bunrokuさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

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ちょいと顰蹙を買ってしまいそうな設定、いささか雑な展開、それなのにかなり面白かったもんだから、未見だった前作をその日のうちにDVDで続けざまに鑑賞。なわけで整理能力に欠けた私の頭のなかは2本の映画が混>>続きを読む

生きる LIVING(2022年製作の映画)

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ついついオリジナルと比べながらの鑑賞になってしまうので没入感に欠け残念。そうは言ってもオリジナルをきちんと覚えてるわけじゃなく、ちゃんとした比較なんて出来ようはずもない。したがって、あまりにザル状態の>>続きを読む

トリとロキタ(2022年製作の映画)

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好きなダルデンヌ兄弟の映画なんでずっと楽しみにしてたのに、昼間の疲れとほんのちょっと口にしたアルコールのせいで前半ちょっとうとうと。中盤からはしっかり観れたけど、悔しいのでもっぺん観に行きます。まずは>>続きを読む

マッシブ・タレント(2022年製作の映画)

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かなり雑っちゃ雑だけど、御大はのびのび楽しそうに演じてるし、CIAのアホさには笑えるし、ほのぼのした気分に浸れます。でもさすがハリウッド映画、後半はグイグイとギヤが上がって一気呵成の展開に。そんなんな>>続きを読む

イタリア旅行(1953年製作の映画)

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こじれにこじれた関係を持て余しているロンドン在住の御夫婦がイタリア旅行に出向きました。はたしてそこで、いったい何が起きたでしょう、ってなシンプル極まりないお話で、嫉妬や軽蔑が渦巻くところ、ゴダールの「>>続きを読む

ロストケア(2023年製作の映画)

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犯罪の陰には涙ありってわけで、悲しく辛い犯罪者の過去が情感たっぷりに描かれる。でもそこから連続殺人者になっていくには、自己陶酔的だったり自己肥大的だったりする病的な正義感の誕生が欠かせないと思うんだけ>>続きを読む

コンペティション(2021年製作の映画)

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映画監督と2人のベテラン俳優、その3人が繰り広げるエゴ戦争。はてさてその結末は、ってなお話で、あっさり味を好む僕にはちょいと胃のもたれる展開ではあったけど、3人のなかの誰にも感情移入させないような作り>>続きを読む

オレンジロード急行(1978年製作の映画)

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海賊放送に興じているヤングたちも自動車泥棒を繰り返しているシルバーカップルもみんな緩くていい加減。全編を貫くそんな緩さが心地よく、ほのぼのと幸せな気分に充たされる。こんなお話を作り上げる大森一樹の才能>>続きを読む

風の歌を聴け(1981年製作の映画)

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今はもう跡形もない西宮球場。震災に襲われるなんて夢にも思うことのなかった神戸の街並み。40年ぶりに映画館で見ることのできたフィルムは赤ちゃけてしまっていて、時の流れの切なさがいや増して迫ってくる。存在>>続きを読む

テイク・イット・イージー(1986年製作の映画)

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吉川晃司3部作のフィナーレを飾る大傑作。日活ニューアクションやマカロニウェスタン、そしてベルモンドのアクションコメディ、それらのエッセンスをてんこ盛りにして手際よく捌いていく大森監督の手腕に改めて感嘆>>続きを読む

小さき麦の花(2022年製作の映画)

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土を耕して麦やトウモロコシを収穫し、土をこねて固めてレンガを作り、夫婦ふたりで家まで作ってしまう。まるでほんとに二人がそこで暮らしてるように思えてくるのが凄い。そう思わせるのが映画のマジックだろうから>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

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まったくどうでもいいようなお話をここまで無茶苦茶に引っかき回してぐちゃぐちゃにして2時間以上もたす奇想と腕力は凄いと思うけど、いささかくどいし、あたしゃ途中で飽きちゃって、勝手にどこへなと飛んで行きな>>続きを読む

エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

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メンタルな問題や人種差別の問題、そんなビターな内容を、イギリス映画(だけじゃないだろうけど)ならではのチーム愛で優しくコーティング、さらには映画やフィルムや映画館へのたっぷり過ぎる愛でダブルコーティン>>続きを読む

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

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自伝映画ってのも微妙なありようだな。自分の過去を他人に演じさせて、そのとき、「記憶のなかに存在している自分」と「他人が演じている映画のなかの自分」との間に乖離が生じるのは当然で、どこまで包み隠さずに描>>続きを読む

ワース 命の値段(2019年製作の映画)

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こんな地味なそして今なお生々しくもあるであろう物語をきっちりとエンタメに仕上げるなんて、アメリカ映画はやはり凄い。被災家族が次々と心情を吐露するカットなんて、もちろん俳優が演じているんだろうけれど、と>>続きを読む

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

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社会階層や貧富や老若や美醜やジェンダーなど、さまざまな局面に内包された如何ともしがたい上下関係、それらをまとめて一気にひっくり返してやろうという強引な物語で、笑いを誘うシーンも満載だし面白いっちゃ面白>>続きを読む

FALL/フォール(2022年製作の映画)

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これ最高!!早くも我が今年度ベスト10入り確実の一本が決定。単純なシチュエーションに縛られたお話なので正直あんまり期待してなかったんだけど、次々に繰り出されるアイディアの豊富さを堪能。人物設定にも工夫>>続きを読む

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

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吸血ならぬ食人の血族。はたしてこれ、新たなる伝説となるや。くらべるとちょいとエレガントさに欠けるのが難点かな。そしてとことん血まみれの逃避行。アメリカの地図が頭に入ってる人には幾つもの州を跨いでの道行>>続きを読む

別れる決心(2022年製作の映画)

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ツルツルお肌の岩山や海岸の干満差。そんな卓抜なアイデアや見せ場が満載で、登場人物たちも取ってつけたような変な仕草やエピソードで色を添え、サービス精神はてんこ盛り。でもなんだかなあ、これって分かりにくく>>続きを読む

対峙(2021年製作の映画)

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白熱の台詞の応酬とそれを支える迫真の演技合戦。こりゃ凄い。元は舞台を念頭に置いて作られたお話なのかな?でも舞台と違って役者の表情の微妙な動きをアップで見ることができるので迫力は倍増。鉄条網(だったかな>>続きを読む

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

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フィンランドのインテリ志向のお嬢さんとロシアのガサツ傾向の勤労青年、いろんな意味で鼻っから肌が合わないであろう二人の道行。埋まりそうで埋まることのない、その溝が切ない。これは2021年の作品みたいだけ>>続きを読む

シャドウプレイ 完全版(2018年製作の映画)

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面白くは観たんだけど、なんだかゴチャゴチャした展開で、時制もあっち飛びこっち飛びで、手持ちカメラもいささか落ち着きに欠けていて、ちょいと疲れてしまいました。そんななか、若い刑事がどんなときにも爽やかさ>>続きを読む

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

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僕にも友達との仲がこじれた過去があるので、最初の方はなんとなく我が身に即して眺めていたんだけど、ぐいぐいととんでもない展開になってきて口はあんぐり。面白いかどうかは別にして、凄い映画でした。そこにアイ>>続きを読む

そして僕は途方に暮れる(2022年製作の映画)

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追いつめられたり怒られたりしたらすぐ逃げる。その逃げっぷりが秀逸。ほんとにもう、と呆れながらも随所で身につまされちゃいました。それにしてもこの作者、時代の気分や世相を取り込むのが上手いですね。それと撮>>続きを読む

ヒトラーのための虐殺会議(2022年製作の映画)

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ナチスの強制収容所ものはなるべく観るようにしてるんだけど、これには参った。ここに描かれているのは身体的な暴力ではなく、その底に流れる観念的な暴力。だからより怖い。ある民族の存在をそこまで否定し尽くそう>>続きを読む

母の聖戦/市民(2021年製作の映画)

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「蔓延する誘拐ビジネス」みたいなニュース記事を目にしたことがあったのでびっくりはしなかったけれど、それがリアルなドラマに昇華させられているのを見せつけられるとやはり怖い。なにより怖いのは、知人も友人も>>続きを読む

ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)

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悲惨な物語が展開するなか、黒犬のエピソードや野球のエピソードが少しばかり心を和ませてくれる。そのあたりちょっとアメリカ映画っぽいかなと思っていたら、終盤には遺書にまつわる湿気の強いエピソードが綿々とつ>>続きを読む

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

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登場人物がいっぱいで、しかも展開がスピーディーなので、前半はいささか取り残され気味。でもまあなんとか付いていけたのは、基本的にシンプルな勧善懲悪の物語だったからだろう。記者グループのなかの仲間割れとか>>続きを読む

猫たちのアパートメント(2022年製作の映画)

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はたして何割の猫ちゃんが無事に引っ越すことができたんだろう。何が起こっているのかおそらくは理解できていないだろう猫ちゃんたちの、こんなにも悲惨な状況に置かれているのに崩さない涼やかで静かな佇まい。それ>>続きを読む

モリコーネ 映画が恋した音楽家(2021年製作の映画)

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モリコーネ教の信者拡大・教化のためのプロパガンダ映画みたいで圧倒的。懐かしい映画の引用のオンパレードで、随所で涙腺が緩んじゃいました。映画音楽以外の作品についてよく知らなかったので、それが聞けたのも余>>続きを読む

離ればなれになっても(2020年製作の映画)

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ひっついたり離れたり、ひっついたり離れたり、まあ人生ってのはそんなことの繰り返しやなぁ、と感慨に浸りたくなる映画なんだけど、登場人物が突然観客に向かって語りかけてくる場面が幾度かあって、それは経済的に>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

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お正月、やんやかんやでバタバタし、やっと見れたがこの映画、お屠蘇気分も加わって、もろ手を挙げての大満足、☆は付けない主義だけど、文句なしの☆五つ、今年のベスト!と叫んだものの、ありゃりゃこれは一本目、>>続きを読む

MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

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こんなふうに展開するとは思いもよらんかった。半端なく炸裂する作者のしてやったり感が心地よい。ほんまようやるわ。女の妄想と男の妄執、現実と非現実(というか超現実)、そしてそれらの対立と融合。どちらに身を>>続きを読む

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

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家族の結束やそれを外敵から守っていく強い父親像というモチーフがどうにも心に響いてこない我が身の屈折が情けない。展開はいささか冗長で、盛り込まれた反捕鯨メッセージもいささか手垢にまみれた感じだけど、でも>>続きを読む

フラッグ・デイ 父を想う日(2021年製作の映画)

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かなり困りもんのお父さん。そんなお父さんの生まれや育ちや日々の暮らし、そして奈落の底へと落ちていく、そんなお父さんの生き様を、僕はもっと見たかった。お父さんとショパンがどんなふうに出会ったのか、そんな>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

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フィルム撮影による落ち着いた画質と抑制的な語り口。そのなかにインタビュー場面や試合のビデオ画面やスチールショット、さらにはサイレント映画みたいな字幕の使用までがさりげなく盛り込まれていてリズムを刻む。>>続きを読む