問題といった資本主義の宿痾、そして戦争末期の東京大空襲の惨禍、そんな社会派っぽいあれこれが下町の人情劇のなかに放り込まれていて、しかも往年の松竹映画や寅さんシリーズをふと思>>続きを読む

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

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この監督の映画はいくつも観てるけど、どういうわけかどれもこれもピタッとこないというか、離人症的な感覚でしか捉えられないというか、でもけっこう人気がある監督みたいなので、これを面白がれないのは感度が錆び>>続きを読む

フェイシズ(1968年製作の映画)

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寄り気味が多い手持ちカメラ、そして窮屈な舐めカット。ハリウッド的な洗練されたカットには背を向けたような居心地のわるいカットがギクシャクと続く。なんといったらいいか、その素人っぽいギクシャク感が異化効果>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

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僕はバラエティ番組のコントみたいなオーバーな演技と演出で笑いをとる映画が洋の東西を問わず苦手なんだけど、これはまさにそのツボにぴたりとはまる苦手映画でした。バービー人形のファンであった過去を待つ人には>>続きを読む

君は行く先を知らない(2021年製作の映画)

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イラン映画はよく喋る。僕はそれを面白いと思う方だけど、うるさいなあと思う人がいるのも知っている。はっちゃけた子供の演技をうるさく思う人がいるのも知っている。でも僕にはそれが面白かった。どこに行き着くの>>続きを読む

クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男(2019年製作の映画)

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面白くは観たけれど、関係者による賛美につぐ賛美で、まるで聖なる遺影を取り囲んでの懐旧談みたい。不思議に感じたのは、タランティーノ本人へのインタビューがなかったこと。後半にワインスタイン事件についてちょ>>続きを読む

ぼくの小さな恋人たち 4Kデジタルリマスター版(1974年製作の映画)

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少年期、そして性の目覚め。断片的なエピソードがフェードアウトしながら連なっていく。その瑞々しさ、そのリズム。僕はすっかり魅了され、この映画大好きに。少年期はいつしか終わり、挫折に満ちた大人の世界にちょ>>続きを読む

サンタクロースの眼は青い(1965年製作の映画)

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「わるい仲間」がぶらついていたのはパリだったけど、これはどっか地方都市。でも都会も田舎も変わらない。若い男の頭の中に渦巻くのは女を求める気持ちばかり。「男性・女性」の余ったフィルムで撮られたんだよ、な>>続きを読む

わるい仲間(1963年製作の映画)

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仕事もなく金もなく、でも女を求める気持ちだけはたっぷり抱えて街をうろつく男たち。切なくかわいい。ヌーヴェルヴァーグによって切り開かれた街頭に足を踏み入れる精気溢れる手持ちカメラ、何撮ってんのやろとばか>>続きを読む

クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

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こりゃちょっとお手上げざんした。あれこれやってることが未来に繋がるみたいに言うんだけど、僕にはちんぷんかんぷん。自傷行為や身体変形損傷症候群とでも言いたくなるような現実にある風潮の拡大的な延長なのか、>>続きを読む

イノセンツ(2021年製作の映画)

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テレパシーやテレキネシスといった超能力の芽生え。それによる混乱や暴発や自責。そしてまわりに分かってもらえないもどかしさ。そんな少年少女の心の痛みが切々と伝わってくる。主眼はそっちのようで、だから展開の>>続きを読む

リボルバー・リリー(2023年製作の映画)

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陸軍と海軍が喧嘩するお話で、まあそれはそれとして面白いっちゃ面白いけど、陸軍のバカさ加減が際立ちすぎていて、こんな奴らに引きずられて日本は先般の戦争にはまり込んじゃったのかと思うと、国としてのあまりの>>続きを読む

猫と、とうさん(2022年製作の映画)

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ネコ動画でバズって儲けたよ、みたいなパートには吐き気がしたけれど、SNSを通して地域ネコを支える支援をアピールするというパートもあったんで、まあバランスはとれてたかな。それと男は犬派であるのが普通みた>>続きを読む

アウシュヴィッツの生還者(2021年製作の映画)

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あまりにも出来すぎたお話に思えたんだけど「事実は小説より奇なり」とはこのことですね。多少の脚色はもちろんあるんだろうけど。これまでも強制収容所から生還するお話はいろいろあったけど、たんに良かったね、だ>>続きを読む

ジェーンとシャルロット(2021年製作の映画)

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カメラを向ける人もカメラを向けられる人もともども魅力的で興味をそそられる人物なので、その二人の関係のなかのあれやこれやが映し出されるとなると、こりゃ観るしかないわな。で、母と娘のあれこれもなんだけど、>>続きを読む

インスペクション ここで生きる(2022年製作の映画)

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えらくストレートな展開。もっと怖いことが起こるんじゃないかと身構えていたんだけど、案外さらりと観ることができて、案外さらりと感動できる映画でした。ゲイゆえの生きづらさ、求めても埋まらない母子の断裂。そ>>続きを読む

658km、陽子の旅(2023年製作の映画)

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電車に乗せるという選択枝もあったはずなのにヒッチハイクにこだわったのは、ロードムービーをやりたいということ以外、福島の海岸を写したいということもあったんだろうな。そのほうが海外向けにもちょいと意味付け>>続きを読む

シモーヌ フランスに最も愛された政治家(2022年製作の映画)

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哲学者じゃない方のシモーヌヴェイユの愛と闘いの半生記。フランス、ドイツ、アルジェリア、イスラエル、そしてアウシュビッツ。時代を行きつ戻りつ。時代考証も丁寧(知らんけど)で、ニュース映像も上手く利用(分>>続きを読む